心を塞いだ少女と心が焼け墜ちた少年 作:まふゆに狂い始めた少年
布団にまふゆが潜り込んできたこと以外は特になかった朝を過ごし、いつも通りに学校に行く。
教室の扉をガラリと引くと、彰人がなにやらゲッソリとした表情でうなだれているのが目に映った。
一体どうしたんだ?
「よっ、どうしたんだそんな死んだ顔して。また姉さんにシュークリーム食われたんか?」
「ああ……ナツか、実は天馬先輩に面倒事頼まれそうになっててな……あとシュークリームじゃなくてカスタードケーキだ」
「なるほどなぁ、ニアピンだったか。それはともかくこの時期で呼ばれるとなると……体育祭か?」
俺が問いかけると彰人は首を縦に振って肯定した。
天馬先輩かぁ、確かフェニックスワンダーランドにあるショーステージの一つ、ワンダーステージのキャストで、ワンダーランズ×ショウタイムというグループ?の座長をやってるとこの前自慢していた。
あとものすごーく、声が大きい。
具体的には106㏈ぐらい(電車のガード下よりも少しうるさい程度)。
悪い人ではないのは確かだと思うが、落ち着いて欲しいなと内心思ってる。
彰人とそんな会話をしてると、ガラガラと教室の扉を開ける音が。
「失礼するッ!!ここに東雲彰人はいるかー!!」
噂をすればなんとやら、天馬先輩が来た。
その瞬間に彰人がシュンと音もなく静かに隠れた、そんなに見つかりたくないんかお前。
ちらっと視線だけ彰人の方を見るとどうにか誤魔化してくれとのジェスチャー、このまま突き出した方が楽なのは確かだが……後で彰人にどやされるのはちょっとアレだし乗っておくか。
「彰人はまだ来てないっぽいですー!!」
「そうか!!ではまた後で聞きに行かせてもらおう!!」
一瞬表情が変わったような気もするが、ハッハッハー!!と陽気な表情で司先輩は笑いながら去って行った。
ホント嵐みたいな人だ、俺個人としての主観は
なんでそう思うのかと聞かれれば、頑固なまでの自己肯定感の高さと
ちらりと彰人の方に視線を移せばマジ感謝と言わんばかりに手を合わせている、俺は仏か何かかいな?
(助かったわ……)
(気にすんな、ただ今度おいしいケーキ屋行く時は奢りな。)
(うぐっ、…わかった)
(合わせてやったんだからぐうたれんじゃない。どっかでお菓子作ってやるから)
そんなこんなで何時もよりは少しだけ愉快な朝だった。
それから時間が過ぎてお昼時。 何時ものように彰人と冬弥達でお昼ご飯を食べていると、俺の左隣でもぐもぐと甘ったるそうなメロンパンをほおばっている彰人がふと話し出した。
「むぐ……そういやナツ。お前昨日放課後何してたんだ?」
「そういえば昨日はナツは早めに帰ってたな、おそらく昼間の女子関係なんだと思う」
俺の横で聞いていた冬弥は的を射たことを零した。
「その通りだよ冬弥、まぁあの後色々あって大変だったわ……」
冬弥と彰人にはセカイなどの事やニーゴのことは伏せて起きたことを話した。
「……なるほどな、随分と厄ネタの予感しかしないが大丈夫なのか?」
俺を気遣ったのか、彰人がすこし心配そうな声色で言う。
「そうだな。それに関しては俺も同意だ」
冬弥も不安げに俺の顔を見ている。
「大丈夫だからそんな心配せんでも大丈夫だよ、まぁ引き受けちまった以上はちゃんとやりきるさ」
これはやらなきゃいけない罪の清算だからな。
「お前がそう言うんなら大丈夫だとは思うが……」
彰人は何処か納得はいかないと言った表情で渋々飲み込んだらしい。
冬弥も同様ではあるが、当人が納得しているのならそれ以上は言わないと言った感じだ。
まぁどうにかしないと