青木瑠璃は、自分がドラゴンの血を受け継いでいる事を知って、既に何ヶ月も経っている。
既に額から角が生えたり、口から炎が吹き出す程度では驚かなくなっており、クラスの大半もそれは既に知っている。
そんな幼馴染みに安堵しながら、既に梅雨入している事もあって、外は大雨が降っている。
「もう、梅雨時か」
そう、俺がため息を吐きながら、外を見つめ、そのまま隣の瑠璃を見る。
梅雨の影響もあってか、多少髪が乱れている様子が見える。
それと共に、彼女の髪から僅かだが電気が出ている。
「そうだよな、電気。
電気?」
俺は思わず言ってしまったが、すぐに瑠璃を見る。
それは瑠璃自身も驚きを隠せない様子で、目を見開きながら、口を開けていた。
「な、なんだこれ」
瑠璃はそう言いながら、電気が溢れ出ている事に気づいて、目を見開いた。
「……どうしよう、小林」
そう、俺に対して、相談する。
「まぁ、とりあえず、これ関連に強い人物に知り合いがいる。
とりあえず、放課後な」
「いやいや、この状況でどうするの!
どうにかできないの!」
「うぅん、とりあえず」
そう言いながら、俺は懐から取り出した充電器を渡す。
「スマホの充電器。
今、空だから、これに電気を入れてみたら」
「そんなので、解決できるの!?」
そう、瑠璃は不安そうな表情を浮かべる中で、電気をそのまま充電器の中に入れていく。
すると、特に変化はなく、ただ単に充電器の中へと入っていくだけだ。
「これでいいのかしら」
そう、瑠璃は少し不安ながらも、一応納得した表情を見せる。
それを確認してから、俺は自分の席へと戻る。
そうして、放課後。
俺達は目的の人物に会う為に向かった。
「それで、目的の人物って、誰なの?」
「雷の竜のカンナちゃんだよ」
「カンナちゃんって、もしかして」
その言葉と共に思い出したのは、小林の姉の家に住んでいるドラゴンの1人であるカンナだった。
「あの子にどうするの?」
「電気の使い方を教えて貰え。
カンナちゃんはそういう事が得意だろ」
そう言うと、瑠璃が軽く呆れたような表情をする。
おそらく、他の人物にも頼んだ方が良いのではないかと考えているのだろう。
そうしていると。
「あっ小林弟、久し振り。
瑠璃も、この前ぶり」
そうしていると、丁度学校帰りであるカンナが話しかけてきた。
「うん、久し振り」
「こんにちわ
俺はいつも通り挨拶をし返すが、瑠璃の様子を見ると、かなり戸惑っているようだ。
「瑠璃、電気が出せるの?」
「あっ、やっぱり気づいた」
そう言いながら、瑠璃は戸惑いながら答える。
「それで、その、聞きたいけど、カンナちゃんはどうやって電気を外に出しているのかな?」
そう言いながら、瑠璃はそのままカンナに問いかける。
さすがに授業中だけではなく、日常生活で静電気が出続けるのは、生活に困る。
だからこそ、瑠璃はカンナに頼み込む。
だが
「普通に過ごしたら、無くなるけど?」
「えぇ」
それは瑠璃の求めた答えじゃなかった。
「まぁ、カンナちゃんは生まれた頃からずっとドラゴンだったからね」
生まれた頃から、制御を行っていたカンナからしたら、既に感覚的にはわかっている事で、改めて聞かれると困惑してしまう内容なのだ。
それを聞いてしまい、思わず落胆する瑠璃を見る。
「……ふむ、だったら、瑠璃。
少し、手を出して」
「えっ、こんな感じで?」
疑問に思った瑠璃はそのままゆっくりと指先を出す。
すると、カンナはそのままはむっと、指先を噛む。
「ひゃぁっなにを」
「指先から、瑠璃の電気を吸ってる」
「そっそうなの」
そう言いながらはむはむっとカンナは瑠璃の指先を甘噛みする。
そして、そのまま数秒間の間だけ甘噛みを続けた後に、カンナは顔を真っ赤にした瑠璃の指先を解放する。
「どう?」
「うっうん。
おかげで、電気は出なくなったよ」
カンナはマイペースな様子で質問すると、瑠璃はどこか恥ずかしげな雰囲気を出しつつも、感謝を伝えるように返事をする。
「……おい、瑠璃。
まさかとは思うけど」
「なっ何を言おうとしているの小林! 違うからね!!」
慌てて否定する瑠璃を見て、俺は溜息をつく。
そうしていると、後ろから何か視線が見えた。
「かっカンナさんが、知らない人の指を甘噛みしているなんてぇ」
そう、カンナちゃんの同級生だと思われる人物が、そのまま叫びながら去って行った。
「あぁ、まぁ良いか」
既に今更だと思い、俺はそのまま悶絶している瑠璃をどうするか、考える。
イルルは2人目のヒロイン?
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あり
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なし