仮面ライダーシノビ(ビルド) × 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 ~夢が始まり、虹が咲く場所~   作:ラビラビfom

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直大 「前回の虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 with 仮面ライダーシノビは!!」

「仮面ライダーシノビであり、天才作詞作曲家の星奈直大がいるスクールアイドル同好会一同は、青海にあるウォーターパークへと遊びにやってきていた。そんな中、直大が謎の選手権?から逃げ出したことで始まった誰が直大を見つけるのか、という勝負が勃発。みんな、バラバラに直大を捜索し始めた。」


果林 「直大を探す道中、桜坂しずくは、お台場ビーチコンテストという、ポスターを見つける。すると、あるチャラチャラした2人の男たちにナンパされてしまう。」

「それを見つけた直大は、巧みな忍術でナンパ男達を撃退、その後、しずくはお台場ビーチガールに出場することを決意するのだった。」

「もうひとつ忘れてるわよ。直大。」

「もうひとつ?」

「ほら、一番になったら、名前を呼ぶって約束してたじゃない。」

「あぁ。そうでしたね。」

「それにしても、(ナンパの件)よくやったと褒めたいわね。」

「謎に上からですけど…」

「あら、これでもかなり褒めているわよ? 少し妬けちゃうぐらいには…ね。」

「焼けちゃう? ここそんな暑いですかね?」

「はぁ…もういいわ。一方、不穏な影もまた動き出した。なんと、ナンパ男たちを実験に利用したそうよ。これからどうなって行くのかしら。
さて、鈍すぎる直大が主役……………まあいいわ。O E S 第4話、行ってちょうだい。」

「なんか、最後の間に、妙なトゲを感じるんですけど……

俺何か間違ったこと言ったのか…? うーーーむ…分からん!」




夏の番外編:4話 ~カノジョたちは彼を守りたい~

 

 

「いやまさか、かすみたちまで出るなんて…」

 

 

あれから、直大としずくは同好会のみんなと合流し、その足で簡単に軽食を取りながら、談笑していた時に、しずく以外の彼女たちスクールアイドル同好会もお台場ビーチガールコンテストに参加するという事実を知ったのだ。

 

「あったりまえです!しず子だけ抜け駆けなんてさせません!」

 

席をガタッと立ち上がったかすみは、しずくを指さしながらそう言った。だが直大は、かすみの言葉に首を傾げる。

 

 

(抜け駆けってなんの?うーん…あぁ…そういうことか!)

 

 

 

彼女たちスクールアイドル同好会は仲間でありライバル、時に助け合い切磋琢磨していくそんな関係だ。それは、スクールアイドル以外にも適用されているようで、例えどんなことでも一番を取るという点では、誰にも負けたくない。みたいな闘志のようなものが無意識のうちにあるのだろう。

 

他にもこのウォーターパーク内の人々にアピールをするというのは、これからのスクールアイドル活動に何かしら得るものかあると思ったのかも。もっとも、あの一体何が入ってるか分からない、大きな景品が目当てみたいな部分が大きそうだが。

 

「かすみさんの言う通りです!!独り占めなんてずるいですよ!あの箱の中のウォーターガン1年分は私のものです!!」

(ウォーターガン?あぁ…水鉄砲のことね。さっきから持ってるし。でも1年分はいらんだろ。そんなあっても遊び切れないし。まぁせつ菜ならずっと遊んでそうだけど)

 

「そうだよ~ビーチに似合う花飾り1年分を独り占めなんて~」

(やっぱマイナスイオンだ。考えることもほのぼのとしてるなぁ…)

 

「「……ん?」」

 

エマがそう言い終わると、せつ菜とエマの考えが違ったのか、2人して素っ頓狂な表情で顔を見合わせた。すると、果林が

 

「あら、あの中身は水着1年分じゃないの?」

「ビーチガールだし、それもありそう~」

 

それを皮切りにみんな、思い思いの考えを言い合っていく。

 

ワイワイガヤガヤ

 

 

 

 

(相変わらず、すげーバラバラだ。でも1年分って所だけは一致してるのなんで? 1年分から離れない?)

 

「みんな白熱してるなぁ…」

「侑は、何が入ってると思うんだ?」

 

「私は……あ!みんなの水着姿の生写真とか!

なんか考えるだけでトキメイちゃうかも!!グヘヘ…」

 

「お、おう。聞いといてなんだが、それは…ないだろ…あったら、あったでなんであるの?盗撮?とかなるし。あとその反応、女子高生っぽくない。」

 

「そう言うなら、直大はどうなの!!」

「俺か…うーーむ……あ、高めのデスクチェアとかどうだ?いや~最近作曲してると腰が痛いのなんのって…いい感じのチェアが欲しいんだよなぁ…」

 

「もうそれ、ビーチガール関係なくない?」

 

「う…確かに…」

(やっぱ関係ないっすよねぇ…でも、欲しかった…デスクチェア……)

 

と残念がるように背中を丸め、下を向く直大である。

すると、彼方が2人の会話に入ってきた。

 

「おお。奇遇だね~彼方ちゃんも~ビーチで寝るような、ちょうどいい、チェアがいいな~って」

「彼方さんのはありえそう!」

「確かに…」

 

1番それっぽい考えだと思う2人であった。

それから、食事も満足に終わり、少し休憩をした。

 

「休憩も終わったし、これからどうする?」

ちなみにコンテストまで約小一時間ほどある。

 

「じゃあこれであそぼーう!!」

そう言って、愛はどこからか取り出した、丸い何かを直大に向かって投げた。

突然投げられた、物を避ける暇もなく直大に命中すると、丸い何かはその衝撃で割れ、中から水が飛び出してきた。

 

「うわ!? なんだこれ!?」

すごい冷たい。休憩によって、乾いてたTシャツもビショビショに濡れた。

 

何すんだ、という目線で投げられた方へ顔を向ける。

対して、愛は何故か心底不思議そうに首を傾げていた。

 

「あれ? ホッシーなら、余裕で避けると思ったのに。」

「お前なぁ…言っとくが突然投げられても普通は急に避けれないからな。油断してると時とか特に」

 

と目くじら立てて、そう言う直大。愛はそんな直大に手を合わせながら、「ごめんごめん。」と謝る。

 

「まったく…大体なんだこれ。」

 

「それはね。あっちのプレイエリアから持ってきたやつ。水風船とか水鉄砲とか色々あったよ!」

 

「ほぉーん…(なら、仕返ししたろ。)」

 

ふと心で思っていたら、「水の精霊よ!わたしに力よ!」と元気のよい声が耳に入った。

何かの詠唱か?と思った直大は聞こえる方へ目線を向けると、そこにはせつ菜が大きな水鉄砲を構えていた。

 

 

「ウォーター・エクスプロージョン!!」

そう言い放つと、愛に目掛けて、そのトリガーを引いた。

これは当たったな と思った直大だったが、愛に当たることはなかった。

 

そう、愛はせつ菜が撃ったコンマ1秒で気づき、「よっと」と忍者もビックリな反射神経で避けたのだ。

 

「えぇ…まじか…なんつう反射神経だよ……」

だが、愛が避けたことにより、たまたま後ろに居た歩夢にビシャっと命中した。

 

「…………」

 

歩夢の表情が見えない、目の部分だけ逆光がかかったように。絵でよくある、あえて表情を見せないように影で隠すみたいな感じ。

コゴゴゴゴみたいな擬音も歩夢の周りに現れてる幻覚も見えてきた。

これはやっちまったなぁ…と愛とせつ菜、直大が顔を見合わせる。

すると、歩夢はチャキ!と効果音さながら、傘と銃が合体した何かを取りだした。

 

そして──

 

 

「ちょぉぉ!!なんで俺まで追いかけられてんだよぉおおお!!」

 

仕返しと言わんばかりに、歩夢は傘のような水鉄砲を手に持ち、笑顔で愛とせつ菜、そして直大を追いかけた。

「まあまあ、連帯責任的なやつ?」

「なんのだよ!」

「おお!!燃えてきましたぁ!!!」

「燃えるんじゃないよ!!元はと言えばせつ菜のs───「逃がさないよ!直くん!」

「ああぁもう!なんでこうなった!!」

直大たちは駆ける。表情はどこか、にこやかでふざけあっているみたいに。そんな4人の楽しそうな雰囲気を見て果林は呟く。

 

 

 

「4人とも元気ねぇ…」

「ですね…」

しずくは苦笑しながら同調する。

すると、このタイミングでエマが思い出したかのように口を開く。

 

「そういえば!流れるプールあったよ!」

「お、いいねぇ~彼方ちゃん。ゆったり寝たまま流されてみたいかも~~」

「わたしは波に逆らって歩きた〜い!」

エマと彼方が思い思いに想像を膨らませた。だが果林は

 

「流れるプールはちょっと…」

「? あれれ、もしかして果林先輩。怖いんですかぁ?」

 

かすみが煽るようにそう言う。その煽りに果林は乗るどころか、少し歯切れが悪そうだ。やがて数秒たち、果林は少し恥ずかしげに呟いた。

「……いやその…そのままはぐれちゃったりしないかしら…?」

 

 

「果林さん…(果林ちゃん……)」

それを聞いて、侑は意味ありげに名を呼ぶ。同じくエマも呼ぶ。

そして、侑は一言、ボソッと言う。

 

「かわいい」

 

「え?」

果林は聞き間違いかと思い聞き返す。

 

すると、 ついに侑は我慢出来なくなったのか、目を輝かせながら、手を大きく上げて大声で感想を漏らす。

ついでに侑の特徴的な色のツインテールの髪も物理法則を無視して、空へ立っていた。

「もお!カワイスギルヨーー!!」

そして、侑は悶えるように飛び跳ねる。

 

 

 

「………」

その隣でかすみは、思ったより可愛い理由で呆気に取られた。

揚げ足でも取ろうと、思っても言葉に詰まる。

 

「果林さん… りなちゃんボード[キュート!]」

「かすみさんの可愛さ…果林さんに盗られちゃうかもね…ふふっ…」

「そ、そんなことないもん!!」

 

 

その感想に果林は──

 

「可愛いって…」

その言葉は果林とっては不服らしい。

すると、 不服そうな果林にエマと彼方は近づき、手を取ると、柔らかい表情で言う。

「大丈夫だよ!絶対、果林ちゃんの手は離さないから!」

「流される時は一緒だから安心して~~」

「エマ…彼方…」

 

そんなこんなでコンテストが始まるまで、流れるプールやウォータースライダーなどで遊ぼうということになった。

今日も今日とて平和である。

 

 

 

だが、その平和を壊すものがこのウォーターパークへとやってきていた。

 

 

「「「「きゃあああああああ」」」」」

 

若い女性から発された悲鳴が直大たちの耳へと入った。

 

「ん。今のは」

「悲鳴?」

「っぽいな。ちょっと行ってくる。みんなはここに居てくれ。」

 

 

直大はそう言って、足を運ばせる。

 

 

「気をつけてね。直くん。」

「頑張って!ホッシー!」

「直大さん!ファイトです!」

3人の呼びかけに直大は声を発さず、手の動作だけで応対した後、走る速度も上げる。だが裸足のため、走りづらいのが正直なところだ。がそんなこと言ってる場合じゃない。一分一秒でも早く現場に着くことが先決、それが人の命を救う上で大切なのだ。

 

 

 

 

「なんとか着いた…ん?」

 

直大は裸足で走ったためか、足に少々の痛みを感じながらも、悲鳴の聞こえた現場へと着いた。

 

そこには、黒いボディのシンプルな姿の赤い目をした怪人がゆっくりと歩く形で人々に恐怖を味わせていた。

向こうから、人々に対して、何かを仕掛けている様子はなかった。

そうまるで誰かを待っているかのように─

 

 

何も襲わないため、人々もこの場から逃げ出すことに成功した。

すると、黒い怪人は、直大の登場に気づき、目線を向ける。

そして、驚くべきことに直大へ話しかけたのだ。

 

 

 

「マッテイタ………ホシナナオヒロ…」

 

「喋った………」

 

だがその喋りは、カタコトの機械音声と言った感じだ。

とても人が喋っているとは思えない。

 

「…あんたはナニモンだ?」

「……ニンムヲスイコウ…タイショウト コウセン」

 

どうやら、話が通じないタイプの怪人らしい。

それにしても、どこか見覚えがある気がする。

そう思っていると、黒い怪人は、どこからか紫色の銃を取りだす。そして、直大の方に向かって、銃撃を放った。

 

「うわ!? 」

 

黒い弾丸が向かってくるが直大は巧みに身体を動かすことで弾丸を避けた。直大が避けたことで、プールで主に見張りの人が座る長い椅子に命中した。

 

「危なっ……それにしてもあれは…」

 

ネビュラスチームガン……あれはエニグマ事件の首謀者、最上魁星と難波チルドレンのあの兄弟達が主に使っていたもの。

 

ネビュラガスと別の世界に蔓延している未知の病原菌─バグスターウィルスを融合させた生物兵器──カイザーシステム。

 

「……ヘルブロス…いや何か…違う…」

 

ヘルブロスとそっくりというかそのものの黒いボディにヘルブロスのような特徴的な歯車状の装甲は欠損している。それにより、頭にも何も無く、少し不気味な顔も顕になっていた。

 

 

「確か…前に戦兎が言ってた………あ、そうだネビュラヘルブロス。でもなんで…?」

─カイザーシステムは確か…内海さんが改良したことで旧世界でも使えるようになっていたはず。新世界となった今、前の記憶はない。だから誰もあの銃を作ることなんて…

「……」

 

そう思考していたが、敵は待ってはくれず、ネビュラヘルブロスは、腕部のNBガントレットからエネルギーカッターを生成、腕を振り下ろす形でエネルギーカッターを射出し、地面を抉るように直大の方へ向かっていく。

「まずい…」

 

またしても、直大は避けることに成功する。がそのカッターは食べ物が売ってる屋台の方へ直撃し、その、屋台は真っ二つに破壊された。

 

「派手にやってくれちゃって…これ以上はさせない。」

 

 

と直大はどこからか、ベルトを取り出そうとした。

 

しかし──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あれ…な、、な、ない!」

 

そういつものように取り出そうとしても、ベルトはどこにも無かった。

 

直大は焦るように身体の至る所を触り、ベルトを探す。何をとち狂ったのか、海パンのポケットを見て見る。だがそこにもあるわけが無い。そんな思考も出来ないぐらいに直大は焦っている。

やがて、どこにも無いことを悟った直大。そんな時ふと思い出した。

 

 

「あ、そうだ。思い出した…」

更衣室にて水着を着替えていた所まで遡る。

『ベルトは…ま、いっか。まあでも一応念の為、護身用にボトルだけ持っていこうっと。』

 

 

そう今、ベルトは男子更衣室の、ロッカーの中にあるのだ。

 

 

「はぁ……何してんの…数時間前の俺…」

溜息をついている間にも、ネビュラヘルブロスは強く足を踏み込み、直大に向かって駆ける。

 

「仕方ないか。今はこれで戦うしかない。」

 

直大は、唯一持ってきていたニンジャボトルを振って成分を活性化、身体を向上。向かって来るブロスを迎え撃つ。

 

 「はぁ!!」

 

拳と拳がぶつかり合う。その衝撃で直大とブロスは吹き飛ぶ。

が、ブロスは二三歩後ろへ下がったくらい。直大は二三歩どころじゃないぐらい吹き飛ばされた。

 

 「……っ……………はあああ!」

直大はそれでも、狼狽えず、再び走り出す。走り出した勢いのままにブロスへ殴りかかる。また殴る。そして流れるように右足で蹴り飛ばす。

 

「…っ…いてぇ…さすがにボトルを介しても、少し痛みが来るな。」

 

ボトルによって身体が向上しているが、生身で殴っているため、微小なりとも痛みが来るようだ。対して、ブロスは僅か後ろに下がったぐらいであまりダメージは聞いてない様子。

 

「くそ……このままだと…」

 

こんな戦い方では直大の身体が限界を迎えるのが先だ。

「…ソンナモノカ…」

そう言って、ブロスは至近距離でスチームガンから黒い銃撃を放つ。

直大はその銃撃に対応出来なかった。

銃撃により、直大の背後が爆発する。体が焼けるかと思うぐらいの熱気だった。

 

 

そして、そのままブロスは瞬時に直大の懐に入り、腹部に目掛けて、思いっきり蹴り飛ばした。それにより、直大は地面を引きずる形で吹き飛ばされる。

 

 

「……っ……」

全身の体という身体がその衝撃で悲鳴を上げ、腕や足の至る所に流血していた。

それでも諦めず、直大は地面に手を付きながらなんとか立ち上がる。

 

「はぁ…はぁ…はぁ……」

 

(どうする。ベルトがなきゃアイツを倒せない……相変わらず…弱いな…俺は…)

 

ベルトを取りに行かないとブロスには勝てない、だがこいつをこのまま置いて行くことも出来ない。

 

(詰んでんな…これ…)

 

絶対絶命のその時───

 

 

 

 

ある声が左から聞こえた。

 

「直大!!」

「!?みんな……なんでここに……」

 

同好会のみんながこの場に来てしまった。

 

 

 

~~~~~~~~

 

直大が現場へ向かった後、同好会メンバーは

「ここに居てくれ、なんて直くん言ってたけど…心配…」

「直大って少し抜けてるところあるから。今もなんかピンチだったりして?」

 

※その通りである。

やがて愛が元気よく提案をした。

 

 

「ねぇみんな、少しだけ見に行かない?」

その提案にせつ菜は反対したのだが、かすみはせつ菜を宥めるように言った。

 

「危険ですよ。」

「まあまあ、せつ菜先輩。すこーし様子を見に行くだけですし。いいんじゃないですか?」

 

「ま、まあ…少し様子を見るだけなら…」

 

口では反対していたせつ菜だが、本心は彼のことが心配なのだ。

と、このような経緯から、彼女たちスクールアイドル同好会は直大の元へとやってきた。

 

現場へ向かって最初に目に入ったのは直大と黒い怪人が戦っている様子だ。しかも直大はまだ変身はしていない生身のまま戦っており、その戦闘からか、身体の至る所がボロボロなのが傍目から見ても一目瞭然だった。

 

 

「ん?先輩、 変身してない?」

「どうしてかしら…」

「直くん。あんなに怪我してる…」

 

だが彼はそんな自分の怪我なんて気にもくれず、彼女たちに対して、「なんでここに来た!?」と言う。

ここで愛が直大へ質問する。

「そんなことよりホッシー!どうして変身しないの!?」

「変身したいのは山々なんだけどな…」

 

そう言って、再び直大は流血した足のまま走り出し、黒い怪人と交戦し始める。

だが、直大は体中から溢れる痛みからなのか、思うように戦えていない。このままだと確実に直大は敗北する。

 

「何か理由が……あ、もしかしたら、直大さん今、ベルト持っていないのかもしれません。」

 

せつ菜は思考すると一つの結論を導かせた。

 

「可能性はある。というかそれ以外考えられないわね。」

「ベルトが無いなんて、一大事じゃないですか!?」

 

かすみは絶叫するように言い放つ。とエマが口を開く。

 

「もしかして家にあるのかな?」

「いやそれはないです。直大が鞄に入れてる所、朝見たので、多分ここのどこかにあると思います。」

 

「これは…まずいね~~………」

 

誰もがこの状況はまずいと肌でヒシヒシと感じた。

そんな会話をしているうちにも直大はボロボロに殴られる。しまいには彼女たちがいる方へと吹き飛ばされた。

 

 

「……っ……」

「先輩!」

そう言ってしずくや他のみんなも直大へ駆け寄る。

だが直大は「来るな!」と言い放つと、ゆっくりと立ち上がろうとした。満身創痍のこの状況でも彼はみんなを守ろうとしている。そんな彼を見てしずくは──

 

「いやです!」

「桜坂…」

 

たった一言の否定だった。

しずくはギュッと自分の手を握り、言い放つ。

「先輩が私たちを守るなら、私は先輩を守りたい…特別な力なんて私たちにはないですけど…それでも守りたいんです。」

「そうだよ。ホッシー。たとえ一緒に戦えなくても、ホッシーのサポートぐらいしたい。だから頼ってよ!」

 

「りなちゃんボード![後方支援!]」

「直大くんは~彼方ちゃんたちに教わったんじゃないかな~誰かを頼るって。ね?」

 

「観念しなさい。直大。」

「私たちの手を取って直大くん!」

 

「……みんな…」

そんな直大を見て、呆れるようにかすみは─

 

 

「ほんっと…センパイもせつ菜先輩と劣らないぐらいには、めんどくさいですよねぇ~」

「め、めんどくさい…………かすみさんにそう思われていたのですか……」

「あ、い、いや~今のは冗談ですよ!かすみんそんなこと思ってないも~ん。」

ここで直大は吹き出す。

 

「ふっ……どっちだよ……………

 

 

 

……みんなを…頼る…か…」

(全く…また一人でやろうとしてたな…俺は……

 

ほんとこんな自分大嫌いで、でもどこか好きになっている自分もいる。こんな自分が…)

 

 

 

直大は無意識にまた自分一人でどうにかしようとしてしまった。それも、これも彼女たちを心の底から守りたいと思ったからだ。

人はそう簡単に変わらない、変わろうと思っても無意識の内にまた道を踏み外してしまうこともある。

でもその度に手を差し出してくれる仲間が彼には居る。

 

「みんなを頼ってもいいか?」

 

─彼は、葛藤の末、問いかける。そう─直大は1歩ずつたとえ1ミリでも変わろうとしているのだ。

昔の彼なら、その手を振りほどいてしまう。なんでも自分1人で解決しようとする。特に仮面ライダーのことになると無意識に彼女たちを遠ざける傾向がある。それは、彼の過去から生まれた、誰も失いたくない思いがあってのこと。

 

 

きっとこれからも、彼は1人で戦おうとしてしまうこともあるだろう。彼女たちが大切で巻き込みたくないと思うからこそ、ついつい自分1人で戦おうとしてしまうのだ。

 

 

でもその度に彼女たちは、彼を1人にはさせない。例え彼が拒絶しようと、遠ざけようとも、どんなに危険な道でも追いかけていく。

それが虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会なのだ。

 

 

 

直大の問いかけにみんな、笑顔で頷く。

賛同以外、彼女たちの頭の中には無い。

 

「あったりまえだよ直大!」

「もちろん!直くんの力になるよ!」

そう言って、侑と歩夢は直大に向かって手を前に出す。

直大は笑顔で2人の手を掴み、再び立ち上がる。

この瞬間、少年少女の中で虹色の花が咲いた。

 

「さぁて、じゃあまず手始めに……取ってきて貰いたいものがあるんだが………」

 

 

続く……

 





夏の番外編も佳境に入ってきました。
番外編が終わり次第シーズン2に入っていきます。


それではまた次回。
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