仮面ライダーシノビ(ビルド) × 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 ~夢が始まり、虹が咲く場所~   作:ラビラビfom

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大変遅くなりました。 また長めです。


11─4話 ~ 自己犠牲ってナニ?~

 

 

あれから、スクールアイドルフェスティバルについての話し合いが終わった同好会メンバーたちは、ランニングなどの練習を各々し始める。

 

 

だが天王寺璃奈は、スクールアイドルフェスティバルのことを学園の人達に知ってもらうために1人部室に残り、パソコンでサイト設立の作業をしていた。

 

すると、1人作業をしている中、璃奈のクラスメイトの今日子、浅希、色葉の3人がクッキーの試作品を持ち、部室へとやってくる。

 

そんなクッキーを食べながら作業をしていると、今日子が璃奈に質問する。

 

 

「ねえねえ!フェスのこと、友達に話していい?きっと喜ぶと思うんだよね!」

 

「••••••••!」

 

「どうしたの?」

 

「……まだ生徒会から許可が下りてないんだ。」

 

「そうだよね。ごめん。つい嬉しくて••••••えへへ。」

 

(でも……)

 

「………大丈夫。やっぱり伝えて。」

そんな璃奈の言葉に今日子は驚き、色葉は喜ぶように。

 

「えぇっ!?」

「いいの!?璃奈ちゃん!」

 

「うん。絶対開催できるよう頑張るから。楽しみに••••••してて。」

 

 

璃奈はあの頃よりも、ちょっとずつだが成長している。

 

 

一方

 

 

外では、愛、かすみ、歩夢、しずくの4人がランニングをしている。

 

かすみは、疲れたのか走りながら口にする。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…もうさっきも走ったのに!なんでまたぁ!」

 

すると、愛が走るのを緩めかすみにこう言う。

「まあまあ。何度走っても気持ちいいし。」

 

そう言いながら、愛は走る速度を上げる。

 

「もうどんな運動神経してるんですか……」

 

すると、

 

「あっ、かすみさん。もしかしてファンの人達じゃない?」

 

そう。彼女たちをスクールアイドルと知る、生徒たちは、そんな走っている姿を応援している。

 

その応援に愛は走りながら、手を振っている。

 

それを聞いたかすみは、ファンの前を通ると。

 

「はぁーい~可愛いかすみん通りまーす!!」

 

 

 

 

「変わりようが凄いですね。」

 

「あはは…………ん?」

 

歩夢は、偶然、侑を見つける。

 

「侑t─……」

反射的に歩夢は呼ぼおうとするが途中で辞める。

 

 

そんな侑の隣にせつ菜がおり、親しげに話しているからであった。

 

 

「………………」

 

 

───────────────────

 

さらに一方、俺はというと。

 

 

 

あれから戦兎とついに再会した俺は、戦兎の研究室へと足を運んだ。

 

 

「それにしても、ほんと久しぶりだなぁ…何十年ぶりって感じがする。」

俺は思ったことを口にする。

 

 

そんな俺の発言に万丈は、

「そうかぁ? 確かに久しぶりだけど、10年ぶりではねぇだろ。」

 

「いや、万丈。直大の感覚はおかしくない。」

 

「え? どういうことだ?」

 

 

「俺と万丈は、あの戦いから、すぐ今の新世界に来た。だから俺たちの感覚では、ざっと1年ぶりだろう。だが直大や一海たちは違う。」

 

 

「スカイウォールのない世界、別の10年を過ごしていたことになっている。そして、その後キルバスによって、ネビュラガスを受けたことのある者だけが記憶を蘇った。」

 

「要するに直大的には、ここで10年過ごした記憶を持ちながら、旧世界の記憶を取り戻した。だから感覚的にはあの戦いから10年ぶりなんだろう。」

 

 

「ほぉーん。」

 

万丈は納得したのかしてないのかよく分からない返事をする。

 

 

 

「てかキルバスって誰?」

 

「エボルトと同じ地球外生命体のブラッド族、それにエボルトの兄らしい。」

 

 

「エボルトの兄ぃ!? そんなやばい奴が出てたのか…」

 

 

「ま、俺のマジツェーイ。マジパネェーイ。姿でそいつをぶっ倒したけどな。まさにMVPだ!」

 

 

「おいおい。MVPは、俺の天っ才的な発明品を作ったこの俺でしょうが!」

 

「はぁ!?それを使って倒した俺がMVPだろ!」

 

「誰のおかげで勝てたと思ってんのよ。」

 

「それは………俺の第・六・感・ だ!」

 

「意味分かんないこと言ってんじゃないよ。」

 

ワチャ ワチャ ワチャワチャ

 

 

そんな戦兎と万丈とのやり取りを見て、俺は吹き出した。

 

 

「ふふっ……変わらないな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで今日直大を呼び出したのは他でもない。あの謎の男 スカイについて知っていることを教えてくれ。」

 

「知っていることか……それは────」

 

 

俺は今まで、スカイとのあった出来事を戦兎たちに話した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど…人を何故か憎んでいるか……」

 

 

「それに、今日の口ぶりから前の世界のことも知っているみたいなんだよな。」

 

 

万丈がエボルトの遺伝子の一部であること、かずみんが変身した時にスクラッシュドライバーのことを知っていたようだったし。

 

 

 

「ということは、そいつも旧世界でネビュラガス、人体実験を受けたということか……」

 

 

おそらく、そうなんだろう。

 

 

 

「ほかにも、あいつはどういうわけか、ロストボトルを持っていた。」

 

バットロストボトル、そして俺の知らないサソリのロストボトル。

 

 

 

すると万丈が。

「そういえばあいつ、俺の知らねぇビルドの姿してたな。」

 

 

 

「あいつが言うには幻のベストマッチらしい。あとビルドじゃなくてポイズンだと。」

 

 

「いっちょ前に名前なんてつけてんのかよ。」

 

 

 

 

「幻のベストマッチ………」

そうポツリと言う戦兎の表情からめちゃくちゃ研究したいと言わんばかりのワクワクしたような顔をしていた。

 

 

 

「つうかあいつ何でベルト持ってんだ?」

 

「それは俺との戦闘データから作ったそうだ。」

 

「まじか…」

 

すると、戦兎が付け足す。

 

「戦闘データだけで作れるものでもないんだけどな。だが仮にそうだとしも、相当の腕がないとベルトは作れない。」

 

 

「もしかしたら、前の世界では科学者…だったとか?」

 

 

「その可能性は多いにあるかもしれない。じゃないと説明がつかないからな。」

 

 

「そっか……じゃあやっぱりあいつはスクラッシュドライバーも作れるのか…」

 

 

「スクラッシュドライバーを作る?」

「ああ。おそらく。」

 

 

「そうだ。ベルトで思い出した。直大はそのベルトとボトル何処で手に入れたんだ?」

 

「え?、戦兎が送ってきたんじゃないのか?」

 

 

「いや、まったく。」

 

 

「え、まじ?」

 

「まじ。」

 

 

 

「……………。」

 

「このスマホも?」

 

そう言って、俺はビルドフォン見せた。

 

 

 

「あ!それ、万丈用に作ってたやつじゃん。」

 

 

「はぁ? まじかよ!」

 

 

え、そうなの。ま、確かによく見ると、青いなとは思ってたけど。

 

それにしても、あの時に送られてきたベルトやボトルは戦兎からの贈り物じゃなかったのか……

じゃあ一体誰が…

 

 

「で、結局どうやって手に入れたんだよ?」

 

 

「あぁ……それが………宅急便で届いた。」

因みに配送業者は、佐川急便。

 

 

「はぁ? んなことあるわけねぇだろ。」

 

「いや、それが本当なんだって!」

 

「ほんとかよ。」

あまり万丈は信じて無い様子。

 

まぁ無理もないか…

 

 

 

 だがその隣で戦兎は何か考え込んでいた。

「なるほどな……」

 

 

「おい、戦兎はどう思うよ?直大の言ってること。」

 

 

「………もしかしたら……いやまさかな。」 ブツブツ

 

 

 

「おーい。戦兎~。」

 

 

「え、あぁ…とりあえずその件については置いとこう。」

 

 

「はぁ?何で。」

 

 

「そんなことより、直大の持ってる。ベルトに細工がないか調べておきたい。」

 

 

「別にそれはいいけど。特に何もない。至って正常なベルトだと思う。」

 

 

俺はベルトを戦兎に渡した。

 

「念の為な。」

 

 

数十分後

 

 

「特に何ともなかったわ。」

 

 

それに万丈が

「それ意味あったのかよ。」

 

 

「意味はある。ほら自爆プログラムとかあったら怖いだろ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、戦兎が椅子から立つと、さっきとは打って代わり、真剣な表情をしながら俺の方へ向いた。

 

 

「ベルトを渡す前に直大に改めて聞きたい。」

 

 

「ん?」

 

 

「直大はこの力を何のために使う?」

 

戦兎は、真剣な顔で俺に問う。

 

 

 

それはまるで、俺が初めて仮面ライダーになった、その後に戦兎に問い掛けられたあの時と一緒だった。

 

 

だが俺の答えはあの頃から変わらない。

 

いや少しは変わったかも。

 

俺の身近な人を守るだけじゃなく、見知らぬ、誰かの明日を守る。

そう戦兎が戦う姿を見て教わったんだ。

 

 

みんなが笑顔でいられるために。

 

もう誰も傷つかず苦しまなくていいように。

 

 

 

「俺の答えは1つ。俺はこの力で大切な人を、誰かを守る。みんなが笑顔でいられる明日のために。だからそのために使う。」

 

 

 

 

「フッ。そうか……ホレッ」

 

戦兎は軽くニヤッとすると、俺にベルトを投げるように渡した。

 

 

「うわ!?、、とっとと…」

 

危うく落とすとこだったが何とか受け取った俺。

 

 

それを見ていた万丈が戦兎に。

 

「なんだよ今の。あんなの聞かなくても分かってたろ。」

 

 

「まあな。でもほら今の俺かっこよかったろ?」

 

「んだよそれ。」

 

 

 

 

 

 

「あ、そうだ。戦兎に調べて欲しいことがあるんだった。」

 

 

「?」

 

 

俺は、9本のボトルを近くにある机に並べた。

 

 

「このボトルについt────「ひょええぇ!!!? 何このボトル!? 」

 

 

俺の言葉が戦兎の驚き、テンションの上がった声が被さった。

 

 

戦兎は、ボトルの近くまで近寄ると、髪の毛を摩り、

 

「最っ高だぁ!!これはリボン! ん?太陽に月? どうやって成分とったんだよ。 ベストマッチとかあんのかなぁ! ヒャッホーイ!────(以下略)」 ブツブツ

 

 

 

「おお、この戦兎久しぶりに見たなぁ…」

 

 

 

 

 

 

次第に戦兎のハイテンションも収まると、俺に質問してきた。

 

 

「で、このボトルをどうやって?」

 

「それが─────」

 

俺は話した。スマッシュの成分を抜き取った後、スクールアイドルのライブを見ると、スマッシュの成分が入ったボトルが変化し、今の形になったことを。

 

 

「なるほどなぁ……」

 

 

俺の話を聞いた、万丈が言うと、

 

「でもよ。そんなこと出来んのって」

戦兎が続ける。

「ああ。火星の王妃ベルナージュ。」

地球外生命体エボルトによって滅ぼされた火星文明の王妃のこと。

 

 

その王妃が美空さんの左手に装着された金色のバングルにその魂が宿っていて、美空さんを介してスマッシュのボトルの浄化などをしていた。

 

 

すると、戦兎が

 

「これは調べる必要がありそうだ!!!」 ヒャッホーイ!

 

戦兎は爆上げのテンションで再び自分のパソコンに向かい、この9本のボトルをスキャンし始めた。

 

なんかボトルに繋いである、線が光ったりしていた。

 

「フムフム……なるほど……」

 

 

 

それから数十分

 

 

 

「なんか分かったか?戦兎?」

 

万丈が問いかける。

 

 

「ああ。」

 

 

「それで?」

 

 

「これは、俺たちの持ってる60本のボトルと同じ力がある。」

 

 

「ってことは、れっきとしたフルボトルってことか。」

 

葛城忍、元い戦兎のお父さんの作った。人工のボトル、ロストボトルでもなく。

 

 

「ただ1つ違う所がある。」

 

 

「違う所?」

 

 

「ああ。俺たちのよく知る60本のボトルは、火星の力を秘めたパンドラパネル及び、火星の王妃ベルナージュの力によって作られただろ?」

 

「まあ。」

 

 

「だがこの9本は、どういうわけか、えぇと、スクールアイドル?だったか。そのアイドルの歌声によって生成された。」

 

 

すると、万丈がガッと椅子から立ち上がり、

「分かったぞ!そのアイドルにベルナージュが宿ってるってことだろ。美空みたいに。」

 

 

「いやその可能性は限りなく低い。」

 

 

「え?」

 

 

「ベルナージュは、新世界が作られるちょっと前に役目を終えたことで完全に消滅した。」

 

 

「じゃあどうして?」

 

 

「それはおそらく、スクールアイドルの歌声には、ベルナージュの力と似た何かがあるからなのかも。」

 

似た何か…

 

「もしかしたら、人の想いが起こした奇跡とか?」

 

 

皆、それぞれの想いをその歌声に乗せて歌った。

 

例えば、せつ菜なら、自分の大好きを。

かすみなら自分の思うカワイイを。

 

そうしたそれぞれの想いが物理法則をも超えた何か(キセキ)が生まれたんじゃないかと。

 

 

 

 

 

 

そんな俺の発言に戦兎は考え込むと、一呼吸して答える。

 

「う~ん。人の想いか……その可能性は一理あるかも。」

 

それを聞いた万丈は、

 

「全然、物理学的じゃねぇな」

 

 

「まあな。でもその想いに、俺もお前も助けられてきた。だろ?」

 

 

「……そうかもな。」

 

 

 

そう。俺たちは、何度も戦った。例え、どんなに傷ついて苦しくて、打ちのめされそうになったとしても立ち上がり続けた。

 

自分が信じる想いを胸にハザードレベルを上げたことだってある。

 

 

 

 

「で、結局そのボトルは何が違うんだよ?」

 

万丈(バカ)に分かりやすく言うと、俺たちのよく知る60本は、火星産のボトルで、この9本は、地球産のボトルってわけだな。」

 

「なるほどな……」

「ほぉ~ん。あ、じゃあそのボトルにベストマッチとかあんのか?」

 

「さぁ…な。でもこのボトルたち、1つ、1つ、自我が強いって言うか個性の主張が激しいのかバラバラなんだよな。」

 

そんな答えに万丈は 「なんだそれ。」と一蹴りする。

「ふっ」

 

「何笑ってんだよ。直大」

 

「いやまあちょっと。」

流石は皆の歌声から生成されたボトルだ。

 

まさかボトルでも主張が激しくバラバラなんてな。

でもそれが同好会の皆のことを表しているとも言える。

 

 

 

 

 

それから俺たちはたわいもない話をした。

 

 

 

 

 

 

それから数時間後。

 

 

「じゃあそろそろ暗いし帰るわ。」

 

 

「ああ。気をつけてな。」

 

 

「次、あのサソリ男が現れたら、言えよ。俺のめちゃハヤスピードで駆けつけるからよ。」

 

そう笑顔で万丈は言う。

 

 

万丈の言葉に俺は、肯定と否定ともとれないあやふやな表情をした。

 

 

「……………。」

 

 

そんな万丈の言葉に戦兎はボソッと言う。

 

「お前そんな足早くないでしょ。」

 

「はぁ? そんなことねぇよ。」

 

だよな と同調を求めるかのように俺の方へ振り向く。

 

 

「? 」

 

だが俺の表情を見て疑問を浮かべる万丈。

 

「じゃあまた。」

 

 

俺は誤魔化すように言ってこの場から去ろうとすると、戦兎が

 

 

 

「なぁ直大。自分1人が戦えばいいとか思ってないよな?」

 

突如、質問される。

 

 

「……………どうしてそう思ったんだ?」

 

「一海から聞いたんだ。一緒に戦おうって言ったら拒否されたってな。 」

 

「…………そっか……でも…」

 

 

 

 

「俺は…もう誰も傷ついて欲しくない…」

 

傷ついて欲しくないし、苦しんで欲しくない。

 

もう誰かを失うのは嫌なんだ…

 

 

「それは俺たちにも?」

 

 

「ああ。…だってそうだろ? 戦兎も万丈も何度も傷ついてやっと平和を掴んだんだ。だからもう戦って欲しくない…」

 

 

 

 

「戦って欲しくない…か………」

「でもな…それはお前もそうだろ、直大。お前だって傷ついた、苦しんだ。」

 

「そうかもしれない。でも…俺のことはいいんだ…全部俺が背負うから。」

 

俺は戦兎たちに比べれば、傷ついたなんておこがましい。

 

比べちゃダメなことなんだろうけど。

 

 

 

 

すると、今まで黙っていた万丈が

 

 

「いいってなんだよ!おかしいだろ。何でお前だけが傷ついてもいいみたいになってんだよ!」

 

 

「……」

 

「いいか、お前だけが苦しんでもいいとか傷ついていいとかそんなわけねぇんだよ!自分1人で背追い込もうとしてんじゃねぇ!だから俺たちを頼れよ!仲間だろ!」

 

 

 

「………」

 

仲間……そうだよ。仲間だと思っているからこそ俺は戦って欲しくないんだ。

 

 

 

 

そんな万丈に続くように戦兎が述べる。

 

「自分だけが傷ついてもいい。そんな自己犠牲に救われた人もいる。でもな、その自己犠牲をしているお前をよく知る人たちはそれを見てどう思う?」

 

 

「………」

 

 

「お前がもしその自己犠牲で死んだら、残された人たちはをどうして止められなかったんだって一生悔やむことになる。」

 

 

「………俺は…今でも悔やんでるよ。あの時の一海、直大、幻さん。どうして守れなかったんだってな。それに戦争で多く苦しんだ。人々も。」

 

 

「…………」

 

「直大の気持ちは凄い分かる。俺もそうだったから…でも美空たちに教えられた。生きて行くことの大切さを。…生きなきゃ守りたいものも守れない。」

 

 

そんな戦兎の言葉に俺は何も言えなかった。

 

「…………」

 

それから、場の空気が静まった。

 

その時間ほんの数分だったのに俺には何十分に感じた。

 

 

 

 

場の空気が静まっていたその時、突如、俺のスマホから着信音が鳴り響く。

 

 

「ごめん。電話みたいだ。」

 

 

俺はそう言った後、そそくさ逃げるようにこの場から去った。

 

 

 

 

 

 

 

直大が居なくなった後、数分ぐらい静寂になった。

 

 

だが万丈がその静寂の中、ポツリと口にする。

 

 

「行っちまったな。直大…」

 

 

「ああ。」

 

 

 

 

「戦兎の変な癖があいつに移ったのかもな。」

 

 

「変な癖ってなんだよ。まあでも、似て欲しくない所、似ちまったかぁ…」

 

 

「ま、あいつも戦兎の背中を見て、戦ってきたし。」

 

 

「………。」

 

 

 

 

「きっとまだ、引きずってるんだろう。幼馴染のあの子、それに一海を目の前で失ったから…しかもそれを自分のせいだと思ってる…」

 

 

「そう簡単に立ち直れるもんでもねぇよ。だってあいつまだ高校生のガキだぞ。」

 

 

「そうなんだよな…だから俺たち大人が支えないといけない。」

 

 

 

 

 

※※※※※

 

 

それから俺は戦兎の研究室を後にし、自宅へ向かうため、足を1歩動かす。

 

 

 

 

次第に俺はニジガクを少し通り過ぎるぐらいの所まで歩いている。

 

 

 

 

守りたいものも守れないか……

 

それでも誰かが傷つくなんて、苦しんでるなんて。

 

俺はそれが凄く嫌なんだ。

 

もうこれ以上誰も失いたくないから。

 

 

それが俺のエゴだってのも分かってるでも……

「直大?」

 

 

そう考えながら、暗い夜道を歩いていると、俺の名を呼ぶ声が聞こえる。

 

 

 

俺は、ふとその声が聞こえる方へ振り向くと、

 

そこに居たのは、いつも顔合わせてる、幼馴染の2人だった。

 

 

 

「侑。」

 

 

「あ、やっぱり直大だ!」

 

俺の声を聞くなり、すぐさま俺の方へ駆け寄ってくる侑。

 

 

そして、そんな侑に続くように歩夢もこちらへやってくる。

 

 

ふと俺は2人に呟く。

 

「お前ら帰るの遅くない?」

 

こんな暗い夜道に女子高生だけで歩くなんて心配、心配。

 

なんか全国の娘を持つお父さんの気持ちが今分かった気がする。

 

 

「直大に言われたくないけど……でも色々大変だったんだよ。準備とかで。どっかの誰かさんは、居なくなるし。」

 

「なんかすまん。」

 

 

 

「別にいいけど…」

 

 

「歩夢も、夜遅くまで一緒にやってたのか?」

 

 

その質問に歩夢は首を振ると、

「私は、侑ちゃんを待ってただけだよ。」

 

「そっか。」

 

 

「歩夢ってばずっと待ってたんだよ。先に帰ってても大丈夫なのに。」

 

「でも侑ちゃんだってこんな時、待ってるでしょ?」

 

「まぁね。」

 

 

「さいですか。」

 

それは、それは仲良いことで。

 

 

そんな会話をしながら俺たちは、自宅へと歩いている。

 

 

 

「そういえばさっき直大暗い雰囲気だったけど何かあった?」

 

「え? 気のせいだろ。ま、辺りも暗いし、それに釣られて、顔も暗くなるもんさ。」

 

 

 

「そうかなぁ?」

 

「さぁ…?」

イマイチよく分からない見たいな風な侑たちに俺は発破をかけるように

 

 

「いいからさっさと帰ろうぜ。ほら」

 

 

「はいはい。さ、行こう歩夢。」

 

「うん。」

 

 

続く………

 

 

 

 

 






11─4話でした。

なんか不穏な空気になってきました。


一体直大のこの自己犠牲精神が直ることがあるのかどうか


次回もよろしくお願いします。
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