ポケットモンスター~First eclipse,the rest nowhere~   作:暁桃源郷

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初めてのバトル

「・・・・・はい。と言うわけで三人にはこのポケモン達をプレゼントしたいと思います」

 

授業が終わったスペシャルウィーク、セイウンスカイ、エルコンドルパサーの三人は早速トレーナーがいるであろうチームシリウスの部活へと足を踏み入れた。

トレーナーは自身の椅子に座っており、机の上には三つのボールが置かれていた。

 

「トレーナーさん!あの子達は何処にいるんデスか?」

「そうだな。トレーニングの前にその話だけしないといけない」

 

トレーナーは何時も自身が計算をしているホワイトボードを裏返し書かれていた計算をザッと消すとペンを持ち出し書き始める。

 

「第一回ポケモンリーグトレセン学園大会?」

 

セイウンスカイがホワイトボードに書かれた文字を読み上げたとともにトレーナーがそう!とホワイトボードを叩く。

 

「ポケモンってお昼に見たあの子達の事ですよね?ここに来る途中にも鳩みたいな子も見ましたけど・・・」

「そうだ。ポケモン達が元居た世界では人とポケモンが共存して生活していたらしい」

 

トレーナーは自分の机からボールを手に取り全て投げる。

するとボールが開き中からアチャモ、ナエトル、アシマリが出てきて三人に抱きつく。

 

「そのポケモン達はお前らに懐いてるからな。プレゼントだ。後、ボール二つずつね」

 

トレーナーが三人にモンスターボールを渡しさて、と続ける。

 

「詳細は九時くらいに寮のモニターで流れるから今はトレーニングだ!今日は三人ともデビュー戦に向けての調整だ。では、今日の練習メニューを発表する!」

 

 

 

練習が終わり下校時間となった。

生徒達が各々下校している中、ここ生徒会室では生徒会長のシンボリルドルフを筆頭に生徒会会議が開かれていた。

そこに唯一普段は居ないウマ娘が一人。

 

「あのー、どうして私が呼ばれたのでしょうか?」

 

少女の名前はスペシャルウィーク。

シンボリルドルフのトレーナーが現在担当しているウマ娘だ。

 

「呼び立ててしまってすまない。しかし、今ポケモンを所持しているのが君と、私の隣にいる副会長のエアグルーヴを含めてまだ四人しかいないのでね。この話にはポケモンを持つ人物が最低二人は欲しかったから呼ばせて貰った」

 

と、言うことは後はセイちゃんとエルちゃんか、等と思いながらスペシャルウィークは納得したように椅子に座るとそれを見たシンボリルドルフが目の前の資料に目を落とす。

 

「突如現れた謎の生物、ポケモンについての議題だが、昼休みに丁度理事長から提案があり半年に一回ポケモンバトルの大会を開き、頂点を決めようと言うことだ」

「会長、そもそもポケモンバトルとはなんですか?」

 

先程まで静聴していたエアグルーヴが手を上げて質問を投げ掛ける。

 

「うん。ポケモンバトルはポケモントレーナーが互いのポケモンを戦わせ競う競技だと理事長は仰っていた」

「面白そうだな。血が滾る」

 

何時もならサボっているだろう目を瞑り枝を咥えていた副会長のナリタブライアンも戦いには興味が湧いたのか口を開く。

スペシャルウィークにとっては周りに居るのは幾つものG1に勝った先輩なのだ。

 

「もちろん、ブライアンにも参加権はある。一蓮托生、ポケモン達と頑張ってくれ」

 

ルドルフがそういって時計を見ると席から立ち上がり、部屋の扉に向かって歩く。

 

「さぁ、そろそろ時間だ。エアグルーヴ、スペシャルウィーク。レクリエーションの一貫として君たちにはポケモンバトルを行って貰う」

「はい」

「は、はい!・・・って、エェェェェェ!?」

 

 

 

ここは栗東寮のとある一室、そこに一人のウマ娘が左回りでぐるぐると歩き回っていた。

彼女の名前はサイレンススズカ

スペシャルウィークのルームメイトだ。

 

「スペちゃん、何時もより遅いわ・・・。何かあったのかしら?」

 

先程から部屋をぐるぐる歩き、スペシャルウィークの帰宅が遅い事を心配してた。

寮の門限は午後十時。

時たま門限ギリギリに帰ってきたことはあるものの基本真面目なスペシャルウィークは何時もは午後七時半には帰宅しているはずなのだ。

サイレンススズカが時計も見ると既に時間は午後の八時五十八分。

 

「・・・・・・・探しに行きましょう」

 

意を決してサイレンススズカが部屋を出ようと扉を開けるようとして扉が何かにぶつかった。

ふんぎゃろ!、と小さな悲鳴が聞こえてきた。

サイレンススズカが扉の隙間から顔を覗かせると鼻を押さえたマチカネフクキタルが座り込んでした。

 

「どうしたのフクキタル?」

「りょ、寮長さんに皆をロビーに集めて欲しいと言われまして・・・」

フジキセキに?」

 

少し戸惑いながらもフクキタルの後ろに着いてロビーに向かっていく。

ロビーに着くと既に皆来ていたようで一体何の集まりなのだろうかとサイレンススズカが思っていると後ろからフジキセキがサイレンススズカの肩に手を乗せる。

 

「やぁ、遅かったねスズカ。トレーナーさんから何か発表があるから九時にロビーに集まってってトレーニング前に聞いてない?」

「・・・・・・ごめんなさい。その時早く走りたくてそわそわしてたから・・・」

「スズカらしいね」

 

フジキセキは笑いながらサイレンススズカから手を話すと手をパンパンと叩く。

 

「ハイハイ!皆、静かにね!もうすぐ放送が始まるから!」

 

フジキセキの言葉に一同がシンと静まり返った瞬間ロビーにあるモニターが光りだす。

おそらくトレセン学園の体育館であろうか暗くてよく見えない。

 

「あれ?誰か居ない?」

「え?どこどこ?」

「ほら、画面の真ん中」

「本当だ!」

 

一人のウマ娘が声を上げてまたざわめきだす。

 

『ポケットモンスター、縮めてポケモン。こことは違うまた別の世界の不思議な不思議な生き物海に森に町に、その種類は、100、200、300、いや、それ以上かもしれません』

「始まったね」

 

フジキセキがそう呟き、サイレンススズカがチラッとフジキセキを見てまたモニターに視線を移す。

バッと光の束が人影に当てられるとそこに居たのはトレーナーだった。

だが、いつものジャージではなく、マジシャンのような姿だった。

不意にフジキセキが顔を赤くしたような気がしなくもないサイレンススズカだったが特に気にせずにモニターに釘付けになる。

 

『皆さんがご存知だと思いますが、本日の昼頃不思議な生物、ポケモンが現れました』

 

トレーナーは手に持ったモンスターボールを投げると中からポケモンが現れる。

 

『このポケモンはヨーギラス。ダートコースに埋まっていたのを捕まえました。ポケモン達の種類は多種多様で生態もまた多種多様です。そんなモケモン達と心を通わせ協力する人のことをポケモントレーナーと言います』

 

トレーナーの背後に光が差すとそこからスペシャルウィークとエアグルーヴの二人が現れた。

 

 

 

急に光が当てられて目が眩むスペシャルウィークを元にトレーナーが淡々と説明していく。

 

「それでは、皆様!大変お待たせ致しました!本日のメインイベント!ポケモンバトルです!」

 

体育館に虚しく響くトレーナーの声。

あまりにいたたまれなかったのか目を反らすエアグルーヴと後ろの方で何か話しているシンボリルドルフとナリタブライアン。

 

「スペシャルウィーク」

「は、はい!」

「手は抜くなよ」

「・・・・・はい!」

 

トレーナーが二人の横を過ぎ去ると同時に二人は歩きだす。

互いに十メートル程の距離を開けて向かい合った。

 

「それでは両者、ポケモンをだして下さい」

 

トレーナーの言葉に二人は手に持ったボールを投げる。

 

「「来て(来い)!ナエトル(フシギダネ)!」」

「「ナト(ダネ)!」」

 

スペシャルウィークがナエトル、エアグルーヴがフシギダネを繰り出したのを確認するとトレーナーは手を挙げる。

 

「それでは、バトル始め!」

 

二人のポケモンを見てトレーナーの後ろに居るシンボリルドルフはうーんと声をだす。

 

「フシギダネとナエトル。相性は互いにいまひとつか・・・」

「おい、何でアイツが司会をしている?」

 

ナリタブライアンが顎でトレーナーを指しシンボリルドルフが少し笑いながら答える。

 

「昔からあぁ言うキャラクターで司会をしたかったらしい。衣装もフジキセキの中等部の時の服を譲って貰ったと聞いた」

 

子どもっぽいだろ?と、シンボリルドルフがナリタブライアンに微笑みかける。

その微笑みを他所にナリタブライアンがトレーナーを見るとなんとも生き生きと実況をしている。

今回の一件で一番楽しんでいるのはおそらくトレーナーだろう、とナリタブライアンは心の中で呟いた。

 

「えっと・・・ナエトル!体当たり!」

「ナト!」

「つるのムチで受け止めろ!」

「ダネフシ!」

 

スペシャルウィークの指示でナエトルがフシギダネに向かって走り出す。

しかし、フシギダネのつるのムチで簡単に止められてしまう。

 

「そのまま地面に叩き付けろ!」

「ダネッ!」

「ナエトル!?」

 

ナエトルが地面に叩き付けられて小さな悲鳴を上げる。

しかし、すぐに立ち上がると首を振り元気よく吠える。

 

「ナエトル!エナジーボール!」

「はっぱカッターで迎え撃て!」

 

ナエトルのはエナジーボールとフシギダネのはっぱカッターがぶつかり合い爆発する。

 

「そのまま体当たり!」

「ナト!」

「何!?」

 

爆発の煙の中からナエトルが現れてフシギダネを吹き飛ばす。

 

「敗けるなフシギダネ!とっしん!」

 

直ぐ体勢を立て直したフシギダネがナエトルに向かって走り出す。

 

「からにこもる!」

 

ナエトルが自分の甲羅に籠り、フシギダネの頭がナエトルの甲羅に直撃する。

 

「だ、ダネダ・・・」

「ナエトル!?」

「今です!エナジーボール!」

「ナァトッ!」

 

ナエトルのエナジーボールがフシギダネを吹き飛ばしフシギダネがエアグルーヴの目の前に倒れる。

それを見たトレーナーがゆっくりとフシギダネに近付き覗き込む。

 

「・・・・・フシギダネ戦闘不能!ナエトルの勝ち!よって勝者、スペシャルウィーク!」

 

トレーナーが旗を上げると共に後ろからシンボリルドルフとナリタブライアンが歩いてくる。

 

「今、生徒諸君に見て貰ったのが、ポケモンバトルだ。互いに育てたポケモンで競い合い、ポケモンと一心同体となり勝利を掴む」

 

そして、と続けシンボリルドルフが両腕を大きく広げると体育館のすべての明かりが一瞬で着く。

 

「トレセン学園で、ポケモンバトルの大会を開く事になった!その名も、ポケモンリーグトレセン学園大会!」

 

ナリタブライアンとトレーナーが垂れ幕を広げるとそこには「第一回ポケモンリーグトレセン学園大会」と書かれている。

 

 

 

『詳細はまたおって報告する。ウマ娘の諸君はポケモン達と触れ合い、トレーナーと共にレースに向けて頑張ってくれ。生徒会からは以上だ』

 

モニターが真っ暗になり見入っていたウマ娘達がざわめきだす。

勿論それはサイレンススズカも例外ではなかった。




・フシギダネ
たねポケモン
くさタイプ
生まれてからしばらくのあいだは背中のタネから栄養をもらって大きく育つ。

・ヨーギラス
いわはだポケモン
いわ・じめんタイプ
土の中の栄養で育つ。およそ山1つ分の土を食うことでサナギになるのだ。
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