「遊園地?」
その日、俺は帰り道、バイト帰りのイルルと一緒に帰った。
突然、イルルからの話に疑問に思った。
「カンナが遊園地の話をしていた!」
「お、おう……」
俺が戸惑っていると、イルルは目を輝かせながら続ける。
「小林!一緒に遊びに行こう!」
「え?」
「明日休みだし!遊園地知らないの?乗り物乗ったりクレープ食べたり!」
まるで幼児のようにはしゃぐイルル。隣のルリがムッとして口を挟んだ。
「ちょっと待ってよ。それってデートって事!?」
「でーと?」
イルルの言葉にルリは顔を真っ赤にする。
「そういうのは普通二人きりでするものじゃないの!?」
「えー?でもみんなで遊んだほうが楽しいじゃん!」
ルリの剣幕にも全く動じないイルル。むしろ小林に近づきすぎて腕を絡ませてくる。
「小林はどう思う?」
柔らかな感触が肘に当たり、思わず赤面してしまう俺。
「俺は別に構わないけど……」
その途端、ルリが大きく咳払いをした。
「だったら私も行くから!」
「えっ?ルリも?」
「当たり前でしょ!アンタら二人きりなんて心臓保たないわよ!」
そう言って俺たちの間に入り込んできたルリだが、明らかに態度が変だった。
「なるほどな、ルリも遊園地に興味があるのか?」
「え?」
ルリは驚いた顔をして固まる。その様子に気づかず、俺は続けた。
「最近ちょっと元気なかったし、気晴らしになるかもな。それにイルルが行きたいって言ってるんだし……」
「そ、そんなんじゃないから!私はただアンタが変なことしないように監視するために……」
「変なことってなんだよ?」
「そ、それは……!」
ルリが焦って言葉に詰まる。なんだか顔も赤くなってるし風邪でも引いたのか?
「とにかく!私も行くからね!」
「まあいいけどさ」
俺が軽く返すとルリは拗ねたようにそっぽを向く。何だこの態度。
そんなやり取りを横目に、イルルはニコニコと腕を組んできた。
「よかったな小林!みんなで行けるんだって!」
柔らかい感触が肘に押しつけられる。
「うっ……」
反射的に体を引こうとした瞬間、今度は逆側からルリが突っ込んできた。
「ちょっと離れなさいよ!」
「えー?小林と仲良くしてるだけだぞ?」
「そういうの禁止!」
ルリとイルルが俺の腕を取り合って睨み合う。
「ちょっ……二人とも落ち着けって!」
両腕を引っ張り合うルリとイルルに挟まれた俺は、バランスを崩しそうになる。
片側は馴染みのある匂い、もう片方は巨大な胸の圧力――物理的なバランスだけでなく精神的なバランスも危うい。胃がキリキリしてきた。
「なんでこいつと小林がくっついちゃうのよ!」
「え?仲いいもん。ねー?」
イルルが天使みたいな笑顔を振り撒く一方で、ルリは歯をギリギリさせている。
「仲良いってレベルじゃないでしょ!触りすぎ!」
「でも小林は嫌がらないぞ?」
その指摘にルリの目がさらに吊り上がる。
「それはアンタが強引過ぎるから反応できないだけよ!」
「強引じゃないもん。愛だよ」
「愛じゃねえわ!」
もはや単なる口喧嘩から、本格的な戦いの序章みたいな雰囲気になってきた。しかも両者ともドラゴンパワー全開なので怖い。
「・・・本当に何が起きたんだ?」
イルルは2人目のヒロイン?
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あり
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なし