彼女が麦わらの一味に加わるまでの話   作:スカイロブスター

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しゅうこつさん、佐藤東沙さん、烏瑠さん、誤字報告ありがとうございます。


95:誰も彼も予定通りにいかない。

 夜が明けた白骨海域は夜の嵐が嘘のように穏やかで静かだった。

 

 島船の船首から海を眺めるシキへ、部下が報告する。

「人的被害は思ったほどじゃあねェです。死亡4、負傷15。うち9人はすぐに復帰可能でさぁ。ただ、船体の損傷が不味いっスね。応急修理を進めてますが、操舵翼がかなりやられちまってるんで、今度デカい嵐に出くわすと……」

 

「対応できねェか。やってくれるぜ、あの古狸野郎」

 ジハハハとシキは喉を鳴らし、白骨海域内にそびえ立つタジン鍋染みた大岩塊を窺う。

 

 狂乱的な昨夜。白塗り蛮族達は高度を下げた島船に乗り込んできて、シキの部下達と交戦した。

 死を恐れるどころか、むしろ嬉々として死を受け容れる白塗り蛮族達に、部下達は動揺。結果的にシキ自らが乗り込んできた白塗り蛮族達を一蹴したが……その際、少なくない数の蛮族達が『ウィットネースッ!』と気勢を上げ、自爆した。

 おかげで自慢の島船はあちこち損傷している。

 

 シキは太い葉巻をくわえ、紫煙と共にぼやきをこぼす。

「野蛮人の群れじゃなく、狂信者の群れだったとはな。よくまあ、あそこまで仕込めたもんだ」

 

「向こうの頭数はそれなりに減ったでしょーから、根城の制圧は難しくないかと。やりますかい?」

 部下が溜息交じりに提案するも、シキは葉巻を吹かしながら首を横に振る。

「しねェよ。狂信者共の巣窟だぞ。最悪、あの大岩ごと自爆しかねねェ。やるなら制圧じゃなく殲滅。それから金目のもんの回収だが……それもそれで面倒臭ェぞ、絶対」

 

「たしかに」部下は素直に頷く。何事も命あっての物種だ。

「ともかく船体の修理を急げ。天気が荒れだす前に動くぞ」

 大親分の言葉に、部下は目をパチクリさせた。

「チレン先生達がまだ生きてるとお考えで?」

 ビッグ・タジンポットの重砲群の斉射で、あの化け物トビウオがふっ飛ばされる様を目撃した者は少なくない。あれで死んじまったのではないか?

 

 しかし、シキは部下の懸念を鼻で笑い飛ばした。

「あのベイビーちゃんは、あれくれェで死ぬような可愛いタマじゃねェよ」

 

「はぁ……そういうもんですかね」

 部下はぽりぽりとこめかみを掻き、話を進めた。

「それで、大親分。ザパンのやつぁどうしますかい?」

 

「ふむ……連れてきたは良いが、存外に投入の機会がねェな。狂信者共相手に試しても良いが……チレンとベイビーちゃんをびっくり仰天させたい気もする……」

 シキは工場の煙突みたいに大量の紫煙を吐き、頷く。

「様子見だな。それに」

 

「それに?」

 部下が先を促すように相槌を打てば、シキは心底楽しそうな笑みを浮かべる。

「ベイビーちゃんの出方次第じゃあ、このゲームはまだまだ盛り上がりそうだ」

 

 

 

 朝日が注ぐ白骨海域の外れ。

 骨の礁の陰で、ベアトリーゼは大きく損傷したトビウオライダーの応急処置をしていた。

 それも下着姿で。

 

 しかも、下着が濡れそぼっているため、乳房や尻の形がくっきり浮かび上がってしまっている。大胆に晒された小麦肌が眩しい……

 淑女にあるまじき恰好をしている理由は、ビッグ・タジンポットの重砲群の斉射により、潜水服がズタボロになってしまったから。

 

 そのため、ベアトリーゼは下着姿のまま、メスやら鉗子やら糸やらパッチやらを使い、トビウオライダーに出来た傷口を縫ったり焼灼したりして塞ぎ、修理不能な部分を切除し、人工血管を再接続させ、パッチで癒着させている。修理というより手術のようだ。

 

 そんなベアトリーゼの傍らで、チレンが潜水服の破けた部分や穴をせっせと補修していた。

「あの砲撃を生き延びて、まずやることが針仕事とは……」とぼやくチレン。

 

「奴らが立て直すまでが勝負だ。それまでにトビウオと潜水服を直さないと、この骨の山で袋叩きにされちまう」

 その言葉通り、ベアトリーゼはトビウオの修理を急ぎ、身体のあちこちに出来た細かい切り傷、刺し傷、火傷に打ち身と打撲、全て放置していた。

 なお、チレンはベアトリーゼが庇ったおかげで無事だ。

 

「こんなところで本当に直せるの?」

「直せるかどうかじゃない。直すんだよ」

 チレンの疑問を蹴り飛ばし、ベアトリーゼは青い人造血液で汚れた手で額の汗を拭う。

「この海域さえ出ちまえば反撃する機会も……」

 

「反撃? シキと戦う気なの、て……どうしたのよ?」

 チレンは驚き、次いで、何やら考え込み始めたベアトリーゼの様子に訝る。

 

 ベアトリーゼは生ぬるい水を呷り、暗紫色の瞳をギラつかせた。

「そもそも、ここであの鶏冠ジジイをぶっ殺しちまえば、一番手っ取り早いじゃん」

 

「本気で……言ってるの?」

 チレンが気狂いを見るような目を向けてくるが、ベアトリーゼは鼻で笑うだけ。

「あいつも私がこう考えると想定して、話を持ってきたんだろーさ。若作りババアめ。相変わらず食えない奴だ」

 

「? ? ? わ、若作りババア?」何とも言えない面持ちになるチレン。

「あんたを保護するよう、私に話を持ってきたこの件の担当官(フィクサー)だ」

 

 ベアトリーゼは困惑するチレンへ投げやりに応じ、獰猛に犬歯を剥く。

「や。ぶっ殺すならあのイカレポンチ共もだ。私の愛機をこんなにしやがって。こいつを作るためにどれだけ時間と労力を注ぎこんだと……あいつら殺す。絶対殺す」

 

 強烈な殺意をどろどろと漂わせるベアトリーゼに、チレンは呆れて閉口する。

 伝説的な大海賊である金獅子シキと危険な狂信者集団と戦う理由が、愛機を壊されたから。“そんなこと”のために、平然と強敵達と戦うことを望む神経が、チレンにはまったく理解できない。

 

 人並外れて学も教養も備えているけれど、とチレンはベアトリーゼをジト目で見つめる。この女、やっぱり“あっち側”の人間ね。

「私を無事に送り届けるのが、貴女の仕事でしょう。私の安全を優先して欲しいんだけど」

 

「問題を根本から解決できる妙手だろ。とはいえ、状況が良くないのも確かだね」

 ベアトリーゼは殺気を解き、アンニュイ顔をしかめた。

 

 シキと白塗りイカレポンチ共。どちらか一方だけならやりようもあるが、こちらを数的に圧倒している二勢力を同時に相手取る現状では、チレンの安全確保が難しい。

 奴らはぶっ殺したい。が、優先すべきはあくまでチレンの身の安全。そこは間違えない。

「……しゃあない。連中をぶち殺すことは次の機会に回そう」

 

「提案を呑んで貰えて嬉しいわ」とチレンが皮肉っぽく応じる。

「でもまあ……」

 ベアトリーゼは作業を再開し、化物トビウオのハラワタを弄繰り回しながら、気だるげな調子で言った。

「一戦、交える可能性は低くないんだよなぁ」

 

「ちょっと……怖いこと言わないでよ」

 蛮姫の不穏な発言に女性科学者が心底嫌そうに美貌を歪める。

 

「トビウオライダーがこの調子じゃ、海底を隠密に潜行するのは無理だ。海上を行くしかない。となりゃ当然、連中に見つかる。で、シキはともかく、私らを見つけた白塗りイカレポンチ共は、何が何でも殺しに掛かる。振り切れるか怪しい」

 淡々と説明し、ベアトリーゼはビッグ・タジンポットがある方角へ、暗紫色の瞳を向けた。

「振り切れないなら……返り討ちにするしかないだろ」

 

       〇

 

 夜が明け、麦わらの一味はリトルガーデンを後にする。

 ブロギーとドリーが巨人の奥義を放ち、”島食い”なる化物金魚を退治する様を目の当たりにし、ルフィは感嘆をこぼし、ウソップは巨人とエルバフへの憧憬を新たにし、ゾロはふつふつと対抗心を沸かせていた。

 

 さて、バロックワークスの面々から奪取した永久指針を頼りに、アラバスタを目指そうとした矢先。

「ナミさん!?」

 原因不明の高熱を発し、ナミが倒れてしまう。

 

 慌ててナミをカルーの背に乗せ、女性部屋のベッドへ担ぎこみ、容体を診てみれば。

「凄い熱……この船に医療の心得が少しでもある人はっ?」

 ビビの問いかけに、ルフィはナミを見た。ウソップはナミを指差した。サンジは『ナミさん!』と嘆く。

 

 唖然とするビビとカルーへ、ウソップが慨嘆する。

「ナミは航海士で船医で金庫番で交渉人だからな……」

「兼任させすぎっ!?」ビビのもっともなツッコミが切ない。

 

「大抵のことは肉食えば治るぞ。な、サンジ!」

 ルフィから水を向けられたサンジは難しい面持ちを返す。

「病人食は作れるけどよ。ナミさんの症状に合わせて、具体的にどんなもんを作れば良いかがわからねェ。少なくとも、今のナミさんはテメェらみたく何でもバクバク食えねェだろ」

 

「!? 飯が食えねェなんてあるのかっ!?」ルフィは目を真ん丸にして驚き「病気ってそんな辛いのか……?」

「「いや、罹ったことねェから分からねェ」」

 首を傾げる超健康優良児のコックと狙撃手。

 

 素っ頓狂な野郎共を放置し、ビビはナミの体温検査の結果に顔を引きつらせた。

「体温が40度!? 不味いわ。サンジさん、ぬるま湯に砂糖と塩とレモン……ナミさんの蜜柑でも良いから、果汁を少し加えたものを用意してっ!」

 

「すぐに!」サンジが即座に女性部屋を飛び出していく。

「ビビ、治せるのかっ!?」

 期待を込めた眼差しを向けてくるルフィに、ビビは申し訳なさそうに首を横に振る。

「私が知ってるのは簡単な処置の仕方だけ。治し方までは……」

 

「アラバスタに行きゃあ医者くらい居るだろ? あとどれくらい掛かる?」

「この航路だとあと一週間はかかるわ。これほどの高熱を招く病気なら、すぐにでも医者に診せないと……最悪、命に関わるかも」

 ビビがウソップに答えると、

 

「「ええええええええええええっ!?」」

 ようやくナミの病状が深刻であることを理解し、ルフィとウソップが驚愕する。

 

「ナ、ナミが死んじまうのかっ!?」あわわと狼狽するルフィ。

「お医者様っ! お医者さまーっ! 本船の中にお医者様は居ませんかーっ!?」取り乱すウソップ。

「くえええええええっ!?」悲鳴を上げるカルー。

 

「静かにっ! ナミさんの容体に障るでしょっ!!」

 ぎゃーぎゃーと慌てふためく2人と1匹を叱り、ビビが案を挙げる。

「ともかく近くの島に立ち寄って――」

 

「ダメよ。そんな余裕はないわ」

 ナミが目を開け、ふらつきながら上体を起こす。

「約束したでしょ。必ず間に合わせるって」

 

「お、ナミッ!? 治ったのかっ!?」

「治るかっ!! 強がりだっ! 無理してんだっ!」

 表情を綻ばせるルフィへ、ウソップがすかさずツッコむ。

 

 2人のやり取りを余所に、ナミはベッドから降りる。体に力が入らなかったのか、崩れ落ちかけた。ビビが慌ててナミを支える。

「! ナミさん、今は寝てた方が――」

「……雲の動きが変わった」ナミが窓の外を見つめながらポツリと呟く。

「え?」

 戸惑うビビに目もくれず、ナミは真剣な面持ちをルフィとウソップへ向ける。

「真正面から大きな風が来る。今すぐに南へ舵を切って。左舷から風を受けるの」

 

 困惑して目をパチクリさせる2人へ、ナミは高熱に息を切らしながら吠えた。

「早くっ!」

 

「お、おうっ!」「すぐに行きますっ!」

 ルフィとウソップは弾かれたようにカルーを連れて駆けだし、道中にドリンクを用意していたサンジを捕まえ、甲板で見張りをしていたゾロも巻き込んで操船作業を始める。

 

 ビビに支えられながら甲板に出たナミは、船の針路が完全に変わったことを確認し、

「これで、大丈夫……」

 大きく息を吐き、意識を失った。

 

「ナミさんっ!!」ビビがナミを抱き抱え、

「ぎゃああああっ!? ナミが死んだあっ!?」ルフィが悲鳴を上げ、

「気を失っただけだっ! 滅多なこと言うな、バカヤローッ!」サンジが怒声を飛ばし、

 

 直後。

 何の予兆もなく巨大なサイクロンが発生する。針路を変えていなかったら、メリー号ではたちまち海の藻屑になってしまっていただろう。

 

 ……ナミさん、凄い。まるで五感だけじゃなくて霊感でも天候を感じ取ってるみたい……

 ナミを抱えるビビは、確信する。この船が最速でアラバスタに行くためにどうすればいいかを。

「皆っ!」

 

 野郎共の目がビビに注がれる。

「今、私の国は大変な事態になっていて、最高速度でアラバスタに向かって欲しいの」

 ビビは言葉を編む。高熱に苛まれるナミを抱きかかえながら。

「だから、これからすぐに医者のいる島を探しましょう。一刻も早くナミさんを治して、アラバスタに向かう。それが、この船の最高速度だから!」

 

 アラバスタ王女が示した“覚悟”に、ルフィは満面の笑みを浮かべ。サンジとゾロも白い歯を見せて納得し、ウソップが善意から質す。

「本当に良いのか? お前は王女として自分の国と国民を優先してもいいんだぞ?」

 

「ええ。だからこそ、ナミさんの病気を早く治さなきゃ」

 ビビの美しい瞳に迷いはない。

 

 ルフィは大きく頷く。

「そのとーりだ。ナミが元気じゃねェとメリーは思う存分走れねェ。ヤロー共!! このまま南へ医者を探しに行くぞっ!」

「「「おうっ!」」」「くえーっ!」

 船長の号令に三人と一匹が応えて吠えた。

 

 医者を求め、メリー号は南へ向かって駆けていく。

 

      〇

 

 一晩中暴れ回ったことで頭が冷えたのか、ヒューマンガス・ジョーは妥協を検討し始めていた。

 末息子の仇は討ちたい。そりゃもう必ず討ちたい。

 しかし、昨夜の戦いで少なくない“戦士達”を損耗してしまった。“戦士達”はジョーの権力基盤だ。むやみやたらに失っては都合が悪い。

 

 ところがぎっちょん。

 この“狩り”を、後継者選抜レースの大一番と考え始めている倅達や、ジョーを妄信し盲従する白骨海域の住民達は、戦いを求めている。強く強く求めている。

 偉大なる王の子を殺した女狐共、白骨海域を侵して崇敬なる指導者を愚弄した海賊共、そんな奴らを生かしておいてなるものか、と誰も彼もがいきり立っている。

 

 ここで気弱な振る舞いをしては、ジョーの立場と面子が大きく損なわれてしまう。

 もはやジョーは退くに退けない。やるしかない。女狐共を狩り殺し、海賊共をこの海から叩き出す以外の選択肢はない。

 

 戦力の再編成を終え、戦士達に簡単な食事と共に錠剤が配布される。

 白骨海域で獲れる毒魚とビッグタジンポットの岩肌に自生する毒草を調合し、精製して作り出した興奮剤で、疲労と苦痛をぶっ飛ばし、昂揚と興奮をもたらすナチュラルなケミカルだ。

 

 かくして、ジョーの本心とは裏腹に、狂信とお薬で元気いっぱいになった白塗りイカレポンチ達が出撃した。

 

 太鼓とガットギターを載せた平船が物騒なトライバルロックを掻き鳴らし、爆弾槍を立てた小型快速ボートの群れが水面を走りだす。

 

 続いて、ジョーの倅達を乗せた喫水の浅い戦闘艇が出陣していき、最後にジョーを乗せた厳めしい大型ボートが進発。鯨の鳴き声に似たクラクションを轟かせる。

 

 水飛沫を挙げながら、白塗り蛮族の軍団が進撃していく。

 

 

 イカレポンチ共の騒々しい進軍はシキの耳にも、ベアトリーゼの耳にもしっかり届いた。

 

 

「おっ! 先に動かれたか。まぁいい。先手は譲ってやるぜ、古狸」

 白骨海域に滞空する島船上で、シキは葉巻を吹かしながら白骨の森を駆けていく狂信者共を見下ろし。

 

 同じ頃、白骨海域の外れで。

「動いたな」

 チレンが補修したタイトな潜水服を着こみ、ベアトリーゼは応急処置を施した傷だらけのトビウオライダーに跨る。後席に乗ったチレンが不安げに蛮姫を窺う。

 

「そんな顔すんなよ。大丈夫、なんとかなるさ」

 アンニュイ顔に不敵な笑みを浮かべ、フルサイボーグ化トビウオライダーを起動。確認する限り体液の滲みはなく、各鰭の動きに問題はない。鰓も心臓もタコメーター上の数値は問題ナシで、尾の筋肉は多少突っ張り気味。

 最高速度は出ないだろう。高負荷機動も厳しいだろう。走行中に不具合が生じるかもしれない。

 だが、突っ走るしかない。

 

 いっそ今度は完全な機械化を図るか。もしも空島に行く機会があったら。ベアトリーゼは思う。こいつに転用できる“(ダイヤル)”を買い溜めしよう。なんなら、ロビンかナミに頼んでも良いかも。

 

 ふふ、とベアトリーゼの魅力的な唇から忍び笑いがこぼれた。

「? 何? どうしたの?」

 怪訝そうに問うチレンへ、ベアトリーゼは微苦笑を返して多眼式ヘルメットを被る。

 

 これから死地へ望むのに“先”のことを考えている自分がおかしかった。つまりなんだ。私はちっとも死ぬ気がしてないんだな。良い傾向だ。

「出発だ。今日中にこの肥溜めから出ていこう」

 

 美女2人を乗せたパッチワークなトビウオライダーが水面を駆けだした。

 が。愛機は出力が本来の半分も出ない。速度の伸びも鈍い。操縦の応答性も鈍い。機動性も運動性も目を覆うばかり。

 

 ベアトリーゼはヘルメットの中で仰々しいほど顔を歪め、毒づく。

「やっぱ、応急処置じゃダメか。こりゃ本格的にオーバーホールしないと……あぁああああ、ムカつくっ! “マーケット”のガレージにはもう戻れねェってのにっ!」

 

「そんな言ってる場合っ!? 貴女ね、もっと状況に対して真摯になりなさい!」

 背後からチレンの叱声が飛んできて、ベアトリーゼは首を小さく竦めた。

 

 

 

 白骨海域デスゲ-ムはクライマックスを迎える。

 




Tips

金獅子のシキ
 思いの外、損害を被ったものの、”ゲーム”を楽しみ中。
 白骨海域を縄張りにする気はないし、狂信者共の蓄えを奪う気もない。面倒臭いから。

ヒューマンガス・ジョー。
 自分が煽り立てたとはいえ、退くに退けない状況に内心困りまくり。

麦わら一味。
 原作通りにナミちゃんが寝込んでしまいました。

 ビビが経口補水液モドキを知っていたのは、熱砂の土地の出身だから(雑)

ベアトリーゼ。
 次回、いよいよ大暴れ。
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