彼女が麦わらの一味に加わるまでの話 作:スカイロブスター
76:大きな物語の始まりの裏で
東の海。ゴア王国ド辺境。フーシャ村。
この日、恩人に託された麦わら帽子を被り、17歳の少年が小舟に乗って大海原に漕ぎ出した。
少年の名はモンキー・D・ルフィ。
この世界を揺らす“大きな物語”がついに動き始めたのだ。
〇
グランドライン前半“楽園”。“マーケット”の港湾市街地から外れた郊外。海岸沿いに並ぶ舟屋の一つ。
舟用ガレージの天井から、小型の鯨並みにデカいトビウオがぶっといスリングベルトで懸架されている。いや、トビウオといって良いのか。
なにせ、ほとんど生身の部分がない。
各器官と臓器。血液。筋肉。骨格。皮膚。鱗。ヒレ。脳ミソと脊椎の一部を除いて全て人工物。今も鰓回りが取り外され、分解整備されていた。
外された外装――皮膚と鱗も隣の部屋で塗装処理中。しかもカラーリングは赤と黒のヨシムラカラー。
一緒に赤黒のヨシムラカラーのタイトな潜水服が吊るしてある。エアタンクではなく、海中の溶存酸素を取り込む水中呼吸器を搭載した最新モデルだ。
いずれもカラクリ島未来国バルジモアや未来島エッグヘッドなどから流出した技術、設計図、素材で制作された先進機材だった。
ともかく、採光窓とガス灯の明かりの下、美女が作業台で人造鰓を整備していた。
癖が強い夜色のショートヘア。小麦肌のしなやかな肢体を、ビキニブラとオーバーオール作業着に包んでいる。
作業台に鎮座するドデカい鰓を
作業がいち段落着くと、小麦肌の美女は水を張ったバケツから瓶ビールを取り出し、王冠を噛んでひっ剥がし、喉を官能的にうねらせ、瞬く間に飲み干した。
不意に階段上のドアが開き、見目麗しい金髪碧眼の貴婦人が姿を見せる。端正な顔を不機嫌そうにしかめていた。
「なんで電伝虫に出ないの? ベアトリーゼ」
小麦肌の美女……ベアトリーゼはオーバーオールのポケットをまさぐり、小さく肩を竦めた。
「ありゃ、子電伝虫は上に置きっぱなしだった」
とぼけたことを抜かすベアトリーゼに鼻を鳴らしつつ、貴婦人はカツカツとヒールを鳴らしながら階段を降りてきた。
タオルで手を拭いながら、ベアトリーゼは金髪碧眼の貴婦人に問う。
「で? ステューシー、今日の御用向きは?」
「ちょっと“茶飲み話”をしに」
金髪碧眼の貴婦人ステューシーは、懸架されているスーパートビウオライダーを見上げる。
「完成が見えてきたわね」
「ようやくな。“あの女”のせいで一年掛かりだった。ムカつく」
ベアトリーゼは鼻を鳴らして毒づいた。
〇
“あの女”とは誰か?
時計の針を一年前に戻そう。
それはベアトリーゼがココヤシ村を出立し、ズタボロのアーロン達を連れ攫った“抗う者達”を捜索追跡し――
三日間徹夜でカームベルトを強行突破、グランドラインへ進入した矢先のこと。
「ん?」
出くわした。
朱色に塗られたド派手な船と。
帆布に掲げられている紋章は髑髏と九匹の蛇。
女ヶ島の九蛇海賊団だ。
露出の激しい小娘――おそらく観測員がマスト櫓からベアトリーゼに誰何する。
「止まれーっ! 貴様、何者だーっ!?」
「先を急いでんだよ、ほっとけバカッ!!」
ベアトリーゼは三徹して危険なカームベルトを越えたばかりで気が立っており、さっさと通り過ぎようとした、刹那。
武装色の覇気をまとわせた矢が砲弾のように飛来し、トビウオライダーの鼻先に着弾。高々と水柱が上がった。
一般的には警告射撃だが、野蛮人のテーブルマナーに則れば『いっちょ殺し合おうぜ』である。
暗紫色の瞳を血走らせつつ、ベアトリーゼはトビウオライダーを停止させた。
九蛇海賊団を『一人残らずぶち殺して魚の餌にしよう』とも考える。しかし、穴空きだらけの原作知識といーかげんな原作チャート保守意識から『半ベソ掻かせるだけで済ませてやろう』とも思い直した――その時。
絶世の美女が、艶美極まる黒髪を潮風に揺らしながら船首に立ち、
「我が九蛇海賊団の前を素通りできると思ってか、この慮外者めっ! 命が惜しければ、所持品の全てを献上せよっ!」
見下そうと背筋を仰け反らせすぎて空を見上げていた。
“海賊女帝”と謳われるボア・ハンコックその人だった。
※ ※ ※
さて、話を中断して恐縮であるが……
九蛇海賊団の根拠地、女ヶ島は海王類の支配領域たるカームベルト――東の海に接しない側のカームベルトにある。
縄張りの都合から、九蛇海賊団が根拠地の真反対に位置する、東の海側のカームベルト付近まで足を伸ばすことは、まずない。
のだけれど……此度はちょっと事情が異なっていた。
“海賊女帝”ボア・ハンコックは王下七武海に属しており、私掠権を認可されているので海賊と非加盟国から奪っても罪にならない。
そして、アマゾン・リリー現皇帝にして九蛇海賊団船長“海賊女帝”ボア・ハンコックは、惨苦と屈辱を極めた過去から強烈な弱肉強食思想の持ち主であり、過去のトラウマに打ち勝つべく天上天下唯我独尊系の超高慢な性格を形成していたのだ。
そんな彼女がいつものように遠征へ繰り出し、とある海賊団の一隻を仕留めると……
積み荷が年端もいかぬ少女達ばかりだった。
捕虜の海賊を締め上げたところ、この少女達は非加盟国から連れ去られ、シャボンディ諸島の人攫い屋に売り飛ばされるか、幼い少女や少年を好む連中専用の売春宿へ出荷されるという。
怯え泣く少女達は鞭打たれた痕がいくつもあり――それはハンコックの
ハンコックは自身のメロメロの実の能力で石化させた海賊達を、即座に蹴り砕き、号令を飛ばす。
『この薄汚い愚物共を一匹残らず叩き潰すっ! 征くぞっ!!』
この瞬間から、此度の遠征目的は金品や物資の掠奪から、海賊女帝を怒らせた海賊団の撃滅となった。
ハンコックの妹達は姉の心中を想い、また姉と共に苦酸を舐めた経験から意気軒高。船員達は女帝の剣幕に慄きつつも、デカい狩りに臨んで士気を激アゲした。
かくて、ハンコック率いる九蛇海賊団は、人身売買を商っていた海賊団一統を狩り回り、ついにはグランドラインを縦断。東の海側のカームベルト付近にまでやってきていた。
そこへ出くわしたるが、蛮族女だったわけで。
※ ※ ※
ハンコックの見下しきった物言いに対し、
「言うに事を欠いて、献上しろだあ……っ?」
憤慨したベアトリーゼは球形ヘルメットを脱ぎ、ハンコックへ向けて中指を立てた。
「おとといきやがれ、バーカッ!!」
「! ハンコック様に向かってなんてことを!」「なんたる不敬っ!」「殺せっ! あの女をぶっ殺せ!!」
九蛇の女戦士達がいきり立って武器を構えた間際。
「誰が出よと言ったっ!! 下がれっ!!」
眉目を吊り上げたハンコックは部下達を下がらせ、
「無礼な奴め……貴様のような不届き者は、
両手を添えてハートマークを作り、
「メロメロ
ハンコックの美貌に“魅了”される者は例外なく石化してしまう、ハート形波動を放つ。
が、激おこ中のベアトリーゼがハンコックの美貌に魅了されているはずもなく。また当人の強力な覇気と“とある理由から”、メロメロの実の石化効果が生じない。
「何ッ!?」同性すら魅了する絶世の美貌を持つハンコックにとっては意外中の意外。思わず吃驚を上げ、九蛇の戦士達もびっくり仰天。
「そんなもん効くか、バーカバーカッ! ちっとオッパイがデカいからってチョーシ乗ってんじゃねーぞバーカッ!」
プロレスラー武藤敬司のポーズ取って煽り倒すベアトリーゼ。これは酷い。
『ブチッ!』と何かが切れる音を、九蛇海賊の女達は確かに聞いた。が、音の発生源を見る勇気は無かった。そんな中、ボア三姉妹の三女マリーゴールドが『ね、ねえさま?』と恐る恐る長女の様子を窺い……『ひぇっ!?』と白目を剥いた。
ハンコックは麗貌を憤怒に染め上げ、ゴゴゴゴゴゴと背景音が聞こえてきそうな目つきで海面上のベアトリーゼを見下ろし、宣告する。
「貴様はギタギタに叩きのめし、魚の餌にしてやる……っ!」
ベアトリーゼも美貌を怒気に満たし、ドドドドドドと背景音が聞こえてきそうな目つきで船上のハンコックを見上げ、通告する。
「上等だ、このアマ。ボッコボコにして泣かせてやる……っ!」
凪いだ海にて蛇姫と蛮姫が睨み合う。互いに放つ殺気によって周囲の空気が緊迫し、軋む。
そこへ立ち止まっていたトビウオライダーを狙い、眼下から海王類が襲い掛かってきた。
両女傑はその“機”を逃さない。
蛇姫は船首から迷うことなく跳躍し、
「
蛮姫は海王類の襲撃からトビウオライダーを逃しながら跳躍し、
「
両女傑の間に飛び出した超巨大カマスみたいな頭に双方の必殺技が叩き込まれ、顔の右半分が石化破砕され、顔の左半分が爆ぜて血肉をまき散らす。
頭を破壊された超巨大カマス型海王類が、莫大な水飛沫を上げながら巨躯を海面に横たえ浮かべ、ハンコックとベアトリーゼが同時に海王類の骸の上に降り立つ。
「姑息でしょーもない技を使いやがって」と嫌みを吐くベアトリーゼ。
「下品な技を恥ずかしげもなく、よく使えるものよ」となじるハンコック。
「「あ?」」
2人は互いに一本の青筋を浮かべ、
「ぶちのめす」「叩きのめす」
同時に相手へ向かって襲い掛かった。
それはキャットファイト、なんて生ぬるい代物ではなかった。
この世界でも上澄みの女戦士がガッコンガッコン殴り合い、互いに眉目秀麗な細面を腫れ上がらせ、鼻と口からダバダバと血を流し、髪と着衣をボロボロにした様は、壮絶の一語に尽きた。
ボア・サンダーソニアさん(28歳・ボア三姉妹次女・おとめ座)。
『激怒された姉様と伍して戦える者が居るなど思いもしなかった……本当に、本当に恐ろしい光景だった……』
リンドウさん(九蛇海賊団狙撃手・独身)。
『2人の戦闘で海王類の骸がどんどん破壊されて……血肉の臭いに釣られたんでしょうね。海王類や海獣が集まってきてしまって、戦いは決着がつかずに終わったわ』
ランさん(九蛇海賊団船員)
『帰りの航海中、ハンコック様はずっと不機嫌で、船内の空気が最悪でした』
ボア・ハンコックさん(29歳・王下七武海“海賊女帝”・独身)
『あの女、次に会ったら必ず殺す……っ! 必ずだ……っ!!』
ベアトリーゼさん(25歳・全世界指名手配中)
『あのアマ、潜水服はおろかトビウオライダーまで壊しやがってっ! 何が
というわけで、海賊女帝の追撃によってスーパートビウオライダーが大きく損傷してしまい、ベアトリーゼは“抗う者達”の追跡を断念。
重傷の化け物トビウオを修理すべく、カーチスに愛機を破壊されたポルコ・ロッソのように船をチャーターし、トビウオを”マーケット”へ持ち込んだ。
もっとも、“マーケット”においても、ドクター・ベガパンク由来の最先端技術で作られたスーパートビウオライダーを修理できる者は居らず、自分で直そうにも部品やらなんやらが早々手に入らず。
結果、ベアトリーゼは自力でトビウオライダーを直すため、約一年間“マーケット”に留まってあれやこれやと奔走する羽目になったわけだ。
なお、ボア三姉妹と縁のある“冥王”レイリーは、ハンコックからこの話を聞いて大笑いし、「喧嘩友達が出来たな」と軽口を叩いてハンコックに脛を蹴られた。
〇
舟屋は基本的に一階部分が舟のガレージで、二階部分から上が住居。
ベアトリーゼが住んでいる舟屋も、一階部分が海に直結しているスロープ付きガレージだ。ただし、住居区画は小さい。ワンルーム+ロフト。
ワンルームには四人掛けのダイニングテーブルが鎮座しているけれど、一人暮らしであるから実質的に大きめの汎用テーブル扱い。
小型冷蔵庫の中身を覗き、ベアトリーゼは席についたステューシーを窺う。
「ビールとシードル……どっち?」
「紅茶」
「さいですか」
ベアトリーゼは薬缶に水を注ぎ、コンロに掛ける。お湯が沸くまでに数分。
これまでの経験則上、ステューシーは紅茶を口にするまで絶対に本題へ入らない。仕方なしにベアトリーゼはカップやらなんやらを用意する。ちなみに、ステューシー用のマグカップは彼女自身がここに置いていったものだ。
「紅茶を淹れさせるなら、手土産に菓子くらい持ってこいよ」
「そんなもの購入してたら、特別な訪問先があると思われるじゃない。論外」
生徒へダメ出しする女教師みたいに応じ、ステューシーは和やかな眼差しを返す。
政府と海軍を毛嫌いする高額賞金首と、政府諜報機関屈指の秘密工作員。本来、相容れぬ立場の2人は奇妙な関係を育んでいた。
友情でもなく、親愛でもなく。仲間でもなく。利害関係とも損得勘定の付き合いとも言い切れず。出生にろくでもない思惑といかがわしい科学が関わっている“
不思議な相互共助。ベアトリーゼは敵にも味方にもなる関係を甘受できる。プロだから。
ただ……ステューシーがここを訪ねる際、強力な隠密能力を駆使して知らぬ間にベッドへ潜り込み、手を恋人つなぎすることはやめて欲しい。起きる度にガチでビビる。
と。薬缶の口から蒸気が昇った。ベアトリーゼはポットに茶葉を入れてから薬缶のお湯を注ぎ、マグカップへ紅茶を淹れた。
ステューシーは差し出された紅茶の香りを嗜み、上品に音もなく啜り、満足そうに頷く。
「……うん。随分と上達したわね」
「毎度毎度ダメ出しとレッスンを受けりゃあね」
ベアトリーゼは仏頂面でカップを口に運び、ステューシーの向かいに座った。
「それで? またぞろ歓楽街で問題でも起きた?」
“マーケット”に滞在中、ベアトリーゼはステューシーから仕事――主にステューシーの歓楽街を害する不埒者の捜索追跡、拉致誘拐、暗殺などを請け負っていた。報酬は金、あるいはスーパートビウオライダーの改造用部品や資材など。
ベアトリーゼは政府と海軍が大嫌いだから、不良工作員や海軍の悪徳将兵の始末なら受けることもあったけれど、政府に利する仕事は一切受けない。
ステューシーは紅茶を少し飲んでから、
「金獅子のシキという男を?」
「たしかロックスやゴールド・ロジャー世代の大海賊で、地獄の監獄インペルダウンから逃亡した唯一の脱獄者。海賊界のレジェンドだ」
「誇大妄想狂の老害よ。ま、誇大妄想癖は若い頃からだけど」
辛辣なシキ評を口にした。
「インペルダウンを脱獄して20年余。その行方はようとして知れなかったのだけれど、ここにきて情報提供者が現れたの」
カップを卓に置き、ステューシーは卓上に両肘を置く。
「元々その情報提供者は海軍に駆け込んだの。ところが、駆け込んだ先の基地をシキの配下に襲撃されて」
「死んだ?」
ベアトリーゼの合いの手に首を横に振り、ステューシーは部下の失態を嘆く管理職みたいな顔つきで、深々と溜息をこぼす。
「なんとか生き延びたらしいわ。ただし、海軍は頼りにならないと逃亡してしまったそうよ」
どこか哀愁を漂わせるステューシーに、ベアトリーゼは意地悪に口端を歪めた。
「西の海でロビンとタタキやってた頃、そういう話を何度か聞いたよ。マフィアの悪事を告発しようと司直へ協力を申し出たけど、司直が身を守ってくれそうにない、頼りないって逃げちゃう証人や情報提供者の話」
「まさにソレ」
ステューシーはカップの持ち手部分を指先で撫でながら、不満そうに唇を尖らせた。
「情報提供者が駆けこんできた時点で、さっさと海軍本部なり秘密施設なりへ保護しておけばいいものを……おかげでサイファー・ポールが捜索に駆り出されることになった」
「いろいろ大変なのは分かった。でも、エリート諜報員が尻拭いに出張るほどのこと?」
ベアトリーゼは腕を組んで背もたれに体を預け、
「それは”金獅子”シキの能力が理由よ。フワフワの実の能力者で、触れた無機物を自在に浮かせることができる」
「なるほど」
ステューシーの語った内容から察しがついた。
聖地を空から直接襲撃される可能性を懸念しているわけだ。まあ、魚人一人の襲撃であの騒ぎだ。ゴロツキの集まり……いや、ゴロツキの集まりだからこそ大集団で襲撃されたら、恐ろしいことになるだろう。
「だけど、シキが脱走して20年も経ってる。今更、躍起になる理由は?」
「20年も経ったからよ。シキは老いて人生の残り時間が少ない。元から個人で世界支配をしようなんて愚か者よ? そんな男が老耄の狂気に駆られたら、それこそ何をしでかすか分からないわ。今だからこそ、シキは脅威なのよ」
世界政府に仕える女諜報員は、碧眼を“同胞”の女へ真っ直ぐ向けた。
「貴女が政府を嫌っていることは知っているけれど――」
「その通り」ベアトリーゼは吐き捨てるように「聖地が襲撃されたら、私はビール片手に豚共が焼け死ぬ様を眺めるよ」
「手を貸してくれないの?」
ステューシーがあらゆる男を篭絡する上目遣いを披露した。が、ベアトリーゼは鼻で笑い飛ばす。
「お守り仕事はドクトルで懲りたよ。まぁ、あんたとの仲だし、政府嫌いの私が動くだけの報酬が用意できるなら、考えても良いけど……いや。やっぱダメ。私はマジでそろそろアラバスタに行きたいんだよ」
そろそろ原作が――次の海賊王の物語が始まる頃だし、とベアトリーゼは心の中で接ぎ穂する。
「報酬、ね」
ステューシーは右手人差し指を頬に添え、演技がかった仕草で考え込み、微笑む。
「ああ。いいものがあるわ。お気に入りの玩具の出力を大きく向上させる人造心臓はどう? 海面高度で飛翔速度が時速300キロは出るようになるかも。しかも先払い。おまけで潜水用ヘルメットもベガパンク御謹製の多機能仕様を用意――」
「この凄腕美人に任せとき」
ベアトリーゼは食い気味に答えた。
原作のことはとても大事。でも、それはそれ。これはこれ。
「取引成立」
蛮姫と女悪魔はカップをカチンと合わせ、紅茶で乾杯した。
TIPS
ボア・ハンコック
原作キャラ。
ワンピース世界で一番の美女らしい。
幼い頃、天竜人の奴隷にされた。後にフィッシャー・タイガーの聖地襲撃で逃亡に成功し、”冥王”レイリーに保護され、故郷の女ヶ島に帰還。島の皇帝となり、天下に名を馳せる王下七武海”海賊女帝”になった――という立身出世伝を地で行く人。
カームベルトで蛮族女と遭遇。大喧嘩をして因縁を持つことに。
ボア・サンダーソニア/ボア・マリーゴールド。
原作キャラ
ハンコックの妹。2人ともヘビヘビの能力者。歳若い頃は姉に負けず劣らずの美少女だった。
リンドウ/ラン
原作キャラ。アマゾンリリーの女戦士で、九蛇海賊団の船員。
”冥王”レイリー
原作キャラ。
海賊王ゴールドロジャーの右腕だった老人。今は市井に隠棲中。
他の面々もひっそり隠れ住んでるんだろうなあ。
”金獅子”シキ。
映画キャラ。ただし、存在は原作でも語られている。
かつてロックス海賊団に属し、独立後も世界支配を目論んで暴れ続けた。
ロジャーと長く抗争したが、ロジャーの死に動揺。海軍本部を襲撃して捕縛されるも、両足をぶった切ってインペルダウンを脱獄したというレジェンド。
シキが登場する映画の時系列はスリラーパーク編の後とのこと。
ベアトリーゼ。
スーパートビウオライダーを大改造中。新型潜水服共々ヨシムラカラーに。