彼女が麦わらの一味に加わるまでの話   作:スカイロブスター

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佐藤東沙さん、青黄 紅さん、Nullpointさん、誤字報告ありがとうございます。

※今話は劇場版FILM REDの内容に触れます。御注意ください。

※時系列を間違えていたので、修正しました(2/11)


40:はるばる来たぜエレジア

 エレジアという島の場所ははっきりしない。

 東の海とも南の海とも“楽園”にあるとも語られているが、一方でそれらの海の出身者は覚えがないと語る。

 

 ただはっきりしていることは、かつて音楽の都と謳われたこの島嶼都市国家は5年以上前に、赤髪海賊団の襲撃で壊滅したと報道されている。人口数百人の住民は全滅し、島の街は壊滅。島を満たしていた音曲が絶えて久しい。

 

 しかし、この島にはたった二人の生存者が今も暮らしていて、善意の交易船が定期的に寄港し、物資が届けられているという。

 そんなか細い噂を頼りに情報を集め、エレジア近海行きの貿易船に乗り、いくつか貨客船を乗り継いで(時には密航も)、エレジア交易船へ乗ることに成功。

 

 そうしてようやっと辿り着いた先のエレジアは、小さな島だった。

 島の大半は休火山と火山湖が占めており、市街地は島の南部にあって、港が市街地東西に二つ。さらに水道橋でつながった小島には超大型海王類の骸骨が鎮座している。

 

 スループ型交易船の甲板からエレジアの姿を眺め、ベアトリーゼは物憂げな顔で言った。

「遠目には町の姿を保ってるようだけど……これまで復興や新規入植の話はなかったの?」

 

「滅んで間もない頃にぁそんな話もあったらしいですがね。どういう訳か立ち消えになっちまったようで、ゴードンさんと“娘さん”の2人暮らしのまんまでさぁ」

 船長がパイプを吹かしながら応じる。

 この船旅の序盤、ベアトリーゼが海賊船を“刺身の船盛”に変えて以来、船長以下全ての船員達は『ベアトの姐さん』と敬語だ。

 

「赤髪の虐殺を生き延びた唯一の生存者か」ベアトリーゼは少し考え込み「島を離れず親子二人だけで廃墟島暮らしとは、のっぴきならない事情がありそうだ」

「こんなとこまで足を運んできた姐さんもそのクチでは?」

 諧謔を滲ませた船長に、ベアトリーゼは微苦笑を返した。

 

      〇

 

 少女は残骸と化して久しい街の一角から、港を眺めていた。

 

 今日は交易船の寄港日だ。外部の人間と接せられる貴重な機会なのだけれど、

 ――あの人達はどうせすぐに出ていく。あの人達も私を“置いていく”。

 少女は遠き日の記憶と心の傷により彼らとの接触を――すぐに別れを迎える出会いを受け入れられず、こうして遠目に異邦人達を眺めるだけだ。

 

 港で保護者兼指導者のゴードンが交易船の船長と背の高い美女と何やら話し込んでいた。

 交易船は善意で廃墟のエレジアに立ち寄っているから、持ち込む物資もそう多くない。が、ゴードンも謝礼として作成した楽譜や書き記した音楽書を提供している。

 随分前に立ち聞きしたところ、ゴードンは世界的に知られた音楽家で、ゴードン作の楽譜や音楽書はその筋で高値がつくという。

 つまるところ、このささやかな交流は正しく交易だ。物資と文物の交換。

 

 ゴードンのリヤカーに物資が山ほど積み込まれ、交易船は街の井戸から組み上げた飲み水をたっぷり補給して出港していく。

 

 寂寥感と孤独感と行き場のないドロドロとした負の感情が少女の胸に湧き上がる。

 ああ。ほらみろ、すぐにさよならだ。私はまたゴードンと二人きりで、誰に聞かせることもない歌と音楽を学ぶだ―――け?

 

 ゴードンの傍らに美女が残り、出航していく交易船を見送っていた。

 ? ? ? ? どういうこと? あの人はなんで残ってるの?

 

 混乱しながらも美女をまじまじと窺う。

 癖の強い夜色のセミロングをローポニーにまとめ。暗紫色の瞳が印象的な細面。長い手足と引き締まった体つき。

 細身のワークパンツとフードジャケット。両腕に奇妙な装具を装着していて、腰に装具ベルトを巻いており、後ろ腰には交差するように大きな鞘を二本下げていた。

 

 美女は不意にこちらを向き、アンニュイ顔に微笑を湛える。

 

 気づかれた!?

 大きく驚く少女を余所に、美女は大きなバックパックを軽々と背負い、リヤカーを牽くゴードンと共に王宮へ向かって歩き出した。

 

 どういうことなの?!

 混乱する少女は疑問を解くため、自身も王宮へ向かって駆けていく。

 ウサミミ状のロー・ツインテールに結い上げられた紅白二色の長い髪が、少女の感情に比例して大きく揺れていた。

 

      〇

 

 住民の絶えたエレジアの街は廃墟と瓦礫ばかりであり、風化と植物に飲まれつつあった。

 雑草と苔にほとんど食われかけた石畳の通りを歩きながら、ベアトリーゼは思う。

 ポスト・アポカリプスでこんな街並み見たことあるな。山寺宏一が主人公の声を当ててた……何だっけ? んー……ダメだ。もう思い出せない。

 元より穴の開いた靴下みたいだった前世記憶だ。過酷な今生と相まって抜けも多い。

 

「それにしても……」

 物資満載のリヤカーを牽くゴードンが独りごちるように言葉を編む。

「古エレジア式楽譜など本当に久し振りに見た。この国ならともかく、外によく残っていたな」

 

「残っていただけで読解法が伝わっていなくてね。もはや古代語と同じだよ」

 ベアトリーゼは懐から黒い手帳を取り出し、鼻息をつく。

 

 黒い手帳に記されていた内容はベアトリーゼの過去というより、ある血筋についての調査と考察の記述だった。しかも、最も重要らしい情報はいずれも見たこともない文字で書かれており、読解困難だった。

 

 マーケットの古書街で店を巡り歩き、まず言語学系や記号学系の書籍で文字の正体を探り、謎の文字が古エレジアの楽譜に用いられる楽譜用記号と判明。今度は音楽書籍系の書物に当たって読譜を試みるも、古エレジア式記譜法の読み方を記した書物は、マーケットにすらなかった。

 かくして、ベアトリーゼは古エレジア楽譜の読譜のため、はるばるエレジアまで足を運んだわけだ。

 

 緑に食われつつある街を横目にし、ベアトリーゼは続ける。

「エレジアが滅んで久しいと聞いた時は、もうどうにもならないかと思った」

 

「この国が健在だった頃でも、古エレジア記譜法で書かれた楽譜を読める者はそう多くなかったよ」

 ゴードンは顔に哀切と寂寥とわずかな懐古を湛え、

「音楽学の研究者でも無ければ、古エレジア記譜法などまず触れないからね」

 興味深そうにベアトリーゼへ尋ねた。

「その手帳に楽譜を記した者はエレジアの縁者なのかい?」

 

「分からない。それも含めて調べに来た」とベアトリーゼは黒い手帳を懐へしまう。

「酔狂なことだ」

「それを貴方が言うのか?」

 ベアトリーゼは物憂げ顔でリヤカーを牽くゴードンを一瞥し、

「赤髪がこの島を滅ぼす以前、貴方は王だったと聞いた。エレジアは加盟国だったそうだし、世界政府へ再建なり復興なり申し出なかったのか?」

 周囲へ視線を巡らせる。顕微鏡でシャーレを覗くような目つきで。

「街並みを見る限り、被害は深刻だけど、再建できないほどでは無いように思う」

 

「知己を得たばかりだというのに、ズバリと踏み込んでくるね」

 無礼かつ非礼な問いに対し、ゴードンの反応は静かだった。色の濃いサングラスに隠され、双眸にどのような色が浮かんでいるかは分からない。が、少なくとも声色に怒りや不快は籠っていない。

「……音楽を愛する人々が何世代にも渡って築き、積み上げてきたものがエレジアだった。彼らの生きる日々がエレジアだった。彼らが失われた今、街並みを復興しても、外部から入植者を招いて国を再建しても、それはもうエレジアではないよ」

 

「つまりこの街は巨大な墓標で、貴方は墓守人か」

 ベアトリーゼの侮辱すれすれの物言いに、ゴードンは自虐的に喉を鳴らす。

「遠慮の欠片もない言い草だね」

「私は言うなれば、墓荒らしに来た人間だ。腹に一物を秘めているより率直な方が良いだろう?」

 

「その意見もまた、相手に配慮しているようでしていないな」

 ゴードンは短いやり取りの中で、ベアトリーゼという女が分かってきた。

 これはまた癖の強い女性だ。ウタと上手くやっていけるだろうか……

 

      〇

 

「この子はウタ。私の教え子だ」

 酷く損傷した王宮に到着し、ベアトリーゼはゴードンの“教え子”――縁起の良さそうな紅白二色頭が特徴的な16歳の美少女を前にして即座に確信する。

 

 この存在感ある容姿は原作ネームドですね、間違いない。

 原作知識がエニエスロビー編以降ほとんど無いに等しいベアトリーゼは、劇場版アニメなんかろくすっぽ見たことがない。なんか一時騒がしかったな、くらいの印象があるだけだ。

 余談ながらウタが登場する劇場版『FILM RED』は日本アカデミー賞作品を鼻で笑い飛ばせるほどの興行成績を上げ、ウタはアニメキャラクターながら紅白歌合戦にも出演したのだ。

 が、ベアトリーゼはこうした情報を全然覚えていなかった。あーらら。

 

「……ウタよ」

 警戒心と不安と少しの好奇心が入り混じった目つきは、子猫を思わせた。

 

 あら可愛い。懐かせたくなってくるわ。

「私はベアトリーゼ。よろしく」

 ベアトリーゼはさらっと名乗り、

「最初に明かしておくけど、私は賞金首だ。とはいっても海賊じゃないし、堅気相手に悪さしたことはないから安心して良い。それと、ここには調べ物で来た。用事が済んだらさっさと出ていくよ」

 しれっと言ってのけた。

 

 呆気にとられていたウタは、ぎろりと師であるゴードンを睨む。どういうこと、と薄紫色の瞳が詰問している。

「あー……一応事情は港で聞いた。ウタ、彼女は確かに賞金首で追われる身だが、一般人を襲ったことはないそうだ。私達に危害を加えることはない、と思う」

 ゴードンの説明を聞いても、ウタは納得しない。猜疑心たっぷりの目つきでベアトリーゼを睨めば。

 

「コワクナイヨー」とベアトリーゼは物憂げ顔に悪戯っぽい微笑を湛えた。

 からかわれたと感じ、ウタは両頬をぷくりと膨らませる。後頭部のウサミミ髪がぴこんと起立した。

 

 閉鎖的な環境で幼少期と多感な時期を過ごしてきたウタは、世間知らずであり、対人コミュニケーション能力が幼児期で止まっており、つまりまあ、16歳という年齢と出るべきところが出た体つきに反していろいろ幼い。

 

「バカにしないでっ!」

 頭一つ分は背が高いベアトリーゼへ噛みつくようにウタが抗議するも、

「とりあえず、空き部屋に案内してくれる? こんだけデカい建物ならまだ泊まれる客室の一つくらいあるだろ?」

 ベアトリーゼはひらひらと手を振って図々しく応じるだけ。

 

 あまりに太々しい立ち居振る舞いに、ウタは眉目をこれでもかと吊り上げた。ウサミミ型の髪が怒気に合わせて震えている。怒りの切っ先を師に変え、吠える。

「ゴードンっ! なんでこんな人受け入れたのよっ!!」

 教え子の怒声を浴び、ゴードンはこれからの日々を想像して眉間を押さえた。

 

 

 

 で。

 

 

 

「押しかけ居候をさせてもらう訳だから」

 客室に荷物を置いてから、ベアトリーゼが厨房で夕餉をこさえ始める。

「料理なんて出来るの?」と厨房の出入り口から怪訝顔を向けるウタ。

 

「ああ。得意料理はお刺身だよ」

 聞く者が聞けば顔を蒼くする回答だが、事情を知らぬウタは「刺身なんて魚の身を薄切りにするだけじゃない」と和食料理人が聞いたら憤慨しそうな返しを告げる。

「心配しなくても、食べられるものを作るよ」

 

 ベアトリーゼは肩越しにウタへ応じ、食材を下拵えしていく。

 刃物の扱いがやたら上手いことを除けば(やはりその理由を知らないウタは気にしなかった)、ベアトリーゼの料理は“普通”だった。

 野菜と魚介の煮込み料理(アクアパッツァ)。ホタテのソテー。タコとトマトのアヒージョ。

 

 手際よく料理を作っていくベアトリーゼの背へ、ウタは質問を放る。

「調べ物に来たって言ってたけど、ここで何を調べるのよ?」

 

 ベアトリーゼは赤ワインをグラスに注いでクイッと呷り、煮込み料理の味を確認。ウタへ顔を向けずに反問した。

「ウタちゃんは古エレジア式記譜法に詳しい?」

 

「知らない。古エレジア式記譜法なんてもう誰も使ってないもん」

 ウタちゃん、と小さな子に話し掛けるような口調が面白くなく、ウタはどこか挑むように答えた。ウサミミ髪がピコピコと揺れている。

 

 が、ベアトリーゼは気に留めることなく鍋の煮汁を小さじですくう。

「それがここに来た理由だよ。今じゃ誰も使ってないから、エレジアまで来る必要があった」

 煮汁を味見し、ベアトリーゼは鍋の煮汁を少しばかり小皿に取り分けてウタへ勧めた。

「ちょっと味見してみて」

 

 ウタは警戒心が強い猫のようにそろりそろりと歩み寄り、小皿を受け取って煮汁を口に運ぶ。美味しかったけれど、なんとなく悔しい。

「……悪くはないんじゃない」

 

 少しばかりヒネた感想に、ベアトリーゼはアンニュイ顔に微苦笑を湛え、

「じゃ、これで良いか。しかし……」

 厨房を見回してから問う。

「ゴードンさんは美食家なのかい?」

 

「そういうわけでも無いと思うけど……なんで?」

 予想外の質問を受け、ウタが不思議そうに小首を傾げる。

「様々な調理器具に豊富な調味料。料理人の腕次第だろうが、これだけ揃っていれば、大抵の料理が作れる。ゴードンさん自身が美食趣味じゃないなら、ウタちゃんのために揃えたのかな」

 

 ベアトリーゼの指摘にウタは目をぱちくりさせた。言われてみれば、ゴードンはこれまでウタに色んな料理を作ってくれた。自給自足できない調味料や食材も少なくないのに。

 すなわち、この調理器具と調味料はゴードンのウタに対する愛情の表れだ。

 

 自分がこれまで気づかなかった事実を来訪したばかりの余所者に指摘され、ウタは羞恥と反発を抱きながら、唇を尖らせた。ウサミミ髪が萎れるように垂れた。

「私が料理するために揃えたとは思わないの?」

 

「ウタちゃんの手は料理をする人間の手じゃないよ」

 ベアトリーゼはさらっと切り返し、グラスを傾けて残っていたワインを干した。

「ゴードンさんを呼んできて。飯にしよう」

 

       〇

 

 ウタにとって遺憾なことではあったが、夕食は楽しかった。

 ゴードン以外の人間と食卓を囲むのは7年振りだったし、“外の世界”に触れることも7年振りだった。ベアトリーゼの話も面白いものだった。

 

 考古学者の親友と過ごした冒険の日々の話。世界最大にして唯一無二の完全自由市場“マーケット”の話。嘘かホントか海王類に丸のみにされた話。想像もつかない海上を走る列車の話。あれやこれや。

 プルプルの実の能力者であることも明かし、指先でパチパチと静電気を踊らせたりもした。

 

 笑みこそ浮かべなかったけれど、ウタも随分久し振りに心が弾んだことを認めざるを得なかった。同時に、ベアトリーゼの話は心に深く刻まれた傷を少なからず刺激した。自分を捨てていったレッド・フォース号の“父達”が、外の世界でベアトリーゼのように冒険の日々を過ごしていると思うと、心の奥で黒く澱んだ何かが酷く疼いた。

 

 だから、食事が終わると、ウタは逃げるように部屋へ戻っていった。

 華奢な背中を見送り、ベアトリーゼはグラスを傾ける。

「……あのお嬢ちゃん。一度も笑わなかったな。バッタの話は私のテッパンなんだけど」

 

「あの話がテッパンというのは如何なものか。いや、私は愉快だったが」

 ゴードンは微苦笑をこぼしてから、ふぅと大きく息を吐いた。

「あの子は幼い時につらい体験をした。接する時は慮ってもらえるとありがたい」

 

「ふむ」

 ベアトリーゼは椅子の背もたれに体を預け、グラスを揺らしながらゴードンへ暗紫色の瞳を向け、

「ゴードンさん。私は明日から早速調べ物を始める訳だが……一つ確認しておきたい」

 問うた。

 

 

「本当に赤髪の海賊団がこの島を滅ぼしたのか?」

 

 

 食卓に沈黙が訪れた。鉛のように重苦しい静寂へ小さな波紋を広げるように、顔を強張らせたゴードンが問い返す。

「……何が言いたいんだね?」

 

 ベアトリーゼは目線をグラスの中の赤ワインへ移し、

「私は物心ついた歳には戦場漁りをしていたし、兵隊暮らしも経験した。海に出てからはほとんど荒事で生計を立ててきた。親友の考古学者から古い物の調べ方を教わった。だから、痕跡を見れば分かる。この街が大海賊によって一方的に破壊されたのか、それとも、激しい戦闘をしたのか、ね」

 再びゴードンへ双眸を向ける。

「さて、改めて質問だ。エレジアに軍隊は?」

 

「……ない」ゴードンは自身の手元を見つめながら「大海賊時代の最中にあっても、軍隊を持つ必要がない平和な国だったことが、王だった頃の誇りの一つだ」

「だが、ここには赤髪海賊団と激戦を繰り広げられる“何か”がいた。街に刻み込まれた痕跡がその事実を物語っている」

 グラスを口元に運び、ベアトリーゼは俯いて黙り込んだゴードンへ告げる。

「喋りたくないなら、それも構わない。知己を得て24時間も経ってないしな。信用云々以前だ。話せないこともたくさんあるだろうさ。

ただ、貴方が喋らないことで、私が何も知らないまま貴方の、あるいはこの島の秘密を暴いても、私は責任を取らないよ」

 

 所詮私は居候なんだからね。と無責任宣言をするベアトリーゼに、ゴードンは頭痛を堪えるように額を押さえ、しばしの沈思黙考の末、グラスのワインを一息で干した。

 そして、ゴードンは決断を語る。

「これから話すことを、絶対にウタへ明かさないと約束してくれ」

 

「貴方がそれで満足するなら」ベアトリーゼは首肯し「約束しよう」

 ゴードンはベアトリーゼを睥睨して大きく深呼吸し、

「……君の推測通りこの島は赤髪海賊団に滅ぼされたのではない。彼らはこの島を救おうとしたが、叶わなかったのだ。この島を滅ぼした本当の元凶。それは」

 どこか懺悔するように言った。

 

 

「歌の魔王だ」

 




Tips
エレジア
 劇場版登場。悩んだ末に人気の歌姫ちゃんと絡ませることにした。

エレジアの場所。
 原作時系列の関係で場所がはっきりしないらしい。

ウタ
 劇場版ゲストキャラ。
 現在16歳。まだ配信行為はしてないので救世主願望は持ってない。

ゴードン。
 劇場版ゲストキャラ。
 歌姫育成中。

ベアトリーゼ。
 エレジアに来島して初日でゴードンの秘密を暴く。せっかち。
 痕跡の調査と分析は、軍隊の捜索追跡技能として教わるもの。

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