仮面ライダーシノビ(ビルド) × 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 ~夢が始まり、虹が咲く場所~ 作:ラビラビfom
大変お待たせしました。
ヴィーナスフォート
「「「おおぉ〜!!」」」
あれから俺たちは無事にヴィーナスフォートに着き、あるパンケーキに挑戦していた。
「これが••••••伝説の!?」
「でかくない? ほんとにこれ食うのかよ…」
置かれたパンケーキは虹色の段のように積み重なっていてその周りにイチゴが囲むように置かれている。
デカい。とにかくでかい。パンドラボックスよりデカいんじゃないかと錯覚する程にでかい。
まぁそんなことはないのだが
「勿論ですぅ! マウンテンパンケーキ、0勝 5敗のかすみんが完食の極意を教えてあげる~」
「勝ててない」とボソッと呟く天王寺。
「負けてんのに完食の極意って……」
「つべこべ言わずに食べますよ!」
「うん。ていうかさ、もしかして俺これ1人で食うの!?」
そう。もう1つあるのだ。マウンテンパンケーキがもう1つ俺の目の前に…
「そうですけど何か問題でも?」
「大ありだわ!無理よ。こんなに…」
「いえいえ、センパイなら大丈夫ですよ!」
自信満々にかすみは答える。
「いや…どこにそんな自信があるんだよ…」
「そ・れ・と・も、食べられないんですかぁ~」
なん...だと
かすみの煽り顔にワナワナと震えていると、
「あの~私も食べますから」
桜坂の優しい気遣いが目に染みる。
だが…
「いや桜坂、大丈夫だ。問題ない」
ここまで煽られたならやるしかない。
「やってやろうじゃん」メラメラ
「直さん…いつになく燃えてる」
そしていざ食す、気になるお味はというと、
「美味しい〜!」
「ふわふわ過ぎる!」
「っ!?美味しい!」
かすみと天王寺、桜坂の3人はそれぞれ感想を漏らしながらも、パクパクと食べていく。その食の進むスピードはまったく緩むことがない。
「美味い!」
俺もそんな三人を横目に、負けじと食べ始めた。
うん。美味い…美味いのだが…
1口食べても食べてもあまり減らないパンケーキを見て俺は心底絶望するだった…………
「ウッ......」
5億年後
「璃奈ちゃんボード[ お腹パンパン••••••] 」
「初勝利!イエーイ!」
そう言って、かすみは2人とハイタッチする。
「やったね!」
「 イェーイッ!」
因みに俺はというと、その隣で死んでいた。
「」チーン
「あの、大丈夫ですか?」
「」
「反応がない…ま、まさか死んでる…」
「イキテルヨ」
「本当に大丈夫ですか…?」
「まったく。センパイもまだまだですね~半分ぐらいでギブアップするなんて~結局かすみんたちが残り食べましたもん」
「ショウガナイジャナイ」
いやだってねぇ~無理よ。
むしろ1人で半分食べたことを褒めて欲しいぐらい。
それにしても、三人いたとはいえ自分たちの分を食べた後、もう半分食べるなんてどんな胃袋してるのよ…
女子高生の胃袋恐るべし…… ワナワナ
「さて次は雑貨店に行こう!」
「オー!」
「それはいいけど星奈さんは…」
「オレハ ダイジョブヨ アソコノ ベンチ デ キュウケイ シテルカラ サンニンデ イッテキナサイ」
「いやでも…」
「ほーらセンパイもそう言ってるし、行くよ!」
それから、三人は雑貨店、オーディショップ、ペットショップと楽しむように続けて行ったらしい。(後で聞いた)
※※※※
「センパーイ!バッチリお願いしますよ!」
「あいよ。 はいピーナッツ」
あれから数十分、なんとか回復した俺はヴィーナスフォートの噴水がある所で三人が並んだ写真を撮るのを任されていた。
「なんですか。その掛け声…」
「おいおい、ピーナッツの何が悪いんだよ。」
文句があるなら聞こうじゃないか。アアン?
「いや悪くないですけど、変な掛け声だなぁと。
って言うか何ですか!そのだる絡み辞めて下さいよ~!」
「ほら撮れたぞ~」
「無視ですか!」
そんな俺とかすみのやり取りに桜坂は 「ふふっ」と微笑んでいた。
どこか桜坂は一年生にしては、大人びてるなって思ってたけど、年相応に笑うんだな。しかも心から笑っているように感じた。
なんか、それを知って少し安心したよ。
◇ 場所は変わり俺たちは喉が乾いたためドリンクが売ってる所まで向かった。
「ん〜•••••••••どうしよっかなぁ?可愛いかすみん迷っちゃう!」
ドリンク選びに悩み、メニューと睨めっこしている様子のかすみ。
果たして誰にアピールしてるのやら。
その近くで、あるポスターを見ている桜坂に天王寺は声をかけていた。
そんな様子を少し離れた所で俺は聞く事にした。
盗み聞きじゃないぞ!
【 AUDREY 】
「………………」
「好きなの?昔の映画。もしかして、しずくちゃんが演技を始めたのってこういうの見てたから?」
「そう…かな••••••?それもあるけど」
一瞬言葉が止まるが、桜坂は続ける。
「……私ね、演じている時が1番堂々として居られるの。誰の目も気にならないし。••••••自分が、桜坂しずくだって事を忘れられるの」
ほんの一瞬、桜坂は暗い顔を浮かべた。
「自分が…嫌なの?」
そんな質問をする天王寺に桜坂はなんでもないと装うように言う。
「ご、ごめんね。変な話して。忘れて」
話すつもりなんてなかったのか、あるいは、これ以上何も聞かれたくないのか、半ば無理やり話を辞めようとする。そこへ───
「あああぁぁぁ!!また暗い顔してるぅ!!スマイルだよ!しず子!エヘッ♪」
かすみが話に加わると同時に空気が変わる。
「かすみさん••••••」
「今日は嫌な事全部忘れて、パーっと遊ぼ!それで元気出たら、オーディション頑張って、主役取り返そう!」
今回の目的である、励ましの会。
かすみはこの言葉を彼女へ伝えたかったのだ。
「っ!!知ってたんだ••••••」
「…うん。でも、別に内緒にしなくても良いんじゃん!私達応援してるし!」
「•••••••••」
「それに!もししず子が落ち込んでるなら、話を聞くぐらい──「大丈夫」
──変わったかと思えた空気もまた一変する。
「うえっ!?」
「心配しないで? 私は平気だから。今日は皆、ありがとう!」
「しずくちゃん••••••」
「今日はもう帰らなきゃ。じゃあね」
そう2人に告げると、桜坂は俺の元に向かって言う。
「星奈さんも今日はありがとうございました。今日はもう帰るので」
桜坂は半ば逃げるように歩き出した。
そんな様子を見て、俺もかすみも天王寺も何も言えなかった。
( 桜坂………)
※※※※※※※
「……………」トボトボ
私は逃げるようにあの場から離れた。
すると、幻聴かのように、もう1人の自分のような何かが語りかけた気がした。
『やっぱり怖いんだ。本当の自分を見せる事が』
「だって………」
『嫌われたくない。そうでしょ? 私、歌いたいの!皆の心に届く歌を!その為には、自分を曝け出さなきゃ。受け入れて』
幼少期の頃に仲が良かった男の子に嫌われて、怖くなった。
自分をさらけ出すことが……
「出来ないよ•••••さらけ出すなんて••••••」
また自分を曝け出して、嫌われたら…受け入れて貰えなかったら、そんな思考が頭の中でぐるぐると駆け回っている。
「嫌い••••••こんな私••••••」
やがて脱力するようにその場に座り込んだ。
◇
そんなリボンを付けた少女の様子を謎の男──スカイは遠くから見ていた。
「なるほどね~それが彼女の心の闇か…」
(気持ちは分からんでもないさ…)
そう考えていると、ある人物が彼女に近づいていた。
「フッ ヒーローさんのご登場か…」
※※※※※※
あのまま、解散なんて出来そうにない。
お節介かもしれない。それでも──
「桜坂」
うずくまっていた桜坂に俺は声をかけた。
「ッ! 星奈さん…どうしてここに…」
酷く驚いたようだった。
「さっきの様子を見て、放っておけなくてな」
「そう…ですか…でも私は大丈夫ですよ」
そう言って桜坂は何ともないみたいな顔をする。
強がりだ。
「そうやって無理しなくていいから…」
「……」
「聞いてもいいか? 何があったのか?」
「でも…」
「まあ…話して何か変わるかどうか分からないけど、でも少しは楽になると思うから」
俺は知りたいんだ。桜坂しずくが何故思い悩んでいるのかを。
それから、僅か間が空いて桜坂は話始めた。
「………そのもう知ってると思うんですけど私、主演を降ろされたんです。
何がダメだったか部長に聞いたら、この演技は自分をさらけ出すように演じて欲しかったと言われて…」
「自分をさらけ出す……」
「でも私にはそれが出来ない。怖いんです。本当の自分をさらけ出して嫌われたらどうしよう。受け入れられなかったら…またそれで私の傍から居なくなったらって……」
「居なく…なる?」
「……………」
桜坂は、何か考え込むようにする。やがて、俺に対して目を合わせてきた。
「…本当は話すつもりなかったんですけど…星奈さんには聞いて欲しいのかもしれないです」
「どんなことでも聞くよ」
「ありがとうございます。これは私の小さい頃の話です。私には同じ幼稚園に通っている仲の良かった男の子がいました。その男の子に対してだけ、本当の自分をさらけ出していたんです。好きな演劇のことや本で一緒に遊んて」
「それから少し経って、私は夢を男の子に語ったんです。舞台や色んな演技が出来て歌って踊れる そんな 大女優になりたいってそれで男の子はそんな夢を凄いと言ってくれて……」
「そして、男の子とある約束したんです」
「約束…」
──彼女は鮮明その日出来事を思い返す。
『それなら俺がしずくの歌う曲を作るよ!約束!』
その約束というのは桜坂が女優になってそこで歌う曲を作る
要するに作詞作曲をするということ
曲を作る……約束…
約束という言葉に俺は何か引っかかりを感じた。
「約束をしてから、ある日を境にその男の子は突然幼稚園に来なくなったんです。急に居なくなって私は取り乱しました。何故居なくなったのか分からず、最終的に私は男の子に嫌われたから、私の側に居たくないから居なくなったんだと思ったんです」
「今思うと何か事情があったのかもしれないとか色々考えますけど、小さい頃の私はそんな事考える余裕なんてなかった……」
「だから私は、自分をさらけ出すのが怖くなった。自分をさらけ出して、嫌われるならもうそれならいっその事、周りから好かれるような子を演じようって、仮面を被ったんです。それは今でも変わらないままで…」
きっとトラウマはそう簡単に無くなることはないんだ。
「桜坂…」
「これが私の過去です。ごめんなさい。長く話してしまって、変な子って思いましたよね。こんな小さい頃の話を覚えて、今でも引きずって…」
それが桜坂の過去…でも何故だか分からないけど他人事じゃない…そんな気がする。
「別に変じゃない。それだけ忘れられない記憶なんだと思うから」
☼☼☼視点は変わり
「星奈さん…」
優しい目……やっぱり星奈さんが…
「その…なんですが…」
「 ? 」
「似ているんです。星奈さんがあの時出会った男の子に…」
「 俺…が?」
「はい。確証もなく言ってるわけじゃないです。名前も一緒で雰囲気も似ていて、何よりも同じ優しい目をしていたから…」
私は半ば確信した。
あの時の男の子が星奈さんなんだと
何故なら
私が過去を語っても拒絶も否定もしない。それだけじゃなく、今まで星奈さんを見てきて、せつ菜さんや璃奈さんが悩んでいた時も星奈さんはあの優しい目をしていた。
私と約束した男の子も同じ優しい目をしていた。
散々思い違いなんだと自分の心に嘘を付いてきた。
星奈さんがあの時の男の子。
私は絶対そうなんだって、思った。
間違うはずがない。
だって私は男の子が居なくなったこの11年間、一度も忘れたことなんてなかったから。
それはトラウマとして覚えてもいた。嫌われたんだと、でもそれと同じぐらい何か理由があったんじゃないかとも思っていた。
だからいつか再会出来たら それを心から願っていたんだ。
「…そっか…でもごめん…」
そう言って星奈さんは頭を下げた。
やっぱり覚えてないのかな…
「い、いえ星奈さんは謝らないでください。覚えてなくて当然ですから…こんな私を…」
「いやそうじゃなくて…」
「え?」
☼☼☼☼視点は戻り、
どういうことだか分からないと言わんばかりの桜坂の様子に俺はふと空を見る。
「実は俺 色々あって、小学生ぐらいまでの記憶が無いっていうか…所々抜け落ちてるんだ…」
「記憶が抜け落ちてる?」
「ああ…まあ軽い記憶喪失みたいなものだと思う…」
「記憶喪失…」
「何かきっかけさえあれば記憶が戻るのかもしれないけど…」
「そう…だったんですか…」
ほんの少し間が空き、俺はまた、口を開く
「俺さ 前から思ってたんだけど、桜坂とは初めてあった気がしないんだ…もしかしたらどこかで会ったことあるかもって…」
桜坂の過去の話にどこか懐かしさを感じる。俺が感じたことは、勘違いではないのかもと。
「確か桜坂は約束をしたって言ってたよな?」
「はい」
何かが見えてくる。
「その言葉だけ引っかかってた。約束…もしかしたら──
その時、ほんの少しだけフラッシュバックした。
『約束!』
6歳ぐらいの少年は、そう言いながら大きなリボンを付けた子に手を前に出す。
『うん!』
そして、大きなリボンを付けた子は笑顔でその手を掴んでいた。
純粋で無邪気な笑顔がこの場を包む。
────直大は、閉ざされた記憶という名の扉がほんのり開く。
「うん。やっぱり…俺は…」
「星奈さん?」
急に黙り込んだ俺を見て疑問に思ったのか桜坂は俺を呼んだ。
「ほんの少しだけ思い出した」
「え?」
「俺は小さい頃に約束をしていた。大きなリボンを付けた子と…」
「それって…」
「ああ。小さい頃に俺と桜坂は出会ってる。必ず」
あの大きなリボンの子、あれは桜坂なんだと、あの笑顔で手を取りあった姿が脳裏に焼き付いていた。
それはさっき、かすみ達と遊んでいた時に見せた心からの笑顔にそっくりだったから。
「まあまだ全部思い出したわけじゃないけど……いつか思い出せたら…」
「星奈さん…」
それから俺たちは何気ない話を始めた。
※※※※※※※※※
「にしても、あれだな」
「?」
「俺と桜坂はどこか似てるかもしれない」
「そう…ですか?」
「ああ…俺もさ、本当の自分を隠している所あるから」
「星奈さんがですか?」
意外だと言わんばかりの顔をしている桜坂。
「信じられないかもしれないけど…ほら俺がせつ菜の曲を作ったこと侑たちにも言えてなかったし… 」
「そうでしたね…」
俺も怖いんだ。
せつ菜が復活する前の日、侑と歩夢に俺がせつ菜の曲を作ったことを話した。
その時歩夢に 『もう隠し事はなしでね』
と言われた。その時は分かっただなんて言ったけどそれは嘘だ。
分かってなんかない。
何故なら俺はまだせつ菜以外の皆に1つ隠し事をしているから。
それは俺が仮面ライダーだということを───
そのことを伝えるつもりはない。
自分がライダーをやっていることを伝えて、受け入れて貰えず拒絶されたら、否定されたらってそう考えるだけで怖い。皆が皆、せつ菜みたいに好意的に捉えることが出来るわけじゃないから。
現に旧世界で正体がバレた時、俺を拒絶するもの否定するものもいた。戦争が起こったのはお前のせいだなんて言われたこともある。そのせいで俺の身近な人に迷惑をかけてしまった。
だから俺は仮面をかぶり正体を隠すんだ。誰の迷惑もかからないようにする為に。ライダーになっている時は普段言わないようなことを言って自分を偽って。
もしかしたら、同好会の皆なら受け入れてもらえるかもしれない。そんなことも思ったこともある。
でも、俺がライダーだと伝えて皆を巻き込み最終的に失ってしまったら俺はそれが1番怖い。
もう二度と誰も失いたくないから────
「だからさ俺も桜坂の気持ちが分かるんだ。まあ一緒にするなって言われたらそれまでだけど……」
「自分をさらけ出す……難しい問題だよほんと……」
「なんかもっと励みになることを言えたらよかったんだけど。何も思いつかないみたい…」
気持ちが分かるからこそ、何を言ったらいいのか分からないんだ。
「でも…」
「ん?」
「思っていたこと話せて、私は少しスッキリしましたよ」
「そっか…それならよかった」
俺も少しは役に立てたのかな?
そして、俺は立ち上がり、桜坂の目を見て言った。
「必ず思い出すよ。桜坂のこと」
「はい!待ってます」
いつまでも待っているそんな風に感じた。
桜坂とは初めてここまで腹を割って話せた。
桜坂の悩みはまだ全て晴れたわけじゃないと思う。
それもそのはずで例え思い違いだったとしても小さい頃から抱えていたトラウマはそう簡単には無くならないから。
そうするように自分に暗示を掛けていたってのもある。
だから自分をさらけ出すやり方が分からないんだ。
あと一言桜坂に何か言えたら。
桜坂は仮面を外し前に進むことが出来るんじゃないかなって思う。
それは俺じゃなくてもいい。誰かが────
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その様子を物陰からやはり聞いていたスカイ。
「なるほどねぇ…」
その表情はやっぱり何か企むような不敵な笑みであった。
「フッ…いいこと思いついたよ」
続く…………
8─2話でした。
因みに直大は小さい頃は鎌倉に住んでいた。
という設定です。
だから鎌倉にある幼稚園でしずくと出会ったというわけです。
それから侑と歩夢に出会います。
次回で第8話の内容が終わりです。
よろしくお願いします。