仮面ライダーシノビ(ビルド) × 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 ~夢が始まり、虹が咲く場所~ 作:ラビラビfom
0-2話です。
記憶が蘇ってから、一週間が経った。
これといって、大きな出来事は起きていない。
世界は相変わらず平和で、俺もまた、これまでと変わらない日常を過ごしていた。
ただ、以前とは少しだけ違うことがある。
何かを考えながら歩いていると、いつの間にか目的地とはまったく違う場所へ来ていることが増えたのだ。
先日は図書室にいた。
そして今日は――。
◇
シューズの底と床が擦れ合い、体育館の中に「キュッ、キュッ」という音が響いている。
気がつけば、俺は体育館の隅に立っていた。
どうやら考え事をしているうちに、ここまで歩いてきてしまったらしい。
うちの学校は、呆れるほど広い。
移動教室に手間取って、授業に遅刻する生徒が珍しくないほどだ。校舎だけではなく、体育館やグラウンドもかなりの広さを誇っている。
その体育館では、バスケットボール部やバレーボール部が、それぞれ練習に励んでいた。
……こうして見ると、生徒数も相当多いよな。
あちこちから飛び交う掛け声や、床を蹴る足音。
それらをぼんやり眺めている。
記憶を取り戻してからというもの、以前よりも人の動きを観察することが増えた気がする。
誰がどこへ向かい、誰と話し、どんな表情をしているのか。
自分でも、少し不気味に思うことがある。
「……何してるんだろうな」
さすがにそろそろ戻るか。
侑と歩夢は、先に帰っている。
別に置いていかれたわけじゃないんだからね!
二人とも用事があると言っていたし、俺も少しだけ寄り道をしていただけだ。
……誰に言い訳しているのかは、自分でもよく分からない。
そんなことを考えながら、体育館の出口へ向かって歩き出した。
その時だった。
「はい、パス!」
「オッケー!」
「シュート!」
背後から、バスケットボール部員たちの声が聞こえてきた。
直後、何かが床を強く跳ねる音が響く。
視界の端を、オレンジ色のボールが横切った。
「ん?」
反射的に振り返る。
どうやらシュートが外れたらしい。
ボールはリングとはまったく別の方向へ飛び、体育館の端にいた一人の女子生徒へ向かっていた。
「危ない!」
誰かの叫び声が聞こえる。
女子生徒は突然のことに気づいていない。
「まずい!」
そう思った瞬間には、もう足が動いていた。
俺がいた場所から、ボールの向かう先まではかなりの距離がある。
ざっと見ても、百メートル近くはあるだろうか。
普通なら、間に合うはずがない。
こちらへ向かってくるボールの軌道は、なぜか異様なほどゆっくりに見えた。
周囲の音が遠のく。
視界に映るのは、宙を飛ぶボールと、その先にいる女子生徒だけ。
(間に合うのか……?)
一瞬、そんな考えが頭をよぎる。
だが、すぐに打ち消した。
(いや、間に合わせるんだ)
床を蹴る。
身体が驚くほど軽い。
次の瞬間、俺は女子生徒の前へ滑り込んでいた。
迫り来るボールへ手を伸ばし――。
*~●ヽ キャッチ!
「ふぅ……セーフ」
ボールは、女子生徒に直撃する寸前で俺の手に収まった。
危機が去ったことで、体育館に再び部員たちの声やシューズの音が戻ってくる。
俺は手の中のボールを確認してから、女子生徒へ視線を向けた。
「大丈夫? 怪我はない?」
突然ボールが飛んできたせいか、彼女はまだ少し放心していた。
眼鏡をかけ、髪を三つ編みにした、おとなしい印象の女子生徒だった。
「あ……はい。大丈夫です」
彼女は数度まばたきをしてから、俺の手元にあるボールへ目を向けた。
「その……ありがとうございます」
「無事ならよかった」
改めて彼女の顔を見る。
どこかで見たことがあるような気がした。
だが、具体的にどこで会ったのかまでは思い出せない。
「……気のせいか」
そう呟きかけた時、右手側から明るく元気な声が飛んできた。
「ごめんねー! 怪我とかない?」
声の主は、先ほどまでバスケットボールをしていた女子生徒らしい。
バスケットボール部のユニフォームを着ており、金色の髪を肩のあたりで揺らしている。
見た目は、ギャルといったところかな。
でも、その表情に浮かんでいるのは、派手な印象とは裏腹の素直な心配だった。
「何ともないです」
三つ編みの女子生徒が答えると、彼女はほっとしたように胸を撫で下ろした。
「そっかぁ。よかったぁ」
どうやら、本気で心配していたらしい。
三つ編みの女子生徒は俺たちに軽く頭を下げると、そのまま体育館の出口へ向かった。
「あ、気をつけてねぇ!」
金髪の女子生徒が、彼女の背中へ向かって手を振る。
そして、その直後。
「あっ、さっきはありがとう! 助かったよ!」
今度は俺へと向き直った。
「それにしても、すごい運動神経してるね! あんなに離れてたのに、ボールを取っちゃうなんて!」
「いや、別に。そんな大したことはしてない」
実際、大したことをしたつもりはない。
ただ、危なかったから走って、飛んできたボールを受け止めただけ。
「そんな謙遜しなくてもいいのに」
「謙遜も何も、本当に大したことは……」
そこまで言いかけて、俺は口を閉じた。
説明したところで、余計に面倒なことになりそうだ。
それに、今日はもう帰りたい。
「まあいいか。それじゃ、俺はこれで」
俺は手にしていたボールを彼女へ差し出した。
「そっちも、練習中は気をつけろよ」
「うん! 今度、このお礼をさせてねー!」
「いや、別にいい」
「えー、そんなこと言わずにさぁ」
彼女は楽しそうに笑っている。
その笑顔を見ていると、どうにも調子を狂わされる。
「じゃあな」
これ以上引き止められる前に、俺は体育館を後にした。
背中に、彼女の明るい声が追いかけてくる。
「またねー!」
その声が、しばらく耳に残っていた。
――翌日の昼休み。
昼休みを告げるチャイムが鳴ると、教室の空気が一気に緩んだ。
それまで授業に集中していた生徒たちが、次々と机を動かし始める。教室のあちこちから、弁当箱を開ける音や友人を誘う声が聞こえてきた。
俺も侑と歩夢と一緒に、いつものように昼食の準備を始める。
「直大、歩夢。お昼食べよう!」
「うん!」
「ああ」
このやり取りも、いったい何度目になるだろうな。
入学してから今日に至るまで、俺たちはほとんど毎日のように、同じ場所で、同じ相手と、似たような会話を交わしながら昼食を取ってきた。
高校一年生として過ごす時間も、残り三か月を切っている。
おそらくこれからも、今までと変わらない日常が続いていくのだろう。
そう考えると、少しだけ物足りないような気もした。
何か、夢中になれるものに出会ってみたい。
毎日が少しだけ楽しみになるような、心から打ち込める何か。
そんなものがあればいいと思う。
けれど――。
だからといって、今の平穏が大きく変わってほしいわけではない。
ましてや、この平和が脅かされるような出来事など、絶対に起きてほしくなかった。
前の世界では、あまりにも多くの人が傷ついた。
戦いの中で、誰かが苦しみ、誰かが失われていく光景を、俺は何度も見てきた。
もう、あんな思いはしたくない。
誰かが傷つく姿を、二度と見たくない。
結局、人間というのは矛盾を抱えた生き物なのだろう。
何か新しい刺激が欲しいと思いながらも、心の底では今の生活が変わらないことを願っている。
変化を望みながら、変化を恐れる。
そんな相反する感情を抱えたまま、俺たちは日々を過ごしているのかもしれない。
「今日の歩夢のお弁当、何かなぁ」
侑が、歩夢の机の上に置かれた弁当箱を覗き込む。
「歩夢のお弁当、いつも美味しいからねぇ。わくわく!」
「もう、侑ちゃんったら」
歩夢は照れたように笑いながら、弁当箱を自分のほうへ引き寄せた。
相変わらず仲がいい。
俺はそんな二人の様子を横目に見ながら、学校指定の鞄へ手を伸ばした。
中を探り、弁当箱を取り出そうとする。
だが――。
「……ん?」
手に触れるはずのものが、なかなか見つからない。
教科書の間。
ノートの下。
鞄の隅。
どこを探しても、弁当箱がない。
「あれ……?」
「どうしたの?」
俺の様子に気づいた侑が、首を傾げる。
「……弁当、忘れたわ」
自分でも信じられず、鞄の中をもう一度確認する。
だが、結果は変わらなかった。
「おかしいな……ちゃんと入れたと思ったんだけどなぁ」
今朝の自分の行動を思い返してみる。
制服に着替えて、顔を洗って、朝食を食べて、それから――。
……弁当箱を鞄に入れた記憶が、どうにも曖昧だった。
もしかすると、今日はついていない日なのかもしれない。
朝のニュース番組でやっていた星占いでも、俺の星座は下のほうの順位だった気がする。
内容までは覚えていないが、たしか「忘れ物に注意」とか、そんなことを言っていたような気もする。
まさか、弁当のことだったとは。
「あぁ~……どんまい」
侑が俺の肩に手を置いた。
その表情には、心配というより、どこか面白がっているような雰囲気がある。
「……なんだよ、その顔」
「いやぁ、まさか直大が弁当を忘れるなんて思わなくて」
哀れむような目で見られると、少しだけ腹が立つ。
しかし、反論する前に歩夢が口を開いた。
「だったら、私のお弁当を分けるよ」
「歩夢……」
なんて優しいんだ。
それに比べて侑。
君も少しは歩夢を見習ったらどうなん?
……とはいえ、弁当を忘れたのは完全に俺のミスだ。
ここで歩夢に甘えてしまうのも、どうにも気が引けるし。
「いや、歩夢に悪いし、学食に行ってくるわ」
「そんなの気にしなくていいのに」
「いや、俺が気にするから」
歩夢はまだ心配そうな顔をしていたが、俺は軽く手を振って立ち上がった。
そのまま俺は教室を出た。
※ ※ ※
「そんなに遠慮しなくてもいいじゃーん」
侑は、教室を出ていった直大の背中を眺めながら呟いた。
だが、数秒もしないうちに、あることに気づく。
「あれっ?」
教室の外を覗き込む。
廊下の左右を見回し、さらに少し身を乗り出す。
「もういなくなってる……」
直大の姿は、どこにも見当たらなかった。
歩夢も思わず廊下へ目を向ける。
「本当に、もう行っちゃったみたいだね」
「直大、相変わらず行動が早いなぁ」
侑は感心したように呟いた。
◇
学食に来るのも、何気に久しぶりだな。
入学してから今日まで、利用した回数は片手で数えられる程度だ。
普段は侑や歩夢と教室で弁当を食べているため、わざわざ学食へ足を運ぶ機会はあまりなかった。
「何を食べようかな……」
学食も、うちの学校の規模に負けず劣らず広い。
座席の数はもちろん、提供されているメニューの種類も豊富だった。うどんやラーメンといった定番から、丼物、カレー、定食まで揃っている。
昼休みということもあり、食堂内は多くの生徒で賑わっていた。
食券売り場の前に並びながら、俺はしばらくメニューを見比べる。
……よし。君に決めた!
数分悩んだ末、俺が選んだのはきつねうどんだった。
注文した品を受け取り、外の景色が見える窓際の席へ向かう。空いている席に腰を下ろすと、目の前にお盆を置いた。
「いただきます」
手を合わせてから、右手に箸を持つ。
湯気の立つうどんを口に運ぶと、出汁の味がじんわりと広がった。
「うん。学食のうどんも美味いな」
ちなみに、きつねうどんである。
……なんだか指を鳴らしたくなる名前だ。
そんなくだらないことを考えながら食事を続けていると、右手側から明るい声が聞こえてきた。
「あれ? 昨日の運動神経すごい人じゃん!」
顔を上げる。
そこに立っていたのは、昨日、体育館でバスケットボールをしていた金髪の女子生徒だった。
「ん? ああ……昨日の」
「うん、昨日ぶり!」
彼女は親しげに手を振った。
「あっ、ここ座ってもいい?」
「ああ」
俺が頷くと、彼女は嬉しそうに笑った。
手にしていたお盆をテーブルへ置き、向かい側の席に腰を下ろす。
「いやぁ、昨日のは本当にすごかったなぁ」
座るなり、彼女は昨日の出来事を話題にした。
「そうか?」
「うん! キミ、運動神経いいでしょ? もしかして運動部の人?」
「いや。俺は万年帰宅部だ。運動なんて、体育の時間にやるくらいだな」
部活動には所属していない。
放課後はそのまま帰るか、侑たちと過ごすことがほとんどだ。
「万年帰宅部で、あの運動神経のよさ……もしかして天才?」
「いや、凡才だ」
あれくらいのことなら、きっと戦兎でもできる。
そう考えれば、俺は大した人間ではない。
ただの凡人だ。
「いやいや、それはないでしょ~」
彼女は、まったく信じていない様子だった。
「あ、そうだ。自己紹介、まだだったね!」
そういえば、俺は彼女の名前すら知らないまま話していた。
彼女は背筋を伸ばし、改めて名乗る。
「情報処理学科一年の、宮下愛だよ。よろしく~!」
「普通科一年、星奈直大だ。よろしく頼む」
宮下愛。
名前を聞いて、俺も名乗り返す。
すると、宮下は俺の名前を口の中で何度か繰り返しながら、何かを考えるように首を傾げた。
「へぇー、星奈直大だから……」
嫌な予感がした。
「……ホッシーだね!」
「ホッシー?」
「うん! 親しみを込めて、ホッシー!」
「えぇ……何だよそれ。千葉にいるゆるキャラみたいな名前だな」
「チーバくん?」
「いや、何でそっちなんだ。そんなに赤くないだろ」
「えっ?」
「ほら、どちらかというと黄色いし」
「……」
「なしの妖精のほうだ」
俺がそう付け加えると、宮下は一瞬きょとんとした。
そして――。
「あっははははっ!」
「そんなに笑う!?」
突然、宮下はテーブルを軽く叩きながら笑い始めた。
俺はただ疑問を口にしただけなのだが、どうやら妙にツボへ入ってしまったらしい。
最近の女子高生の笑いの感覚は、どうにも分からない。
やがて、宮下は目尻に浮かんだ涙を拭いながら、ようやく笑いを収めた。
「ごめん、ごめん! ホッシーのツッコミ、サイコーだね!」
「いや、そんなつもりはなかったんだけど」
「でも面白かったよ!」
「それにしても、意外だな」
つい、そんな言葉が口から漏れた。
「宮下がボケるなんて」
見た目だけで人を判断してはいけない。
それは分かっている。
それでも、金髪で明るい雰囲気の彼女が、ダジャレを好むタイプだとは思わなかった。
すると宮下は、ほんの少しだけ声の調子を落とした。
「ああ……それ、よく言われるんだ」
「……」
「あたし、こんな見た目だからさ。ダジャレとか好きって言うと、意外だねって言われることもあって」
さっきまでの明るさが、ほんの少しだけ薄れる。
どうやら、何気ない一言が余計なところに触れてしまったらしい。
「……そうか」
まずかったかもしれない。
俺は箸を置き、宮下へ向き直った。
「いや、まあ……好きなら、それを貫けばいいと思うぞ」
「うん! もちろん!」
宮下はすぐに笑顔を取り戻した。
その返事に、迷いはなかった。
たぶん、俺が言わなくても、彼女は自分の好きなものを貫いていくのだろう。
まだ出会って間もない。
それでも宮下愛という女子は、芯の強い人間なのだと感じた。
明るくて、太陽のようで。
そして、その太陽の内側には、自分の好きなものを大切にする確かな強さがある。
「でも、学校でしっかりツッコんでくれたの、ホッシーが初めてかも」
「え? そうなのか?」
「うん。だから、ちょっと嬉しいかも」
「なら、ツッコんだ甲斐があったな」
それからも、時々会話を挟みながら、俺たちはそれぞれの昼食を進めた。
※※※
「……あっ、そうだ」
食事を終えかけた頃、宮下が何かを思い出したように顔を上げた。
「連絡先、交換しない?」
「別にいいけど」
俺はスマートフォンを取り出し、そのまま宮下へ差し出した。
「はい」
「ありがと!」
スマートフォンを受け取った宮下は、慣れた手つきで画面を操作していく。
ものの数秒で、登録が完了した。
「登録完了!」
「早いな……」
女子高生というのは、連絡先の登録にもあれほど手慣れているものなのか。
僅かな時間で作業を終えた宮下を見ながら、俺は感心するような、少し引いているような複雑な気分になった。
「これから、どしどしメッセージ送るねぇ!」
番組のお便り募集じゃないんだ、そんなに送られても困る。
「……程々に頼む」
「えー、いいじゃん」
宮下は楽しそうに笑う。
そして突然、何かを思いついたように立ち上がった。
「そうだそうだ! 今度、バスケの練習に付き合ってよ!」
「えぇ……」
俺は思わず顔をしかめた。
「普通に嫌っていうか……面倒くさいっていうか。それに、俺はあんまり運動神経よくないし」
そう言いながら、人差し指同士をもじもじと突き合わせる。
うん。我ながら、かなり気持ち悪い。
そんな俺の態度を見て、宮下は何かを見透かしたように胸を張った。
「ふっふん! 愛さんの目はごまかせないぞっ!」
「″アイ″だけに、″目″ってか?」
「え?」
時間が止まった。
ほんの一瞬、学食の喧騒までもが遠のいたように感じる。
「……いや、何でもない。忘れてくれ」
何を言っているんだ、俺は。
恥ずかしい。
穴があったら入りたいとは、まさにこのことだ。
俺が一人で過去の発言を悔やんでいると、向かい側から小さな笑い声が聞こえてきた。
「ふっ、ふふふ……」
宮下の肩が震えている。
そして、ついに堪えきれなくなったのか、声を上げて笑い始めた。
「ふっふっふっ……いや、やっぱホッシー、サイコーだね!」
「それは喜んでいいのか?」
「もちろん!」
宮下は満面の笑みで頷いた。
「……まあ、いいか」
俺は諦めたように息を吐き、壁に掛けられた時計へ目を向ける。
そして、思わず目を見開いた。
「やべっ……もうこんな時間か」
時計の針は、13時を回ろうとしていた。
昼休み明けの五限目は、いつもの教室ではなく、別の教室で行われる。
何度も言うが、この学校はとにかく広い。
早めに移動しなければ、遅刻する可能性も十分にあった。
「次、移動教室だから、もう行くわ! またな、宮下!」
「うん、またねぇ~!」
宮下に手を振り、俺は急いで食堂を後にした。
※※※
「まずい、まずい! 遅れる!」
食堂を出た直後、俺は廊下を全力で走っていた。
しかし――。
その後、俺は普通に遅刻した。
(おのれ、ダジャレギャル……!)
……いや、違う。
時計を確認しなかった俺が、全面的に悪い。
それでも、どうしても宮下のせいにしたくなる昼休みだった。
続く………
これであと残り1人 ( 2人 )との出会いを書いてから 本編開始です。