仮面ライダーシノビ(ビルド) × 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 ~夢が始まり、虹が咲く場所~   作:ラビラビfom

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かなり眺めです。


15話後編 ~水星に輝くニンジャ~

 

 

 

俺は今スカイと決着をつけるために死にものぐるいで戦っている。

戦況は優勢かと言われると、押され気味ではある。

やはり、スクラッシュドライバーのシステムとビルドドライバーのシステムでは大きく差があるようだ。だが俺もあの夏の夜の戦いよりはハザードレベルが上がっている。一方的に負けてばかりではいられない。

 

と自分を奮い立たせていると、スカイが呟く。

 

「君もこの一件で気づいたんじゃないかな?」

 

「なに?」

 

「人間の身勝手さ、醜さにねっ!」

スカイはそう言いながら、俺の方まで飛び込むと、スチームブレードで斬りつける。

 

 

俺はそれをソードガンで対処しながら答える。

「さあな!」

「所詮、人間ってのは、都合がいいんだよ。自分を守ってくれる時にはいい顔して。都合が悪くなった途端、手の平を返すように批判する。身勝手で醜くい。悪意の塊。そんな生き物さ!」

 

『アイススチーム!』

スカイはノズルを回し、氷の力をブレードに纏わせ攻撃する。それは降っていた雨も一緒に凍らすように。

 

 

「…………」

確かにそうかもしれない。旧世界でも、そうだった。守っても守っても、賞賛されるようなことは無かった。まあ、そんなのが欲しくて戦っていたわけじゃないが。

 

「理由のない悪意が転がっている。それがこの世界。どうしようも無いよほんと…」

 

「理由のない悪意か……」

 

でも今回ばかりは、俺のせいだから。何も言えない。何を言われても、受け入れるしかない。

 

 

 

水遁!』

 

俺は忍術を発動し、刃先に水の力を纏わせる。

 

水面斬り!』

 

「ハァッ!」

 

纏わせた力を衝撃波に変えて、繰り出す。

 

その攻撃がスカイに命中するが、

 

 

「君は学習しないなぁ…そんなんじゃ無理だって言ってるだろ?」

 

どんな攻撃も毒のおかげで回復(ヒール)する。

やはりこれでもダメか…

 

「決着をつけるとか言ってたけどさ。だったら本気で来なよ。」

「………」

 

「ハザードトリガーを使うしか、君の勝つすべは無い。」

 

「………」

もう、あれは使わない。

あんなこと二度と起こしたくないんだ。

 

 

「怖いんだね。」

「………っ!」

 

「まあ無理もないよ。大切な人をその手で殺しそうになったんだから」

 

 

「………あんな力なくても、あんたに勝つ!」

 

俺は剣の持つ力を強め、スカイに向かって斬りつけるが、

 

「無理だ…それじゃ勝てない。」

スカイは俺の攻撃を簡単にあしらうと、重い一撃を与えるためドライバーのレンチを下ろす。

 

スクラップバニッシュ!

 

その音声と共に、スティングテールを右足に巻き付かせ、サソリのオーラを身に纏う。

 

そして、その場で上段回し蹴りを繰り出した。

俺はその必殺キックに対応出来ず、その影響の爆風で強制変身解除。

巻いていたベルトも外れ、吹き飛ばされる。

 

 

「………ッ」

そのダメージから思うように体を動かせず、唇に辺る所から出血していた。それを右手で拭うと、血が右腕に付着した。

 

ふと、スカイはそんな俺を見て何か理解し、呟く。

 

「あ...分かったよ…君はこの戦いで死のうとしているんだね。…自分がやってしまった罪を抱えきれずに、この世界から逃げようとしている。」

 

「………逃げる…か……」

 

 

見方を変えればそう見えるのかもな

 

でも

 

 

「…俺はまだ死なない……罪を背負って、あんたを止めるまでは、死ぬつもりは無い……………死ぬならその後だ!」

俺がケジメを付けなきゃいけない。それまでは、身勝手に死ねない。

スカイを止められるなら、相打ちでもなんでもいい。

もうこれ以上、罪を重ねる前に俺が止める。

それが、俺の残された使命だ。

 

 

それを聞いたスカイは何を思ったのか、変身を解除する。

「そうか……ほんと中途半端だね。」

 

「何?」

 

「何故、彼女たちが狙われるのか、分かるかい?」

 

「ああ。俺が居るから…だろ」

 

「そうさ。君が居るから狙われる。君が彼女たちと中途半端に関わってしまったからこうなってしまったのさ!」

 

 

「……………」

 

中途半端…か…

 

確かにそうかもな。

 

俺は何一つとして、本気で向き合えたものなんて無かった。

マネージャーとしても、中途半端。皆をサポートする所か、危険に晒して。

ライダーとしてもそうだ。強くもない。誰も守れない。救えない。

そんな奴がヒーローとか、笑えてくる…

 

こんな中途半端の俺って…存在価値ないよな……

 

 

「何をするのにも中途半端の君が僕に勝てるなんて夢のまた夢さ…」

 

「………」

 

スカイの嘲笑う声がこの空に響き、支配した。

 

 

その時だった。

 

中途半端じゃないですっ!!!

 

 

この場に聞こえるはずがない声が聞こえた。

幻聴かと耳に疑いをかけるほど

聞こえる方へ顔を振り向くと。そこには

 

「せつ菜……みんな……」

 

何で、どうして、ここにみんなが居るんだよ…

 

一瞬、取り繕おうとした。

でもすぐ辞めた。皆の表情から察するにもう全部バレてしまったのだろう。

 

 

 

「何しに来た…」

自分でも驚くぐらい低い声で呟くと桜坂が答えた。

 

「先輩を…救い来ました」

 

「俺を…救いに……………言ったはずだ…もうシノビに関わるなって…危険だって!」

「どんなに危険でも構いません!私たちは先輩を救いたいんです。」

 

「やめろ…そんなことしなくていい…そんなことしなくていいんだよ!…俺は救われる資格も価値もないんだ!こんな中途半端な俺じゃ……」

 

「言ったはずです!直大さんは中途半端じゃない…誰よりも、優しくて。私たちのことを第一に考えて、全力で向き合ってくれる。そんな、凄い人なんです!」

 

「違う…そんな凄くない…俺はせつ菜が思ってるほど完璧じゃない…」

完璧だったらどんなに良かったか…

俺は侑みたいに器用に出来ない。

もっともっと…俺が完璧だったらこんなこと起きなかった。

皆を傷つけずに済んだはずだ。

 

俺が完璧だったら……

 

 

すると、朝香先輩が空を見ながら呟く。

 

「完璧ね…そんな人この世界に居ないわよ」

 

「え?」

 

朝香先輩に続くようにエマ先輩、近江先輩が呟く。

 

「うん。…皆完璧じゃない。でもだからこそ助け合うんだよ!」

「助け…合う…」

 

「うんうん。ほらよく言うじゃん~ 一人じゃ出来ないこともみんなとなら~ってね?」

 

 

 

「まあ。例外も居たりするけどね」

 

「ん?、なんで今アタシ見たの? カリン?」

 

「愛さんは、色々と凄いから。」

 

「いやいや…あのね。愛さんだって、出来ないこと、苦手なことだってあるからね?」

 

その宮下の一声に、皆自身の苦手なこと出来ないことを述べ始める。

 

「かすみんだって!ちょっーと勉強が苦手ですっ!」

「ちょっとじゃないでしょ…」

「ナッ…そう言うしず子も球技苦手じゃん!」

「ムッ……」

 

 

「ふふっ…ああ見えて、果林ちゃんは朝に弱かったり、道に迷ったりするもんね」

 

「ちょっとエマァ!」

 

「私も人前だと緊張することかな?」

 

「私なんて、皆ほど体力ないからさぁ…はぁ…今日嫌というほど思い知らされたよ…」

 

「侑ちゃんはそのままでいいんだよ?」

「なんで!?」

 

「私は知っての通り、表情が顔に出ないこと…でも、愛さんや直さん皆に出会って、変わった。色んな方法で感情を伝えられるんだってことを知れた。これは皆を頼ったから得られたんだ。」

 

それは天王寺がどこまでも強かったから。諦めなかったから掴めたんだ。俺はそんなに強くない。

 

「………」

「だから…直さんにも、私たちを頼って欲しい。」

 

「……っ。無理だ…そんなこと出来るわけない…俺は皆を傷つけたんだぞ…そんな資格なんて…ないんだよ…」

 

「前に直大さん。私に言いましたよね? 資格なんか無くてもいい。ただ私が大好きを貫く所、輝いている所が見たいって。私はその言葉に救われたんです。こんな私をまだ求めてくれる人がいるんだって。」

 

「だから、改めて言います。資格なんて、どうでもいいです。無くてもいい。ただ…私たちを頼ってください!」

 

せつ菜の真っ直ぐな瞳が俺を照らした。だがそれに耐えられず、目線を外す。今の俺じゃ眩しすぎた。それほどにせつ菜は輝いている。それに比べて俺はただのゴミ屑。

 

 

 

目線を外されようが構わずせつ菜は続ける。

「辛くて苦しい時こそ私達を頼って欲しい…きっと頼り無いかもしれません。足を引っ張ってしまうこともあるかもしれないです。それでもあなたは…」

 

「うん。直さんは一人じゃない。私たちが居る。そうでしょ?直さんが私に言ってくれたことだよ。」

 

「せつ菜…天王寺……」

 

確かにそう言ったさ。

でも、俺のしたことは許されない。

 

誰かを頼ろうとするなんて決して許されないことなんだよ。

そんな自分勝手なこと出来るわけがない。

 

それに、俺と関わったら皆が危険な目に遭う。

それが分かるのに、頼るなんて…

 

「…無理だ………俺に関わったらみんな危険な目に遭うんだ……俺が居たらダメなんだよ…」

 

俺は拒絶する。だがそんなのはお構い無しに近江先輩が喋る。

「もう守られるだけじゃない。」

 

「え?」

 

「確か、直大くんそう言ってたよね。それなら彼方ちゃんたちもそうだよ。」

 

「うんうん。愛さん達だって!守って貰うだけじゃない。むしろホッシーを守るよ!」

 

 

「……強いな…近江先輩も宮下も……だったら尚更俺なんてもう…」

 

要らない と言う前にかすみが

 

「直大先輩はこの同好会に必要ですよ!」

 

「そうです。先輩の居ない同好会なんて嫌です!先輩が居なくなるなら、私も同好会から居なくなります!」

 

「なんでs──「それぐらいの覚悟で私はここに居ます!」

 

なんでそうなるんだと言う前に桜坂は告げる。

 

 

「………なんで、俺なんかにそこまで…」

 

 

どうして、そこまで、言えるのか分からなかった。

俺なんかそんなこと言われる価値なんてないのに

 

 

すると、歩夢が優しい声音で、

「直くん。なんかじゃないよ。直くんはなんかじゃない。私の大切な幼なじみでみんなの大切なかけがえのない仲間だよ!」

 

仲間……

 

「………でも…」

 

きっと俺は怖いんだ。怖くて怖くてたまらない。誰かを頼る1歩すらも恐怖で足が竦む。

 

「まだ勇気が出ないよね。でも大丈夫!私たちがその勇気を上げるから!」

「そうね。私がビビってた時、あなたたちが勇気を私にくれたみたいに、私もあなたに勇気を。」

 

 

エマ先輩…朝香先輩…

 

「どうして…そんなに強いんだよ……」

 

分からなかった。なんでそこまで強くいられるのか。

俺は…こんな強くない。強くなれない。

 

皆は…ほんと凄いな。

 

 

すると、侑が俺の目線の高さまでしゃがみこむと

「直大が強くさせたんだよ。」

 

「……」

そんなわけないだろ…

 

「あ、今そんなわけないとか思ったでしょ。」

 

「………」

 

「直大の考えてることぐらい分かるよ。何年幼なじみやってきたと思ってるの?まあでも、全部が全部分かってたわけじゃないけど 」

 

結局俺は、自ら秘密を侑たちに話せず、その秘密がバレてしまった。約束したのに…。必ず話すって…

幼なじみとの約束一つ守れないんだな俺は……

 

自分のことを思い返す度に自己嫌悪していると、侑が確認するように。

「直大はさ。私のこと羨ましいって言ってたよね。直大が私だったらって」

 

「ああ…」

俺が侑や戦兎みたいだったらって何度も思う。もし2人だったらもっと上手く出来たんじゃないかって…

 

 

「でもね。直大が思ってるぐらいに私も直大のこと羨ましいって思ってるんだよ」

「………」

 

「だってさ。皆をサポートして、作詞も作曲も出来る。そして、皆を守れるヒーローなんだもん。凄いよ。私もそんなこと出来たらって思う。そうすれば、直大の助けに皆の助けになれるかもしれないのにって。まあこんな話してもしょうがないのは分かってるんだけどさ。そう思ったんだ。」

 

「……」

 

「要するに、直大はそう思わせるぐらい凄いんだよ。だからもっと自信を持って欲しいな。」

 

 

「別に俺は…」

 

「ほんと謙遜ばっかり。でも…それが星奈直大なんだよね。どこまでも自己評価が低くて、自分のことより他人を優先する。バカでどうしようもないぐらいに…」

 

「…そんな直大だったから、私たちはここまで来れたんだよ。

きっと一人でも欠けたら、この景色は見れなかった。だからありがとう直大! ありがとうみんな!」

 

侑は最高の笑顔で俺やみんなに感謝した。

 

 

「侑……」

そんな侑に向き合った歩夢は「こちらこそだよ。」と告げると歩夢は俺に問いかける。

 

 

「直くんは、本当に私たちから離れたいの?」

 

その問いかけに僅か数秒考えた。どうにかして、皆から離れるにはどう言えばいいか。どうすれば納得してくれるのか。でもどんなに考えても。そんな言葉一切出なかった。

 

ただ1つ思うのは

「………離れたくなんてない……もっと…もっとみんなと同好会の活動がしたい…色んな景色が見たい……」

 

離れたいわけないだろ。俺はみんなが大切なんだ。

 

そう思ってるからこそ、傷つけたくない。悲しませたくない。

だからその為に離れようと思っていたのに。

 

なんで…なんで……

 

「答えは出たわね。」

 

「え?」

 

「一緒に居たいから居る。活動したいから活動する。きっとそれだけでいいと彼方ちゃんは思うな~」

 

「はい。難しく考えなくていいんですよ。先輩」

 

「………」

難しく考えなくて……いい……そんな単純でいいのだろうか…

 

 

「大体!どんなに先輩が離れようとしても、かすみんたちは追いかけますから!」

 

「うん。りなちゃんボード [逃がさない!]」

「地獄の果てまで追いかけるよ!覚悟してよね?ホッシー!」

 

ほんと。こいつらはどこまでも…

 

でもそんな皆だから、乗り越えられるのか…

 

 

俺はここで遂に堪えていた涙腺が耐えきれなくなり、ポロポロと涙を零す。

無駄に生暖かい涙が俺の視界を濁らした。

 

「いいのかよ…本当に……」

俺はみんなに涙を零しながら問いかける。

 

「うん」

侑が優しい声音で答える。

 

「また皆を危険に晒すかもしれない…毎回守れる自信なんてないし、保証もない…俺は…怖いんだ。また誰かを失うのが……もうあんな思い二度としたくないから…」

 

俺の脳裏過ぎるのは旧世界のあの日の出来事ばかり。きっと俺は前に進んでいるように見えて、あの日から前に進めていないのだろう。その場で足踏みをして進んだ気になって自己満足していたんだ。

 

「直大にどんな過去があったのか、私には分からない…ずっと一緒に居た幼なじみでも分からないことってあるんだね。私もまだまだだよ。

でもね。きっと大丈夫。だって私たちは仲間だもん。辛いことも悲しいこともどんなことだって乗り越えられるよ。仲間が居ればきっと……」

 

「侑………」

 

そっか…そうだった……俺がどうしてここまで来れたのか。どうして…戦えたのか。

「………ふふっ…あははは」

 

俺は込み上げていた涙を拭い、笑い始めた。どうして忘れていたのだろうか、そう考えると笑みが込み上げてくる。

それに釣られて、皆も微笑む。

そんな俺たちに呼応したのか、偶然か否か、空から降っていた雨は止んだ。

 

 

今俺を抱え込む真っ暗い世界に一筋の光が見えた。

もしかしたら、俺はあの日から止まっていた歯車が動き出し、1歩前に進めるのかもしれない。

 

いやきっと進める。そう信じる。だって仲間が居るから。

 

 

今までのやり取りを見ていたスカイは

「はぁ…急なお涙頂戴イベントをやったかと思ったら、泣いて、急に笑うなんて、君の情緒は不安定なのかい?」

 

そんなスカイの言葉を聞こえた俺は。

「あはは…ん? ああ。何とでも言えばいい…」

 

「あ?」

 

「思い出したんだ。俺がどうしてここまで戦ってこれたのか、そして これからもどうして戦い続けられるのか」

 

「なに…」

 

俺はこのタイミングで立ち上がる。

「それは…大切で、かけがえのない”仲間”が居たからだ!」

 

旧世界では戦兎や万丈たち。新世界ではそれに加えて同好会の皆。

そんな仲間が居るから、俺は戦える立ち向かえる。どんなに辛くても、苦しくても、仲間が居れば乗り越えられる。

 

俺はもう一人じゃない。

 

 

それを聞いた、スカイは頭を抑えながら。

「分からないなぁ…。君は分かったはずだ!人間の身勝手さ。醜さが。なのにそれでも戦うと言うのか? 」

 

「ああ。戦う。」

 

「何故だ!?何故戦う!君がどんなに命を張っても、人間は都合が悪くなったらすぐに裏切るんだぞ!そんな身勝手な奴ら守ってなんの意味がある!?」

 

「意味があるとかないとかそんなの関係ない!俺は守りたいんだ。誰もが笑顔絶やさずにいられるそんな明日を」

 

「確かにあんたの言う通り。この世界には理由の無い悪意がゴロゴロと転がってるよ…」

 

その悪意に何度も苦しめられたさ…:

 

「でもな…きっとそれだけじゃない。こんな俺を良いって。こんな俺を必要だって言ってくれる人達が居た。きっとそんな人達みたいに人は分かり合える!だって…同じ地球(ほし)のもとに生まれた、同じ人間なんだから」

 

「直くん!こんな、は禁止だよ!」

歩夢がプンプン怒りながら、そう言う。

 

「ああ。そうだったごめん。」

まだ自分を卑下にする癖は中々抜けないみたいだ

 

俺は改めてスカイの方へ向くと、

 

「皆…きっと不安なんだよ。この先どうなるのか、不安で怖くて…だから」

 

「だから…君を傷つけても良い理由になるのか!?」

 

「…さぁな…俺自身、何言われても構わないけど…きっとそれが嫌だって思う人も居ると思う。」

 

「だからさ。誰もが安心出来るような、不安を感じさせないそんな世界にしたい。皆が笑顔絶やさずに居られる明日、誰もがラブアンドピースを胸に生きていける世界になるその日まで!俺は戦い続ける!」

 

「それが…俺の知ってる…なりたいと思ったヒーロー…仮面ライダーだ!」

 

そうだ、俺の原点は(ここ)にある

 

 

俺の知ってる人たちはみんな、誰かを守るために戦っている。

誰かの明日を幸せを願って、戦っているんだ

 

俺もそんなヒーローなりたい。いやなるんだ!

それが俺のなりたい自分なのだから。

 

「………そうか。ほんっと…君の綺麗事には反吐が出るよ……」

 

綺麗事と一蹴りされようが構わない。絶対に叶えると信じて、前に進むだけだ。

 

「こんなに打ちのめされても分からないみたいだね…現実はそう甘くないことを………決めたよ……君が何度も理想を掲げるなら、僕はその理想を何度でもねじ伏せるよ。理想は叶わない。その証明をこの僕がね。」

 

スカイはそう言うと、再度変身する。

 

スコーピオン イン ポイズンヒール! ブゥゥゥラァ!

そして、戦闘態勢に入り、今にでも飛び出して来る勢いだった。

 

 

 

スカイに勝つ方法はまだ見つかってない。スクラッシュの力と、ただのベストマッチの力じゃかなりの差がある。

 

どうしたらいいか分からない。でも、立ち向かう。俺は近くに落ちてあるビルドドライバーを手に持ち、再び変身しようとした。

 

その時、背後からピョンピョン、ピョンピョンと効果音さながら、何かが俺の横を通り過ぎると、その何かがスカイに向かって、素早く撹乱し、最後にその足でスカイを蹴り飛ばす。

 

 

「なんだ今のは…」

 

スカイは当然ながら、俺も皆もポカンと口を開け、困惑する。

すると、その何かは俺の方へやって来る。

その姿は、まるで兎だ。

 

あ、でもそういえば、戦兎が確か兎型ペットロボットのラビットくんを作ったって俺に自慢してたな。凄いでしょ!天才でしょぉぉ!!って

 

すると、その兎型ペットロボット、ラビットくんはその複眼から光を出すと、収納していたものを出すようにある黒いアタッシュケースを呼び出す。

 

俺はそれを開ける。その気になる中身は、まず戦兎からの伝言?元い手紙?が入っていた。

 

その手紙の内容を見ると、

 

 

[直大が困ってるんじゃないかと思ってな。これを送る。]

 

俺は再びアタッシュケース内を見る。そこには、青いドライバーとあるゼリー。

 

そうスカイと同じスクラッシュドライバー。そして、忍者の手裏剣が描かれた、ネイビーカラーのニンジャスクラッシュゼリーが1つ。

 

 

[お前なら使いこなせる。絶対にな。

にしても流石は天才、完璧なタイミングだったろ?]

 

俺はニヤッと笑う

「ああ。ベストタイミングだよ。戦兎」

 

俺はその二つをケースから取り出し、手に持つ。

 

 

「おいおい。何かと思えば、スクラッシュドライバーじゃないか。そのベルトの副作用は」

 

「ああ。知ってるよ」

 

使えば使うほど、使用者を好戦的にする。

挙句の果てに戦闘兵器に変貌してしまう。そんな危険な代物だ。

 

 

「君に使いこなせるのか? ハザードの力で暴走した君が。」

 

「使いこなしてみせるさ。もうあの時と違う。俺には仲間が居るから」

 

そう言ってチラッと皆の方を見ると、皆笑顔で微笑んでいた。

俺も釣られて、微笑む。

 

「もう自分を見失ったりしない。」

 

そう言って俺は青いベルト、スクラッシュドライバーを腰に巻き付けた。

 

スクラッシュドライバー!

 

そして、ゼリーのキャップを正面に合わせて、スロットへセット。

 

ニンジャゼリー

 

工場で流れるような音が鳴り響き、俺はドライバーのレンチをグッと下ろす。

 

すると、俺の体中に強烈な痛みと共に電撃が走る。

強制変身解除後による再変身、それに加えて、初めてこのドライバーを使うため体に掛かる負荷がかなり大きい。

その影響で俺は苦しみながら膝をついてしまった。

 

でも

 

ここで諦めない。どんな痛みだろうが乗り越える。後ろには守るべき仲間、頼れる仲間が居る。

 

俺はここで左の拳をギュッと握り、決意する。

 

「俺が皆を…守るんだぁぁぁぁ!!!」

 

そう決意したと同時に、ニンジャゼリーに描かれている手裏剣の隣に水を模したマークが追加され、巨大なビーカーと装置ケミカライドビルダーが俺の周りを囲うように出現する。

紺色に光るゼリー状のコロイド溶液 ヴァリアブルゼリーがビーカーを満たすと、溶液ごと俺の体を収縮する。

それはまるで水の中に潜ったような感覚が俺にはした。

そして、再び立ち上がる。

 

「………変身!!」

 

その掛け声と共に俺は左の拳を握り、そしてビーカーを壊すようにその左腕を進行方向 左へと振り下ろした。

 

すると、収縮したヴァリアブルゼリーが俺の上部で弾け飛ぶと同時に俺の体に青紫のスーツを形成。さらに頭部のヴァリアブルゼリー噴出装置 スクラッシュファウンテンからヴァリアブルゼリーが噴き出すと、ネイビーカラーのゼリー状の装甲を形成した。

 

潰れる!流れる!溢れ出る!!

 

ニンジャ イン シノビアクア!!

 

ブゥゥゥゥラァッ!!!!

 

その音声と共に仮面ライダーシノビアクアへと変身を完了する。

 

スクラッシュ × 忍者 × 水

 

その見た目は、全体的に青紫のボディアーマーであり、両肩には手裏剣がくっついており、

さらに頭部、胸部には、ネイビーカラーの手裏剣がゼリー状の装甲になっている。

目立つように、首元を覆っているゼリー状のマフラーが風が吹いていないのにも関わらずなびき、ゼリーの装甲の奥には、紫みのかかったピンクの複眼が光輝く。

 

 

今までのシノビの姿とは大きく変わり、同好会メンバーは驚き、歓喜の声を上げる。

 

 

「うおおおおお!!これが新しい姿!!!」

せつ菜は雄叫びを上げるように言う隣で、シノビの色について呟く愛と璃奈。

 

「青いシノビ?」

「いや青紫かも」

 

かすみや彼方も続けて言う。

しずくは、先程流れた音声のことを呟く。

 

「今までと全然違うじゃないですか!?」

「なんか凄そう~」語彙力低下

 

「アクアということは…水?」

「ちょっとあのゼリー……」ジュルリ

「食べちゃダメよ。エマ」

「わ、分かってるよぉ」

シノビの纏う装甲のゼリーに涎をたらしかけるエマ。

 

 

「これなら負ける気がしない気がする。」

「うん。頑張って!直くん!!」

 

ここにいる同好会メンバー全員、直大が負けるビジョンが浮かばないほどに希望に満ち溢れている。

 

 

 

 

「ふふっ君はどこまでも僕を楽しませてくれるようだね。だが…どんな姿に変わろうが僕が勝つ」

 

そう言い放つスカイに俺は、右の拳を力強く握り、自身の胸を叩き込み、奮い立たせる。そして

「仮面ライダー…シノビアクア…さぁ…ショウ・タイムだ!!」

 

そう宣言すると共に俺は地面を強く踏み込むと、走り出す。

対するスカイも走り出した。

 

 

 

 

挿入歌 ♬~IZANAGI~

 

 

 

 

「はぁぁぁ!」

 

走り出した勢いのままに右腕を前に突き出す。同じくスカイも右の拳を突き出すがそれよりも早く俺は拳を振るった。

 

「……ッ……」

負けじとスカイも右の拳を叩き込もうとするが、俺が左の手のひらで受け止めた。

 

「なに?」

同様が隠しきれない様子のスカイに俺はその拳を掴み、前に追いやると、右の足で蹴り飛ばす。

 

僅か奴との距離が生まれる。

 

スカイはいつものように自身を回復(ヒール)しようとした。

 

のだが

 

「なに…どういう事だ!?」

いつまで経っても回復(ヒール)しなかった。

 

スカイから一体何をしたという、目線及び圧を感じる

それに俺は答えた。

 

「あんたが自身を回復(ヒール)するなら、俺は皆を直す!」

 

「僕と同じ力を手に入れたとでも言うのか!?」

「一緒にするなよ。あんたは自分自身、俺は自分じゃない誰かを直す。それが俺だ!」

俺の名前にもある直 という字のように。

 

「だから、あんたがどんなに毒を纏おうと、俺が何度でも直す!」

ま、要するにこれでスカイにダメージが通るってわけだ。

流石は戦兎だ。こんな力まで手に入るなんて。

 

すると、スカイは頭を押えながら

「ふざけんなぁぁぁ!!」

 

そう言って、スチームブレード片手に飛びかかり、俺を斬りつける。

 

だが何度も何度も斬りつけても、ダメージを受けているようにはスカイは感じず、なら再び拳で殴る、または蹴るを繰り返すが全くダメージが通っていない。

 

そんな様子のスカイに俺は、いや俺の体は液状化する。

 

「まさか、液状化か…」

「ご名答!」

 

そのまま液状化した体で体当たり、及び撹乱

 

何故こうなったか説明しよう!俺の体が液状化しているうちは、全くダメージが通らないのである。要するにどんな攻撃も貫通、透過する。

 

「だが…液状化を長く維持することは出来ないはず。」

こいつの言う通り、長く維持するのはかなり難しい。場合によっては自身の体力を失うこともあるだろう。

 

「ああ。だから」

俺は左腕にヴァリアブルゼリーを纏わせてツインブレイカーを装備。

 

ツインブレイカー!

 

「さっさと倒す!」

 

ツインブレイカーアタックモードにし、スカイに向かって突き出す。

「……っ…」

僅かに狼狽えるスカイ。

 

すると、後ろからせつ菜の声が

 

 

「直大さん!これを!」

そう言って、落ちてあったニンジャボトルを投げ渡す。

 

 

「サンキュ!」

 

せつ菜に感謝を述べつつ、ボトルをスロットへセット。

 

シングル!

 

独特の待機音が流れる

 

シングルブレイク!

 

その音声と共にツインブレイカー先端(レイジングパイプ)を蛇腹のような光剣に変え、大きく伸ばす。そして、それを大きく振りかぶるように繰り出す。

 

その攻撃にスカイは対応出来ず吹き飛ばされる。

 

「何故…何故だ!? 僕の方が君よりハザードレベルは高いはず!それなのに!」

 

「ライダーシステムにはな。数値じゃ分からない特別な力がある。」

 

「あ?」

 

「誰かの力になりたい、誰かを守りたい!そんな想いが俺たち仮面ライダーを強くするんだ!あんたには無いのか?そんな想いが!あんただって同じ仮面ライダーだろ!!!」

 

「……誰かの力になりたいだと…そんな想いあるわけが無い!あんな身勝手な人間のために使うなど馬鹿馬鹿しい!言ったはずだ!僕は僕のためにこの力を使うと!」

 

「…そうか…なら、あんたは俺に勝てない。」

 

俺はドライバーのレンチを下ろす。

すると、両肩の手裏剣が回転し、水が生成され、右足に水を纏う。

その余波で高く飛び上がる。

 

両拳を力強く握り、水を纏った右足を前に突き出し、ライダーキックの構えを取る。

 

スクラップストライク!!

 

その音声共に必殺キックを繰り出す。

 

 

対するスカイもレンチを下ろすと、サソリのオーラを左拳に纏わせ、必殺パンチで対抗する。

 

スクラップバニッシュ!

 

今、二人のライダーの必殺がぶつかり合う。それは周囲を圧倒するような衝撃があった。

 

「僕が勝つ!!」

そう言うと、スカイの力が莫大に上がったようだった。おそらくハザードレベルが上がったのだろう。

それにより、少し押され気味となる。

 

 

 

 

ここで俺は、みんなの顔がフラッシュバックした。

笑顔で微笑むそんな顔が。

 

 

ここで負ける訳にはいかない。時に傷つき疲れ果てても。

 

ひとひらの想いを胸に立ち向かう。

これまでもそうだった。悠久の時を超えて

 

もう一度シノビの道へ──────

 

 

「いいや。俺は負けない!絶対に!はぁあああ!!!!」

 

俺も自身のハザードレベルを上げ、押し返す。そして、そのまま液状化。スカイの体を通り抜けた。

スカイの足元に水溜まりのようなものが出来る。すると、その水溜まりからシノビが出現し、その水の力でスカイを天高く追いやると、そのまま必殺キックをおみまいし、爆散した。

 

その後俺は着地する。

 

 

対してスカイはその影響で強制変身解除まで追い込むことに成功した。

体にダメージが巡って上手く立てないのか、ふらふらとした足どりだった。

 

「…………はぁ…はぁ……はぁ……僕が負けた……」

 

そう呟くと、俺たちを睨みつけるように

 

「……必ず…君たちの祭りは潰す…」

そう言い残し、スチームガンの煙でこの場から去った。

 

 

すると、かすみやみんなが俺の勝利に歓喜の声を上げる。

 

「やったぁ!勝ちましたよぉ!!!」

 

みんなそれぞれ抱きつきながら喜んだりと、それぞれだった。

 

俺は心の底から安堵した。

 

今度こそみんなを守れたと。

 

だがまだ終わりじゃない。 最後に俺自身が起こしたケジメとしての償いをする。

 

俺はドライバーのレンチを長く下ろす。

 

スクラップヒーリング!

 

その音声共に俺は液状化し、天高く空へ舞い上がる。

 

 

喜びあっていたみんなが直大がその場に居ないことに気づく。

 

「あれ?先輩が居ないですけど?」

 

もしやまた、私たちの傍から離れたのかと一瞬思うが

 

 

「ん? 雨?」

またしても雨が降ってきた。今日は雨が多いなと思っていると。

 

ふとエマが呟く

 

「でもなんか暖かい。」

雨のはずなのにどこか暖かい。まるで温泉に浸かっているようで自身の体が癒えていく。これまでの疲れが吹っ飛ぶ。全員そんな風に感じ取っていると。

 

そしてしずくがボソッと呟く

「恵みの雨…」

 

すると璃奈が何かに気づき、その方へ指を指す

 

「!? みんなあれ見て!」

 

その指す方へ全員振り向くと。

 

そこには目を疑う光景が広がっていた。

一昨日、シノビによって破壊されたガラスや柱などがこの雨による影響からなのか光に包まれながら、修復されていた。

 

やがて、学園が元の破壊されていないままの学園に戻ったのだった。

 

 

 

雨も止み、虹がかかる。

 

そして、液状化された光に包まれながら、地上まで来ると、人の形に戻る。それは仮面ライダーシノビであり、星奈直大だった。

 

 

「直くん!」

そう歩夢が呼ぶと、直大は左指をサムズアップした。

 

そのサムズアップは勝利を意味する。正しくビクトリー!

 

仮面で隠れていて分からないが微笑んでるように皆感じる。

 

 

そして、ゼリーを抜き変身解除。

 

 

直大はゆっくりと皆の居る所へ足を踏み出そうとしたが急に足に力が入らなくなり、その場で倒れ込む。

 

皆、それに驚き、急いで駆け寄る。

 

そして、段々と意識が朦朧としてくる

やがて、薄れゆく意識の中、皆の彼を呼ぶ声を最後に直大はその意識がプツリと消えた。

 

 

続く……

 

 






何やら不穏な感じで終わりましたが安心してください。大丈夫です。(何が)


やっと、強化フォームを出せました。
唐突に水要素が来たなと思うかもしれませんがこれまでに所々、伏線を張っていました。探して見てください。(ほんのちょっとですけど)

あと個人的に元のベルトとは違うベルトで新しく変身するというのが好きで。今回そうさせてみました。

途中の挿入歌は個人的に脳内で流れてるBGMです。やっぱ忍者と言えば個人的この曲かなって思うので。(同じシノビだし)

これで今回ついに直大は過去を乗り越えました。
いや~最近暗い話が続いてたんでそろそろ明るい話にしたいですね。

ということで次回はこの話の後日談を投稿します。
それが終わり次第、原作の第13話の内容に行こうと思います。

あとシノビアクアの容姿と能力については次回の後書きにて書きます。

よろしくお願いします。

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