仮面ライダーシノビ(ビルド) × 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 ~夢が始まり、虹が咲く場所~   作:ラビラビfom

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直大 「前回の仮面ライd 侑「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会は!!」


「おい割り込むなよ 」

「えぇ~いいじゃん」

「よくないっての。これ初めてのあらすじ紹介だからね」

「そんなのどうでもいいよ」

「どうでもよくねぇよ」


オッホン

「気を取り直して。仮面ライダーシノビであり、天才作詞作曲家の星奈直大は、幼なじみとともにスクールアイドル同好会の部室を探す」

「直大、あの時いなかったよね 」

「えっ! ほんとだぁ!やばい!あらすじ紹介で嘘言っちゃった」ドウシヨー

「ここからは私が! 見つけたのいいけど 廃部になっちゃって まぁ大変!怪物と紫と黄色の怪人みたいな? のも現れるしでもう情報量多スギダヨ~」

「なんか 俺の説明雑じゃない? 改めて 満を持して登場! 仮面ライダーs 「そして、勇気をだして 歩夢 が スクールアイドルに!? もう完っ全に トキメイちゃったYo !」カワイイヨー

「ちょっと!まだ説明してる途中だって」

「誰も直大の話なんか聞きたくないよ」

「そんなことないって」

「そんなことあるって」

ない!ある !ない! ある! ない! ある!……


歩夢 「あの2人は放っておいて、さぁどうなる 第2話!」


侑 「ァッ…! ワタシノセリフ」

直大 「 アーァ イワレチャッタヨー」





2-1話 ~新しい出会い~

 

 

 

 

 

――世界で一番のワンダーランド。

 

 

 大好きなスクールアイドルたちが立つ、きらきらと輝くステージ。

 かわいい衣装を身にまとい、たくさんの人に笑顔を届ける、夢のような場所。

 

 私も、いつかそこへ行けると思っていた。

 

 そう、思っていたのに――。

 

「かすみさん! もっと振りを大きくしてください! 熱量が感じられません!」

 

 鋭い声が、屋上に響き渡った。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 息を切らしながら、私は膝に手をつく。

 

 全身が重い。足は痛いし、喉もからからだった。何度も同じ振り付けを繰り返したせいで、腕を上げるだけでもつらい。

 

 それでも、目の前に立つ少女は休もうとしなかった。

 

 黒髪の少女――優木せつ菜は、真剣な表情でこちらを見つめている。

 

 

 スクールアイドルが好きだから始めた。

 かわいい衣装を着て、かわいい歌を歌って、かわいいダンスを踊りたかった。

 

 ただ、それだけだったはずなのに。

 

 どうして、こんなに苦しくて、つらいのだろう。

 

「私は……かわいいパフォーマンスがしたいのに……」

 

 思わず、そんな言葉がこぼれた。

 

 せつ菜の指導は間違っていない。もっと大きく動けば、もっと練習すれば、もっと完璧に踊れば、きっとファンのみんなに気持ちは届く。

 

 でも、今の私がやっていることは、本当に私のやりたいことなのだろうか。

 

「せつ菜ちゃん、少し休憩にしよう?」

 

 赤毛を三つ編みにした少女──エマが心配そうに声をかけた。

 

「そうだよ~。休みなしで練習するのは、あんまりよくないと思うな~」

 

 ウェーブのかかったオレンジブラウンの髪を揺らしながら、もう一人の少女──彼方も続く。

 

 けれど、せつ菜は首を横に振った。

 

「そんな時間はありません!」

 

 その声には、焦りのようなものが混じっていた。

 

「スクールアイドルが大好きなんでしょう!? やりたいんでしょう!? こんなパフォーマンスでは、ファンのみなさんに大好きな気持ちは届きませんよ!」

 

せつ菜の言葉に、胸がぎゅっと締めつけられた。

 

「でも……」

 

 私は、震える声で反論しようとした。

 

 

 かわいいパフォーマンスがしたい。

 楽しく踊りたい。

 みんなと一緒に、笑顔でステージに立ちたい。

 

 

 

「こんなの……全然かわいくないですぅぅぅぅ!!」

 

 

 屋上へ響き渡った自分の声に、みんなが驚いたようにこちらを見る。

 

 せつ菜もまた、何かを言おうとして口を閉じた。

 

 誰も、すぐには言葉を返せなかった。

 その沈黙が、私にはひどく長く感じられた。

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 虹ヶ咲学園の生徒会室では、生徒会長の中川菜々と朝香果林が向かい合っていた。

 

「それで、なんのご用ですか? ライフデザイン学科3年の朝香果林さん」

 

「ふふっ。本当に、生徒全員の名前を覚えているのね」

 

 果林は感心したように微笑んだ。

 

「それなら、優木せつ菜さんのことも知っているかしら?」

「えぇ……もちろん知っています」

 

 

 菜々は、わずかに表情を硬くした。

 その変化を、果林は見逃さなかった。

 

「スクールアイドルに興味があるみたいなの。でも、誰に聞いても学科もクラスも分からないのよね」

 

 果林は机に軽く腰を預けながら、探るように菜々を見つめる。

 

「…フーン そう 残念ね」

そう言いながらも、果林の表情はそれほど残念そうではなかった。

 

 むしろ、何かを確かめたような顔をしている。

 

 その傍らでは、サングラスとマスクで顔を隠した不審者──いや女子生徒が、壁際に身を潜めていた。

 

 片手には、一匹の白い猫を抱えている。

 

(作戦開始です!)

 

 彼女――中須かすみは、二人の会話を聞きながら、タイミングをうかがっていた。

 

 菜々が口を開く。

 

「ご用件はそれだけで――」

 

「きゃーっ! 猫よーっ!」

 

 突然、廊下から大きな声が響いた。

 

菜々が口を開いたタイミングである声が耳に入る。

 

「……?」

 

「猫?」

 

 菜々と果林が、同時に廊下へ視線を向ける。

 

 菜々は怪訝そうな顔をしながら、生徒会室の扉へ歩み寄った。

 

「いったい、何の騒ぎ――」

 

「ニャーッ!」

 

 扉を開けた瞬間、白い猫が勢いよく飛び込んできた。

 

「うわっ!?」

 

 猫は菜々の胸元へ飛びつき、その衝撃で菜々は尻もちをついてしまう。

 

「ニャー!」

 

 役目を終えた猫は、床へ着地すると、そのまま廊下の奥へ走り去っていった。

 

「あっ、こら! 待ちなさい!」

 

 菜々は慌てて立ち上がり、猫の後を追っていく。

 

「…………」

 

 取り残された果林は、しばらく呆然と廊下を見つめていた。

 

「……何だったのかしら?」

 

 やがて、果林は小さく肩をすくめると、生徒会室を出ようと扉に手をかけた。

 

 その瞬間だった。

 菜々が部屋を離れた隙を狙い、かすみが素早く室内へ滑り込んだ。

 

「にひひ……今がチャンスです!」

 

 扉の陰に隠れたかすみは、菜々と果林の姿が見えなくなったことを確認する。

 

 そして、すぐさま生徒会室の中を探し始めた。

 

「どこですか……どこにあるんですか……!」

 

 机の引き出しを開け、棚を覗き込み、確認していく。

 サングラスがずれ、マスクの隙間から荒い息が漏れる。

 

 それでも、かすみは諦めなかった。

 

「絶対に見つけてみせます……!」

 

 しばらくして。

 

「あっ!」

 

 かすみの手が、一つのプレートを掴んだ。

 

「うひょお~! ありましたぁ!」

 

 思わず声を上げ、プレートを高く掲げる。

 

 しかし、喜びに浸っていられたのは、ほんの一瞬だった。

 

「……何をしているんですか?」

 

 背後から、冷たい声が聞こえた。

 

「…………」

 

 かすみの動きが、完全に止まる。

 

 ゆっくりと振り返ると、そこには菜々が立っていた。

 その表情は、にこやかなんてものではなく、冷たい氷のようなものだった。

 

「…………」

 

 菜々は無言のまま、かすみをじっと見つめている。

 マスクの内側で、かすみの額から汗が流れ落ちた。

 

「ぎょえーっ! もう帰ってきたんですかぁ!?」

 

 かすみは悲鳴を上げた。

 

「しかし、もう目的は果たされましたぁ! さらばです!」

 

 手に入れた書類を抱え、かすみは生徒会室の扉へ向かって駆け出す。

 

「ああっ! 待ちなさい!」

 

 菜々が追いかける。

 かすみは扉の前で一度だけ振り返ると、マスクを少しずらし、舌を出した。

 

「べー!」

 

 そして、プレートを手にしたまま、脱兎のごとく廊下へ逃げていった。

 

 菜々は開け放たれた扉の前に立ち尽くし、深いため息をつく。

 

「……まったく」

 

 その声は、廊下の奥へ消えていったかすみには届かなかった。

 

 

───────────────────────

 

 

 

♬ 虹色Passions

 

 

───────────────────────

 

 

 

スクールアイドル同好会――元部室。

 

 かつては、歌声や笑い声が響いていた場所だった。

 

 壁に貼られたポスター。隅に置かれた譜面台。練習の合間に誰かが飲んだペットボトル。そこには、同好会で過ごした時間の名残が、まだ残っているはずだった。

 

 そう思っていた。

 

「……え?」

 

 中須かすみは、足を止めた。

 

 目の前にあったのは、見慣れた扉ではない。

 

 自分が持っているプレートと同じ素材の鉄製のプレートが掲げられていた。

 

 そこに記されていた文字は――。

 

「ワンダーフォーゲル部……?」

 

 かすみの声が、誰もいない廊下にぽつりと落ちた。

 

 同好会の部室だった場所は、すでに別の部活のものへと変わっていた。

 

「わ、私たちの部室が……」

 

 手にしていたネームプレートが、かすかに震える。

 

 つい先ほど、生徒会室からどうにか取り戻してきたものだった。いや、正確に言えば、取り戻したというより盗み出したものだ。けれど、かすみにとってはそんなことはどうでもよかった。

 

 このプレートだけでも、同好会が存在していた証拠を守りたかったのだ。

 

 しかし、その証拠を掲げる場所そのものが、もうなくなっている。

 

「ぅ……ぅぅ……」

 

 かすみの肩が、小刻みに震え始めた。

 

「こんなの残酷すぎですぅ……!」

 

 その叫びが廊下に響いた直後。

 

 背後から、靴音が近づいてきた。

 

 コツ、コツ、と一定の間隔で床を叩く音。

 

「ひっ!?」

 

 かすみは反射的に振り返った。

 

 そこに立っていたのは、虹ヶ咲学園の生徒会長――中川菜々だった。

 

 眼鏡の奥の瞳は、静かな光を宿している。そのレンズが、廊下の明かりを受けて鋭くきらめいた。

 

「普通科一年、中須かすみさん

何を言いたいのかは、分かっていますよね?」

 

「あわわわゎ…」

 

 かすみは後ずさった。

 だが、逃げ道はない。

 

 菜々はかすみの手元へ視線を落とすと、ためらいなくネームプレートを取り上げた。

 

「あっ! 返してください!」

 

「これは、あなたの私物ではありません」

 

「…でも、同好会の大事なものです!」

 

「どんな事だとしても、勝手に持ち出してはいけません」

 

 菜々の言葉に、かすみは口をつぐんだ。

 

 正論だった。

 

 正論だったが、納得できるかどうかは別問題である。

 

「……わたしは、同好会を取り戻したいだけなのに」

 

 小さくこぼれた声は、菜々には届かなかった。

 

 あるいは、届いていたのかもしれない。

 

 しかし、菜々は何も言わず、ネームプレートを手にしたまま踵を返した。

 

 残されたかすみは、悔しそうに拳を握りしめる。

 

「……絶対に、諦めませんからね」

 

 その声に応える者は、誰もいなかった。

 

 

◇◇◇◇

 

 昼休み。

 

 かすみは食堂の片隅で、パンを勢いよく頬張っていた。

 

「はむっ!」

 

 柔らかなパンを噛みちぎり、さらに次の一口を押し込む。

 

「……あのいじわる生徒会長……!」

 

 怒りに任せて食べ続けるかすみの隣で、誰かの手がそっと動いた。

 

 なで、なで。

 

 頭を撫でられ、かすみは一瞬だけ動きを止める。

 

 かすみの隣に座っているのは、桜坂しずく。

 

 腰まで届くダークブラウンの髪をお嬢様結びにまとめ、大きなリボンを揺らしている。しずくは、まるで泣き疲れた子供を慰めるように、かすみの頭を優しく撫でていた。

 

「怖かったねぇ。でも、生徒会室に無断で忍び込んだりするからだよ」

 

「ぐぬぬぬぬぬ……!」

 

 かすみは反論しようとした。

 

 しかし、何を言っても自分が悪いような気がして、結局うなり声しか出てこない。

 

 しずくは苦笑しながら、かすみの横顔を見つめた。

 

「……部室、なくなっちゃったんだね」

 

 その言葉に、かすみの動きが止まった。

 

 さっきまで怒りで赤くなっていた顔が、少しずつ曇っていく。

 

「……うん」

 

 かすみは、手にしていたパンを見つめた。

 

「部室もなくなって、同好会もなくなって……せつ菜さんも、もういない」

 

 口にしてしまうと、現実がいっそう重く感じられた。

 

 かすみはそれを振り払うように、机を両手で叩いて立ち上がる。

 

「だったら!」

 

 食堂中の視線が、一斉にこちらへ集まった。

 

 かすみは気にしない。

 

「こうなったら、徹底抗戦だよ、しず子ぉ!」

 

「て、徹底抗戦……?」

 

 しずくが目を丸くする。

 

 かすみの脳裏には、壮大な光景が浮かんでいた。

 

せつ菜を除く、元同好会メンバーが広場に集まり、同好会の名が書かれたプラカードを掲げている。

 

『生徒会長の横暴を許すなー!』

 

『スクールアイドル同好会を返せー!』

 

かすみたちが拳を突き上げる。

 

「「「おー!」」」

 

 

 

──しずくは少し困ったように笑った。

 

「あはは……気持ちは分かるよ」

 

「でしょー!」

 

「……せつ菜さんには相談したの?」

 

「っ……!」

 

 その名前を聞いた瞬間、かすみの表情が固まった。

 

 そして、ぷいと顔を背ける。

 

「するわけないじゃん!そもそも、部室以外で会ったことなかったし……」

 

「……そうだね」

 

 しずくの声が、少しだけ沈んだ。

 そのときだった。

 

「しずく」

 

 背後から、落ち着いた声がかかった。

 振り返ると、演劇部の部長が立っていた。

 

「あっ……」

 

 しずくの表情が変わる。

 

「練習、行こう」

「はい」

 

 しずくが立ち上がる。

 

「えっ、ちょっとぉ! しず子、まだ話は終わってないよ!」

 

 かすみが慌てて袖を掴もうとする。

 だが、その前に演劇部の部長がかすみへ向き直った。

 

「こんにちは」

「あ、はい……こんにちは」

 

 あまりにも丁寧に挨拶をされ、かすみも反射的に頭を下げる。

 

 その間に、しずくは鞄を手に取っていた。

 

「ごめんなさい、かすみさん。演劇部の稽古に行かなくちゃ」

 

「えっ?」

 

「後で連絡するね」

 

 しずくは申し訳なさそうに微笑むと、部長の後を追って歩き出した。

 

「ちょっとぉー! しず子ぉー!」

 

 かすみの声が、食堂の中に響き渡る。

 

 しかし、しずくは一度振り返っただけで、そのまま去っていった。

 

「……」

 

 かすみは伸ばしかけた手を、ゆっくり下ろした。

 

 目の前に残されたのは、食べかけのパンと、空になった椅子だけだった。

 

「ぐぬぬぬぬぬ……」

 

 怒っているのか、寂しいのか。

 

 自分でも分からないまま、かすみは一人、拳を握りしめた。

 

 スクールアイドル同好会を取り戻す。

 

 そう決めたはずなのに。

 

 そのために何をすればいいのか、今のかすみにはまだ分からなかった。

 

 

 

 

◇

 

その頃、星奈直大は――。

 

 放課後の校舎を、ひとり歩いていた。

 

 

 中川に連絡を入れてから、すでにしばらく時間が経っている。いまだに返事はない。

 

「……仕方ないか」

 

 そう呟き、俺は生徒会室へ向かった。

 しかし、扉を開けても、そこに菜々の姿はなかった。

 

 

 机も、椅子も、整然と並んでいる。窓から差し込む夕方の光が、誰もいない室内を静かに照らしていた。

 

--もしかして、俺、避けられてる?

 

……いや、もしかしなくても、そうだよな

 

 

 

 自問自答する自分にふと、肩がガクッと落ちた。

 

 しばらく生徒会室の前で立ち尽くしたあと、俺は踵を返す。

 

 今は、侑と歩夢のところに向かうか。

 

──途方に暮れながらも、俺は足を動かす。

 

 

 

     ◇ ◇ ◇

 

 

 同じ学園内にある広場では、侑と歩夢がベンチに腰を下ろしていた。

 

「それにしてもさ、スクールアイドルって、具体的にはどうすればなれるんだろう……?」

 

 侑が腕を組み、真剣な表情で首を傾げる。

 

「うーん……やっぱり『スクール』って付くくらいだから、同好会や部活に入らないといけないのかな?」

 

 歩夢も考え込むように視線を落とした。

 

「歌やダンスの練習も必要だよね。衣装も考えないといけないし……」

 

「うーむ。難しいね」

 

 二人が頭を悩ませている、そのすぐ近くで。

 

「……はむっ。しず子の薄情ものぉ……」

 

 ひとりの少女が、パンを噛みしめていた。

 中須かすみである。

 

 その顔には、先ほどまでの悔しさがありありと浮かんでいた。

 

 同好会を復活させるため、しずくに協力を求めた。しかし、返ってきたのはつれない態度だった。

 

 胸の奥が痛む。

 

 それでも、かすみの瞳から闘志が消えることはなかった。

 

「こうなったら、かすみんひとりでも……!」

 

 かすみは勢いよく立ち上がる。

 その胸の中には、甘くきらびやかな未来が広がっていた。

 

 

 かわいい衣装。

 

 華やかなステージ。

 

 観客たちの視線を一身に浴びる、最高にかわいい自分。

 

「『かわいい』が溢れる、かすみんワンダーランドを作っちゃいますよぉ!」

 

 かすみは拳を握りしめた。

 

◇◇◇

 

「あっ、直大!」

 

「……おう」

 

 俺の返事は、どこか湿り気を帯びていた。

 侑はすぐに眉をひそめる。

 

「なんか、テンション低くない?」

 

「……ソンナコト...ナイヨ」

 

 俺は棒読みで答えた。

 歩夢が苦笑する。

 

「なんでカタコト……?」

 

「それよりさ、お前ら二人で何の話をしてたんだ?」

 

 俺は強引に話題を変えた。

 侑は気にした様子もなく、嬉しそうに口を開く。

 

「どうやったらスクールアイドルになれるかなって、話してたの」

 

そういえば、まだ説明してなかったけな。

ここは一つ、スクールアイドルのマネージャーをやっていた俺が説明しようじゃないか。

 

俺は意気揚々と、侑の疑問に答えようとしたそのときだった。

 

「それなら――」

 

 背後から、突然声が割り込んだ。

 

「せ~んぱ~い♡」

 

--- おいこら、誰だよ俺の話遮ったのぉぉぉ!

 

 

 

「「「うわっ!?」」」

 俺たち同時に驚き、慌てて振り返った。

 そこには、いつの間に近づいてきたのか、ひとりの少女が立っていた。

 

 少女は満面の笑みを浮かべ、三人を順番に見つめている。

 その表情には、どこか人をからかうような、けれど親しげな雰囲気があった。

 

「スクールアイドルに、ご興味あるんですかぁ~?」

 

 少女が、甘い声で尋ねる。

 侑と歩夢と俺は顔を見合わせた。

 

 

───新たな出会いの予感が立っていた。

 

 それぞれの思惑が交差する放課後。

 物語は、次なる局面へ動き始める。

 

 

 

続く……








2-1話でした

これからあらすじは最初の1話に書こうと思います。

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