俺達の会話は続いた。
あれから、ルリのお父さんとの会話はかなり面白かった。
「・・・なんというか、小林君の話を聞いていると、こっちの常識が覆るような気がする」
そうして、ルリのお父さんは呆れたように言う。
「まぁ、都会と田舎の違いのようなものか?」
「そんな違いで良いの?」
ちょうどその時——遠くから軽快な足音が聞こえてきた。
「おーい!」
海さんが片手を挙げて近づいてくる。後ろにはイルルもいる。
「あれ?思ったより時間がかかったね」
ルリが首を傾げた。
「え?もう結構経ってたかしら」
海さんが腕時計を見る。
「そういえばルリのお父さんとは?」
「今雑談してる最中」
俺は簡潔に答えた。
「ふーん」
海さんはにっこり笑う。
「随分仲良くなってるじゃない」
「まぁ、色々驚かされたけど」
俺がそう言うとお父さんも同意するように頷く。
「こーばーやーしー」
イルルが駆け寄ってきて勢いよく飛びつく。
「疲れたからちょっと甘えさせてー!」
「うわっ!?危なっ!」
バランスを崩しかけた俺だが何とか踏ん張る。
「イルル、いきなり何をするんだ?」
「別に、ただ、山を登ったから疲れただけだぞぉ」
「いや、イルルはこれぐらいだったら疲れないと思うが?」
「良いじゃないか」
それを見たルリがムッと頬を膨らませる。
「ズルい!」
次の瞬間、反対側にルリが抱きつきバランスが更に危なくなる。
「おい!何やってんだよ!」
「・・・なんとなく」
「なんとなくって、えぇ」
困惑する俺の抗議も空しく二人は離れようとしない。
「・・・なるほどね」
お父さんが腕組みしながら感慨深げに呟く。
「昔と比べるとドラゴンも随分変わったもんだ」
「どういう意味?」
海さんが興味深そうに聞く。
「いやねぇ」
お父さんは懐かしそうな目をして続けた。
「昔はこういう接触すら考えられなかった。人間との関わり自体が稀だったからな」
「じゃあ今はどうなの?」
ルリが尋ねる。
「今は見ても分かる通りだ」
お父さんは小さく笑う。
「互いに関わろうとする者が増えたということだ」
その言葉に一同納得したような沈黙が流れる。
だがすぐに——
「よーし!」
海さんが手を叩く。
「せっかくここまで来たんだから記念写真撮ろう!」
「えっ?」
みんな戸惑う中でも海さんはスマホを取り出す。
「ほら早く並んで並んで!」
「ちょっ待ってくれって!」
俺が抵抗しようとするも結局押し切られ——
全員が神社の前で集合写真を撮ることになった。
「ハイチーズ!」
シャッター音と共にパッとフラッシュが光る。
イルルは2人目のヒロイン?
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あり
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なし