仮面ライダーシノビ(ビルド) × 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 ~夢が始まり、虹が咲く場所~   作:ラビラビfom

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7─2話 ~ 2人は似た者姉妹 ~

 

 

 

「あらためまして〜」

 

「「「「「ようこそ!!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会へ!!」」」」」

 

クラッカーのパァァン という音が響き、歓迎会が始まった。

 

クラッカーって楽しいよな。紐引っ張ったらすげー音なるし、それに放出した後の火薬? の独特な匂いが癖になる。

 

小さい頃はよくクラッカーを特別な日でもなんでもない日にも関わらず、紐を引っ張ってパンパンパン鳴らしてた記憶があるわ。

 

 

 

「すごい!本格的!」

 

妹さんは、歓迎会のリボンなどの飾りや近江先輩を筆頭に作った、クッキーなどを見てキラキラと目を輝かせながら言った。

 

 

「喜んで頂けて嬉しいです!」

 

せつ菜の言うようにここまで目を輝かせながら、喜んでもらえて、職人冥利に尽きるって奴だな。

まあ俺はちょっとした飾り付けしかやってないけど。

 

いやほら、俺って朝食とか夕食とかの料理は多少なりとも心得はあるけど、クッキーとかのお菓子系は作ったことないからさ。

 

 

 

「ほぉら。座って座って。」

「あ、はい!」

 

 

「急いで準備したから、お菓子はクッキーしか焼けなくて。」

 

急いで作った割にはクオリティめちゃ高そうだけど。

さすがは大天使エマリエル先輩!こういうクッキー作りに置いても母性を感じるぜ。

 

 

「かすみんは特製コッペパンを用意しました!」 

 

「可愛い〜!」

 

「フフンっ♪それ程でもありますよぉ!」ドヤァ

 

「すげードヤってんな」

 

「何か文句でもぉ!」

 

「イエ…ナニモ…」 (焦り声)

 

──かすみが頬膨らませて、言い返すと焦ったような裏返った声で答える直大、

そんな所で歓迎会で用意したクッキーやコッペパンなどの食べ物にそれぞれが手を付け始めた。

 

 

 

 

 

 

 

──やがて約数十分ぐらい経ち、侑が遥へ訪ねた。

 

「今日は見学してみてどうだった?」

「はい!お姉ちゃんも皆さんも楽しそうでした!それぞれの個性に合った練習もあって、素敵な同好会ですね!」

 

「ほんと?嬉しいなぁ」

 

 

 

 

どうやら楽しんでもらえたらしい。

 

 

だが少し引っかかる点がある。

妹さん、さっきの練習で近江先輩を見ている時、何か思い詰めたような表情してた気がしたけど…どこか、心配するような…

 

あれは、一体なんだったんだ?

 

 

 

─直大が少し考えていたその時、ガタッという音がする。

 

 

何事だ?と目線を向けると、

どうやら近江先輩がいつものように机で寝てしまったみたいだ。

 

 

 

 

「えっ?」

「…zzz~」

 

──そんな姉の姿を見て、目を丸くするように驚く遥。、

 

「お姉…ちゃん?」

 

 

「大丈夫ですよ。枕はちゃんとありますから」

「この枕、彼方ちゃんのお気に入りなの。すごい寝心地いいんだって♪」

 

──驚く遥にしずくは手馴れた様子で枕を出し、彼方の寝る頭の下に枕を置き、エマが彼方にブランケットを優しく掛けながら口を開く。

 

 

「あ、あの!お姉ちゃんはよく寝ちゃうんですか?」

彼女は慌てるように質問した。

 

しずくとエマはその質問に答える。

 

「はい。私の知る限り、彼方さんは寝るのが大好きだと思いますよ?」

「特に膝枕で寝るのが好きだよね。」

 

「膝枕ぁぁ!?」

肘枕をしているという事実が思ったより驚いたらしく、遥は声を上げた、そんな大きな声は部室中に響く。

 

 

「そうそう!愛さんもしてあげたよ?」

 

「お姉ちゃん••••••皆さんに膝枕をしてもらう程、頻繁に寝ているんですね••••••」

 

遥はどこか気難しい顔を浮かべた。

 

 

 

 

 

※※

 

 

「………~」

 

 

 

確かに近江先輩は、今まで部室や学園内のベンチとか練習中でも変わらずよく寝ていた。

 

そんなある日の放課後の練習が終わった頃、近江先輩にどうしていつもそんなに寝ているのかと、質問したら近江先輩が寝ることが凄い好きだと言っていた。

 

 

それを聞いて俺はよく部室とかでも寝てるし、家でもそうなのかな?と勝手に思ってたけど、どうやら妹さんの反応を見るにそれは違ったみたいだな。

 

それに最近、近江先輩はいつもに増して寝ている。

練習中に急に寝てしまうのも何度も目撃してるし。

 

 

 

いつも通りの光景だったがために大して気に止めて無かったがこう考えると、少しいやもしかしたらかなり、良くないのかも……

 

 

 

 

※※※※※

 

 

──彼方が寝始めてからもう夕方の時間帯になろうとしていた。

とりあえず、寝てしまった彼方のことを無理に起こさずにそっとして置くことになる。

 

その間も遥との会話は続く。

 

 

 

「私と直大はみんなの応援団みたいな感じかなぁ…」

「へぇ~そうなんですね!」

 

「応援団って……そんな旗振ったり、叫んだりはしないぞ?」

 

俺が出来ることといえば精々、心の中で祈るぐらいだ。

かみさまぁ……ってな。

 

「直大の応援団のイメージってそれしかないんだね……」

 

 

「いやむしろそれしかなくない??」

「いやいやいやまだあるでしょ…例えば……あ、ほらチアガールとか!」

 

「チアガールねぇ……」

 

あのもじゃもじゃした──あ、そうポケ○ンで言うところのモンジャラみたいなやつを持って振って体を動かすやつだろ。

 

「あ、なら今度、チアガールの格好でもしたらどうだ?」

 

 

「やるわけないでしょ…私がそんな格好したら、似合わないし、軽く放送事故だよ。」

「いや全然似合うだろ。」

 

「だ・か・ら!似合わないって!」

「いや似合うって!」

 

ニアワナイ!ニアウ!ニアワナイ!ニアウ!ニアワナイ!ニア────

 

侑と軽い言い合いになった。

まったくこいつは自己評価低すぎだろ。その容姿で似合わないわけないっての。

 

 

 

──そんな直大と侑の言い合いを見て、「ふふっ」と笑う遥である。

 

「仲良いんですね。」

 

全力で否定するように首を振りながら呟く。

 

「「いや別に 」」

 

「息もぴったりなんですね!」

 

どうやら、侑も同じタイミングで言ったようだ。

被せてくるなよなぁ…

 

「「ないないないない。ないわ!(ないよ!)」」

 

だから被るなって!!

 

「はぁ……いやまあ、腐ってもこいつとは幼なじみだし。タイミングがたまたまあったんだろう。」

「腐ってもってどういう意味!」

 

「えぇい。やかましい。言葉の綾だ。綾!」

 

そんな俺たちを見て、みんなクスクスと笑い始めた。なんで?

 

 

 

 

──”そのやり取りを聞いていた、しずくは歩夢へ訪ねる。

 

「あの2人は、いつもあんな感じだったんですか? 」

「うん。直くんも侑ちゃんも。昔からあんな感じで言い合いするけど、大きな喧嘩なんて無くて、仲良いんだよね。ふふっ…」

 

 

──2人の会話が聞こえたのか、直大と侑はまたしても被せて、言い放つ。

 

 

「「だから仲良くないって!!」」

 

「ほらね?」

「ふふっ…みたいですね。

 

(幼なじみ…か…)」

 

「ん?しず子?」

「あ、いやなんでもないよ。」

 

──窓の外を見ながら、

 

 

─そんなこんなで、ついに近江彼方が目を覚ます。

 

 

「••••••zzzz~~ ……?あれ?」

「目、覚めた?」

 

 

妹さんが訪ねると近江先輩は完全に目が覚めたみたいで恥ずかしそうに口を開く。

 

「はっ!?くぅ〜〜っ!!遥ちゃんにお姉ちゃんの恥ずかしい所見られてしまった〜〜っ!」

 

 

枕へ顔を押し付けて差恥に悶える近江先輩。

 

 

「恥ずかしくなんかないよ、お姉ちゃん。疲れて当然だよ?いっぱい無理してるんだから。」

 

「••••••ん?無理してるって、何を?」

 

近江先輩は、本当によく分からないといった顔をしていた。

 

 

「やっぱり••••••」

 

「遥ちゃん?」

 

 

「お姉ちゃん、同好会が再開してから、あんまり寝てないでしょ?」

「うん。つい楽しくて〜。」

 

 

「私、お姉ちゃんが忙し過ぎて、倒れちゃうんじゃないかって心配で••••••それで、今日見学に来たの。」

 

「そうだったの〜?」

 

「でも、今日のお姉ちゃんは、疲れなんて感じさせないくらい元気で楽しそうで、凄く嬉しかった!いつも私を優先してくれたお姉ちゃんが、やっとやりたい事に出会えたんだ!って。」

 

「遥ちゃん••••••」

 

「今のお姉ちゃんには、同好会がとても大事な場所だってよく分かったの。だから私、決めたよ。」

 

 

「ん?何を?」

 

 

 

妹さんは何か覚悟を決めたようなそんな顔をしていた。

 

そして──

 

 

「私……スクールアイドル辞める!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ほんの一瞬、この部室だけ時が止まったように皆、沈黙する。

やがて、僅か間があいてからその言葉を理解し、侑と近江先輩が絶叫した。

 

「「ええええぇぇっ!?」」

 

 

「え、やめ…!? ど、どう……」

 

どうしてと言いたいのだろうがあまりの衝撃と動揺で呂律が回ってない様子。

 

その時侑が驚き混じりに問い詰めた。

 

「どうして!?」

 

「このままじゃ••••••お姉ちゃんが身体壊しちゃうから••••••」

 

 

それになんとか言葉を絞り出して近江先輩は口を開く。

 

「彼方ちゃんが寝ちゃったせいで、遥ちゃんの事心配させちゃったの?それなら大丈夫だよ〜!」

 

 

「全然大丈夫じゃないよ!!」

 

安心させるように言ったが

1度決意した心は簡単には揺るがなかった。

 

「お姉ちゃんはお母さんが忙しいからって、お家の事全部して!家計を助けたいからってアルバイト掛け持ちして!奨学金貰ってるからって勉強も頑張って!!その上スクールアイドルもなんて、誰だって倒れちゃうよ!!」

 

「だからもういいの••••••」

 

「え?」

 

「私の事より、お姉ちゃんにはやりたい事を全力でやって欲しいの。」

 

「遥ちゃん••••••」

 

 

 

 

「あの••••••その為に遥さんはスクールアイドルを辞めるんですか?」

「はい。」

 

桜坂の質問に淡白に返すのみ。

 

「ダ、ダメ!そんな!遥ちゃんは夢を諦めちゃダメぇ!!」

 

「お姉ちゃんが苦労してるのを分かってて、夢を追い掛けるなんて出来ないよ!!」

 

「っ!?そんなの、気にしなくて良いんだよ〜。だって、遥ちゃんは大事な妹だもん~」

 

 

「••••••どうして?妹だったら、気にしちゃいけないの?」

 

 

「心配させちゃってごめんね?彼方ちゃん、もっと頑張るから!」 

 

もっと頑張る──きっとその言葉じゃ、逆効果だ。

妹さんが伝えたいのは恐らくそういうことではないと思う。

ならどう言えばいいのか、それは俺にも正解は分からない。

 

「っ……お姉ちゃんの……お姉ちゃんのわからず屋!!」

 

自分の伝えたい事が姉に伝わらないことに激情を抱き言い放つと妹さんは部室から飛び出すうに走り去ってしまった。

 

 

「私見てくる!」

 

侑はそう言って、急いで部室を出ていく。

 

 

俺も一緒に追いかけようとしたが…体が動かなかった。

何度も動かそうとした。でもさっきの会話を聞いてから俺は2年ぐらい前の事を思い出し、体が動かなかった。

 

 

近江先輩は、ひどくショックや動揺、混乱が見るだけでも感じ取れる。

 

「は••••••遥ちゃんが••••••怒った••••••?」

 

そんな様子の近江先輩にみんな、勿論俺も、何も言えなかった。

 

 

 

 

※※※※※

 

 

その日の夜、高咲家 リビング

 

 

「彼方さん大丈夫かなぁ…」

 

 

侑は心配するように言葉を漏らした。

あれからというもの、近江先輩は酷く落ち込むようにアルバイトへ行ってしまった。

 

結局、なんて声かけたらいいのか分からず、その背中を見守るしか、俺もみんなも出来なかった。

 

 

「やっぱ…心配だよな……」

 

明日は、祝日で学校も同好会の活動もないからこそ余計に心配になる。

 

 

「うん…」

 

「遥ちゃん…スクールアイドル辞めちゃうのかな…」

「あの感じを見るとな…」

 

 

妹さんの言うことはもっともだ。

あんな風に寝ている身内の姿を見たら嫌でも心配になる。

大丈夫だって言われても、とても大丈夫だと思えない。

 

 

でも近江先輩の気持ちも分かる。

俺も心配されたら、大丈夫だって言っちまうし。

 

 

それが余計に心配する気持ちが大きくなるのも知ってる。

でもつい、出ちゃうんだよ。その言葉が。

 

大丈夫だって─

 

心配をかけたくないからこそ。

大好きな妹に夢を叶えて欲しいからそのために自分が負担をすればいいって自分を背負い込む気持ちも分かるんだ。

 

 

俺も意味は違えど、そうだから。

 

 

 

「遥ちゃんは彼方さんが背負ってきたものを自分が背負うべきって言ってた。きっと彼方さんのことを思ってなんだと思う。」

 

「近江先輩のためか……」

 

姉を想ってるからこそなんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺にも妹がいた。

 

歳は俺と2つ違いで たまに喧嘩もしてた気がする。

それでも、仲はいい方だったと思う。

 

記憶が所々抜け落ちてて確信は持てないけどおそらく。

 

 

でもそんな妹はもう居ない。

 

 

あのときの交通事故で両親と一緒に……

 

事故が起きる前の日に些細な事で、妹と喧嘩をしてしまった。

あのときは後で謝ろうと思っていたがそれが叶うことはなく。

 

 

まさか、あれが最後の会話になるなんて思いもよらない。

 

俺は後悔した。

 

 

喧嘩なんかしないでもっと伝えたいことあったかもしれないのに直ぐに謝ればよかったなどと思い返したらキリがないほどに後悔した。

 

 

俺はそんな事があって、いつ身近な人が急にいなくなるのか分からない、だから後悔だけはせず、伝えたいことはなるべく伝えるようにしようと思った。

 

 

まぁそう思っても後悔することだったり伝えられない時もあるんだけど……前の世界でも…

 

 

 

だからあのとき近江先輩と妹さんとの会話で思いだした

あんな風にぶつかりあったなって。

 

それが、フラッシュバックして動けなかったんだ。

 

 

もう吹っ切れたと思ってたけどまだまだみたいだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

次の日の夜

 

 

高咲家リビングにて

今日は祝日のため、侑の両親も家にいる。

 

 

そんな中、侑の父親である、高咲(よう)さんが冷蔵庫の中身を見て呟く。

 

 

「あれ?醤油の中身ほとんどからみたいだ」

「ほんと? こまったわねぇ これから使おうと思ってたのに」

 

そこに侑の母親である高咲結愛(ゆあ)さんが言う。

 

「そうだ。侑におつかい頼もうかしら」

 

 

「えぇ~めんどくさいよ~」

 

台所の方からの会話が聞こえた侑はそう言う。

仕方ない。俺が行くか。

 

「なら自分が行ってきますよ」

 

俺も使ってるわけだし、

 

 

「え…いや」

 

「大丈夫ですよ。近くにスーパーあるので。 ほかに何か買っといた方がいいのあります?」

 

「そうねぇ… あ、じゃあ…────」

 

 

 

 

 

 

 

 

「分かりました。行って来ます。」

 

 

「気をつけてね」

「はい。」

 

 

そうして、直大は自宅を出て、近くにある大型のスーパー─イオンモールへと、足を運んだ。

 

 

 

 

直大が出た後の高咲家──

 

 

「直大は、働きものだね~」

「あなたねぇ…」 (呆れ)

 

 

どこまでも能天気な娘に頭を抱えている結愛。

そんな結愛へ、侑の父、洋が口を開く。

 

「それにしても直大君、まだ僕らに少し壁があるね…」

「そうね……」

 

 

どこか、自分を遠ざけている。自分自身を押し殺しているようにも。

 

見えない壁が彼と高咲家の間に確かにあった。

 

 

「……直大、自分のこと居候の身とか言ってたし」

「そう……やっぱりまだ…」

 

 

私達のこと家族と思ってもらえてないのだろうと─

 

 

「まぁ…こればっかりは、僕らが暖かく見守っていくしかないよ」

「そう…ね。」

 

 

いつか心を開いてくれる日が来ると信じて私達は、これからも直大君を家族として─────

 

 

 

 

 

 

 

 

※※※※※

 

 

 

 

スーパー

 

 

─彼方は今、アルバイトをしているスーパーにて食材を並べていた。

だか、その働いている背中はどこか重い。

 

「はぁ…………」

 

あれから、遥ちゃんと話そうとしたんだけど全然ダメだった。

 

 

「遥ちゃん……」

 

どうしたらいいのか分からなくなっちゃった……

 

 

─そして、彼方は無意識に商品をどんどん並べ、かなりの高さになっていて、今にでも商品が落ちそうだった。

 

 

それに彼方は気づく様子は無く、どんどんと乗せていく。

 

 

 

※※※※

 

 

 

「えぇと…あとは、ねぎだな」

 

──直大は今、Æ○N内にあるスーパーでカート押しながら、野菜コーナーへと向かっていた。

 

「それと」

 

野菜のコーナーに向かい、ねぎをカゴに入れた。

 

あとはレジの方までだ、と思い方向転換したその時、ふと見知った人の後ろ姿が見えた。

 

 

 

 

あれは…近江先輩?

 

いつもは下ろしている髪の毛が束ねているが、あの髪色、癖っ毛な感じ、近江先輩で間違いないと確信した。

 

 

──直大は声を掛けることにした。

 

 

 

 

「近江先輩?」

 

 

声をかけたのだがどうやら聞こえていないらしく商品を棚に変わらず置いていた。

 

ん?てか乗せ過ぎじゃない?

このままだと…

 

 

「あ、ちょっ、これ以上置いたら落ちちゃいますって!!」

 

「え?」

 

 

 

 

 

※※※※※※

 

 

 

 

 

「いや~ありがとね。手伝ってもらっちゃって~」

 

 

そう。あの時、俺はかなり積み上がっていた野菜を直すのを手伝った。

それからもう少しでバイトが終わるらしく俺は終わるまで待つことにした。

話を聞こうと思って。

 

 

そして今現在近くの公園にいるというわけだ。

 

 

「いえいえ。それにしても近江先輩のバイト先ってあそこだったんですね! よく行くのに気づかなかったですよ。」

 

 

「ふっふん。彼方ちゃんは、直大君が来てる所見たことあるよ~」

 

 

「え、そうだったんですか。」

 

「うん…………」

 

 

やはり何か考え込んでいるようだ

 

 

「近江先輩?」

 

「あ、いや……」

 

「やっぱ昨日のこと…?」

 

「うん……今日の朝にね。遥ちゃんと話そうとしたんだ。でも───

 

 

 

近江先輩は語った。今朝の出来事を。

 

…………………………………

 

 

『ごちそうさま。』

 

『ねえ、スクールアイドルは••••••』

 

『その話題はお終いにしよ?お姉ちゃんと喧嘩したくて、辞める訳じゃないから。今度のライブ、絶対来てね!』

 

 

…………………………………

 

 

「って言われたら、何も言えなくなって……もうどうしたらいいか分からない………」

 

「こんなにぶつかりあったのは初めてで……遥ちゃんが考えてることも分からない………」

 

「だからね、少し考えたの遥ちゃんが辞めるくらいならいっそのこと、彼方ちゃんがスクールアイドル辞めればいいんじゃないかってね」

 

 

「近江先輩……」

 

 

「……アハハ~ごめんね~ こんな話されても困っちゃうよね……」

 

 

ヘラヘラと作り笑いをしながら近江先輩は言う。

 

 

 

ああほんとその通りだ。

 

よく分からないよなぁ……

 

 

 

「そうですね…

でも……ほんっと妹って何考えてるか分からないんですよね」

 

「え?」

 

「その…侑と歩夢以外は知らないんですけど、実は俺、妹がいたんですよ」

 

「妹が…いた?」

 

「はい。実は──

 

 

───直大は語る。両親と妹を交通事故で失っていること、

交通事故が起こる前の日に妹とちょっとした喧嘩をしてそのままもう二度と話すことができなかったこと。

 

そして今は、侑の両親のもとで暮らしていることを。

 

 

 

 

 

 

「そう…だったんだ。ごめんね。辛いこと聞いちゃって」

「いえ、俺が勝手に話したことなんで」

 

 

「その…確か、近江先輩は自分がスクールアイドルを辞めればいいって言ってましたけどそれが本当の望みですか?」

 

 

「それは…」

 

俺にはどう見ても、そうは見えない。

無理をして、言ってるようにしか見えなかった。

 

 

 

 

 

近江先輩は数秒考え、否定した。

「……違う」

 

 

「彼方ちゃんの望みは………ずっと探してた夢は…きっと同好会にある」

 

これまでの日々を思い出すよう呟く。

 

 

「同好会が再開してから、ずっと楽しかったんだ〜。やりたい事がどんどん増えて行って、それを一緒に目指す仲間が居るのが凄く幸せで。」

 

 

楽しいこと、嬉しかったこと、練習が辛かったこと、悩んだこと全部かけがえのない思い出。

 

「皆との同好会は、彼方ちゃんにとって、大事な、失いたくない場所なんだ~」

 

「でもね、遥ちゃんの、幸せも守りたいの……そんなの我儘だよね?」

 

 

 

 

いいや俺はそうは思わない。

 

 

「それは我儘じゃないです。自分のやりたい事があることも大切な妹の幸せを守りたいと思うこと 全部、わがままなんかじゃない。」

 

叶えたい夢も守りたい者も、どっちもあっていい。

欲張っていいんだ。

 

 

「もしそれが、わがままなら俺なんて、もっとワガママですよ。」

 

 

俺にだって叶えたい理想があって、守りたい者がいっぱいある。

それは俺だけじゃなくて、人間、誰しもが持っているんだ。

あれが欲しいとか、あれになりたいとかいう欲望を。

 

 

でもそれが、悪いことなんて思わない。

 

 

 

「きっと妹さんも守りたいんですよ。先輩の幸せを」

「2人は似てます」

 

 

「似てる…」

 

 

「言ってることも一緒で、1人でなんでも解決しようとする所とか。まぁ俺が言えた口じゃないですけど」

 

 

「でも遥ちゃんは、彼方ちゃんが守らないと」

 

 

「 妹さんはもう守られるだけじゃないです。」

 

「え?」

 

 

「そうじゃないと、あそこまで真剣になんてなれないですよ。」

 

 

「………」

 

 

「まぁ簡単に言うと妹さんはもう子供じゃないってことですかね」

 

 

守られるだけじゃなく自分も大切な姉を助けたいとそう願っているからこそ、なんじゃないかと。

 

 

「………そっか……なんとなく…わかった気がする」

 

(彼方ちゃんはずっと、お姉ちゃんだからって遥ちゃんを守らないとって思ってたけど…そっかもう遥ちゃんも守られるだけじゃない。

 

一緒に助け合えるんだって───────

 

 

 

「この気持ち…遥ちゃんに伝えないと…でもどうやって…」

「それなら簡単です。」

 

 

 

近江先輩たちは一体なんですか?

そうスクールアイドル!

後はもう言わなくても分かるだろ?

 

 

 

「?」

 

「歌です。」

 

「歌?」

 

 

「はい。先輩はスクールアイドルですから歌とパフォーマンスで想いを伝えることができます。」

 

 

伝えたい気持ちをその歌にのせて

そうすればきっと想いは妹さんに届く。

 

俺にはもう出来ないことだけど近江先輩ならきっと

 

 

それが出来る────

 

 

 

「そっか…ありがとう。直大くん~」

 

そんな近江先輩の瞳には抱えたものが吹っ切れたようなそんな目だった。

 

 

 

 

 

続く………

 






次回で第7話の内容は終わりです。

よろしくお願いします。
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