「うぅ、小林さぁん」
そう言いながら、目の前にいるトールさんは、先程まで姉さんに怒られた事でしゅんとしていた。
「まったく、あんまり姉さんにしつこいと駄目だよ」
「そう言われても弟さん。
私の、この小林さん愛は止められないんですよ!」
そう言いながら、トールさんは高らかに宣言していた。
ドラゴンと人間という種族の違いだけではなく、性別が女性同士という事で、恋愛には大きな障害があるだろう。
そんな彼女は、今は帰り道を一緒に歩いている。
姉さんの方は、ルリと一緒に歩きながら話している。
「それで、あなたはどうするつもりなんですか?」
「どうするって?」
俺はそうしていると、トールさんがこちらを見ていた。
「ルリさんの事、好きなんでは」
「別に。
ただの幼馴染みだから、心配なだけですから」
「ふぅん、人間は結構不便ですね。
いや、ドラゴンも似たような感じですか」
そう、トールさんは呆れたように言う。
こうして、話してみると、最初に会った時のようなこちらを睨むような様子はない。
むしろ、その態度からは好奇心のようなものを感じている。
「まぁ、けど、早めに自分の気持ちには正直になった方が良いですよ。
知り合いにはかなりの堅物もいますし」
「それって、エルマさんとかですか?」
「まぁ、そうですね。
私としては、あなたが小林さんの弟だから、なるべく幸せになって欲しいですが」
「あははぁ、やっぱり姉さんが基本ラブですね」
「ふっ、何を当たり前の事を」
そうトールさんはさも、当然のように頷く。やはり、姉さんが一番らしい。
そして、それからしばらくして分かれ道に着く。
「では、私達はこれで失礼しますね」
「はい、今日はありがとうございました」
「それじゃ、またね」
「はい、ありがとうございます」
その言葉と共にトールさんと姉さんはそのまま、今の家に帰っていった。
「にしても、まさか、小林にドラゴンが知り合いにいるなんて」
「本当よね。
しかも、あんなにおっぱいが大きいなんて」
「叔母さん、なんでそこに辿り着く」
そう言いながら、俺は呆れる。
「だったら、トールさん以外のドラゴンでおっぱいが小さい子はどれだけいるの?」
「んっ?」
その言葉と共に、俺は知り合いを思い出す。
さすがに男のファフニールさんは例外。
それで、子供であるカンナちゃんは入るのか?
いや、さすがには入らないだろ。
だったら、残りはルコアさんとエルマさんは。
「……子供は、入る?」
「という事は、いないの」
「まっまぁ、ドラゴンの知り合いは5人で、その中では子供と男性で2人。
だから、残り2人は」
「でかいんだね」
そう、ルリは思わず睨んでくる。
「それは、まぁ」
俺は目を逸らす。
「私、ドラゴンの力を使いこなす!
そしてぇ!」
ルリはそう叫びながら、おそらくは雲の向こう側には、トールさんの幻影が見えた。
その視線の先は、なんとなく分かる。
イルルは2人目のヒロイン?
-
あり
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なし