その日、俺はルリとは別々で帰っていた。
理由としては、どうやらルリが最近出来た学校の友達と一緒に勉強会を開く為らしい。
最初は、俺も参加するつもりだったが。
「いやいや、小林君が一緒だとねぇ」
「ふふっ、そりゃあ、ルリちゃんは集中出来ませんからねぇ」
「あっ、ちょっ!!!!」
何やら慌てた様子で言っていたが、結局どういう意味か分からなかった。
なので俺は、特にやる事もなく、幸いバイトもなかった。
「それにしても、お前の所、色々と大変そうだなぁ」
「まぁなぁ、というよりもタケトの方こそなんだ、その袋」
その日の帰り道、偶然だがタケトと一緒に帰る事になった。
一年の時に同じクラスで、ある程度は仲の良かったが、2年では別のクラスに。
そういう事もあるが、帰り道が同じ時もあった為、こうして話す事も僅かだがあった。
「それがさぁ、家の婆ちゃんが脚を怪我したみたいでよぉ、その代わりとして人を雇ったみたいなんだよ。それで、その制服だけど」
そう言って、タケトが見せたのは。
「・・・大人の男のサイズだぞ」
「かなり大きいな…あの駄菓子屋に、男か?」
「どこで知り合ったのやら、変な奴だったら追い出してやる」
「まぁ大丈夫だろ、そう言えば」
「んっ、どうしたんだ?」
「いや、なんでもない。最近は色々と忙しかったけど、居候がバイトを始めたから」
「居候って、まさかドラゴンか?ルリが半分ドラゴンだってのは聞いたけど」
「色々とな。まぁ、そのバイト先を見に行くつもりだけど」
「一体どういう奴なんだよ」
そうして俺達は、雑談をしながら歩いて行く。
そうして、辿り着いたのは。
「あれ、そう言えば」
場所だけは聞いていた。
けれど、最近は曖昧だった。
だけど、店に入ると。
「いらっしゃい」
店番をしていたのは、見覚えのある人物。
というよりも、イルルだった。
「イルル、お前、ここでバイトをしていたのか」
「おぉ、小林!なんだ、ここに遊びに来たのか?」
「まぁ、そういう事になるなって」
俺がそう言っていると、タケトが俺の肩を組んだ。
「おっお前!どういう知り合いなんだよ」
「以前、言っただろ、居候って」
まぁ、正体がドラゴンだってのは言っていないけど。
「それにしても、よく受かったな」
「まぁ、ここに来て、働きたいって言ったらな」
「へぇ、そうなんだ」
「そうなんだって、それで納得するのか」
そうして、タケトとは言うが。
「というよりも、お前らって、どういう関係なんだ?」
「うぅん、居候かな?」
俺は、そう言うと。
「番になる予定だ」
その場にいる全員が固まった。
「つっ番って!お前なぁ!!」
「いや、落ち着けよ。たくっ、というよりも、いきなり何を言うんだ」
俺は思わずイルルに問いかける。
「知っていると思うが、私はトールと同じ年齢だ。既に子を産み、育てる歳だ」
「なるほどなるほど」「いや、それで納得するのか!」
「だからこそ、家族のいない寂しさを小林に「こんな場所で何を言っているんだぁ!」さっきからなんだ、お前」
「ここの店主の会田さんの孫のタケトだ」
「お前は、お前でなんで冷静なんだよ!というか、こんな所でそんな事を言うな!」
「・・・何か可笑しいのか?」
イルルは、そのまま首を傾げる。
それに対して、俺は腕を組む。
「イルル、お前は知らないと思うが、一つ言う」
「そうだぞ、小林、お前には「俺はまだ未成年だから結婚は出来ない!」そっちじゃない!!」
すぐにイルルに常識を教えようとした次の瞬間、タケトが大声で叫んだ。
「未成年ってのは?」
「まぁ、色々とあるけど、とりあえずは結婚は出来ない歳って事だ。子供を育てるとしても責任は取れないしな、ここでは育てるにも金が必要だからな」
「・・・そうか、ならばしばらくは待つしかないか」
イルルは、それで納得したようだった。
けれど、タケトはすぐに俺に詰め寄る。
「いや、お前、何を言っているんだよ!そういう問題じゃないだろ」
「そう言われてもなぁ、イルルも事情があるからな。それに間違っていないだろ」
「そうだけど、お前は、その結婚するつもりなのか?」
「結婚って言われても、俺自身は今は責任取れないし、まだまだ分からないからな」
「間違っていないのはないけど、お前なぁ、ルリがこれ知ったら、怒るぞ」
「・・・んっ?」
まるでよく分からない事を言うので、そのまま首を傾げる。
イルルは2人目のヒロイン?
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あり
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なし