仮面ライダーシノビ(ビルド) × 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 ~夢が始まり、虹が咲く場所~ 作:ラビラビfom
第1-1話 です
1-1話 ~ 見つけたトキメキ~
〈生まれたトキメキ。あの日から、世界は変わり始めたんだ〉
◇
旧世界での記憶を取り戻してから、早くも半年が経った。
あれからは、特に何事もなく平穏に暮らしている。
……まあ、半年間ずっと何もなかったわけじゃないけどな。
そして今、俺たちはダイバーシティに来ていた。
「うーん……これはどう?」
お団子髪の少女は、上原歩夢。
ピンクやフリルの服がよく似合う、俺の幼なじみだ。
「う~ん……イマイチ、トキメキが足らないねぇ」
こちらは高咲侑。
トキメキの擬人化と言ってもいいような奴だ。
……そういえば、旧世界でも同じことを言っていた気がする。
二人は、昔からの幼なじみ。
小さい頃から、ずっと一緒に過ごしてきた。
「おっ、侑の決めゼリフが出たな!」
そして俺は、星奈直大。
旧世界では、仮面ライダーとして戦っていた。
新世界に来てから、一度も変身はしていない。
それでいいと思っている。
このまま、二度と変身する必要のない平和な世界であってくれれば、それでいい。
すると、歩夢が「どうしよっか?」と聞く。
「ほかの店行ってみよっか」
「そうだね」
そんな2人の足取りに俺も続いて、歩く。
「この前 取り逃した ぬいぐるみがさ。メルカリで──「うん? ……!」
店を出た瞬間、侑は何か見つけたのか話を止め、見つけた方へ足を運ぶ。
そして、侑はガラス越しに見える、ピンクを基調としたフリフリの服を指さす。
「これ歩夢に似合うんじゃない?」
「 え、いいよぉ…可愛いとは思うけど、子供っぽいって」
「そうかなぁ…直大はどう思う?」
「ああ…歩夢は何着ても、似合うと思うぞ」
そう俺が言うと、歩夢が照れたように言う。
「えぇ/// そんなことないよぅ」
実際問題、歩夢は何着ても似合うんだよなぁ…
「最近まで着てたじゃん」
「小学生の話でしょ... それにこういうのはもう卒業だよ!」
「着たい服着ればいいじゃん 歩夢は何着てもかわいいからさ。」
そんな侑の発言に俺はウンウンと頷く。
「もう 侑ちゃんも直くんもからかわないで!」
「あっ! みてみて!」
「ん?」
「歩夢幼稚園のころ、こんな格好してたよね」
「うわ〜 懐かしいね」
「そんなこともあったな…」
今、俺の脳内には幼い頃の歩夢の姿が浮かぶ。おそらく、侑も。
うさぎの耳両手で表し、頭の上に乗せて小さき歩夢は口を開く。
{あゆぴょんだぴょん!}
あーなにコレカワイイ。もうラビットだよこれ。
正しく歩夢と兎はベストマッチってことだな。
───そんなよく分からんこと考えてる中、侑もやはり同じことを思い出しているようだった。
「かわいかったなぁ......ねぇ久しぶりにやってみてよ!」
「ん? なにを?」
「あゆぴょん」
それを聞いた歩夢は、呆れたように拒否する。
「はぁ? やるわけないでしょ もぉ..」
それでも、侑は駄々をこねるように俺へ話を振る。
「えー........直大も見たいでしょ~!」
ふむ。そんなの聞くまでもない。
愚問ってやつですぜ侑さんや。
「あったりまえだろ!」
そんな、俺の答えも虚しく、歩夢はキッパリ拒否する。
「やりません…はぁ… なんかお腹空いてきちゃった 下降りない? 」
「賛成だぴょん~」
「侑ぴょんの方が可愛いんじゃない?」
「それはないぴょん......」
どっちも、かわいいけどなぁ....
「さぁ、行こっか! で、どうする?」
「やっぱりコッペパンじゃない?」
「だねぇ~」
そんな会話を交わしながら、**俺たちはコッペパンの店へ向かって歩き出した。**
◇
その時だった。
ん? なんだか、嫌な予感がした……気がする。
「?おーい! 直大~!」
立ち止まっている俺に気づき、侑が声をかけてくる。
「悪い。今行く」
**気のせいか……。**
でも最近――いや、ここ一か月と少しの間、妙にソワソワするというか、嫌な予感がするんだよな。
嵐の前の静けさ、っていうのか。
これから何かが起こるんじゃないか、そんな気がしてならない。
考えすぎだと思いたいがな。
そう思いながら、俺はポケットに手を入れ、紫色のボトルを握りしめた。
こいつを使わなきゃいけない日なんて、来なければいい。
そう、強く願う。
もうこれ以上、誰かが傷つくのはごめんだ。
こんなふうにソワソワしたり、嫌な予感を覚えたりするようになったのは、春休みが終わる頃からだった。
きっかけは、**何者かによって届けられた二本のフルボトルと、一本のベルト。**
今、俺が手にしているものだ。
その三つのアイテムは、俺の中でかなり大きな存在だった。
ある意味では、戦友みたいなものだ。
辛い時も、苦しい時も、ずっと肌身離さず持っていた。
……まあ、奪われたりしたこともあったけどな。
この世界とは少し――いや、かなり違う前の世界の記憶を、最近はよく思い出す。
まるで昨日のことのように。
戦いの日々。
辛いこと、悲しいこと、苦しい思い。
痛み。そして、別れ。
俺は、いろいろなことを経験した。
もう、あんなことは二度と起こってほしくない。
絶対に。
◇
その後、さっそくコッペパンを購入した侑と歩夢は、近くのベンチに腰を下ろして食べ始めた。
俺は二人の隣には座らず、少し離れた場所に立っている。コッペパンを食べる二人の様子を眺めながら、時おり周囲の景色へ目を向けていた。
「あ、それ何味?」
「食べる? 限定の塩レモンカスタード」
えぇ……何その、しょっぱいような、酸っぱいような、甘いような味は……。
「うん!」
「はい、あーん」
「うん。うまっ! いいじゃん、これ!」
「もう~。付いてるよぅ」
相変わらず、君たちは仲が良いねぇ~。
よっ! 熟年夫婦!
……ってな。
「こっちも食べる?」
「あっ! じゃあさぁ――」
そう言うと、歩夢はスマホを取り出し、カメラを起動した。
「ほら、寄って寄って。直くんも~」
俺が一緒に写真に入る意味、なくないか?
そう思いながらも、了承する。
「はいよ」
「「あーん!」」
ハイチーズと言って写真を撮るのかと思っていたら、まったく違っていた。そのせいで、俺は少し間抜けな表情のまま写真を撮られてしまった。
「いや、チーズじゃないのかい!」
思わずツッコむ。
「だって、コッペパンだもん」
「なんだよ、それ。筋が通ってねぇ……筋が……」
すると、二人は顔を見合わせた。
そして、どちらからともなく微笑み始める。
「「あははは♪」」
そんな二人を見ていると、呼応するように俺の表情も柔らかくなり、自然と笑みがこぼれた。
**ほんと、平和だ……。**
こんな世界が、ずっと続けばいいな。
心の底から、そう願う。
ひとしきり笑い合った後、侑が尋ねた。
「この後、どうしよっか?」
歩夢は少し考えてから答える。
「うーん……映画でも見る?」
「なんか、ピンとくるのがないんだよねぇ」
「よし。じゃあ、帰るか」
「いや、帰らないから」
えぇ……名案だと思ったのに。
そんな会話をしていた、その時だった。
「「キャアアアアアアアアアアッ!」」
近くから、複数の悲鳴が聞こえてきた。
悲鳴というより、歓声に近い。
どちらかといえば、**嬉しい時に上げるタイプの悲鳴だろう。**
「なんかのイベントかな?」
侑が首をかしげる。
◇◇◇◇◇
「キャアアアッ! せつ菜ちゃーん!」
「頑張ってぇー!」
観客たちの歓声が響き、会場には溢れんばかりの熱気が満ちていた。
誰もがこれから始まるライブに期待を膨らませ、その瞬間を今か今かと待ちわびている。
やがて、ステージに一人の少女が現れた。
白いキャバリアブラウスに、ダービータイとクロスタイ。きっちりとしたネックラインの上には、スカーレットカラーのジャケットを羽織っている。
華やかな衣装を身にまとった彼女は、階段を一歩ずつ降りてきた。
「…………」
その姿が視界に入った瞬間、観客たちは歓喜の声を上げた。
「せつ菜ちゃーん!」
「頑張れー!」
「あれ? せつ菜ちゃん一人?」
「新しいグループのお披露目だったよね?」
>本来は複数人でのステージだったのだろう。
しかし、ステージに立っているのはせつ菜一人だけだった。
そんな中、少女は拳をぎゅっと握りしめた。
イントロが流れる。
それに続いて、彼女は力強く歌い始めた。
この曲は、彼女にとっての始まり。
そして、二人の少女にとっての始まりの曲でもあった。
♬ CHASE!
「走りだした 思いは強くするよ! 悩んだらキミの手を握ろう~」
◇ 一方
「うん? 結構盛り上がってるね?」
どこからか、歌声と観客の歓声が響いてくる。
離れている場所にいるはずなのにその熱気まで伝わってるようだった。
(この曲……まさか……)
そのメロディを聞いた瞬間、胸の奥がざわめいた。
「行ってみよっか?」
「うん!」
ベンチに座っていた侑が立ち上がり、歩夢が頷く。
俺たちは、その盛り上がりに誘われるように歩き出した。
◇
その場所へ向かうと、一人の少女がアイドル衣装を身にまとい、ステージの上で歌い踊っていた。
(!? やっぱり……)
俺が知っている曲。
そして、俺が知っている少女──スクールアイドル優木せつ菜 だった。
「その心がアンサー!」
俺の瞳の奥に、何かが灯った。
燃えたぎるような想いが、胸の奥から込み上げてくる。
彼女の歌声に呼応するように、熱風が押し寄せた。俺の目には、炎の柱が立ち上がったように見えた。
「夢はいつかほら!輝き出すんだっ!!!」
彼女の熱いシャウトが、爆風のように会場を揺らす。 その瞬間、俺のボルテージは最高潮に達した。
「~目にみえない力で繋がる 夢はいつか輝きだすんだ!」
最後に、炎をまとったようなハイキックを決める。
せつ菜は観客に背を向けた後、再びこちらへと向き直った。
そして、曲が終わる。
彼女は最後のポーズを決めたまま、堂々と立っていた。
ライブは幕を下ろした。
終演の瞬間、会場中から大きな歓声が沸き起こる。
「キャアアアアアアアアア!」
「最高!」
「せつ菜ちゃーん!」
「!!!」
俺たちは、優木せつ菜のライブに圧倒されていた。
途中から見始めたにもかかわらず、ライブが終わったことを名残惜しく感じるほど、俺の感情は高ぶっていた。
周囲の観客たちも同じだった。
この場にいる誰もが、ライブの余韻と熱気に包まれている。
せつ菜は息を切らしながら、観客に向かって一礼した。
そして顔を上げた、その時――俺と目が合った。
しかし、せつ菜はすぐに視線を逸らした。
どこか、ばつが悪そうに。
「ッ……」
一瞬のことだった。
だが、確かに違和感があった。
(気のせい……か?……)
◇◇
一方、直大の隣でせつ菜のライブを見ていた高咲侑は────
『悩んだら!その手を握ろう!』
!!! (/// ((( (⎛(c∨„;゚Д゚ ∨ ⎞) )))))))!!!
(何これ…この湧き上がる気持ち…心が燃えるようなこの感じ……)
侑はむなとに手を当てた。
(もしかしてこれは……)
~~~
ライブの余韻に浸る中、侑が声を上げる。
「凄い!」
「うん」
「だよね 凄かったよねぇ!」
同意を求めるように歩夢の手を握る侑。
「ぅ、うん」
「かっこよかった !かわいかった !やばいよ !あんな子いるんだね!!なんだろうこの気持ち すっごいトキメキ!!」
グイグイ来る侑に歩夢は若干戸惑いながら同意する。
すると、このタイミングで直大は無意識に声を漏らす。
「いやぁ~やっぱスゲーな!」
その言い方が気になったのか、侑は直大を見る。
「知ってるの?」
「えっ!?あ……いや動画で見たことあってな 」
直大は一瞬だけ言葉に詰まった。
「動画もあるんだ!!」
「いったいどんな子なんだろ? あ、ポスター!」
すると、さっきのアイドルが載ったポスターを見つけた侑と歩夢はそこへ駆け出す。
「これだ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会?」
「虹ヶ咲って」
「 「 うちの高校だぁ!! 」 」
────ここからトキメキが始まった────
続く……
始まりました
これから 本編1話を 分けて投稿する予定です 長すぎると大変なので
次回からもよろしくお願いします。