彼女が麦わらの一味に加わるまでの話 作:スカイロブスター
海軍ラドー島防衛隊は田舎警察署のようなものであり、もっぱら近海の海難事故に対処する以外に目立った仕事がない。たまーに政府直轄領へ喧嘩を吹っ掛けてくる
そんな緊張感に欠ける日々を送っているラドー島防衛隊であるが、退屈な日々を過ごしているからこそ、出番があると猛烈に張り切る。使命感や義務感をぎらつかせ、戦意と闘志を燃やし、日々の鬱憤を晴らさんばかりに奮戦敢闘するのだ。
当然、ヨットハーバーの銃撃戦が通報されるやいなや、防衛隊司令は隷下部隊をすぐさま出動させた。
「島民の皆様の御宸襟を騒がせる不埒者共を速やかかつ果敢に撃滅せよっ! 何より――このヤマを保安官事務所に奪われるなッ!! 海軍魂ィイイッ!!」
『海軍魂ィイイイイッ!!』
かくして、完全武装の海兵一個小隊がヨットハーバーへ即応出動。
さらにラドー島防衛隊泊地から沿岸警備艇――全長十数メートルの二本マスト帆走艇で舷側重機関銃に加え、前甲板に回転砲架式速射砲を搭載したバムケッチが緊急出撃。
海軍の皆さんはやる気満々。殺る気も満々だ。
○
ヨットハーバーに銃声が轟き続け、夜の静寂が引き裂かれている。
牽制射に頭を押さえられ、両翼から
「ドクトル。荷物をしっかり抱えとけ」
街路樹の陰に身を潜めるベアトリーゼは怯えているドクトル・リベットへ告げ、胸に巻いたプレートキャリアのパウチから閃光弾を取り出す。安全ピンを引っこ抜き、空へ放り投げた。
轟音と共に強烈な閃光が夜闇を吹き飛ばす。
その瞬間を逃さず、ベアトリーゼはドクトルを左脇に抱えて街路樹の陰を飛び出した。
黒づくめ達が発砲してくるが、射撃精度は先ほどより随分と甘い。夜闇に慣れていたところへ浴びせた閃光が効いたらしい。
「ひぃああああああああああああああっ!?」
ドクトルの裏返り気味な悲鳴と鋭い銃声がヨットハーバーに響く。
黒づくめ達のばら撒く弾丸の風切り音と擦過の衝撃を肌に感じながら、ベアトリーゼは右手だけで騎兵銃を構えて反撃の牽制射を撃つ。
向こうも発砲しながら、弾丸を掻い潜るように素早い移動を繰り返し始めた。
プロムナードのツーマンセルへ発砲している間に、ヨットハウスのツーマンセルが一気に距離を詰めてくる。胴に対し、長い腕は肘関節が2つあり、足も大腿部がやけに長い“手長足長”共。
ベアトリーゼが素早く牽制射を放つ。が、3メートル級の図体を持つ“手長足長”共は被弾を物ともせず前進してくる。
加えて、どちらも不可聴域の催眠音波が通じていない。耳栓でもしているのか。
――手強い。こいつらが本命の狩人か。
ヨットやクルーザーが並ぶ泊地へ向かいたいが、こいつらを引き剥がさないことには厳しい。次善案の陸上保管場を目指して激走する。
「ぎゃああああああっ!? 死むむぅぅうっ!? しし死んでしまうぅっ!!」
左脇に抱えたドクトル・リベットが悲鳴を上げ続けていたが完全に無視。両翼から迫る黒づくめ達へ牽制射を繰り返し、黒づくめ達の銃撃を紙一重で逃れながら、走る。走る。走る。ひたすらに走る。
陸に揚げられた舟艇が並ぶ陸上保管場まであと10メートル。8メートル。5メートル。2メートル。1メートル。
聴覚が風切り音を捉えると同時に、
「――やべっ!」
咄嗟に武装色の覇気をまとった刹那。ベアトリーゼの側頭部に強烈な衝撃が走った。
「ぅぎっ?!」
着弾衝撃で上体が強制的に仰け反らせられるも、激走の慣性でベアトリーゼは舟艇の間へ飛び込むように倒れ込んだ。ドクトル・リベットは左脇からすっぽ抜けるように投げ出され、
「のわあああああああああああああっ!?」
悲鳴と共に陸上保管場を転がっていく。
黒づくめ達は速度を落とし、銃の弾薬を再装填しながら陸上保管場へ向けて進む。そこには油断や緊張といった人間味が一切存在しない。
「ぃ……ったいな、クソッ!」
ベアトリーゼは側頭部を押さえながら覆面を引き下げ、胃液混じりの唾を吐き捨てた。間一髪で武装色の覇気をまとうことに成功したが、頭に鉛玉を叩きこまれては無事で済まない。
手酷い頭痛と込み上がる嘔吐感を堪えつつ身を起こし、少し先でケツを空に向けてひっくり返ったドクトルの許へ駆け寄る。
「ききき君は私の護衛だろう!!もっとしっかり安全に私を護って」
吃音症を忘れてなじってくるドクトルの襟首を引っ掴み、ゴミ袋のように引きずりながら舟艇の間を走る。
「ぎゃああああああ!? 私の尻が擦れてるっ! 尻が擦れてるっ! 擦れてるゥっ!!」
「少し黙ってろっ!」
ベアトリーゼが石畳に尻が擦れて悲鳴を上げるドクトル・リベットへ怒声を浴びせた直後。
背後で夜闇を切り裂く発砲光が煌めき、
紅いヨットの陰にドクトルを乱暴に投げ込み、ベアトリーゼはヨットを盾にして騎兵銃を構え、引き金を引いた。騎兵銃の薬室で炸裂した火薬の反動衝撃が銃床を通じて肩を叩く。前床を掴む左腕に力を入れて銃口の跳ね上がりを押さえ込む。
魚人らしきツーマンセルは銃撃を避けて物陰へ飛び込んだ。
一方、手長足長のツーマンセルは回避行動など一切取らず、騎兵銃の弾丸を浴びる。も、弾丸はまるでゴムの塊にめりこんだように殺傷効果を与えられていない。そのため、手長足長達は撃たれても怯みもせず、射撃しながら前進を続ける。
銃弾が通じないならゴリ押しは一つの解としてアリだが――
ベアトリーゼは右手で牽制射を重ねつつ、左手でプレートキャリアのパウチから手榴弾を取り出す。安全ピンを噛んで引っこ抜き、爆発までの猶予時間と手長足長の距離を測り――
投擲。
野球ボール大の手榴弾は“手長足長”の2人の間に落ちると同時に、どかん!
爆炎と高圧衝撃波と無数の破片を浴び、“手長足長”の2人が薙ぎ倒される。身長が3メートルと大きかったことも爆発の被害を大きくしたようだ。
常人なら即死か重傷待ったなしであるが、“手長足長”の2人は全身をズタボロにされながらも、むくりと起き上がる。裂けた着衣の下に鋼板製の防護装具が覗いていた。
そして、“手長足長”の一人が壊れたマスクを外し――
「!?」
ベアトリーゼはギョッと端正な顔を強張らせ、ドクトル・リベットは驚愕で息を忘れた。
月光に晒された“手長足長”の素顔は異形としか言いようがない。
禿頭には小さな突起が幾何模様に並び、双眸は昆虫のような複眼で。外鼻はなく、蛇のように細長い鼻腔があるだけ。口は唇も歯も舌もなく喉奥まで窺える有様で、食物摂取器官の役目を棄てて完全に呼吸器官化されたようだった。
「なんだありゃあ」
あまりにも怪異な顔貌を目にし、ベアトリーゼが戦闘中にもかかわらず怪訝顔を浮かべた傍ら、ドクトル・リベットは愕然として呻く。
「モ、モモモ、モッズ」
「モッズ?」
ドクトルの言葉を聞きとめ、ベアトリーゼが眉根を寄せた刹那。
物陰に退避していた魚人らしきツーマンセル組が射撃を再開。手長足長のペアが損傷した銃を棄て、無手のまま駆けだした。
「!? くそっ!」
ベアトリーゼは即断した。銃弾でも手榴弾でも止められない相手にドンパチなど意味がない。ドクトルの首根っこを引っ掴み、脱兎のごとく逃げた。
ヨットの間を引きずられながら、ドクトル・リベットは慄然と震えながらブツブツと自問する。
「なんでどうしてモッズがこんなところにどういうことなんだどうなってるんだそれにあの姿はなんだありえないありえないありえない」
○
手長足長のツーマンセルが保管場に並ぶヨットやボートの間を逃げ回るベアトリーゼを追いかけている間、魚人らしき黒づくめのツーマンセルは泊地と陸上保管場の連絡通路へ移動していく。
どうやらベアトリーゼとドクトルの装い――ウェットスーツから2人の退路が海にあると判断し、手長足長達を猟犬にして自分達は先回りを図るようだ。
が、魚人のツーマンセルは不意に足を止めた。
常人離れした感覚野を持つ彼らは、正面ゲート前に海軍ラドー島防衛隊の一個小隊が到来したことを察知したらしい。
黒づくめの魚人達はツーマンセルを解き、一人が海軍の足止めを図るべくゲート方面へ向かっていく。残った一人はスチームパンクに近代化されたような小銃のドラム型弾倉を交換し、がちゃりと撃鉄を起こし、猟犬達が獲物を追い立ててくる時を膝射姿勢で待つ。
手榴弾の爆風を浴びてズタボロになった手長足長のツーマンセルは、3メートル級の体躯から想像もつかぬほどの俊敏さで、ドクトルを引きずるベアトリーゼを追い回す。
大腿部の長い脚と肘関節が二つある長い腕を大きく振るい、並ぶヨットやボートを軽々と飛び越え、易々と登り越えていく様は、密林の樹幹を自在に飛び回る猿のようだ。加えて、声帯を持たぬゆえに無言で襲い掛かる姿は、もはや怪人を通り過ぎて怪物としか評しようがない。
ベアトリーゼはドクトルをヨットの脇へ放り投げ、飛び掛かってくる手長足長に騎兵銃を素早く速射する。
弾丸が吸い込まれるようにマスクを外した手長足長へ着弾するも、黒装束の下に着こんだ防護装具に阻まれ、殺傷し得ない。ならばと頭を狙えば、長い腕で頭を庇われてしまう。
――庇った。素の状態なら弾丸が効くのか。
切迫した状況下でもベアトリーゼの冷徹な観察力は機能し続ける。
タフネスと防護装備で強引に距離を詰めた手長足長が、長い右腕を鞭のようにしならせて拳を振るう。ベアトリーゼに避けられた拳がヨットの船体をボール紙の如く砕き貫く。
――化物らしいフィジカルだけど、それだけか。ガープの方がよほど化物染みてたっつの。
飛散する船体木片を浴びつつ、ベアトリーゼは至近距離から手長足長の顔へと騎兵銃を速射。
手長足長は長い左腕を巻き付けるように顔を護り、腕の防護装具に着弾した弾丸が火花と共に跳ねる。
「いただきだ」
守りに入った一瞬の間隙を突き、ベアトリーゼは武装色の覇気をまとった左拳を手長足長のどてっ腹にぶち込む。
蛮姫の拳打が手長足長の防弾板を砕き割り、巨体をくの字に折り曲げさせる。位置を大きく下げた頭。その右複眼に騎兵銃の銃口を突き刺し、
手長足長の後頭部が吹っ飛び、脳と脳漿の混じった血がまき散らされた。鼻腔と口、耳からも大量の血を噴出しながら手長足長が崩れ落ちたところへ、
「ひぃいいいいいいっ!? 助けてくれええええええっ!!!」
背後でマスクが無事な方の手長足長が、ヨットの下からドクトルを引きずり出そうとしていた。
ベアトリーゼは舌打ちと共に、巨体を折りたたむように屈みこみ、長い腕をヨット下のドクトルへ伸ばしている手長足長へ飛び掛かり、無防備な横っ腹を思いっきり蹴りつけた。
武装色の覇気をまとった漆黒の足刀をまともに食らい、手長足長の巨躯がサッカーボールのように吹っ飛んでいく。
「そんなところで何を遊んでんだッ!」
「きききみが私を投げ込んだんだろうがっ!」
ベアトリーゼは冷汗塗れで苦情申し立てをするドクトルの足を掴み、無理やりヨット下から引きずり出し、そのまま駆けだした。
「ぎゃあああああああっ!?」
再び引きずり回されるドクトルの叫喚が響き渡ると同時に、ゲート付近から激しい銃声が轟き始めた。
○
押っとり刀で駆けつけた海軍ラドー島防衛隊の一個小隊は、困惑に駆られていた。
彼らが陸上保管場へ近づくと、物陰に潜んでいた賊徒の一人が掃射を浴びせてきた。待ち伏せによって負傷者が出たが、小隊は挫けずに応戦。散開して遮蔽物の陰からブラウンベス似の小銃をガンガンぶっ放す。
双方の発砲炎が激しく煌めき、大量の弾丸が飛び交った。流れ弾にヨットハウスの壁が穿たれ、窓ガラスが砕かれ、ヨットやクルーザーに弾痕が刻まれ、石畳が削られ、花壇や植え込みが千切れ飛び、跳弾が火花を踊らせる。
夜闇の中で繰り広げられる弾丸の応酬により、海兵達に被弾者が生じ、賊徒も何発も被弾する。
が。黒づくめの大柄な賊徒は平然と乱射を続け、あろうことか被弾しながら泰然と弾倉の交換作業までしていた。
「なんなんだあいつはっ!? 撃たれたら大人しく死ねよっ!」
指揮官の中尉が思わず罵倒する。
「あの野郎、服の下に防弾板を仕込んでやがるっ!」先任軍曹が毒づき「中尉、小銃弾じゃダメですッ! どうしますかっ!?」
「構わんから撃てっ! 全身を完全に覆えるわけじゃないっ! 関節や装甲の無い部分に当たれば効くはずだっ! それに装甲板だっていつかは限界を迎えるっ! とにかく撃てっ! 撃ち続けろっ!!」
中尉はヤケッパチ気味に怒鳴り、電伝虫を担ぐ通信兵へ吠えた。
「本部に報告しろっ! 賊は防弾装備の重火力、我が方の小銃では効果なし! 重装備の応援を乞うっ! 急げっ!」
通信兵が大慌てで中尉の命令を本部へ報告していると、陸上保管場と泊地の連絡通路からも激しい連射音が響き始めた。どうやら陸上保管場方面に弾幕を浴びせているらしい。
「くそぅ、いったい何が起きてやがるんだっ!?」
中尉の疑問に答えられる者はいなかった。
一方――
「後はここを抜けるだけなのに」
ベアトリーゼはクルーザーの陰から連絡通路を窺い、すぐに頭を引っ込めた。直後、飛来した弾丸がクルーザーの身肉を穿ち、削ぐ。風切り音と着弾音と船体木片を浴びつつ舌打ちする。
「泊地まで遮蔽物無し。相手は
ステューシー曰く、ヨットの中に潜水服を用意してあり、海中にスーパートビウオライダーを隠してあるという。
私一人なら武装色の覇気で身を護りながら強行突破できるけど。ベアトリーゼは疲労と憔悴で悄然としているドクトルを一瞥し、控えめに唸った。御荷物の方は一発でも食らったらアウトだし、参ったな。
蹴り飛ばした手長足長が戻ってきたら面倒になる。何とかその前にステューシーの用意したヨットに辿り着きたい。正面ゲートの方から届く幾重ものの銃声は黒づくめと海軍の戦闘騒音だろう。黒づくめに加えて海軍の相手までやってられない。
「ドクトル」ベアトリーゼは騎兵銃の弾薬を装填しながら「あの黒づくめ共について何か知ってるなら、情報を寄こせ」
ドクトル・リベットは眉毛の無い顔をベアトリーゼへ向け、汗塗れの額を押さえて呻く。
「あああ、ああアレは、アレらはおおおそらく、モッズだ」
大きく息を吐き、ドクトルは吃音症を忘れてまくし立て始めた。
「フランマリオンの生命科学研究は超人類の創生を目的としていたが、生み出した技術の応用や発展も研究されていた。可能性と多様性を追求するためにな。その一つが奉仕種としての人造人類の創造だ。神に天使が侍り従うように、神たる次元に達した超人類に奉仕する者達は、下々の雑民ではなく専属の優等種でなければならない。モッズはそうした奉仕種人類の研究で生まれた人造人間だ」
ベアトリーゼは端正な顔を歪めて吐き捨てた。
「この世界の科学者にはモラルってもんがないのかしら」
「問題はアレらが
ドクトルが差別用語を用いて呻く。
ワンピース世界にはホモ・サピエンス以外の人類も数多く存在する。巨人、魚人、手長人、足長人、蛇首人、小人、獣人然としたミンク族……。原作において魚人を“魚類”と差別する様子が描かれていたが、人間の本質から言って魚人“だけ”を差別するなどあり得ない。
人という種が目や髪、肌の色ですら差別することを考えれば、他人種を純粋ヒト種の亜種を見做して差別する純粋ヒト種至上主義が存在しても、なんらおかしくないのだ。
「フランマリオンは研究や実験において亜人共を利用することはあったが、実用ベースに亜人を利用することはなかったんだっ! 亜人のモッズが存在することはありえないっ!」
ドクトル・リベットが喚き散らした直後。
ヨットハーバー沖に海軍ラドー島防衛隊の警備艇が姿を見せ、船首とメインマスト櫓に据えた探照灯を輝かせ、ヨットハーバー一帯を照らし出した。前甲板の回転砲架式速射砲と舷側の重機関銃がヨットハーバーへ向けられる。
「いよいよ厄介なことになってきた」
ベアトリーゼが忌々しそうに毒づいた直後。蹴り飛ばした手長足長が戻ってきて、こちらに向かって猛然と駆けてくる。ますます渋面を濃くし、ベアトリーゼは暗紫色の双眸を細めた。
「……邪魔臭い奴」
刹那。
○
火砲は戦場の神だ。
その歌声は味方を奮い立たせ、敵を恐怖させる。
警備艇に搭載された速射砲は艦載砲としては豆鉄砲の部類だったが、砲声は小銃とは比較にならないほど大きく、雄々しく、恐ろしい。放たれた砲弾は海兵達を撃っていた黒づくめの賊徒の至近距離に着弾し、2メートルの体躯を子猫のように吹き飛ばす。
爆発衝撃波が駆け抜け、もうもうと爆煙が立ち上る中、海兵達が歓声を上げる。も、歓声はすぐさま恐怖と困惑の呻き声に代わる。
なぜなら、黒づくめの賊徒がむくりと立ち上がったからだ。
バケツをひっくり返したように体中から大量の血を垂れ流していても。砲撃によって右腕をもぎ取られていても。身体が斜めに傾ぐほど腹の肉を抉り損なっていても。
立ち上がったズタボロの賊徒は指の足りない左手で腰から大きな拳銃を抜き、戦闘を続けようとする。
「ぅわあああああああああああああああっ!?」
海兵達はパニックを起こし、躍起になって銃弾を賊徒に叩き込み続ける。
賊徒が倒れ、動かなくなっても、中尉と先任軍曹が『射撃やめ!』と叫んでも、兵士達は銃が弾切れを起こすまで撃ち続けた。
「本当になんなんだよ……っ!!」
中尉の呻きは小隊の総意だった。
Tips
モッズ
名前の由来は『改造』を意味する英語『Mod』から。
元ネタは砂ぼうずに登場する人造人間。
原作ではアンデッドやガーディアンと呼ばれ、設定的な詳細が語られなかったが、超先進的な科学技術で作られているようだ。
本作では顔貌をより怪物っぽくオリジナルにしているが、原作ほど不死身じゃない(原作だと首だけになっても死なない)。
純粋ヒト種至上主義。
独自解釈。
魚人差別があるなら、多種族に対する差別だってあるわな、と。