彼女が麦わらの一味に加わるまでの話   作:スカイロブスター

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6:プランを立てよう

 焼き牡蠣のナッツ和え・チリソース付き。

 マトンと根菜の激辛煮込み。

 野菜たっぷりの炒め米粉麵。

 そして、氷でキンキンに冷えた炭酸割りの大ジョッキ。

 

 宿近くに並ぶ屋台で、ロビンとベアトリーゼの2人は些かジャンクな夕餉を摂っていた。

 日が落ちて空にでっかいお月様が浮かぶ中、マーケットはランタンやネオンの輝きで満たされ、賑々しい喧騒に包まれている。

 

「辛いっ! でも美味いっ! 美味いっ! けど辛いっ!」

 マトンの激辛煮込みに歓声を上げるベアトリーゼ。ロビンは焼き牡蠣を摘まむ。甘辛なチリソースとナッツのカリカリした食感が焼き牡蠣の美味さを一層引き立てていた。

 

「うん。美味しい」

 蒸留酒の炭酸割りを口に運び、ロビンは激辛煮込みに翻弄される相棒へ話を振った。

「例の件、ビーゼはどう考えてるの?」

 

 ポーネグリフ関連の資料――海賊ヌーク兄弟が持つ『冒険家ハッチャーの日誌』をどうやって手に入れるか。

 騒々しいとはいえ、誰が聞いているか分からないので、言葉は曖昧な物になる。

 

「穏当な方法で手に入れることは無理」

 激辛煮込みで大汗を掻いたベアトリーゼは、炒め米粉麺へ標的を変える。

「あー……お野菜の味わいとツルツルの麵が舌に優しい……」

 

 件の古書店でポーネグリフ関連資料『ヴァイゲル草稿』を購入したことで、資金は大きく減っているから、ヌーク兄弟から『ハッチャー日誌』を買い取ることは難しい。まあ、いくら積んでも売ってくれそうにないけれども。

 

「不穏当な方法なら可能なの?」

 悪戯っぽく微笑み、ロビンも激辛煮込みへ手を伸ばし――

「! 辛いっ!」

 秀麗な顔を大きく歪め、慌てて大ジョッキを傾けた。

 

 なんとも可愛い反応を見せた相棒に微苦笑しつつ、ベアトリーゼは米粉の野菜に混じっていた海老を摘まむ。

「不穏当の方向性に依る。スマートに行くか、こっそりと行くか、荒っぽく行くか」

 

 1:スマートに。詐欺師の如くヌーク兄弟からハッチャー日誌を騙し取る。

 

 2:こっそりと。闇夜に忍ぶ黒猫の如くヌーク兄弟の下へ侵入し、日誌を盗み取る。

 

 3:荒っぽく。ヌーク兄弟一味を力づくで蹴散らし、日誌はおろか全てを奪い取る。

 

 賢く聡明で冷静沈着な『悪魔の子』ニコ・ロビンならば、ヌーク兄弟の懐へするりと入り込み、日誌を騙し取れるだろう。

 ただし、詐欺に気付いたヌーク兄弟が追ってくる可能性がとても高い。鬱陶しい事になる。

 

 歳若いながら恐るべき戦闘能力を持つ『血浴』ベアトリーゼならば、ヌーク兄弟一味を壊滅させ、日誌もオタカラも全て奪い取れるだろう。

 大騒ぎを起こしたら、島から離れることが難しくなりそう。厄介な事になる。

 

 となれば、誰にも見つからず密やかにヌーク兄弟の拠点へ侵入し、正体をバレぬまま日誌を盗み出し、速やかにこの島を離れた方が良い。

 ただし……ベアトリーゼとロビンがポーネグリフ関係の古書を探していることをナップ少年と古書店主が知っている。あの2人はヌーク兄弟へ情報を売るだろう。

 なんたって、マーケットでは誰が何を売っても良いのだから。

 

「口封じを――」

「止めて」

 ベアトリーゼの言葉を遮るロビンの声には、切実な響きがあった。

 

 クソ生意気だろうと子供は子供。大人が守ってしかるべき存在。大事な親友に子供殺しなどというおぞましいことはして欲しくない。

 それに、あの魚人店主は母や師や同胞のことを覚えてくれている。母達が邪悪な科学者ではなくこの世界の真実へ命を懸けたことを知ってくれている。傷つけてほしくない。

 

 過酷な人生を送りながらも、ロビンは良心や善意といった人間の最も高貴な資質を失っていなかったし、心に柔らかな部分を残していた。それはベアトリーゼという心の許せる存在を得ていたから、かもしれない。

 

「分かった。この件は無しね」

 地獄の底より酷ェ蛮地で生まれ育ち、野蛮人のマナーが骨の髄まで染みついているベアトリーゼは違う。徹頭徹尾、荒事のプロらしく必要なら子供だろうが妊婦だろうが容赦なく躊躇なく殺せる。快楽殺人鬼ではないから必要のない殺しはしないだけだ。

 だから、というわけではないけれど、ベアトリーゼはロビンの善性を好み、尊ぶ。いわば外付けの良心。

 

「諸々を考えると、こっそりやって、素早くこの島から離れる、がベスト。つまり」

 ベアトリーゼが大ジョッキを口へ運び、酒精と炭酸の爽快感を楽しむ。いつものアンニュイ顔に悪ガキの微笑を湛えた。

「私達は女怪盗になるわけだ」

 

「それは――」

 ロビンも悪戯っぽく口端を緩める。

「楽しそうね」

 

 

 

 で。

 

 

 

 宿に戻って計画の詳細を詰めていると、不意にベアトリーゼが強く告げた。

「そだ。怪盗をやるなら、全身スーツを着ないとっ!」

 

「……なんて?」

 ロビンは目を瞬かせながら、小麦肌の相棒を見た。マジだった。

 

「女怪盗は全身スーツを着るものなんだよ。お決まりって奴さ」

 ふんすと鼻息を荒くするベアトリーゼ。本気で言っているらしい。

「そんな決まり、聞いたこともないけど……」と呆れ顔になったロビン。「どこの誰が言い出したの?」

 

「細かいことは良いのっ!」

 ベアトリーゼはロビンの問いを一蹴する。

 

 スカタンな前世記憶が強く囁くのだ。

 キャットウーマンだってブラックウィドウだってブラックキャットだって全身レザースーツだったのだから、凄腕の美女怪盗はレザースーツを着なければならないのだと。

 それに、レザースーツでなければ、全身タイツかレオタードではないか。そんな特殊性癖な恰好をするくらいなら、レザースーツの方が良いではないか。

 

「ビーゼの普段の服自体、全身スーツみたいなものでは?」

 ロビンの指摘通り、ベアトリーゼは暗橙色の皮革製タイトジャケットとスリムパンツを着用している。同色の上下だから全身スーツっぽい。

 

「……とにかく全身スーツを着るのっ!」

 ベアトリーゼは強引に話を押し通した。

 

 ロビンはバカな妹を見る姉の顔でやれやれと溜息を吐いた。

「スーツはともかくとして、いろいろ準備しないとね」

 まずは獲物の情報収集から。

 

      ○

 

 ヌーク兄弟。

 コッカとペップのヌーク兄弟はとっても仲良し。2人とも三十路で身長3メートル前後で体重300キロという巨漢だ。コッカは素肌の上に鋲付革ジャンを着こみ、ぴちぴちレザーパンツを穿くハードゲイスタイルなサディスト。ペップは革製のベストと短パンというハードゲイスタイルなナルシスト。

 

 コッカはシュワシュワの実を食った炭酸水人間で、ペップは肉体超強化を得意とする武装色の覇気使い。

 兄弟は共に凶暴で残忍で獰猛なクソ野郎で、兄弟に従うヌーク兄弟海賊団の面々も人殺しと拷問と強姦が大好きなクズ共だ。

 

 そんなクソッタレ兄弟とクズ共は現在、マーケットから離れた荒野に労働キャンプを作り上げており、自分達が誘拐したりマーケットで買ったりして集めた奴隷達を使い、遺跡の発掘を行っている。

 

 荒野を照らす鮮烈な曙光を浴びながら、

「フォ――――――――ッ!!」

 コッカが奇怪な雄叫びを響かせ、朝のラジオ体操ならぬ朝の高速腰振り運動を行っていた。

 マシュマロマンのような締まりのない体躯。垂れ流される汗。揺れる贅肉。朝日を浴びる腋毛とギャランドゥ。

 

 あまりに汚い絵面を前に、控えている奴隷がげんなり顔を浮かべた。

 

 寝起きの腰振り1000回済ませ、コッカは奴隷から受け取ったタオルで汗を拭い、奴隷が用意した炭酸飲料を手に取り、

「ブ――――――――――――――ッ!」

 盛大に噴き出した。眉目を吊り上げて奴隷を睨みつける。

「セイセイセイセーイッ! ドぬるィじゃねーかっ! ドぬるいコーラなんぞ、人道に対する最悪の叛逆だぞテッメェ~ッ!」

 

「ひぃっ!? お、おおお、お許しをっ!?」

 奴隷が怯えて許しを乞うも、ぬるい炭酸飲料が我慢ならぬコッカは怒り心頭であり、加虐性癖から奴隷の怯懦した顔に興奮し、もはや止まらない。

「ダァメだ―――許さーんっ!! 叛逆者はぁ粛清だ――――ッ!」

 

 コッカは大きな手で奴隷の顔を鷲掴みし、シュワシュワの実による炭酸水放出。怒涛の勢いで噴出した炭酸水は奴隷の鼻腔や口から体内に注ぎこまれ、器官や肺に流れ込んだ炭酸の発泡が激烈な苦痛をもたらす。

 溺水による酸欠と発泡の苦痛に奴隷は激しく身悶えし、痙攣し、そして、白目を剥いて、窒息死した。

 

「フ―――――――――――――キモチィ―――――――――――――ッ!!」

 死体を投げ捨てたコッカは再び雄叫びを上げ、労働キャンプに響き渡った。

 

「おはよう、兄貴ィ。今日も朝からぶっ飛ばしてるなぁ」

 コッカへ親しげに声をかける似た顔立ちの巨漢は、ヌーク兄弟海賊団副長にして弟のペップだ。肉達磨な兄貴と違い、ペップはボディビルダー的な逆三角体形のスーパーマッチョ。

 病質的ナルシストのペップは常に美しい姿勢――ポージングを取っている。今は両腕を挙げるフロントバイセップス中。

 

「まーた奴隷を殺しちまったのかィ? 奴隷だってタダじゃーないンだぜェ」

 サイドチェストに切り替え、ペップは兄コッカへ苦言を呈す。

「船員達も陸に上がりっぱなしでイラついてンだ。兄貴があんまし暴れまくっと船員共も真似して奴隷をイジメ殺しちまう。少しぁー自重してくれィ」

 

「セイセイセイッ! 朝っぱらから小言は止めやがれ、弟よ」

 コッカは疎ましげに耳を押さえながら腰をひと振り。

「発掘自体は順調に進んでンじゃねーか。問題ねェだろ?」

 

「経費を無視すりゃーな。ただでさえ覚醒剤(ハッカ)まで食わせてるし、深層の採掘に合わせて送風機も増やさなきゃならねェ。このうえ奴隷を頻繁に殺してたらアシが出ちまうよォ」

 モストマスキュラーに変更し、弟ペップは楽観的な兄コッカへ言った。

 

「わーった、わーった。まずは朝飯にしよう。朝はしっかり食わねェと体に悪ィからなっ!」

「俺は計算したカロリー以上は食わねェよォ。このうつくすィ肉体を損なっちまうからなァ」

「飯に頭を使うなんてテッメ~はまったく変な野郎だぜ」

「俺の美貌は日々の努力で維持されてるのさ、兄貴ィ」

 身長3メートル・体重300キロの巨漢兄弟はそのまま食堂である大天幕へ向かっていく。溺死した奴隷の死体など見向きもせずに。

 

 

 

 

「とんだ変態兄弟だな」

「兄はシュワシュワの実の炭酸水人間。弟は強力な覇気使い。どちらも厄介よ」

 偽装布を被って身を隠しつつ、ベアトリーゼとロビンは太陽を背にしながら遠巻きに労働キャンプを探っていた。

 

 労働キャンプ周辺はバラ線で覆われ、監視用の櫓が組まれている。発掘作業をしているらしい現場には大きな坑道口が開けられ、廃土と送風用の器材まで持ち込まれていた。想像以上に本格的かつ大規模だ。

 

 ベアトリーゼがロビンに問う。

船員(クルー)に厄介なのは?」

 

「能力者がもう一人いるみたい。甲板長を務めるジェーコ。動物系の悪魔の実ヤモヤモの実を食したヤモリ人間らしいわ。他の船員も場数を踏んだ連中が揃ってるようね」

「ヤモリ人間。なんかイメージし難いな」

 2人のうら若き乙女の目が海賊達の集まっている大食堂テントへ注がれた。

 

「「……」」

 

 居た。食堂である大天幕にヤモリが居た。

 男なら涎を垂らしかねないほどエロティックな肉体美を持つヤモリ頭のイケ女が、上品にフレンチトーストを食べている。

 あれはヤモリ人間というより、ヤモリの被り物を被っているだけでは?

 乙女2人が揃って首を傾げた。

 

     ○

 

 準備過程で情報を集めた結果、どうにも面倒臭いことが分かった。

 ヌーク兄弟はこの島にある遺跡の一つを発掘しているらしい。

 

 ポーネグリフ関連の資料と合わせ、ひょっとしたら『失われた100年』絡みかと期待したが、どうやらこの島の遺跡は総じて500年ほど前のもの――世界政府が樹立した後の遺跡だった。

 となると、世界政府樹立以前に作成されたポーネグリフとどう関係するのか謎だったが、それも、冒険家ハッチャーの経歴を調べることで分かった。

 

 冒険家ハッチャーは別にポーネグリフ関係を専門に追っていたわけではない。前人未到の未知に挑むことを重視しており、いわば雑食気質の冒険家だったのだ。

 ロビンとベアトリーゼはハッチャーが記したポーネグリフ関係の情報に注目していたが、ヌーク兄弟はハッチャーが記録したこの島の遺跡の情報を重視していたらしい。

 同じ資料でも求めた情報が異なっていたのである。

 

 宿のテーブルや床に集めた情報を広げながら、

「で、その遺跡って具体的にはどういうものなわけ? 奴隷に覚醒剤(ハッカ)をぶち込んで不眠不休で作業させるなんて余程でしょ」

 ベアトリーゼは小首を傾げた。

 

 イケないお薬の代名詞『覚醒剤』、その効果はガチだ。

 そも覚醒剤の原点は過酷な最前線暮らしの兵士達に『活を入れるため』だった。覚醒剤をキメた兵士達は不眠不休で行軍し、塹壕を掘り、戦い続けたという。

 

 ただし、覚醒剤は安くない。世界政府もきっちり非合法化して厳格な規制を行っている(違法薬物は規制の厳しさ――流通のリスクに比例して価格が向上する)。マーケットならキャンディの如く容易く入手できるが、別に安価な訳ではない。

 奴隷を酷使する輩は珍しくないが、覚醒剤まで使って遮二無二働かせる例は稀だ。

 

「その件だけど、いろいろ面白いことが分かったわ」

 ロビンは学者然とした面持ちでシードルの瓶を口に運び、舌と喉を潤わせる。長い話になるらしい。

 

「この島は今でこそ砂と岩しかない不毛な土地だけれど、かつては緑豊かな島だったそうよ。それに高度な文明を持つ小国家もあったみたい。島にある遺跡や遺構はその国家が存在した名残ね」

「ふむ。環境をここまで完全に変えるとなると、大火山の噴火くらいだけれど、この島に活火山はないね」

 

 ベアトリーゼが合いの手を返せば、ロビンは満足げに頷き、

「そこが道理と常識の通用しないグランドラインの面白いところでね。いくつかの記録書を調べてみたら、面白い推論があったわ」

 無邪気な好奇心を湛えて語る。

「この島の環境が激変して小国が滅んだのが、推定500年前。同時期、ここから東に200海里ほど離れたところで大型海底火山が噴火して、一帯の海域を長く航海不能にしたらしいの」

 

「その噴火の火山灰や飛翔溶岩がこの島を直撃したっていうの?」

「いいえ。事実はもっと奇なりよ」

 ロビンは楽しそうにオチを告げた。

「海底火山の大噴火で吹き飛ばされた大量の海底岩石や土砂が、この島を直撃したの。この島にそびえるあの巨大な岩。あれこそ海底火山の噴火で吹き飛ばされたものなのよ」

 

「――はあ?」

 眼を瞬かせるベアトリーゼ。期待通りの反応にロビンは微笑む。

「あの巨岩の表面にはサンゴやフジツボなどの化石が数多く見られるそうよ。大噴火の記録が無ければ、この島が海底隆起で誕生した際のものだと考えたでしょうね」

「世界は不思議と驚異に満ちているね」とベアトリーゼ。

 

「話を続けるわね。この島は海底火山の大噴火に巻き込まれ、大量の岩石や土砂に埋没した。それこそこの島にあった小王国を埋めてしまうほどに」

 ロビンの話を聞くベアトリーゼに前世知識が囁く。まるでポンペイ遺跡だな、と。

 

「そして、この島の存在は忘れられ、マーケットが生まれるまで誰も知らぬ無人島だったわけか。諸行無常だね」

 ベアトリーゼはシードルを傾け、話を進めた。

「ということは、あの変態兄弟はその小王国の埋蔵金やらなんやらを手に入れるために、遺跡を発掘してるわけか」

 

「概ね、その推測で間違ってない。マーケットには兄弟が卸した出土品が出回っていたわ」

 でも、とロビンが続ける。

「あの発掘現場を見る限り、単に小王国時代の貴金属や文物が本命ではなさそうね。もっと何か別のものを掘り当てようとしてるわ。その本命が何かまでは分からないけれど」

 

 ロビンはシードルの瓶を干し、話の水先を変えた。

「彼らの目的は脇に置いておくとして、私達の目的が大事ね。例のハッチャー日誌はヌーク兄弟が所持していない。間違いないの?」

 

「ん。船員や奴隷達のやり取りを盗み聞きした限りだとね」

 ベアトリーゼは説明する。

 

 ヌーク兄弟は入手した『ハッチャー日誌』を自身で持たず、発掘作業を監督する奴隷の学者に持たせているという。

 つまり、この発掘作業は奴隷の学者が『ハッチャー日誌』の記録を基にして指揮を執っているらしい。まあ、作業そのものは土木技術者が監督しているようだが。

 

「で、困ったことにその奴隷の学者は、ここ数日、あの発掘現場の地下に閉じ込められたままで、当分地上に戻ってこなそう」

「日誌を手に入れるためには、発掘現場の地下へ潜り込む必要がある、か。中々にリスキーね」

 出入り口は一つだけ。監視と哨戒の目を掻い潜ることは容易くない。

 

「任せてよ」

 ベアトリーゼはアンニュイ顔を妖しく歪めた。

「無音侵入と穴倉潜りはネズミの十八番だ」

 




Tips
 焼き牡蠣~以下4品。
 適当にググって見つけた東南アジアの屋台料理。

 全身スーツ
 ボディスーツともいう。女スパイや女怪盗の由緒正しいステレオタイプ衣装。
 キャッツアイの頃はレオタードか全身タイツが主流だった。

 ヌーク兄弟。オリキャラ。
 兄コッカ。弟ペップ。
 名前の由来はコカ・コーラとペプシ・コーラ。
 いい加減なキャラ付けのためにハードゲイスタイルになった。
 ハードゲイスタイルなので、元ネタは安直にレイザーラモンHG・RG。

 コッカはシュワシュワの実の能力者で炭酸水人間。
 ペップは強力な覇気使い。

 ジューコ。
 オリキャラ。ヤモリ女。名前の由来はヤモリのフランス語読み。
 動物系ヤモヤモの実の能力者

 覚醒剤
 シャブ、スピードなど色んな読み方がある。ハッカの読みは砂ぼうず由来。
 ちなみにアンフェタミン系はドイツが発明。メタンフェタミン系は日本が発明。

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