仮面ライダーシノビ(ビルド) × 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 ~夢が始まり、虹が咲く場所~ 作:ラビラビfom
結構期間が開いてしまいました。
だが私は謝らない──すみません。
今回はかなり長いです。
執筆してたらいつの間にか15000字までいってました。
ということでどうぞ。
みんなの元へ直大がやってくる。数十分前。
俺は今、副会長と一緒に理事長室から出たところだ。
どうして理事長室に?と思うだろう。
このスクールアイドルフェスティバルに完全協力してもらった学園側。
ステージが使えるのも学園側の協力あってこそだった。
そして、学園側最大の責任者であり偉い人の 鐘 理事長に交渉──いやあるお願いをしに来た。
ただ、俺はしがない一般の生徒だ。俺一人が理事長室に行ってお願いした所で聞く耳を持って貰えるか分からない。
そのため、副会長に一緒に来て欲しいと頼んだ。
副会長はすぐに了承してくれた。
副会長自身もせつ菜のファンであるからこそ、何か思うところがあって、急で無茶なお願いを聞いてくれたのだろう。まあ実際はどうなのか分からないが。
まあ、結果から言うと、20時までの間に残り1回のライブ──ワンステージのみ使えることになった。
ひとまず俺は安心した。
ふと、目線を学園の窓に移す。
今も空から降る水は地面へポツリポツリと打たれている。
どうやら止む様子はないようだ。
そもそも、雨が止まない限り、理事長へのお願いも意味を無くすんだがな。
だから、まずは雨が止むことを祈るしかない。
そんな俺の隣で歩幅を合わせて歩くのは生徒会の副会長だ。
とぼとぼと校舎の廊下を歩いていると、副会長が呟く。
「星奈さん……なんかグッと来ました。」
それはおそらく、先程の出来事を思い出すように言ったのだろう。
俺も数分前の出来事を思い出す。
☼☼☼☼
数分前、理事長室にて
俺と副会長はあるお願いをするために理事長室へと入室する。
やはり、理事長室という普段行かない場所であり、シーンと静粛した場の空気に緊張が走った。
そんな緊張する自身を奮い立たせ、あるお願いを口にする。
それは、あとワンステージだけでもステージを使わせて欲しいということ。
何の用で理事長室に来たのか、諸々の事情を全て話終わった後、俺は深く頭を下げた。
『無理を承知でお願いします!みんなの夢を叶えるためにステージを使わせて下さい!お願いします!』
隣にいた副会長も一緒に頭を下げた。
無理を承知で頼んでいるのは分かる。
そもそもステージを使えるのは19時までと決まっていた。
決まりは絶対だ。時間が間に合わないからとか、何か訳があって時間を伸ばせないかなんて、それはただのこちら側の都合だ。
学園側にとってそれは知ったこっちゃない。
それでも……
『顔を上げて』
言われるがままに俺は顔を上げると、理事長は口を開く。
『事情は分かりました。ですが分かっているとは思うけれど。』
理事長の言いたい事は分かる。
分かって…分かって…受け入れて理解しようとした。
でも……それでも俺は……諦めたくない。
こんな終わり方になんてさせたくない。
これは恐らくだが、歩夢の様子見るに、最後のライブにはきっと何か特別な想いがある。
これまでの取り組みを……想いを……無駄になんかさせたくない。
スクールアイドルフェスティバルはみんなの夢を叶える場所。
そうこれはもう誰か一人の夢じゃない。
みんなの夢なんだ。
だから……正論なんてどうでもいい。
大人がどうとか、そんなの社会で通用しないとか…それが自分のエゴてはないのかとか……そんなのはどうでもいい。
『はい分かっています。それでも俺は諦めたくないです!みんなの夢を……こんな所で…』
ここで終わったら、きっとダメだ。
もう何も失わせない。誰も不安にさせない。
笑顔で楽しかったって終わりたい。
そして、それを胸にそれぞれの夢に進んで欲しいんだ。
『みんなの夢…ね…先程からみんなの、と言っているみたいだけれど、それがあなた自身が本当にやりたいことかしら? 』
『どうにも…あなたからは義務感とか果たさなきゃいけない使命に囚われてる気がするのよね。』
痛いとこを付くな…
確かにそういう部分も少なからずあるだろう。
俺がやらなくちゃって……俺がやらないといけないって
前の俺なら、何でも一人でやろうとしていた。
でも…今の俺はもう違う…なんてはっきりとは言えたらいいが…
少なからず今も俺がやらなきゃって思う所もある。
でも、それだけじゃない。
『そうですね。確かに少なからずそう思ってしまうこともあります。でも…今回は違います。ここに来るまでに色々な人に想いを託されました。』
羽島を筆頭に手を貸してくれた運動部の人達。
副会長や生徒会の人達。
それぞれのスクールアイドルのファンの人達。
これだけじゃない。もっともっと……沢山の人達の想いが俺をここまで運ばせた。
『義務とか使命感とかじゃない。俺一人が成し遂げないといけないものでもない。これはみんなの願いで…希望で…夢なんです!』
『そう……ならあなた自身の夢はあるのかしら?』
(俺の夢………)
明確にこれだ!って言える夢なんて、今の俺にあるのか?
分からない。
でも夢ってそう焦って決めるものじゃないと思う。
何かになりたいとか、その職業に就きたいとか、きっとそういう夢って、いつの間にか無意識の内に自分の心に秘めてるものなんじゃないかって思う。分からないけど…
だから、きっと俺にもいつか夢が見つかるんじゃないかな。
ゆっくりでいい。1歩ずつでいい。
そして、見つけたその先に俺の夢が始まるんだ。
それに今俺にも叶えたい理想が願いがある。
それは義務とか使命感じゃない。
俺が叶えたいって心の底からそう思ったんだ。
『今の自分に明確な夢はないです。でも叶えたい理想はあります!その理想を叶えるために諦めたくない。俺は…見たいんですよ。』
『見たい?』
『スクールアイドルが笑顔で踊って、歌ってる所を見たい。
そのライブから世界中の人々が笑顔になってる姿を見たい。そう思ってます。』
『世界中の人々………スケールが大きいわね。』
自分の夢なんて無いくせに理想だけは一丁前にデカいもんな俺は……
『はい。自分の謳っている叶えたい理想は、誰もが笑顔でLove&Peaceを胸に生きていける世界ですから。』
『……愛と平和ね……そんなの現実に置いて脆く儚いものよ。それでもあなたは、謳うのかしら?』
確かにその通りだ。
現実は上手くいかないことの方が多い。
前の世界でも何度押しつぶされそうになったことか、
でも、俺のヒーローが言ってた。
[愛と平和は俺がもたらすものじゃない。
一人一人がその想いを胸に生きている世界を創る。
そのために俺は戦う!]
そんなのは綺麗事だ。
そんな理想、叶うわけないって。
現実は理想と違う。
綺麗事だけじゃ誰も救えない。
俺も最初はそう思ってた。
でも……かけがえのない
俺もそうありたいって思ったんだ。
綺麗事でもいい…俺は…理想を…願いを…謳い続ける。
『はい!どんなに脆くても、俺はその想いを謳っていくつもりです。一人一人がLove & Peace を胸に笑顔でいられる明日を!
諦めない限り、願いは叶うって俺は信じてます。
そのためには今回のフェスをこんな形で終わらせたくない。だから……お願いします!』
全身全霊を込めて、再び頭を下げる。
俺の言いたいことはもう言い切ったつもりだ。
あとは理事長次第。
その隣にいた副会長もまた頭を下げる。
『…私からもお願いします!!』
何分ぐらい、頭を下げ続けているだろうか
いや本当は僅か数十秒ぐらいしか経ってないけど。
きっとこの場の時が進む時間が酷く遅く感じるぐらい静寂だった。
やがて、静寂の中、ついに理事長は口を開く。
『そう。分かったわ。あなた達の想い受け取らしてもらうわ。』
『!それなら…』
『えぇ…20時までステージを使えるように手配しとくわ。但し、それ以上はもう引き伸ばせないから。そこの所理解しておいて。』
『はい!!ありがとうございます!』
~~~~~~
とまあこんなことがあり、ワンステージではあるが無事、スクールアイドルフェスティバルを引き伸ばすことが出来た。
先程の副会長の会話に反応を示す。
「え?そうですかね?」
グッと来たなんて言っていたけど、そんなグッと来る場面あったか?
「はい。せつ菜ちゃん─いやスクールアイドルの皆さんたちがここまで来れたのかなんとなくわかりました。」
「それはきっと、星奈さんや高咲さんたちが居たからでもあるんですね。」
俺と侑が居たから?
「皆さん特別な想いを持ってるんです。それはスクールアイドルだけではなく、星奈さんや高咲さんも持っている。だからこそ、このスクールアイドルフェスティバルが開催できたのではと思いました。」
特別な想いがスクールアイドルフェスティバルを開催させた…か
「星奈さんが願う理想。素敵だと思います。」
「いや……あれは受け売りみたいなもんで……それに俺の力なんてたかが知れてますよ。侑を筆頭に生徒会の方々、学園のみんなが協力して貰ったから開催できたんですよ。それにさっきは偉そうにベラベラと言いましたけど、結局自分の夢は見つけられてないですし。」
「夢…ですか。」
「まあ…だからこそ、皆の夢の後押しをしたいってそう思ったんですかね。」
ある意味でみんなの夢が俺の夢なのかも。
まだまだ曖昧で不透明だけど……そう思う。
そんな他愛もない会話をしながら、学園の外へ出る。
すると、
「あ、雨止んでる。」
空から降っていた雨はこれ以上一滴も降ることは無かった。
ふとスマホで時間を確認したら、19時を回っていた。
よし、これならライブが出来る────
そう思った俺はみんなの居るテントへと足を踏み出す。
そんな時だった────────
きゃああああああっ
悲鳴が聞こえた。
出来ることなら、このまま平穏でいたかった。
でもそれは叶わない。
やっぱり、現実は甘くないようだ。
隣に居る副会長にも悲鳴はバッチリ耳に入ったようで、驚くように呟く。
「……!? 今のは…悲鳴!?」
「みたいですね。」
ほんと、あいつは性格が悪い。
このタイミングで出すなんて。
「行くしかない。」
俺は悲鳴の聞こえる方へ駆け出す。
「え、星奈さん!?」
突然飛び出した直大に困惑しながら副会長も駆け出す。
騒ぎがする方へ駆け出すと、そこには胸を張るように数十体のスマッシュが歩いていた。そして、そのスマッシュの周りを囲うようにガーディアンたちも同じく足を一歩また一歩と運ばせている。
そんなスマッシュやガーディアンを見た人々は恐怖しながら逃げ出している。
「この量はさすがにやばいかも……ん?」
ふと口を漏らすと、恐怖によって足が竦み転んでしまったであろう子供が居た。
「まずい……」
このままだと、着々とこちらへ歩いているガーディアンに襲われる。
そう思った俺は足を全速力で駆け出す。
(間に合え……)
その頃、ガーディアンは転んでいる幼い男の子を視認する。
「……ニンゲンノコドモ カクニン……」
「………」
そして、自身の手に持つ、
その時───
「させるかってのっ!!」
間一髪 現れた直大がガーディアンに体全体を使って飛び込み、ガーディアンからの攻撃を防ぐ。
「危なかった……大丈夫?」
「うん……」
俺は涙を零す男の子を安心させるために自分の手を男の子の頭にポンと乗せた。
その時、副会長の鬼気迫る声が聞こえる。
「星奈さん!危ない!」
「ん?」
副会長に言われたことで自分の背後を確認すると、複数のガーディアンたちが襲いかかって来た。
それを確認した俺は急いで男の子を抱き抱えながら、ガーディアンからの攻撃を躱す。やがて、副会長のいる所まで駆け出す。
「副会長。この子をお願いします。」
そう言って、男の子を預けた。
そして、副会長たちに背を向けるように立つ。
俺は足を一歩一歩と踏み出そうとする。
すると、何か察したのか副会長は言う。
「待ってください。どこに行くつもりですか!?」
俺はそれに答えない。
その代わりにあるお願いをする。
「1つお願いがあります───
あるお願いとは、この周辺で逃げ惑う人々を今安全な場所であるはずの虹ヶ咲学園のステージへと誘導して欲しいということ。
きっと、人々は今突然現れた脅威に怯え、パニックになってるはず。
この大群のガーディアンにスマッシュ。
とてもじゃないが、俺1人で守り切れる自信は正直…無い。
だったらせめて、この場から逃げ惑う人々が一箇所に避難してくれたら、守り切れるかもしれない。
いや守りきってみせる。
「羽島たちがステージにお客さん達を誘導してると思うのでそこで合流して一緒にお願いします。」
「分かりました。ですが星奈さんどうするつもりですか?」
「俺は……さっきみたいに襲われそうになってる人々を助けに行きます。」
「いや……それは危険ですよ!」
「俺は大丈夫ですよ。本当にやばい状況になったら逃げるんで。俺、逃げ足だけは早いって中川から聞いてませんか?」
「星奈さん……」
「それに…いざとなったら仮面ライダーが助けてくれますしね。」
こんな会話をしてる内にガーディアンやスマッシュは足を運ばせ、もう俺たちの近く寸前まで来ていた。
「さあ早く!」
俺は急かすように言う。
それを聞いた副会長は男の子と一緒にこの場から駆け出す。
俺は副会長が走り出したと同時に周辺の人達を助けに駆け出す。
(ここだと…変身出来ないな……どうする……)
「はあ!」
自身の右足でガーディアンを蹴り飛ばしたりしながら、逃げ惑う人々を助け、誘導するように言う。
「ここから真っ直ぐ走って!」
(とりあえず今は、戦うよりも先に人を助けることに重きに置かないとな……)
「はああっ!」
やがて人々をこの場からほとんど逃がし終わった。
(よし…ほとんど逃がし終わった……あとはこいつらをどうにかしないと…)
この数のガーディアンやスマッシュ達、とてもじゃないが俺一人で太刀打ち出来るのか正直分からん。
でもやるしかない。
「はあああ!」
俺はニンコマソードガンを生身を手に持ち、ガーディアンたちを斬り付ける。
だが、斬っても斬っても、後ろからガーディアンたちが現れ続ける。
「くそ……これじゃ…キリが無いな………
仕方ない…ここは変身して───うわ!!」
ドライバーを取り出した瞬間、ミラージュスマッシュが自身の前に飛びかかりながら斬りつけて来る。
それをなんとか、体を捻るように避けれたが、それにより、持っていたベルトを地面へ落としてしまった。
「まずい。これじゃ変身が───」
ならもう一個のベルトで変身しろよと思うだろうが、生憎ビルドドライバーは戦兎に一時的に預けている。
そのため変身出来ないのだ。
俺は思わず固唾を飲む。
「…………っ…」
そして、ガーディアンやスマッシュたちが自分の所へ飛びかかった絶対絶命のその時───あるバイクから鳴るエンジンの音が耳に入った。
「直大伏せろ!」
その指示の元、俺は言われるがままに体を伏せる。
すると、重厚から弾が出る音が聞こえると飛びかかってきたスマッシュたちは前へ吹き飛ばされていた。
そして、銃弾が放たれた方へ顔を向けるとそこには───
「……! 戦兎!」
「待たせたな。直大。」
「俺もいるんだよっ!!」
そう言いながら、現れた男、万丈龍我がドラゴンボトル片手にガーディアンを殴り飛ばした。
「遅せぇぞ。万丈。」
万丈の登場にそう言う戦兎。
「いやいや。これでも早いほうだろ!俺はここまで走って来たんだぞ!お前が置いてくから!」
どうやら、万丈の口ぶりにここまで走ってきたようだ。
「仕方ないでしょうが。一刻も争う危機だったんだから。」
「ってそんな事は置いといて。」
「いや置いとくなよ。」とボソッと呟く万丈に戦兎はスルーする。
「直大、歩夢ちゃんたちの所へ行け。どうやらラビットくんによると、あのスカイが歩夢ちゃんたちの前に現れたみたいだ。」
「…!?……」
スカイは何かしら仕掛けてくると思っていた。それが
でも実態は俺をガーディアン達に気を紛らわすための囮だったのか…
「あとのスマッシュ達は俺とこのバカに任せろ。」
「戦兎…」
「これに乗って、行け。ほれ」
そう言って戦兎は、あるスマホを俺に投げ渡す。あと先程落としたベルトも一緒に。
「うわ!? とっとと……ん?これは?ビルドフォン?」
俺はなんとか投げられたものを受け取り、その物を見る。
それは戦兎が開発したビルドフォンだった。
「いや、それはビルドフォンじゃない。直大用に作ったシノビフォンだ。」
そう、今日の朝、ビルドドライバーと直大の持っていたビルドフォン(宅急便から届いたやつ)を戦兎に預けたのだ。
何でも、少し改良したいとの事。
「シノビフォン……」
確かによくよく見ると、紫と黄色のラインが施されていた。
液晶の裏には、ボトルを刺せるであろう、スロットがある。
恐らく、ビルドフォンと同じくバイクに変形するのだろう。
(てか、今日の朝渡したばっかなのに、もう改良し終わったのね。さすが天才だこと……ん? ていうか……もしかして……)
戦兎はこれに乗れと言った。ということは、バイクを運転するということ。
「いやいやいやいや! 俺バイクの免許ないけど!?」
そう俺はまだ二輪の免許を取っていないのだ。
そのため、運転技術はおろか、乗ったことすらない。
「大丈夫だ。問題ない。」
「いやいや!大ありだって!!」
「まあ、バレなきゃ犯罪じゃねぇって言うし。大丈夫だろ。」
何を言ってんだよ! 万丈!?
「安心しろ直大。自動運転モードにしてあるから。運転技術は必要ない。」
「えぇ………」
そう言う問題じゃない気がするんだがなぁ……
まあいいや。
ここで立ち止まっている場合じゃないし。
覚悟を決めよう。
それにほら、戦兎だって戸籍のない、記憶喪失の時にバイクに乗っていたわけだし。そもそも戦兎が免許取ってるのかどうか知らないけど。
「ウルフボトルを刺せ。」
「分かった。」
俺は言われた通り、ビルドフォン改め、シノビフォンに狼を模したボトル ウルフボトルをセット。
そして、シノビフォンを軽く投げる。
『シノビチェンジ!』
と電子音が鳴り、スマホが大きく巨大化すると、そのまま変形し一台のバイクへと変わる。
「おお!」
その姿は戦兎のバイクと違って赤色の部分だった所が紫色に変わっていた。マシンビルダーと違う点は、前方にあった
背面には巨大なウルフボトルが刺さっている。
「えぇと名前どうしよっかな…」
戦兎のはマシンビルダー。
なら俺は……マシンシノビー?
うーんなんか違う。
あ、なら
「名ずけてマシンニンジャー!」
これでどうよ。
我ながらいい名前のセンスだな♪
「なんか微妙じゃね?…」
「まあ言ってやるなよ万丈。本人は満足してるみたいだし。」
なんか、戦兎の方からうんたらかんたら聞こえるけど、それは置いといて、早速バイクに乗るか。
「おお。これがバイクの乗り心地……」
「液晶に出てる自動運転モードをタップしろ。そうすれば、勝手にバイクが動き出すから。それかr──「了解。」
俺は早速フロントにある液晶コンソールを操作し、自動運転の所をタップした。
すると、バイクにエンジンがかかり、バイク──いやマシンニンジャーが動き出す。
「レッツゴー!!」
「あ、ちょっまだ説明してる途中でしょうが!」
「行っちまったな。」
戦兎が説明している途中で直大は颯爽とこの場から動き出した。
「たっく…あのバカ忍者……」
すると、戦兎たちの周りには続々とスマッシュやガーディアンたちが集まりだしていた。
それを視認した戦兎と万丈は─
「さて、万丈。」
「おう。腕…なまってねぇよな? 」
「あったり前でしょうが。俺を誰だと思ってる?」
「自称イケメンで天才ぶってるナルシスト 「ちっがぁぁう!」
「誰もが認めるイケメン天っ才物理学者で正義のヒーロー桐生戦兎でしょうが!」
そう戦兎が言うと、万丈は笑い始める。
「へっww……」
すると、戦兎もそれに釣られて、笑う。
「ふっww……」
そして笑い済んだ戦兎と万丈は、大群のガーディアンやスマッシュ達の方へ向き直る。
「さて、気を取り直して…さぁ…実験を始めようか。」
お馴染みのセリフを言った後、戦兎と万丈はそれぞれ、ビルドドライバーを取りだし腰に巻き、ボトルを取り出す。
戦兎は
やがてキャップの天面を合わせ、ドライバーのスロットへセット。
隣の万丈は左腕を頭上に掲げると、何処からか現れたクローズドラゴンがガジェットモードへ変形し、万丈の左手に収まる。そして、
さらに、クローズドラゴンをドライバーのスロットにセット。
それぞれ2人のベルトから待機音が流れ始める。
そして、ボルテックレバーを回す。
すると、戦兎と万丈の周りにスナップライドビルダーが展開し、赤と青のラビットハーフボディとタンクハーフボディが生成される。
万丈には左右両方にドラゴンハーフボディが生成。
万丈が1度肩を回し、自分の胸の前で右手の拳を左の手の平を殴るように受け止めると同時にベルトから問いかけられる。
「「変身!/ 変身っ!!」」
その掛け声と共に戦兎と万丈はファイテングポーズ。
戦兎は左手で拳を作り、右手を平手に前へ突き出すシュートボクシングスタイルのファイテングポーズ。万丈は戦兎と逆の右手で拳を作り、左手を前に突き出す。
当の二人は気づいてないがこの変身ポーズは対になっている。
Get Cross-Z Dragon!!! Yeah!!!
スナップライドビルダーから二色のボディが戦兎の体を挟み込むと、仮面ライダービルド ラビットタンクフォームへと、変身完了する。
隣の万丈には左右両方のドラゴンのハーフボディが挟み込み、金色のファイヤーパターンが刻み込まれた
後ろから覆うような形で合体すると、万丈は仮面ライダークローズ へと変身完了した。
そして─────
「今の俺たちは!──「「負ける気がしねぇ!!(負ける気がしないってな!)」」
ベストマッチな奴ら──2人の仮面ライダーがスマッシュ達に向かって走り出す。
「はああ!」
戦兎は左足を地面へ踏み込むと
また、右足タンクローラーシューズの裏はキャタピラ状となっており、そのキャタピラを、高速回転し、ガーディアンの装甲を削り取る。
「ほっ!」
さらに、ドリル型の武器─ドリルクラッシャーを回転させながらガーディアンに向かって振り下ろす。
そして、ドリルクラッシャーのスロットに
『Ready go!! ボルテックブレイク!!』
「はっ!」
ハリネズミの鋭利な針がドリルクラッシャーの刀身へ纏い、繰り出す必殺攻撃。
それにより、戦兎の周りに居たのガーディアンを一掃する。
すると、硬い装甲のストロングスマッシュが戦兎の方へ向かってくる。
それに気づいた戦兎は、ベルトに刺さっている二つのボトルを抜く。
「どんどん行かしてもらう!」
そして戦兎は二つのボトルを取り出す。
さらに成分を活性化させるように振り、スロットへセット。
Are you ready?
「ビルドアップ!」
その掛け声と共に二色のボディがビルドを挟み込む。
イェイ!
ビルド ゴリラモンドフォームへと姿を変えた戦兎は、パンチ力25.9tの
そして、吹き飛ばされたスマッシュは爆散した。
ストロングスマッシュは非常に硬い装甲で出来ているのにも関わらず呆気なく爆散したと思うだろう。
そうゴリラモンドの右腕には、パンチの威力を2倍に引き上げる炸裂パワーユニットが内蔵されており。低確率で敵を即死させる効果を持つ。
その低確率が発動した事により、1発でスマッシュを爆散させたのだ。
すると、戦兎の後ろからプレススマッシュが攻撃を仕掛けるが、戦兎は硬い装甲であるダイヤモンドの左腕受け止める。
それにより、全くダメージを受けていない。
「効かない…よっ!」
戦兎は巨大な右腕で器用にボルテックレバーを回す。
『Ready go!!ボルテックフィニッシュ!!』
左手で大量に生成したダイヤモンドでプレススマッシュを拘束し、巨大な右腕から重い一撃──ライダーパンチを叩き込む。
それを受けたスマッシュは粉砕され、爆散。
「オラ!オラオラオラ!!!」
その頃万丈は両拳に蒼炎を纏いながら、お得意の格闘戦でガーディアンたちをバッタバッタと倒していた。
そんな万丈にストレッチスマッシュが近づき攻撃を仕掛ける。
だが万丈はビートクローザーで防ぎ、牽制する。
そして、ビートクローザーのスロットへ
『SPECIAL TUNE !』
さらに2回グリップエンド。
ヒッパレー! ヒッパレー !
愉快な待機音と共に万丈はトリガーを引く。
『 MIRION SLASH!』
刀身から鎖状のエネルギーを放出したことでスマッシュを捕縛。
身動きを取れなくさせた。
その時、万丈は戦兎がゴリラモンドの姿でスマッシュを殴り倒した所を目撃する。
「おお。スンゲェパンチだな!なら俺も」
万丈は勢い良く、ボルテックレバーを回す。
すると、万丈の背後に
『Ready Go!!
「はぁあああ……おぃりゃああああ!!!」
クローズドラゴン・ブレイズを右腕に取り込ませて、ライダーパンチと共に放つ必殺拳がストレッチスマッシュに命中し、またも爆散。
「どうよぉ!!俺の必・殺・拳!! しゃああっ!!」
万丈は高らかに腕を上げて大きな声で叫ぶ。
それが聞こえた戦兎は。
「うるっさいよ。黙って喋りなさいよ!」
「はあ? どうやって黙りながら喋んだよ!」
「はぁ…これだからバカは…」と戦兎がため息を零しながら呟くと、万丈の背後に何か居ることに気づく。
「あ、万丈後ろ。」
「え? 後ろ? 」
万丈は言われた通り、後ろを見る。
そこには姿は白く、サイのような長く太い角があるライノススマッシュが居た。
そのスマッシュは万丈が後ろを振り向いた瞬間、超至近距離で自身の頭部にある太い角で万丈に向かって突撃する。
それにより万丈は軽く吹き飛ばされる。
「いってええ!!」
と腕を抑えながら痛がる万丈。
そんな万丈に「はぁ…全く…」と戦兎は再びため息を零しながら、巨大な右腕でライノススマッシュの大きな角を迎え打つ。
「ゴリラにサイか…ゾウのボトルでもあれば完璧なんだけどな!」
と言いながら、ダイヤモンドの右腕で牽制すると、スマッシュと距離が空く。
「さて次はこいつだ」
ゴリラとダイヤモンドのボトルを抜き、また別のボトルを振ったあと、スロットへセット。
Are you ready?
「ビルドアップ!」
イェーイ!
蜘蛛を模した紫の複眼に、冷蔵庫を模した白い複眼のビルド スパイダークーラーフォームに ボトルチェンジ。
「そのデカい角も当たらなきゃ意味がない。さて親愛なる天才の力を見せてやる。」
戦兎は冷気をまとった蜘蛛の糸をライノススマッシュの周りに放出する。
それにより、大きな冷気の混じった蜘蛛の巣がスマッシュの動きを止める。
さらに、冷蔵庫の冷気でスマッシュの角を凍らす。
「万丈。今のうちに角を壊せ。」
「おう!」
万丈はその指示の元、左の拳を強く握り、前へ突き出し、スマッシュの角を粉砕した。
そして、すぐさま戦兎はラビットタンクへとボトルチェンジする。
そして、カンカン カンカンと何かを工場で作っているような音がなりながら、ボルテックレバーを回す。
「ふっ……勝利の法則は決まった!」
戦兎は右手でタンク側の角を軽く触りながら、右手をパーの形しながらそう言った。
そして、ラビット側の左脚で高く飛躍し、タンク側の右脚を前に突き出し、ライダーキックの構えを取る。
「はあああ!!」
『Ready go!!
その音声共に、タンク側の右足に組み込まれている無限軌道装置でスマッシュの装甲を抉り取るように必殺キックを放ち爆散。
その爆発に巻き込まれる形で周りに居たガーディアンたちも蹴散らす。
「さっすが天才。惚れ惚れする強さだ。」
周辺のガーディアンやスマッシュ達は倒し終わったのだが、
「ん?」
「おいおい。まだ居んのかよ!」
万丈の言う通りまだ1m以上離れた先には、まだ大量のガーディアンとスマッシュが居る。
「なかなかに量の多いこと、さてどうするか…」
一方 その頃……
俺、星奈直大はというと、1台のバイク──マシンニンジャーに跨りながら、みんなの所へと向かっていた。
恐らく皆は、スタッフ用テントがある周辺にいるはず。
早く向かわないと
てかふと思ったけど………これどうやって止まるんだ?
(う~~~ん……よし考えるのは辞めよう!)
うんうん。そっちの方がいい。うんうん………うん………
やがて、赤紫色のサソリを模した何かと、色とりどりの個性を持ったスクールアイドルたちが遠目越しではあるが見えた。
「ん?」
赤紫色のサソリ──スカイことポイズンヒールが腕にあるサソリの尻尾でせつ菜に襲いかかりそうになっていた。
「……せつ菜が危ない!もっと早く動けこのバイク!」
とコツンとバイクを催促するように叩く。
「あ、そうだ!これを捻って────
俺はバイクのハンドルをグッと捻る。
すると、マシンニンジャーのエンジンが光の先へアクセル全開するようにスピードを上げた。
「おお。すげースピード! んでも待てよ。こんなスピード出たら……」
やな予感がした。
「え、ちょっ……ああああああちょおおおお止まれぇえええ!!!」
俺の断末魔が叫びながら、みんなの元へ飛び込み、スカイがせつ菜に向かって放つサソリの尻尾攻撃をバイク全体が盾にするようにして、防ぐことを成功した。
でも……成功したのは良いけどこれどうやって止まんのおおおおおおお!!
あ、でもさっきのサソリの尻尾がバイクに当たったお陰で少し減速してる。
これなら、ブレーキで止まるかも。
(よし!)
早速俺はバイクのハンドルを握り、ブレーキをかけた。
すると、キッキッと音を立てながらマシンニンジャーは止まった。
「おお。何とか間一髪止まった……セーフセーフ……変な冷や汗かいたわ……ふう~」
安堵の息を漏らしながら、バイクから降りた。
※※※※※※
とまあこんなことがあり、現在に至る。
「さてと、あんたを止めて、スクールアイドルフェスティバルを再開させなきゃな」
そう呟くとスカイは鼻で笑った。
「ふっ……まだあの祭りを続けようと言うのかい? もう終わったも同然のものなのに。」
「…………」
そのスカイの発言に、下を向く侑。
そんな侑の様子を見た俺はスカイに向かって言う。
「いいや。まだ終わりじゃない。こんな所で終わりになんてさせない!」
これもまた鼻で笑うように呟く。
「威勢だけはいいねぇ……」
「威勢じゃない。」
「あ?」
すると、このタイミングでマシンニンジャーから電話の音が鳴り始める。
俺は電話を受け取るために液晶をタップした。
最初に璃奈の友であり、愛のファンである色葉が言う。
[みんな待ってますよ!]
「みんな……?」
侑が疑問を投げるように言うと、同じく璃奈の友の浅希が答える。
[みんなはみんなです!ほら!]
浅希たちはテレビ電話に変えてある方へとカメラを向けた。
俺はその画面をみんなにも見やすいようにテレビモニターのように空へ転写した。
そこに映っていたのは、とっくに帰ったと思っていたファンや観客の皆が虹ヶ咲のメインステージに殺到している映像だった。
これは流石に侑やみんなも驚きを隠せないでいる。
「どうしてこんなに人が••••••」
侑は呟く。
それにまたまた同じく璃奈の友で歩夢のファンである今日子が答えた。
[副会長が学校に掛け合ってくれたんです!]
(俺もあの場に居たが、俺の名前は伏せて貰うようにお願いした。
なんか恥ずかしいし。)
浅希や色葉も今日子に続くように言う。
[それぞれのステージにも、まだ人が残っています!]
[だからまだ終わりじゃないです!]
ビデオ通話を終えると、侑がポツリと呟く。
「終わりじゃ…ない……」
「ま、そう言うこったな。」
「直大……」
「さあ早く。みんなを連れて行け。侑!
お前の言う、トキメキは…まだ終わらない。
そうだろ?」
「……!」
直大の一言に歩夢は侑の手を取り、言う。
「ほら侑ちゃん。行こう?」
「歩夢…」
歩夢に続き、愛、エマ、せつ菜も呟く。
「まだ走れば間に合うよ!」
「早く行かないと!」
「急ぎましょう!」
そう言う3人や侑を除く他の同好会のみんなの表情は今にでも走りだす雰囲気だった。
そんな雰囲気に彼方の妹である遥はある疑問を口にする。
「あ、あの。星奈さんも逃げた方がいいんじゃ……?」
藤黄の姫野も同じことを思ったらしく、同調する。
「そうですよね。」
その疑問に果林が 「ふふっ」と笑う。
「大丈夫よ。」
「遥ちゃ~ん。その心配は無用ってやつだよ~~」
「「「「???」」」」
言ってる意味が分からないと言わんばかりに疑問を浮かべる。東雲と藤黄のスクールアイドル達。
そんな疑問をもろともせずにしずくが呟き。
侑も続く。
「はい。だって先輩は──
「うん。直大は──
「「「「「ヒーローだから!!!」」」」」
あんま、俺の前でヒーローとか言うの辞めて欲しいなぁ…
照れ臭いって言うか。恥ずかしいつうか。俺なんてまだまだなんだけども。
まあ今はこの件は置いとくか
「ほんとキミたちの三文芝居には飽き飽きするよ。
だから壊すよ。祭りも日常もね。そして終わる。キミたちの夢が。 」
「いいや。俺たちの夢はここから始まる。」
直大は青いベルト──スクラッシュドライバーを取り出し腰に巻く。
スクラッシュドライバー!
そして、ゼリーのキャップを正面に合わせて、スロットへセット。
そして、工場から聞こえるような待機音が流れ始める。
直大はそれと同時に左腕を右の胸の方まで持っていき、何かを掴むように左の拳をギュッと握る。やり場の無い右手はドライバーのレンチへと添える。
そして────
「変身!!」
その掛け声と共にドライバーのレンチを下ろす。
すると、装置─ケミカライドビルダーと大きなビーカーが直大の周りに出現する。
そして、直大は握った左の拳のままに進行方向、左へとビーカーを壊すように振り下ろす。
その音声と同時に、収縮したヴァリアブルゼリーが弾け飛ぶと直大の体に青紫色のスーツを形成する。さらに、頭部にある
星奈直大は、青紫色の忍者──仮面ライダーシノビアクアへと変身完了した。
直大の姿が変わったことにより、驚きの声を上げる者が数人いや複数人。
「「「「「ええええええ!??!?」」」」」
それは東雲と藤黄のスクールアイドル達だった。
遥や姫野が青天の霹靂の如く呟く。
「ほ、星奈さんが……仮面…ライダー???」
「彼が虹ヶ咲のヒーロー………美咲さん私は夢でも見てるのでしょうか?」
「いや。これは夢じゃないみたい。」
そんな藤黄と東雲の少女たちの驚く様子に何故かドヤ顔で言うかすみ。
「ふっふふっwww……聞いて驚いてくださぁい!そう、先輩こそが!ヒーロー仮面ライダーなのですぅ!!!ぬっははははっwww」
(何でかすみがドヤ顔なんだよ……てかそんな大きな声でヒーローって言わないでくれ……むず痒い……)
「ヒーローは置いといて、さあ早くこの場から!」
「「「「はい!(分かったわ!了解ですぅ!OK!)」」」」
などなど皆、返事をすると、それぞれ走り出す。
その歩みは曇りひとつ無い、足取りで。
最後に走ろうと背を向けるのは歩夢と侑の2人。
ふと、歩夢は彼の方へ向く。
「直くん。必ず戻ってきてね。最後は絶対見て欲しいから!
行こう!侑ちゃん!」
歩夢は侑の手を取り、言う。
そして侑もそれに満面の笑顔で答える。
「うん!!」
侑も歩夢この場から駆け出す。
「ああ。必ずな。」
2人が居なくなったのを確認した直大は答える。
そして、スカイの方へ向き直す。
「ここからは……いやここだけは俺の…ショウ・タイムだ!」
彼は、いつものように右手で韻のポーズを取りながら宣言する。
その宣言が戦いの合図のように。
赤紫の蠍と青紫の忍者は駆け出し、ぶつかり合う。
今、みんなの夢を守るための戦いの火蓋が切られた。
続く……
次回で1期最終回の予定です。
それではよろしくお願いします。