仮面ライダーシノビ(ビルド) × 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 ~夢が始まり、虹が咲く場所~ 作:ラビラビfom
1-2話です
星奈直大の朝は早い。
というのも、直大は侑と自分の朝食を作るため、朝早くに起きているからだ。また、たまにではあるが、洗濯機を回したり、その服を外へ干したりすることもある。
だが、今日は朝食のみのようだ。
「よし、あとはひっくり返してっと……よし、出来た!」
我ながら、うまく出来たな。
それにしても、まだ侑の奴、起きて来ないな。
はぁ…ちょっと起こしに行くか。
※※※※※
一方その頃、侑はスマホから流れる着メロで目を覚ます。
「ん? ふわぁ~」
「う~ん」
まだ完全には目を覚ましていないようだ。
すると、部屋のドアが開く。
「おっ、何だ起きてたのか 朝ごはん作ったから早く支度済ましとけよ」
入ってきたのは、幼なじみであり、今は一緒に住んでいる直大であった。
「 う~ん?」
直大に言われても、侑は生返事で返した。
「はぁ……まだ寝ぼけてんなぁ…」
相変わらずの侑だと思う直大。
「ま、一度起こしに行ったからな。あとは自力で起きろよ~」
「う~~ん……」
そう言って直大は侑の部屋を後にする。
対して、侑は欠伸をしながら、目をこする。
それから数分後、完全に目を覚ました侑は、いつものようにベランダのドアを開ける。
部屋からベランダに出て、塀の所へ腕をかけ、寄っかかる。そして、侑は隣のベランダにいる幼なじみへと挨拶をする。
「おはよ~」
「おはよ~」
侑がそう言うと歩夢も返す。
これは、侑と歩夢にとって、朝の日課みたいなもの。
もうかれこれ、中学時代から続けている。
すると、侑が口を開け欠伸をする。
「ふわぁ~」
「寝不足?」
「ちょっとねぇ」
「遅刻しないでよ。直くんも待ってるよ」
そう言って歩夢は自室へと戻っていく。
「うん…」
※※※※※
なぜ、俺が朝ごはんを作っているのか疑問に思った人もいるだろう。
説明しよう、侑の両親は朝早くに仕事へ行くため、少しでも負担を減らそうと、自分たちの朝ごはんは自分で作ると俺が提案したわけだ。
いわゆる、当番制ってやつだな。
まあ、当番制とは言っても、最近─いやここ半年ぐらい俺がやってんだけどな。
侑が中々起きない時があったりしてな。あと寝ぼけたまんま、包丁を使おうとした時はやばかった。あの時はたまたま俺が起きてたから、大惨事には至らなかったけど。
まあ、そんなこんなで色々危なっかしい侑が心配ってのもあって、最近ではほとんど俺は朝食担当だ。
そんなことを解説していると、リビングのドアが開いた。
「おっ来たか」
そこには、まだいつものように髪を縛ってないパジャマを着たラフな格好の侑だった。
「うん…おはよ~」
「おはようさん」
にしても、侑のこのラフな格好にも慣れたもんだ。
ここへ住み出した当時の俺はこのラフな格好の侑に慣れておらず、ドギマギして──いや目のやり場に困っていた。
だってこいつ、短パンにTシャツ一枚で部屋をウロウロするんだもん。
当時、中学生の思春期真っ只中の俺にはちょっとねぇ……いやまあ、別に小さいころからそんな姿の侑を見た事はあるけど。
小さい頃と中学生だとちょっと違うとこもあるじゃん。
ほらどことは言わないけど、まあまあ、あるだろ? 山が。
……何を考えてるんだ俺は…
と、とにかく、そんなこんなであの時は大変だったなぁ…って。
まあ、今は完全に慣れて、何とも思わなくはなったけど。
……………あ、ほんとですよ。ほんと!
─いつの間にか、椅子へ座っていた侑が尋ねる。
「今日はなんだい?」
「白米と味噌汁と卵焼きだ」
「おぉ、直大の卵焼きは歩夢の次においしいからね」
「それって褒めてる? 」
「もちろん!」
「なんか釈然としない…」
まあでも、卵焼きは歩夢の得意料理の一つだから、勝てないのも分かる。
俺と歩夢の卵焼きには越えられない壁が、ある!
~~~~
「ふう~ ごちそうさま!」
「お粗末さまでした」
手と手合わせて、食事終えた俺たち。
食べ終わった食器を俺はささっと片付けたことで、朝の家事も終わる。
~~~~
あれから少したち俺は玄関を開け、歩夢との待ち合わせの場所に向かった。
「あっ 直くんおはよ~」
「おはよう」
「侑ちゃんは?」
「まだ支度してる」
「そっか」
会話を続けていると、歩夢がふと眠そうに見えた。
「寝不足か?」
「う、うん…そんな感じ」
歩夢は少し気まずそうに目線を逸らした。
「へぇ~あの優等生の歩夢が寝不足か…珍しいな」
「む、もお~私だって寝不足ぐらいするよ!」
そう言って、歩夢はポカポカと俺の背中を叩いた。
「ごめんて」
そこへ、侑がやってきた。
「おまたせぇ!あ、まぁた、イチャイチャしてる~」
そう言ってニヤニヤした目で言う侑。
「はぁ?」
「「(イチャイチャ)してないわ!/してないよっ!」」
「息ぴったりじゃん」
「あーそうですね。びったりですねぇ。ピッタリすぎてピッタリですよーだ~」
自分でも何を言ってるのか分からなかった。
「何言ってんの?」
「さぁ…俺にも分からん」
「何それ? まあいいや。さっ行こっか」
「はいよ それにしても侑 そろそろ1人で起きたらどうだ」
「え~ それは無理だよ 歩夢の電話コールが始まってやっと朝になった感じがするからね」
「はぁ~そうっすか」
「フフ 侑ちゃんにはまだ無理みたいだね」
「みたいだな…」
侑が1人で起きるにはまだまだ先が長いみたいだ
※※※※
それから俺たちは、3人でニジガクの校門を歩いていた。
すると、一年生と思わしき男子生徒たちの話し声が耳に入ってきた。
「なぁ聞いたか?この前、お台場で怪物が出たって話」
「あぁ、聞いた聞いた。なんでも、なんかトゲトゲ姿をしていたらしいぜ」
「なんか襲われた奴もいるって噂もあるよな」
「ええ、何それ…こっわ~」
男子生徒たちの会話を聞いた侑が、興味深そうに口を開いた。
「へぇ~、怪物かぁ。ほんとにいるのかな?」
「もう、侑ちゃん。そんなの信じちゃダメだよ!いるわけないでしょ~。 そういうのは漫画の中だけだよ!」
「え、でも『煙のないところに火は立たぬ』って言うじゃん!」
ん?それ間違ってるだろ。
「それ逆!正しくは『火のないところに煙は立たぬ』だ」
「そうそう それそれ!」
本当に分かっているのかしら。
「それに、人の噂って尾ひれがつくっていうし…」
「ん? どういう意味?」
歩夢の言葉に理解出来なかった侑は首を傾げ、頭の上に疑問符を浮かべているような顔をした。
「噂話は、事実より大げさに言われることがあるっていう意味だ」
「なるほどぉ✎...」
侑は感心したように頷いた。
侑は、もっと国語を勉強した方がいいんじゃないか。ちょっと心配だわよ。
それにしても、怪物 か......。
俺は、先ほどの男子生徒たちの会話を思い返した。
ま、所詮噂だ。多分なんかの撮影とかで見た人が勘違いしたか、その話が飛躍しただけだろう。
……そう思いたい。
けれど、胸の奥には、嫌な予感が残っていた。
※※※
長い一日の授業が終わり、放課後へとなった。
帰りの支度終えた俺は、いつものようにどこかへ寄り道するのか、それとも、そのまま家に帰るのだろう考えていた。
「……ん?」
すると、俺のスマホに一通のLINEが届いた。
俺はそのメッセージに文字を返した。その時だった。
前の席の侑が勢いよく、その場へ立ち上がる。そのまま、俺と歩夢がいる方へ後ろを振り返る。俺たちにら言い放つ侑の一言は、あまりにも唐突だった。
「スクールアイドル同好会に行ってみようよ!」
「急だな…」
俺のツッコミなど気にする様子もなく、侑は昨日の出来後を語り始めた。
「私ね、スクールアイドルってよく知らなかったんだけど。昨日帰ってからスクールアイドルの動画をいっぱい見たんだ!」
だから、授業中眠そうにしてたのね…
「みんなカッコよくって、かわいくて、 輝いていて!」
おっ、来るぞ !
そろそろ、来るぞぉ!
「 もう完っ全に ”トキメイ” ちゃったぁ!」
はい、来ました。
本日1回目のトキメキだ。
侑は、キラキラと瞳を輝かせると、
「でも1番はあの子、優木せつ菜ちゃんって言うんだけど」
侑の発言に「ちゃん!?」とリアクションする歩夢。
まだまだ、その語りが止む気配を見せない。
「なんでも、神出鬼没ニジガク謎のスクールアイドル!同好会の練習以外で校内でみたことがある人が1人もいないらしいの」
まぁ…正体を隠してるからな。
「ニジガク七不思議のひとつに入るくらい謎なんだって」
七不思議?そんなのあるのか.
おと六つはなんだろうな…?
「ファンクラブとかあるのかな?......次のライブとか決まってるなら見に行きたいな~」
そこへ、歩夢が心配そうに口を挟む。
「で、でも私たちもう2年だし。3人で予備校通うって 言ってたよね。スクールアイドルを追っかけてる暇なんて無いんじゃ…」
そういえば、そうだったわ…完全に頭の中から消えてた。
進路どうしよっかなぁ…はぁ…マジ悩むってカンジ~
俺の中のギャルが考えている中、話は進む。
「問題なし!むしろプラス!昨日せつ菜ちゃんの歌聴きながら勉強してたらすっごく捗ったんだよ!今日の小テストだってバッチリだったし!」
そういって得意げに笑って侑はVサインを見せた。
お~それは凄い。
「侑が珍しく勉強するなんて……今夜は雪が降る─いや落雷が落ちるかもな」
思わず口を挟むと、侑は頬を膨らませた。
「もう、すーぐ直大は、ふざけたこと言うんだから!」
歩夢が小さく笑う。
いつものやり取りだった。侑が勢いよく突っ走り、歩夢が心配そうに後を追い、俺がその間に入ってブレーキをかける。(茶化す)
けれど、侑の話を聞いてるうちに、俺の胸の奥にも静かな熱が灯っていた。
「それにさ、なんかすごくやる気が湧いてくるんだよ〜!こんな気持ち、生まれて初めてかもっ、えへへっ...!」
侑に釣られて、俺と歩夢も微笑む。
侑がここまで夢中になるとは....。
やっぱ、スクールアイドルはスゲーな。
さすがは、せつ菜だ。
こうして誰かの背中を押している姿を見ると、俺まで誇らしくなる。
「よーし、まずはサインをもらわなくちゃ!2人とも行くよ───
侑は歩夢の手を取り、今にでも駆け出しそうな状況に俺は口を挟む。
「あぁ 悪い。今すぐ行くのは無理だ」
「えぇ~なんでぇ~」
駄々っ子の雰囲気を醸す侑。
俺には、放課後、ちょっとした用事が少し前に出来ていたのだ。
一緒に行ってやりたいのは山々なんだけどな。
「これから少し予定があってな。終わり次第すぐ行くから」
「絶対だよ!」
こうして俺は侑と歩夢と別れて、1人で体育館に向かった。
続く…………
はい1-2話でした