仮面ライダーシノビ(ビルド) × 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 ~夢が始まり、虹が咲く場所~   作:ラビラビfom

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大変遅くなりました。


11─5話 ~みんなの夢、私の夢~

 

 

あれから約1週間たった木曜日。

 

 

俺は今、部室へと向かっていた。

何でもこれから会議があるらしい。

 

「おーい!星奈!」

「ん?」

 

トボトボと歩いていると、後方から俺を呼ぶ声が聞こえる。

 

俺はその聞こえる方へ振り向くと、手を振りながらこちらへ向かってくるニジガク指定のジャージを着た、1人の男子生徒だった。

 

 

「よう!」

「えぇーと。誰だっけ?」

 

「おい!ひでぇな。いつもクラスで顔合わせてるってのに。」

 

「いやでも。今夏休みだし。」

 

「まさか。本当におれのこと忘れたのか……」

 

「フッ…冗談だって。」

「お前なぁ~」

 

いやまあでもこいつ登場したの、今回で2回目だしな。

ということで忘れている人も居るだろう。というか大半が忘れてるか。

 

説明しよう。こいつは、同じクラスメイトの羽島翔太。

 

出席番号が近かったため。1年の時からよく話すクラスメイトってとこ。因みに運動部に所属している。

 

 

「いまから同好会?」

 

 

「ああ。そっちも?」

「おう。今から校内を外周。」

 

 

「大変だな…運動部は」

「でもそっちも今大変なんだろ? 確かスクールアイドルフェスティバルだったけ?」

 

「まあ色々とな。って何で知ってんだ?」

 

まだ公表してないはずだけど。

 

 

「いやだってなんかダンボールみたいな所に張り紙書いてあってよ。」

「ダンボールに張り紙? 」

 

なんじゃそれ。

 

 

 

ま、いいか。

 

すると、羽島はふと時間を確認する。

 

「あ、やべもうそろ集合時間だ!」

と慌ただしくこの場から走ろうとする。

 

「頑張れよ~」

「おうよ! あ、そうだ。何かボランティアとか必要だったら言ってくれよ。サッカー部総出で手伝うからよ。」

 

「それは有難いけど、羽島ってそんなに部活内で偉かったけ?」

 

「俺、今部長だからな!」

 

「ほぇ~そうなのか。じゃ、なんか必要があったらそん時は頼む。」

 

そうして、羽島は、部室棟から急いで外に向かって行った。

 

 

 

さて、俺も頑張りますか

 

 

 

同好会部室

 

 

あれから俺は今、会議を行っていた。

申請書の提出を本日するつもりなのだが、未だに場所は決まっていない。

 

 

そんな中、せつ菜が切り出す。

 

「会場はどうします?現実的な所では、講堂という事になりますが••••••」

 

 

それに侑が答える。

 

「でも、それだと皆の希望が••••••」

 

侑的には、そこは譲れない所なのだろう。

 

出来る限りの理想を追い求め、参加するスクールアイドルがそのパフォーマンスを全力で発揮できるステージを整えたいと侑は、そう言っていたしな。

 

 

「どうしたもんかなぁ……」

 

俺は唸るようにポツリと漏らす。

すると、部室が勢いよく開いた。

 

 

そこには、走ってきたのか息が荒いかすみがなんかダンボールみたいな物を持って部室へと入ってくる。

 

 

「じ、事件です!!大事件ですよぉぉぉぉぉぉ!!」

と大きな声でかすみは言うと、ダンボールをドンと置いた。

 

「て言うか、その子供がダンボールで作ったガラクタ見たいのは何?」

「ぬぉぉ。何がガラクタですか!」

 

「え、違うの?」

「違いますぅ。これはかすみんBOXです!」

 

 

「かすみんBOX?」

「って先輩に説明してる場合じゃないですよ!」

 

 

すると、せつ菜がかすみに疑問を口にする。

 

「それでかすみさん事件とは?」

「それがですねぇ! 聞いて驚け、見て驚いてくださぁい!」

 

どうやらそのかすみんBOXとやらにニジガクの生徒たちが書いた希望書なるものが沢山入っているそうだ。

 

俺はパンバンに詰まったBOXの中から1枚取ってみた。

「はぇ~よくこんなに意見が集まったもんだな。夏休みなのに。」

 

 

てか羽島が言ってたダンボールってこれのことか。

 

俺は手に取った、紙を開けて読んで見ることにする。

そこには希望の場所 やって欲しいこと等などが綴られていた。

 

続けてほかの紙を手に取って見るを俺は繰り返す。

 

 

 

色々、書かれている意見を一通りみたがどこも良さげな場所だった。 見た感じ 出来なさそう場所はなく、どこも許可を取るのは容易だろう。

 

だとしても、これだけあると 希望の場所をまとめることもしなくちゃいけないし。そこから決めるとなると、今日中は厳しいかもしれない。

 

 

「う~~ん。」

俺は、再び唸り、チラッと隣にいた侑を見てみると何か気づいた みたいな顔をしていた。

 

「そっか…」

「侑?」

 

 

そんな簡単な事だったんだ。

 

 

そんな侑に質問してみた。

 

「何か思いついたのか?」

 

「うん! 全部やればいいんだよ!」

 

「は?」

 

侑のあまりに素っ頓狂な意見に驚く。

 

 

「いやいや。全部は流石に…」

 

「はぁ…これだから頭の堅い直大は…」

「…何か急に貶されたんだけど。」

 

侑は続ける。

 

「要するに、会場は1つに絞らない。」

「こんなにい~っぱい希望のステージがあるんだよ。なら1つのステージに拘らなくていいんだよ!だってこれは皆と叶えるスクールアイドルフェスティバルなんだから!」

 

 

 

 

 

「………!」

 

みんなと叶える…か。

 

確かにこんなに希望のステージがあるなら、1つに絞らなくていい。 各々やりたい所をやりたいだけやればいいんだ。 大勢のファンの人たちと叶えていくそれがスクールアイドルフェスティバルなんだと。

 

 

ホント侑は、俺が思いつかない事を閃くなぁ…

 

 

すげーよ。

 

 

 

 

それから俺たちは、意見を軽く纏め、早速生徒会へと向かった。

 

 

 

 

※※※

 

 

場所は変わり、生徒会室。

 

「申請書、拝見しました。」

「大分内容が進んでいますね。」

 

 

申請書の内容を確認した副会長たちは俺たちに言う。それに侑は、「はい!」と答えると副会長が─

 

 

「やはり、会場の記載は無いようですが••••••」

 

当たり前だが、他はビッシリ書かれているのもにも関わらず、一つだけ空欄の所があると、その部分は目立つようで指摘される。

 

その指摘に侑が答える。

 

「ずっと同好会で話し合って来ました。何故なら 皆が楽しめるライブになるのか?って でも、そうじゃなかったんです。」

 

 

「どういう意味ですか?」

 

 

「これです!」

 

その問に答えるかのようにかすみは、生徒会のテーブルにあるダンボールもとい、かすみんBOXをドヤ顔で置く。

 

だが当然これが何なのか分からない副会長は、また質問する。

 

「これは?」

 

 

 

そこに俺が答えた。

 

「どうやら口コミでスクフェスの事が広まったみたいで、沢山の人達がメッセージをくれたんですよ。」

「メッセージ? こんなに沢山……」

 

 

そう言って、生徒会メンバーはBOXの中にある紙を手に取り、各々読んだ。

 

 

色んなメッセージがあったなぁ…例えば

 

 

『彼方ちゃんの歌に、実はずっと励まされていて、インターハイに出る事が出来ました。フェスが開催する事になったら、何かお手伝いしたいです。』

 

『エマさんのPVに毎日癒やされています。沢山着せたい衣装があるので、フェスが実現するのを楽しみにしています。』

 

『スクールアイドル同好会が大好きで、クッキー作っちゃいました。フェスがあるなら、皆にも食べて貰いたいな。』

 

 

とかなどなど、これ以外にも沢山のメッセージがある。

俺たちは、これまで色々な事があった。皆、思い思いの悩みを持って、そこからスクールアイドルに活かしたり。最初は、知名度もそんなだった同好会が、今や学園中から周知され、応援をもらえるまでに至ったんだ。

 

 

すると、侑が生徒会の人たちに向かって言う。

 

「メッセージを読んで、皆で話し合いました。本当にスクールアイドル好きの皆が楽しめるお祭りって、何だろうって••••••」

 

「それはきっと、ライブをするだけじゃないんだって気付いたんです!」

 

 

「ライブをするだけじゃない?」

 

「はい!そうです!

だってかすみん達の夢だけ叶えるより、応援してくれるみん~なのやりたい事も叶った方が、絶対楽しいじゃないですか!!」

 

そんなかすみに俺も続く。

 

「会場についても、いっぱい希望が集まりました。だから、会場は1つに絞らない。俺たち同好会は、全部やります!」

 

 

「「「っ!?」」」

 

当然そんな反応になるだろう。

 

 

「街全体を巻き込んで、祭りにしたいです!色んな場所で色々なアイドル達が自分達らしく披露する!そしてスクールアイドルファンの人達の『好き』を表情出来る!皆の夢が1つに集まって、それを全て叶える場所!」

 

「皆が好きになってくれた、スクールアイドル同好会らしいフェスの形って、そう言うものだと思うんです!」

 

 

そんな侑の力説に、副会長は、静かに瞑目する。

「成る程。スクールアイドル好きの皆が楽しめるお祭り。と言う事ですか。」

 

 

「はい!ワクワクしませんか?」

 

「••••••分かりました。会長、私からはもう何もありません。会長は如何ですか?」

 

「はい。良いと思います。」

 

遂に、申請書に承認の判子が押され、無事に申請書は受理された。

 

 

これにかすみと侑が飛び上がるぐらいに喜びを露わにしている。

 

 

「やったぁぁ!!やりましたよぉぉぉ~」

「うん!ありがとうございます!」

 

そう侑が礼を言うと、副会長が少し恥ずかしそうに口を開く。

 

 

「私も……………参加してみたくなりました。」

 

「えっ?」

「それってぇ……」

 

 

 

「実はあの後、スクールアイドルについて少し勉強したんです。それで。」

「分かります!見ると好きになっちゃうよね!」

 

そう言いながら侑は、副会長の隣へ座りグイグイと近づいていく。

 

 

「因みに誰が好きなの?」

 

 

その質問に副会長は、照れくさそうに告げる。

「……優木せつ菜ちゃん……」

「へっ?」

 

「でも私、好きになったばかりで、好きと言うのもおこがましいと言うか••••••」

 

 

因みに副会長の言葉を聞いた中川は、無言だが焦っているのが手に取るように分かる程、ダラダラと冷や汗をかいていた。

 

「そんな事ないよ!好きに早いも遅いもないって!」

 

「だな。」

 

それに俺も同調すると、中川が食い気味に言う。

 

 

「そうです!ゆ、優木さんも、す..好きだって言われたら喜びます。絶対!」

 

 

おいおい、そんな動揺しながら言うと、バレちまうぞ。

 

 

「あっ!!もしかして会長••••••!!」

 

あらら、もしかしてバレたか?

 

「せつ菜ちゃんのファンですか!?」

 

「「……………え?」」

 

俺と中川の声が重なる。

 

 

「力説されるから、そうなのかな〜って!嬉しいです!こんな近くに同士が居るなんて!」

 

 

「え、えっとぉ••••••」

 

「今度一緒にライブに行きませんか!?」

 

気まずそうに視線を逸らす中川とは対称に、副会長は大いに盛り上がっていた。

 

 

まあこんなこともある……よな? 多分。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「カンパ~~イ!!!!」」」

 

 

ってことであれからすっかり暗くなった夜、俺たち同好会は、申請書が受理されたそのお祝いとして、軽くパーティを開いた。

 

エマ先輩が最初に呟く。

 

「申請書が通ってよかったねぇ~!」

「はい!生徒会の皆も納得してくれてよかったです!」

 

何はともあれよかった。よかった。

 

 

 

「副会長がファンになるなんて、上手く隠し通せるの?」

「謎のスクールアイドルとして、並々磨きを掛けなくてはいけませんね!!」

 

「だと良いけど••••••」

 

ほんとな…

まあ俺も人のことは言えんけどな。

 

 

 

「焼き菓子同好会の皆が、フェスに何か協力したいって。」

「服飾同好会の方もです!」

 

「バスケ部の人も、会場の準備とか手伝ってくれるって言ってたよ〜!」

 

 

規模がだんだん凄くなってきてる…

というか、近江先輩たちの人脈すげー。

 

 

「会場が色々あるって最高だね!!」

「楽しみだね。ふふっ。」

 

 

みんな、期待を胸に膨らませていた。

かくいう俺も、かなりワクワクドキドキしてる。

 

「流石は侑先輩です! あ、直大先輩も。」

「今回、俺は何も出来てないけどな。」

 

そんな俺の一言にせつ菜が言った。

 

「そんなことないですよ!」

「そうかぁ?」

 

 

思えば、スクールアイドルフェスティバルを思いついたのも、侑で、生徒会から無事承認を得られる案を思いついたのも侑なんだよな。

 

いつか、俺がこの同好会に要らなくなる日が来るかも。

 

 

なーんてな……

 

 

「うんうん。ありがとね。侑ちゃん。直大くん!」

 

 

そんなエマ先輩の感謝に侑は、「そんなぁ~」と照れたように謙遜している。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、そうだ。俺飲み物買ってくるよ。」

 

俺は、皆に聞こえるように言うと─

 

「あ、私も行くよ!」

そう歩夢が申し出ると、続くようにせつ菜が言う。

「では私も行きます!」

 

 

「いや別に飲み物買うだけだからそんなぞろぞろ来なくてm─「早く行きましょー!!」

 

俺の言葉を遮ると、せつ菜は俺の手を引く。

 

 

「あ、ちょっ引っ張るなって!」

 

俺は綱引きの綱じゃないぞよ。

 

 

「…………。」

「さ、歩夢さんも!」

 

 

「あ、うん。今行くね。」

俺たち3人は、飲み物を買いに部室を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いよいよ実現しますね!私達のフェス!」

 

トボトボと歩いていると、興奮が抑えられないのかせつ菜が切り出す。

それに歩夢はどこか上の空の様子で「うん」と相槌を返す。

 

「だなぁ……」

 

スクフェスまであともう少し。

これまで以上に気合い入れないとな。

 

 

「侑さん、申請書の作成。本当に頑張ってらしゃってましたね!!」

 

「ま、あいつが企画したものだし。気合い入ってんだろう。」

 

でもあそこまで何かを成し遂げようとする侑の姿は久しぶりに見たよ。

 

ほんと。

 

 

「でもそれは、せつ菜ちゃんもでしょ。よく遅くまで残ってたし。」

 

「あ、いえ。私に出来た事なんて微々たるもので。」

「••••••でも••••••私には出来ない事だよ」

 

「歩夢さん?」

 

 

何か歩夢の様子がおかしい。

表情は、重苦しくて、いつもよく見る笑顔が欠如していた。

 

 

まるで暗いどん底のトンネルの中に1人ポツリといるみたいな。

少しでも間違えたら、パリンとガラスのように割れてしまいそうな。そんな雰囲気で。

 

 

それから俺たちは、沈黙しながらも歩く。

すると、突如 ビルドフォンからスマッシュ探知音が鳴り響く。

 

「直大さん?」

「悪い、ちょっと用事が出来た。」

 

そう言いながら、軽くせつ菜にアイコンタクトをしてこの場から立ち去ろうとするが、歩夢に腕を掴まれる。

 

「歩夢?」

 

「…今からどこに行くつもりなの?」

 

「それは……用事がd「こんな時間から用事? なんか直くん最近変だよ!」

 

「……。」

 

歩夢に理由を話せばいいのかもしれない。

 

でも──

 

 

「歩夢さん。少し落ち着いて下さい!」

「せつ菜ちゃん……」

 

せつ菜が歩夢に落ち着くように言うと、歩夢の掴む力も弱まる。

 

「ごめんな歩夢。すぐ…戻るから」

そう言って俺は駆け出した。

 

 

「……直くん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

直大があの場から駆け出して行き、残された歩夢とせつ菜は─

「ねぇ。せつ菜ちゃん。」

歩みを止めた歩夢がせつ菜の名を呼ぶ。

 

 

「あの日……合宿の日の夜……せつ菜ちゃんは 直くんとどうして……」

 

 

「え?あの時ですか……」

せつ菜はあの夜のことを軽く思い出しながら呟く。

 

「……抱きついてたよね。直くんと。」

 

 

 

「え、//あ、 いやあれは…ちょっとした事故みたいなもので。私が躓いたのを直大さんが受け止めてもらっただけですよ。」

 

せつ菜は、その時のことを鮮明に思い出し、軽く頬を染めながら説明する。

 

 

「そう…なんだ………じゃあ侑ちゃんとは?」

 

それは直大を捜索に行く前の出来事のこと─

それを感じとったせつ菜は、あの日のことを説明する。

 

「え、ああ~!。侑さんが音楽室でピアノを弾いてらしたので、少しお話をしてたんですよ。」

「侑ちゃんが……ピアノ?」

 

 

「はい!以前聴かせて頂いた時よりずっと上達していて、新しい好きを見つけるのって素敵ですよね〜!」

 

 

……私、知らない……

 

 

「どうやら、直大さんがワンツーマンで侑さんにピアノを教えてもらってるみたいなんですよ~! いや~さすがです!」

 

「…………………」

 

直くんは、知ってたんだ。

 

 

せつ菜ちゃんも知ってた。

でも2人の幼馴染で1番近くにいたはずの私は何も知らない……

 

幼馴染でもないせつ菜ちゃんは知ってるのに…………

 

 

私の居場所、せつ菜ちゃんに取られちゃうのかな……

 

 

 

 

 

 

「ねぇ…せつ菜ちゃん。」

「はい?何でしょう?」

 

 

「せつ菜ちゃんは…さ、最近の…いや 同好会に入ってからの直くんのことどう思う?」

 

 

「どう…とは?」

「直くん。どこか人が変わったみたいな感じで。私に……皆に何か隠し事をしてると思うの。」

 

 

「……そうでしょうか?」

「うん。絶対そう。 さっきの直くんの様子を見て。それが何なのか分からないけど。」

 

「そうですか…」

 

「せつ菜ちゃんは…………知ってるんでしょ?」

 

「えっ!?」

歩夢は、今まで急に居なくなる直大に対してのせつ菜の様子、

そして今の会話から察するにせつ菜は直大の秘密を知ってるのだと確信する。

 

 

 

「………えぇとその…」

「別に答えなくてもいいよ。」

 

「え?」

 

 

「私が…………」

 

 

私が直くんに聞けばいいんだから

 

「……………………。」

 

 

 

 

──────────────

 

 

数時間後

 

 

 

あれから、俺はスマッシュの元へ行き戦闘を行なったのだが、その時スカイもとい仮面ライダーポイズンが乱入してきて、スマッシュを逃がしてしまった。

 

 

スカイとの戦闘で俺はあの時よりもハザードレベルを上げ戦闘に臨んだのだが奴も、あの時より ハザードレベルを上げ 強くなっていた。

 

今回は、互角で済んだが 奴の成長スピードは早い。だからいずれスカイに追いつけなくなってしまう日も近いかもしれない。

 

 

まぁ、とりあえずは逃げられたスマッシュをどうにかしないとな。

 

そんなこんなで俺は今、自宅の玄関の扉の前に居て ドアノブを引き、今にでも自宅の中へと入ろうとしている所だ。

 

 

やがて自宅へと入る。

因みに今日の夜、侑の両親は夜勤のため家にいない。

 

 

だから侑1人家にいると思ったのだが

俺以外の2人分ローファーの靴が置いてあることに目に入る。

 

これはおそらく歩夢?かな。

 

歩夢が侑の家に来るのって結構久しぶりだな。

それにしても歩夢大丈夫かなぁ…さっきも様子変だったし。

 

 

などと思っていると、

 

 

「せつ菜ちゃんの方が大事なの!!?」

 

突如、侑の部屋から歩夢の怒鳴り声のような声が聞こえてくる。

一体何事だと思い俺は、侑の部屋の扉に手をかける。

 

 

すると、扉越しに2人の声が聞こえる。

 

「歩夢に伝えたかったのは••••••もっと、先の事。」

「え…………?」

 

「私ね夢が出来たの!」

 

 

俺はこのタイミングで扉を開け、侑の部屋へと入る。

 

 

「「!?」」

 

突然扉が開き、警戒した侑と歩夢だったがすぐによく知る直大だと気づくと、警戒を解く。

 

 

「なんか凄い声聞こえたけど……」

 

 

「直くん……」

「直大…」

 

俺は何か言おうとしたのだが、この場の重い雰囲気を感じ取り、何も言えなかった。

 

 

ほんの少しの間、沈黙が続く。

 

 

すると、歩夢が─

「ねぇ、直くん。私たちに隠してることあるでしょ?」

「え? そうなの? 直大。」

 

歩夢の発言から侑は驚くように問う

 

 

「いや…別に隠し事なんてして──

 

「またそうやって私には何も話してくれないんだね。直くんが作詞作曲出来て、せつ菜ちゃんの曲を作っていたことも侑ちゃんがピアノを始めたことだってそう。 全部。」

 

 

「…………………」

 

「でも、せつ菜ちゃんには、話してるもんね。私には話してくれないのに。」

 

「それは……確かに作曲の事とか 話せなかったのは悪いと思ってる。でも──

「それだけじゃないでしょ。他にも何か隠してる。だけどせつ菜ちゃんはその何かを知ってる。そうだよね?直くん。」

 

 

「それは………」

出来ることなら俺が仮面ライダーだってこと皆に話したいさ。

 

でも無理だ。話せるわけがない。 俺は、前の世界で歩夢を守りきれなかった。また話して、皆を巻き込んで 守れなかったら? もし傷つけたら? そう考えるだけで俺は怖い。

 

 

本来、せつ菜に話すつもりなんてなかった。言い訳になるかもしれないけどあの時は感情が爆発して、冷静に判断が出来てなかったってのもある。

 

だからせつ菜だって俺は巻き込みたくないんだ。

 

 

 

俺が黙っていると、歩夢は俺に質問する。

 

 

「ねぇ、直くんもせつ菜ちゃんの方が大事なの?」

 

 

「は? なんでそうなるんだよ!」

 

 

「いいから答えてよ!」

 

歩夢の怒鳴りとも言っていい声が部屋中に響く。そんな歩夢の声が俺の脳内をグルグルと回っていた。

 

 

 

 

 

俺は僅か数秒考え、絞り出しながら答える。

 

「俺は……誰か1人が大事とかそういうのじゃなくて…ただ俺は皆が大切で。 そのために皆の夢の手助けがしたい。だから───「いやぁぁっ!!!」

 

 

「だから」と続きを喋ろうとするよりも、早く歩夢の声が被さると、歩夢は俺をベットの方へと押し倒す。その後しっかりホールドするように抱きつき、弱音を吐く。

 

「聞きたくないよ…………」

 

 

「歩夢……」

 

「私の夢を応援してくれるって……ずっと一緒にいてくれるって言ったじゃない…」

 

 

「…………」

 

「私、直くんと侑ちゃん。幼馴染二人だけのスクールアイドルで居たい………」

 

 

「だから••••••私だけの直くんでいて••••••?」

 

そう言うと、歩夢の抱きつく力が強まっていく。

 

 

「………俺は…」

そんな歩夢に何か言おうとしたが、結局俺は言葉が出ず、何も言えなかった。

 

 

そんな様子を近くで見ている侑も何も言えず立ち尽くしている。こういう予想外なことが起きても何か応対することが出来る侑ですらも。

 

 

そんな沈黙が続いていると、

 

 

さっき歩夢が押し倒された際に落ちた、ビルドフォンから、探知音が鳴る。

 

その音は、スマッシュ探知音とは違う。ガーディアンの探知音であった。

 

 

なんでこのタイミングで…………

 

 

それを聞いた俺は、抱きつく歩夢を優しく離すと。

 

「ごめん。歩夢行かなきゃ。」

「待ってよ!どこに行くつもりなの? どうして何も話してくれないの……どうして…私から離れるの………」

 

 

「ごめんな………」

俺はそう言い残し、家を飛び出した。

 

 

 

ガーディアンの方へ向かう道中、さっきのことを考えることなんてせずただがむしゃらに走った。

 

そうしないと、俺は動けなくなってしまうと思ったからなのかも。

 

 

─────────────────────

 

 

♬ NEO SKY, NEO MAP!

 

────────────────────

 

 

 

 

「ほっんと。人間ってめんどくさい生き物だよねぇ~君たちを見ているとつくづく思うよ。」

 

スカイは、家から飛び出し、ガーディアンの方へ向かう直大の後ろ姿を見てそう言い放つ。

 

 

「まあ、どうでもいいけど…」

 

 

 

続く………

 

 






11─5話でした。

さてさてこれからどうなっていくのやら

これにて本編11話は終了です。

次回から本編12話に入ります。

あと、Twitter 始めました。

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ではよろしくお願いします。
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