「ここが、小林さんのお家」
そう言いながら、ルリは目の前にあるマンションの入り口に来ていた。
そうして、インターホンを鳴らすと共に、ドアを開いたのは。
「んっ来ましたか」
「あっこんにちは、トールさん」
出迎えたのは、ルリの知り合いであるメイドのトールだった。
ルリがドラゴンの力に覚醒してから、炎の吐き方についてを教え?
とにかく教えてくれた人物だった。
「まぁ、遠慮無く入って下さい」
そう軽く挨拶しながら、トールに導かれるように、部屋の中へと入っていく。
「おっお邪魔しまぁす」
そう緊張しながらも、部屋の中に足を踏み入れる。
中は、マンションであるが、綺麗に整理整頓されており、一人暮らしをしているとは思えない程広かった。
「うわぁ広いですね」
ルリは思わず驚きの声を上げてしまう。それくらい、部屋が綺麗なものだったのだ。
そんなルリを見ながらも、トールはそのままルリを椅子に促す。
そして、お茶を出すと、そのまま向かい合う形で座った。
そうして、周りを見つめていると、小柄な少女がいた。
「えっと、この子は」
「あぁ、この子はカンナ。
今はこの家で居候している子ですよ。
カンナ」
「んっ、カンナです」
そう、ルリの目の前にカンナが近づき、挨拶してくる。
ピンクを基調とした民族衣装のような衣服を身に纏っている。
小学生ぐらいの子供という事で、かなり小柄だ。
しかし、その頭には小さな角があり、どうやら人間ではないらしい事を示している。
だが。
「かっ可愛い」
幼い子供から来る無邪気さ故だろうか、カンナは可愛らしく見えた。
だから、つい手を伸ばして撫でようとする。
すると、それを察したのかカンナは慌てて後ろに下がる。
それでいて、どこか警戒した視線を向けてくる。
(うん、やっぱり可愛い)
それでも、嫌な様子を見せていない事に安心し、改めて自己紹介をする。
「私は、青木ルリ。
その、よろしく」
「うん、小林から聞いた」
そう、子供らしい返答で返してくれる。
それがとても嬉しく思えた。
だって、今まで自分よりも小さい子の相手なんてあまりしたことが無いからだ。
とはいえ、このままでは話が進まないと思ったのか、トールが口を開く。
「ところでルリさん。
相談というのは」
「あっはい。
その、ドラゴンって、炎以外に吐いたりしますか?」
「そりゃ、魔法なども使えますが、どうしました?」
「いや、その、お母さんから色々と聞いて、どうやら色々と他にもドラゴンの特徴が出るらしいので」
「うぁ、マジですか」
それにはトールは思わず呟く。
「それで、あなたのお父様は一体どういうドラゴンなんですか?」
「それが、知らないんですよねぇ」
そうルリは困り顔を浮かべる。
「へぇ、そうなんですか」
「まぁ、これが出るまで全然知らないからね」
そう言いながら、自分の額にある角を触る。
そして、そのまま苦笑しながら答える。
「確かに、いきなり龍っぽい姿になったので、そういうモノが出たら楽かなーと思いましたけど、流石にそこまで都合良くいきませんよね」
「そっかぁ」
ルリの言葉を聞き、トールは腕を組む。
「とりあえずは、また出た時には相談しに来てください。
あなたには、小林さんの弟と恋人になって貰わないと困りますので」
「いや、だから、なんでそう行き着くんですか」
トールの言葉に、ルリは思わず呆れてしまう。
ただ、トールは本気だったりする。
その事にカンナは首を傾げているが、それでも何かを感じたのか、二人の会話に口を挟む事はしない。
ルリが、実際に小林の話をしている間の頬は赤い。
「やっぱり、ルリ、小林弟の事好きなの」
そう言いながら、カンナはなぜか納得するように言う。
イルルは2人目のヒロイン?
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あり
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なし