「おい小林!そこで拾うなって言ったろ!」
テーブルの向こうでタケが大声を上げる。手元のスマホ画面では確かに僕の操作キャラがアイテムを拾っていた。あちゃー、やっぱりバレたか。
「しょうがないだろ。このダンジョン暗すぎて見えなかったんだから」
「見えなくても位置記憶しとけよ!マップ見れば分かるだろ!」
ファミレスの奥まった一角に陣取った僕たち五人は、それぞれのスマートフォンを前に熱戦を繰り広げていた。テーブル中央には人数分のドリンクバーとポテト皿。
かなり謎メンツだが、奇跡的に意気投合した結果だ。
滝谷さんが大人の貫禄で茶を濁してくれる。
「まあまあ。協力プレイならではのコミュニケーションの取り方があるから」
「そうだぞ小林。この程度で文句を言われるようではまだまだ修行が足りん」
斜め向かいのファフニールが眼鏡をくいっと上げる。彼の画面上では最強装備の騎士が華麗にモンスターを屠っていた。
「・・・なんというか、このメンバーは珍しいというか」
「まぁ、本当にバラバラだからな」
こうして、見渡せば、メンバーは統一感があまりにも少ない。
かなり年齢層がバラバラであり、偶然だが同じゲームという事でこうして協力プレイを行っている。
「・・・その、聞きたい事がありまして」
「なんだ、翔太君?」
「その、小林さんは、色々と慣れているんですよね」
「いや、慣れているって言う程か?」
その中で、翔太君は俺に問いかけてきた。
「だっ、だって、小林さんはドラゴン2人と一緒に暮らしていても、特に気にしていないような」
「そう言えば、ルリ以外にもいるのか?」
そう言われながらも、俺は。
「まぁ、ここにいる面々と同じように変わっているドラゴンの1人だよ」
「そっ、そうですか」
「だからと言って気にする必要はないんだけどな」
そう言っても翔太君は何故か納得していない感じであった。
「小林お兄さん。小林お兄さんって結構変わっていますよね」
「えっ?」
いきなり何だと言う話になってくる。
「だってドラゴンと一緒に生活しても普通だし」
「いやいやいや!他の面々も結構変だと思うぞ」
「でも、多分一番変わってるのは小林さんだと思いますよ」
その言葉は嬉しいような嬉しいようでないような。
そんな気持ちになっているとゲーム内のボスが復活した。
「あっ!?」
「しまった!」
その間にタケとファフニールは俺のキャラを置いて先に行ってしまった。滝谷さんだけが苦笑しながら追いかけてくれる。
「ほらね。やっぱり小林さんはちょっとズレてるんですよ」
翔太君が肩を竦めながらも援護に回ってくれた。こういう時だけは純粋に感謝だ。
「わかったよ。少し慎重に進むからな」
「了解!じゃあ僕が前衛やります!」
彼の魔法使いキャラが先陣を切って突撃していく。
「・・・たまには、こういのも良いかもな?」
「どうしたんだ?」
「なんでもないよ」
そう、呟きながらも俺はこうした男同士の会話に笑みを浮かべながら、続ける。
イルルは2人目のヒロイン?
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あり
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なし