彼女が麦わらの一味に加わるまでの話 作:スカイロブスター
賑やかで姦しい今宵。
怪我だらけのコック達はいつまで経っても酒盛りを止めない。ゼフがそろそろお開きにさせようかと思案した時だ。
サンジが麦わらの雑用小僧の仲間である小娘――何やら切羽詰まった様子で顔色が悪かった――を連れてきて、電伝虫を使わせた。
バラティエには予約の受付や買い出しの連絡などをするため、電伝虫を備えてある。使わせてやることは構わない。
が、顔色の悪い小娘が気に掛かり、ゼフは事を見守ることにした。もちろん、コック達も野次馬根性丸出しで物陰から窺っている。まあ、全然隠れられていなかったが。特にハチが酷い。ほとんど丸見えだった。
ナミは不安げに蜜柑色の髪を弄りながら、『早く早く早く』と通話器から応答を待つ。
しかし……待てども待てども、応答はない。幾度掛け直しても、応答はない。
ナミはついには今にも泣きだしそうな顔で「何で出ないのよ、ゲンさんっ! お願いだから、出てよっ!!」と電伝虫に向かって怒鳴りだした。
これは只ならぬ事態だと、誰の目にも明らかで。
サンジと来たら取り乱したナミを上手く慰めることが出来ていない(日頃、調子よく女に接している癖に、まったくだらしないチビナスだ)。
「ど、どうしたんだ、ナミ? 何かあったのか?」
ハチがおずおずと尋ねれば、ナミはハチを睨みつけて怒鳴る。
「アーロン達が戻ってきたかもしれないのよっ!! あんたのお仲間のアーロン達が、この海にっ!」
「にゅ――っ!? 何だってーっ!?」ハチは目を剥いて驚愕し「あ、アーロンさん達が!? どういうことなんだっ!?」
ナミはまくし立てる。
世界経済新聞の女記者から聞いたという『黒い魚人』の話を。かつて、ハチが身を置いていた魚人海賊団の頭目と幹部二人が、この東の海に戻ってきているかもしれない……と。
そして、そいつらが本当に東の海へ戻ってきたなら、その理由は小娘の故郷ココヤシ村――よりはっきり言えば、一味を壊滅へ追い込んだナミへ復讐を企むかもしれない、と。
ハチは絶句し、『本当にアーロンさんなら、あり得る話だ』と大きく項垂れた。
敗北の復讐に、ナミを後悔させるためだけに、ココヤシ村を皆殺しにする。アーロンはそれが出来る男だ。
魚人の大英雄フィッシャー・タイガーが非業の死を迎えた時も、アーロンは怒りと憎しみに駆られ、たった独りで復讐と報復を試みた。本気で、タイガーを騙した者達を一人残らず殺そうとしていた。あのコアラという少女の故郷を襲い、皆殺しにしようとしたのだから。
「絶対にさせない。もう二度と皆を、ココヤシ村を傷つけさせない」
ナミは橙色の瞳を決意と覚悟で輝かせ、ハチを睨み据えた。
「ハチ。あんたは、どうするの? アーロンに加勢するの? ここで私を捕まえて、アーロンに差し出す?」
「そんなことはしねェっ!!」
ハチは大声を張った。びくっと身を竦ませたナミに気付き、
「お、大きな声を出してすまねぇ。だけど、信じてくれ、ナミ。俺はアーロンさん達に味方しねェ。ナミを捕まえて差し出したりしねェ……っ!」
三対の拳を固く握りしめ、双眸に覚悟を湛えた。
「俺が……俺がアーロンさん達を止める……っ!」
「……あんたが?」ナミは猜疑を隠しもしない。「償いのつもり?」
「これはそんな立派なことじゃねェ」ハチは首を横に振り「アーロンさん達を止めることで、俺は俺のけじめをつけるんだ。とんでもねえ間違いをしちまった自分の落とし前をつけるんだ。それで、ようやくナミやココヤシ村に償いを始められるんだ」
ハチはゼフに向き直り、大きく頭を下げた。
「にゅー……ゼフの旦那。俺は行かなきゃならねえ。この店が大変な時に、本当にすまねェ。だけど」
「ごちゃごちゃ御託を並べるんじゃねェ、ハチ」
ゼフはハチの言葉を遮り、鼻を鳴らす。
「出ていく時ぁ、テメェの料理道具を持っていけよ」
「そりゃどういう意味だ。ハチにここへ戻るなっていうのかよ」とサンジが渋面を浮かべて口を挟む。
「そうだ。もう俺の店に戻ってこなくていい」
ゼフはハチの目を真っ直ぐ見据え、言葉を紡いでいく。ぶっきらぼうな調子で、だけど父性的慈愛を多分に含んだ声で。
「過去のテメェにケリをつけて、新しいテメェのために生きろ。テメェの足でしっかり立って、たこ焼き屋を始めやがれ」
ハチは目を潤ませ、大きく頭を下げて最敬礼する。
「……ありがとう、ありがとう、ゼフの旦那」
「礼は要らねェよ、ハチ。店がこの様で退職金はおろか餞別も出せやしねェ。まったく締まらねェ話だ」
照れ臭さを隠すように編み込んだ長い口髭を弄り、ゼフはナミへ幾分和らげた声音で言った。
「そういうわけだ、嬢ちゃん。こいつを連れて行ってやってくれねェか」
ナミはちらりとハチを窺い、大きく頷く。有無を言わせぬ強い調子で告げる。
「……良いわ。ハチ。夜が明けたらすぐに出るわよ」
「ああ、分かったよ、ナミ」
ハチが力強く首肯すると、ナミは踵を返してバラティエを出ていく。
決意と覚悟に満ちた小さな背中を見送り、ゼフは渋面を浮かべたままのサンジをじろりと見据えた。
「チビナス。良い機会だ。テメェも一緒に行け」
「はぁっ!?」サンジはギョッとし「なんで俺が――」
ゼフはサンジの反論を蹴り飛ばすように厳粛な面持ちを湛えた。
「いつまでも“俺の”夢に引っ付いてんじゃねェ。テメェにゃテメェの夢があるだろう」
「―――ッ!」
サンジは二の句を告げられず、立ち竦む。
「その足りねえ頭で一晩しっかり考えろ、クソチビナス」
ゼフはそんなサンジを突き放すように背を向け、物陰から覗き見していたコック達へ怒声を浴びせた。
「テメェらもさっさと寝ろっ! 明日も忙しいんだっ! 寝坊しやがったら蹴り飛ばすぞっ!」
蜘蛛の子を散らすように逃げていくコック達と、部屋から去っていくゼフ。
一人その場に残ったサンジは金髪をぐしゃぐしゃと搔き乱し、呻くように独りごちる。
「俺は……」
〇
ナミがゴーイングメリー号へ戻ると、焦れていたらしいウソップが真っ先に声を掛けた。
「どうだったっ!? 故郷と連絡はついたのかっ!?」
ウソップへ首を横に振り、ナミは未練がましく鳥の骨をしゃぶっていたルフィへ歩み寄る。
アーロン達を倒して故郷を守るために、なんとしても、この能力者を口説き落とさなくてはならない。
ナミはその明敏な頭脳をフル回転させながら、言葉を紡ぎ始めた。
「……ルフィ、頼みがあるの。次の目的地を……私の故郷のココヤシ村にして」
ルフィはしゃぶっていた鳥の骨を皿に放り、ちらりと仲間達を窺う。固唾を飲んで様子を見守るウソップ。気だるげに、だが、鋭い目つきで成り行きを見守るゾロ。
「そりゃ……ナミの仇から故郷を守るために、そいつらと戦えってことか?」
ナミは大きく頷き、ゾロ達を順に見回して“交渉”を続けた。
「タダとは言わない。故郷には残してきたお金がある。それを払うから、だから……!」
「……そうじゃねェだろ、ナミ」
ムッとした顔つきで、ルフィがナミの言葉を遮った。
「なんで金の話をするんだよ」
急に機嫌を悪くしたルフィに、ナミは困惑した。付き合いはまだ浅いものの、こんな強い不快感を滲ませるルフィを見たことがない。
「なんでって……だって、私の事情で航海の予定を変えるし……それに、あんた達にもアーロンと戦って貰うことになる。その報酬を払うって話よ」
ルフィはますます機嫌を悪くし、ナミを射るように睨みつけ、
「“だから”なんで、報酬の話になるんだよ」
困惑と動揺から返答に窮するナミへ、これ見よがしに溜息を吐いた。
「ホントに分かんねェのかよ。お前、頭良いのにバカだな」
「な――」絶句するナミ。
「お、おい、ルフィ」ウソップが横槍を入れようとしてゾロに制される。
ルフィはゆっくりと深呼吸し、獅子が咆哮するように怒鳴った。
「俺達は仲間だろうがっ!! 仲間に助けを求めるのに、金だの報酬だの言うんじゃねェっ!」
「―――ッ!」
ナミの橙色の瞳と華奢な体と心が大きく揺れた。
「な、何が仲間よ……っ! 一緒に組んでまだ一月も経ってないのにっ!」
ルフィはナミへ怒鳴り返す。本気で怒った顔で。
「時間なんか関係ねェっ! お前は俺の仲間だっ!」
これまで、ナミに仲間が居たことは無い。故郷と大事な人達を守るため、たった一人で魚人海賊団に抗い続けてきた。ナミの宿願を叶えてくれた異邦の蛮姫は恃む相手であって、共に立つ仲間ではなかった。
だから、ナミはルフィの憤慨を理解することが遅れた。そして、理解してしまえば――
鼻腔の奥がツンとして、目頭が熱くなる。心がキュッと絞められて、身体が震える。
ナミは潤んだ瞳でルフィを見つめる。ゾロを見つめ、ウソップを見つめた。
「相手は、あの鷹の目が殺し切れなかった相手なのよ……? 私の故郷を守るために、戦ってくれるの……? 私を助けて、くれるの……?」
ルフィは吠えた。雄々しく。猛々しく。
「当 た り 前 だ っ !!」
ゾロは笑う。不敵に。獰猛に。
「鷹の目が仕留めきれなかった相手を仕留められたら、少しばかり気分がよくなりそうだ」
ウソップは胸を張って、ナミへ言った。
「おおお俺もいるぞ、ナミっ! ま、任せとけっ! 俺には8千万からなるウソップ軍団がいるからなっ!」
「めっちゃ声が震えてますぜ、ウソップの兄貴」「膝もガクブルですぜ、ウソップの兄貴」
ヨサク&ジョニーが野暮チンなツッコミを入れた。
『ナミちゃんは最高の仲間と出会うよ』
あいつの言葉は正しかった。ナミの目尻から涙がこぼれそうになった。
「なんというアオハル全開……っ! 私、震えがとまりませんっ!」
最高にエモいシーンを台無しにするように、コヨミが身悶えしていた。
〇
バラティエに接舷しているゴーイングメリー号から届く喧騒に耳をくすぐられながら、サンジは自室のベッドに寝そべり、くわえた煙草から立ち昇る紫煙を見つめている。
奇しくも、ゼフも自分のベッドに寝転がり、直したばかりで真新しい天井を眺めていた。
2人は思い返している。
奇縁から始まり、共に歩んできた日々を。
初老の元海賊とチビガキの2人で始めた『バラティエ』。
ゼフは昔気質の職人肌で言葉で教えるより見て学べ技を盗めのタイプだったし、しょっちゅう蹴り飛ばす。サンジはぶつくさ文句を言いつつも、ゼフから料理の技術と足技を学び取ってきた。
店が軌道に乗り、人手不足から募集を掛ければ、パティやカルネみたいなヤクザなんだかコックなんだか分からない奴ばかり集まってきて……。女性従業員を欲しがる面々の声を、ゼフが一蹴したり……客がゼフを海賊上がりとバカにすれば、サンジが血祭りにあげたり……。
オール・ブルーの伝説を語り合ったことを。
海で飯を食わせることの意義と信念を語り合ったことを。
サンジとゼフは振り返っていた。
そして―――
翌日。
海上レストラン『バラティエ』の朝は早いが、この日はいつも以上に早い。
前日の“バカ騒ぎ”による損壊部位の後片づけや修理があったし、料理の仕込みもある。
「たった一年だけど、ゼフの旦那に皆、本当に世話になった。ありがとう」
荷物を包んだ風呂敷を背負うハチが丁寧に頭を下げれば。
「水臭ェこと言うなっ!」「いつでも来いよっ!」「たこ焼き屋がんばれよっ!」
コック達が寂しさを含んだ笑顔でハチと握手したり、肩や背中をばんばん叩いたり。
賑やかで温かな別れの場に、荷物を担いだサンジが現れると、コック達は黙り込む。
「お前らにもこの店にも、もううんざりだ。俺は出ていく」
サンジの憎まれ口に、コック達は鼻白み負けじと悪罵を投げつける。
「上等だバカヤロー!」「とっとと出てけ暴力コック!」「グル眉っ!!」
ハチは狼狽え気味にサンジへ尋ねる。
「い、いいのか? サンジ。ゼフの旦那に挨拶しなくて」
「良いんだ。腐れ縁が清算できてせいせいするぜ」
サンジはハチを伴って店を出て、接舷しているメリー号へ向かって歩き出す。メリー号の舷側では、麦わら帽子を被ったハチャメチャ野郎がサンジの乗船を今か今かと待ち焦がれていて。その隣で、蜜柑色の髪の美少女が不安と憂いを滲ませている。
……行こう。俺も俺の足で立つ。俺の夢に向かって進むんだ。
サンジがメリー号へ乗り込もうとした、刹那。
背中に声が届いた。
「サンジ」
今までろくに呼んでくれたことのない名前を呼ぶ声が。
「カゼひくなよ」
今まで聞いたこともないような、親心がこもった声が。
サンジは雷に打たれたように身が震えた。湧き上がる情動を堪えきれない。沸き立つ感情を押えられない。大粒の涙が溢れていることにも気づかぬまま、即座に荷物を投げ捨てて振り返り、
「オーナー・ゼフッ!!」
両膝をつき、深々と頭を下げた。心の底から、ありったけの感謝を込め、万感の思いを全力で叫ぶ。
「長い間!! クソお世話になりました……っ!! この御恩は一生……ッ!! 忘れませんっ!!」
「寂しいぞ馬鹿野郎っ!」「悲しいぞクソッタレっ!」「サンジもハチもがんばれよ、チクショーッ!」
むさくるしいコック共が泣き顔で喚き散らし、ゼフも目元を拭っていた。
「また逢おうぜ、クソ野郎共っ!!」
「みんな、またなぁああああっ!!」
サンジはコック達に怒鳴り返し、ハチと共にメリー号へ乗り込む。
「出発だ――――っ!!」
船長の号令がかかり、メリー号がバラティエを離れていく。
この日、麦わら一味にコックが仲間になり、元海賊のコックから“息子”が世界へ旅立った。
〇
ジャヤ島モックタウンに潜り込み、ベアトリーゼは渋面を作った。
「汚いし……臭いし……」
見聞色の覇気を巡らせ、モックタウンの全体像を俯瞰的に窺ってみれば。
大通りや人の出入りが激しい港付近は、植民地様式の木造建築や『海のゴミ箱』と化す以前の真っ当な建物が並んでいる。
騒々しく賑やかではあるけれど、往来の人々は漂流ゴミのように他所から流れてくる海賊やお尋ね者や追放者。この町に行き着いた社会的敗北者共。この町から出られない……あるいは、出ることを諦めた土地の負け犬達。実にろくでもない。
そして、原作で描かれなかった居住区は凄まじく酷い。
住民の居住区は木造の家が少数だった。大多数は東南アジアのスラムよろしく、トタン造りのバラックや増改築が重ねられた木材とガラクタの“塊”が並んでいた。
掃除されなくなって久しい雨水溝はゴミと土砂で埋没し、小路はゴミや汚物で完全に覆われている。どこもかしこも悪臭が充満していた。屎尿、汚物、不衛生な体臭や口臭、腐敗した何かの臭い……。
悪臭に嫌気がさし、ベアトリーゼは背中のリュックサックからバンダナを取り出し、鼻の頭から口元を覆うように巻く。
政府や海軍の手が届かないという点では、“マーケット”と同じだが、中身は比べるべくもない。向こうは超一流百貨店。こちらは公衆便所だ。
ベアトリーゼは見聞色の覇気を切った。この醜悪な街に故郷を思い出し、痛烈な不快感を覚える。
あー……見苦しい。今すぐ焼き払いたい。今すぐ人も建物も焼き払って更地にしてやりたい。
ベアトリーゼが大通りを目指して歩いていると、小汚い男達に囲まれて『げへへへ、せ、清潔な女だあ』『金目のもんを全部出しな』『それと、服を脱いでケツを向けろ』。
二秒で無力化した。
直後、乞食や浮浪児が昏倒した男共から、ケツの毛まで毟る勢いで一切合切――汚れた下着まで奪い取っていった。
「そんなところまで故郷と一緒かよ。最悪だな」
ベアトリーゼはげんなりしながら大通りに出る。
荒事前に腹ごしらえしておこうか。適当に店を選び、スイングドアを押し開けた。
朝方でも店内は呑兵衛が少なくなかった。夜中から居続けているらしい客達はテーブルを占拠して舟を漕いでいる。
店内の一角に揃いのジャンパースーツを着こんだ若者達が居た。いや、暖色のジャンパースーツを着こんだ白熊が交じっている。着ぐるみか……? いや、あんな登場人物が居たような気がする。
ベアトリーゼは口元を覆うバンダナを首元へ下げつつ、カウンター席へ向かう。と、トイレから出てきた長身の青年と交錯する。
「おっと、ごめんね」
「いや、こっちも悪かった」
モコモコした帽子を被り、バカでかい刀を肩に担ぐ青年が美声で応じる。
あら、いけめん。
青年は目の下に色濃い隈があり、陰気な雰囲気を漂わせているが、顔立ちは精悍。すらりとした痩身長躯はしっかり鍛えられているようだ。
このイケメンも原作ネームドっぽいな。えーっと……誰だっけ?
ベアトリーゼが穴あきだらけの前世記憶を振り返っているところへ、
「あーっ! キャップテーンがナンパしてるッ!」
「なんだってーっ!? キャプテンがナンパっ!?」
「ホントだっ! キャプテンが服装はアレだけど美人さんをナンパしてるっ!」
「恋はハリケーンか、キャプテンッ!」
白熊の歓声を発端に、ジャンパースーツの若者達がやんややんやと騒ぎ始めた。
「ナンパなんかしてねェ。一々騒ぐな」
イケメンが煩わしそうにしかめ面を作る。
なんとも快活な賑やかさにベアトリーゼの悪戯心が疼いた。
「あら。じゃあ、私がナンパしようかしら。格好良いお兄さん、モーニングを一緒にどう?」
「は?」イケメンが『何言ってんだこの女』と、眉間に皺を刻む。
「お姉さん、お目が高いっ!」
「服の趣味はアレだけど、男を見る目は間違いなしっ!」
「キャプテンは格好良いからなっ!」
「ナンパされても仕方ねえよなっ!」
一匹とその他が自分達の船長が格好良いと褒められ、美人にモテたことに喜ぶ。
「おい。あんた、どういうつもりだ」
イラッとしているイケメンに、
「冗談よ、冗談。お仲間の元気がいいから、つい」
ベアトリーゼは手をひらひらと振ってカウンターへ向かった。
「じゃーね、格好良いお兄さん」
「何なんだ、あの女」
北の海からグランドライン入りした“死の外科医”トラファルガー・D・ワーテル・ローは迷惑そうにぼやきながら、麦肌の芋ジャージ女にどこか既視感を抱いていた。が、心当たりを思い出せず、賑々しい仲間達の許へ戻っていった。
彼が芋ジャージ女の正体を知るまで……もう少し。
Tips
ゼフ
”息子”を海へ送り出した。
サンジ
無事、麦わら一味に参加。
ハチ。
かつての過ちを贖うべく、麦わら一味の船へ一時乗船。
ナミ
『助けて』はまだ言ってない。
ルフィ
作者解釈。ちょっと強引だったか。
ベアトリーゼ。
ダサジャージを着た美女ってエロだらしない感じがする……するだろ?
トラファルガー・ロー。
原作キャラ。
ちなみに、中の人は『砂ぼうず』のアニメに木っ端役で出演したことがある。