「はぁ」
その日、ルリはある意味衝撃的な光景を見てしまった。
その原因は明らかなのだが、なぜそれに対して驚いているのか、自分でも分からなかった。
「どうしたの、ルリ?」
「あぁ、ユカ。
少しびっくりした出来事があってね」
「びっくりした出来事?」
その言葉に、ユカは疑問に思い、首を傾げる。
「小林が年上美人とデートしていた」
「えっ浮気!」
その言葉にユカは思わず声を出して、驚いてしまった。
「いや、浮気も何も、私と小林は付き合っていないから」
そう、ルリは呆れたように溜息を吐く。
(いやぁ、凄く落ち込んでいるのが、丸見えだよ、ルリ)
そう、心の中でユカは思った。
確かに、小林という少年はフツメンだ。
でも、それだけである。
そもそも、ユカから見ても、小林はルリが好きな様子が見られる。
そんな小林が他の女性とデートをしているのか。
しかし、この少女は恋愛経験がないらしい。
だから、恋というものがよく分かっていないのだろう。
そんなことを考えながら、ユカは。
(こういうの、なんだか面白そう)
ルリと小林と謎の美女による三角関係が、ユカには面白く感じた。
そして、その様子を観察しようと決意する。
「それで、それで!
その美女とまた会うのは、いつか分かるの!!」
「そう言えば、小林、放課後、どこかに行くとか言っていたけど「行こう!!」えっうっうん」
ユカは勢いよく立ち上がり、ルリの手を引いて教室を出ていく。
その時、クラス中の視線が集まった気がしたが、気にしないことにした。
そして放課後。
その日、ルリはある意味驚愕していた。
「なっ」
小林が待ち合わせしていた人物。
その人物は学生である小林とは違い、社会人なのか、スーツを身に纏っている。
抜群のプロポーションを持つ暗色のセミショートヘアをした成人女性。
眼鏡をかけている事もあって、知的なイメージがあった。
「うわぁ、凄い美人。
ルリ、知り合い、じゃなさそうね」
「うわぁ、おっぱいでけぇ」
ルリはそう言いながら、
「小林さん! ぜひっぜひっ今夜の夕食はもつ鍋というのを食べてみたいのだが!」
「もつ鍋ねぇ。
材料は家にあるから作れないことはないと思うが」
「では、頼むぞ!」
そう言って、その美女は、なんと小林に思いっきり目を輝かせている。
「ねぇ、あれって、同居している彼氏彼女のように聞こえるけど」
「そっそうだねぇ」
気になったユリは、思わずルリの方を見る。
その瞳は、まるでドラゴンを思わせるような目つきだった。
小林は小林で、困惑しながらも、いつものように返事をする。
「ふむ。やはり、君と出会えたのは幸運だったな」
「はぁ、まったく」
そう、会話をしている二人を見ながら、ルリの口元から僅かに炎が出ている事に、ユリは気が付く。
(これは、ヤバいかも)
ルリは小林の事が好きなのだと、ユカは改めて理解した。
それと同時に、小林と謎の美女との仲が良い事が分かり、嫉妬してしまう。
(こいつら、付き合っているんじゃないの?)
そんな疑問が浮かぶと同時に。
「むっ」
何やら美女が立ち止まった。
それは、丁度ルリとユリが隠れている物陰の前であった。
二人は一瞬にして、凍り付いたかのように動けなくなる。
(見つかった!!)
(まっまずいよぉ)
そんな二人の様子など知る由もなく、美女が声を上げる。
「なっ、なんでこんな所にドラゴンがっ!」
「んっ、ドラゴン?」
そう、ルリを見た美女の一言。
それにむっと首を傾げる。
「あれ、ルリにユカじゃないか。
今日は用事があったんじゃないのか?」
「いやぁ、小林がデートしていると聞いて」
「デートというよりも、相談料だな。
エルマさんはドラゴンの事で知識があるからな」
「ドラゴン?」
「むっ、という事は君がハーフのドラゴンのルリちゃんか。
私はエルマだ、よろしくな!」
そう、謎の美女ことエルマはルリに握手をする。
「はっはい」
そして、ルリは小林の手を握る。
「あははぁ、これが噂のドラゴンか」
ルリ達からドラゴンの事については話を聞いていたので、ユカも納得していた。
「それにしても、色々と気になるなぁ、ドラゴンの事」
イルルは2人目のヒロイン?
-
あり
-
なし