仮面ライダーシノビ(ビルド) × 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 ~夢が始まり、虹が咲く場所~ 作:ラビラビfom
直大 「ぜーえーんかいのー!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 with 仮面ライダーシノビは!」
「仮面ライダーシノビであり、天才作詞作曲家の星奈直大がいる虹ヶ咲学園でついに新学期の幕が開け、2人の転校生が直大と歩夢の居る2年Dクラスに現れた。1人は
うむ…何度思い返してもこれはおかしい…おかしい…」
侑 「もしかして、気にしてる?」 ニヤリ
「ふん…気にしてるわけ…」
侑 「ふ~ん」 ニヤニヤ
「なんだその目。
俺は気にしてなんていな……い…う
″あ″ーーー″どういうことだー″!!ほんとなんでなんだよ!!どうして、俺笑われたん??なんでなんで!酷くない?おかしくない? 一応これでも主役やらしてもらってるんですけどーーーー!」
侑 「あらら、すごい気にしてるじゃん」
「このままだと 腸が煮えくり返りすぎてオーバーフローだよ!
ガタガタのゴットンでズタンズタンにしちゃうぞ♪」
侑 「あーもういいからいいから そんなつまらないこと気にしないの。
大体前シーズンであれだけ自分が曇った原因のアイテムをネタにするのはどうなの?」
「うぅ…さーせん…」
侑 「それで、もう1人の転校生は?」
「……知らん」
侑 「…雑だなぁ…」
「そんなこんなで、同好会の活動も始まり、最終的な話し合いの末、第2回スクールアイドルフェスティバルの告知も兼ねて、オープンキャンパスで流すためのPV作りを制作していくことになりましたっと。 いや~あのPV作りも大変だったなぁ…」
侑 「私はPVに出るつもりなかったんだけど……しかも直大は逃げたし」
「ばっか…俺が出たら、世のスクールアイドルのファンの皆さんに後ろ指刺されるっての
しまいには物理的に刺されたり……ひぃ…想像するだけでコワイ。ガクブルだよ!」
侑 「はぁ…卑屈というか屁理屈というか…そういえば、直大ってこの前教習所に行ってたよね」
「ああ。勿論二輪の免許を取るためにな。 バイクに乗ってないのに仮面ライダーって…なんてもう言わせん。ちなみに早く免許の取れるコースにしといた」
侑 「誰もそんなこと言ってないけどね
あ、でもスクールアイドルフェスティバルの日、直大、無免許でバイク運転してt───
「こらこら、なんの事かな~
てか蒸し返すんじゃないよ!あれは捨てた過去なの!!」
??? 「なるほど…虹ヶ咲の生徒が無免許でバイクを運転したと…なるほど…」
「え、なに!?だれ!?いや待てこの声…まさか…
ちょっ、まだあなたの出番まだですよ!本格的な登場はこれからだって!フライングしないでぇーーーー!!」
??? 「反省文です!!」
「はぁ…なんで…こうなるの…」
侑 「PVに出演しなかったバツだね。」
「…はぁ………もう第18話行っちゃって…」
侑 「最初は私たちが作ったPV映像からどうぞ!」
《果てしない、空の向こう》
ある、トキメキ少々の声がお台場の風景とピアノのメロディと共に木霊する。
N I J I G A S A K I 〇〇〇H I G H
S C H O L 〇〇I D O L〇〇C L U B
と英字が流れ、10人の少女たちが映し出されていく。
《未来へと、橋を架けよう!》
途端に場所は変わり、どこかの町や木の枝から葉が散りそうになっていたり、澄み渡る青い空が映される。すると芝を歩く、スーツ姿の少女、車のボンネットの上から見つめる少女。
次々とスーツ姿の少女たちが自身のイメージカラーであるネクタイを決めて現れた。
バックの音楽もサビにかかる。すると、驚くことに黒いスーツを来た少女たちはお台場で何者かと戦い始めた。女神像や青いイルカ等々。
手に炎を纏ったり、水を操る者。
ハートのような爆弾。青く鋭い刃。包まれた大きな飴を振り回す。ふわふわとしたシャボン玉。辺りを回復させるような草原。ピンク色の花を使った防御スキル。白い閃光の雷。
急に始まった戦闘描写が終わり───
《行こう!明日へ!》
最後に堂々と道を歩む面々は、ついにスーツ姿で学園の校門まで集まる。
第2回
と付け加えるようにHPで参加者募集開始!! と現れ、締めくくられた。
そう、これは虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のプロモーションビデオである。
「さっすが桜坂監督!」
「気に入って貰えて良かったです!」
プロモーションビデオ、通称PVがこのスクールアイドル同好会の部室のモニターで再生し終わると、ツインテールのトキメキ少女、高咲侑がワクワクルンルンと興奮するように両手を前に出して言った。
そこに大きなリボンが特徴の後輩、桜坂しずくが微笑む。
他の彼女たちも、PVの内容を見て、にこやかな表情を浮かべていた。
~~~~
さてさて、PVを作ると決めてから約1週間、9月9日の金曜日の朝。
俺─星奈直大たちスクールアイドル同好会は、完成したPVを鑑賞した。
それも、オープンキャンパスで流すため、第2回のスクフェスを兼ねた告知PVだ。
ちなみに撮影自体は、PVを作ると決まって翌日の土曜日と日曜日の2日掛けて、素材となるものを撮影した。
なんでも、俺が教習所に向かった木曜日と金曜日を使い、しずくたちはどんなPVにするか、構想を固めたようだ。だから、その翌日から撮影に臨めたというわけ。
そして、約4日で編集作業をこなし、無事PVが完成した。
いやいくらなんでも早すぎない?優秀過ぎません?精神と〇時の部屋で作ったの? と思うだろう。
俺も深くそう思う。最近の若いもんは凄すぎますよ。
まったくどんなスペックしてんのか。
あ、そうそう、バックで流れていた曲は、俺と侑が合同で作曲したものだ。PVを作るよりも前に制作していものでな。といっても、歌詞はまだ無いし、曲名も決まってないんだけど。
「璃奈ちゃんに侑ちゃんに直大くん~編集お疲れ様~」
彼方先輩が労いの言葉をかける。それに侑は「えへへ~」と微笑み、璃奈は「テレテレ//」とボードで照れ臭そうに感情を顕にした。
「まあ、自分は大したことはしていないっすけどね」
編集作業といっても、少し意見を出したりとか、ほんの軽く編集作業を行っただけだ。俺は今回、撮影班で主に熱を上げて活動してたし。
大半の編集はしずくの構想の元、ネットに強くパソコンにも強い天使天才天王寺と侑の3人にお任せしてた。
あ、でも侑が中々にパソコンを使えるようになっていたのは驚いた。
余談だが、PV内にある謎の特殊な撮影の中でCG以外のものもあったりする。まさか、忍術を使う羽目になるとはな。
「もう直くん、こういう時は素直に受け取るものだよ」
ポムポムと頬膨らまして──はないが、そう言う歩夢。
「善処する…」
「もう~」
2学期になったからといって、俺自身、本質はそこまで変わってない。歩夢がプンプンと俺に言ってくるように俺たちの日常は、変わらず動いていた。
そんな歩夢に侑が軽く、「まあまあ」と宥める。
これも変わらない光景の1つ。
「直大が″こんな″なのはいつものことだしさ、気にしてもしょうがないって」
「″こんな″って…」
もっとこう、なんか別の言い方があるでしょうに。
てか、やっぱり侑は俺の対応が日に日に雑になってるよなぁ…
いつか、ボロ雑巾のように爆発されそうでコェーゾ~。
ふん、きたねぇ花火だ。
「確かに…」
納得しちゃうのね…そこは出来れば否定して欲しかったってばよ。
あなた最近、俺の事をなんかじゃないって言ってくれたではありません?
いやまあ…別にいいんですけどね…ええ…
それに…自分を卑下にする癖、やっぱりどうしても抜けそうにない。
「改めてみんなもお疲れ様ー!!」
仕切り直した侑は、みんなにも労いの言葉を返した。
すると、果林先輩が呟き、歩夢が疑問を口にした。
「ファンのみんなにも、早く見て欲しいわね」
「これ、ネットではいつ公開するの?」
「今のところ、オープンキャンパスで公開したとほぼ同時に(ネットに)上げる予定だ。」
そう答えると、オープンキャンパスという言葉に反応したのか、かすみが猫背気味に、どんよりとしたオーラを放つ。
「オープンキャンパス……うう…折角…かすみんの可愛さを見せつけるチャンスが……」
──なぜ彼女がこうも悔しそうにしているのか。
説明しよう!
つい先日我が校─虹ヶ咲学園では、オープンキャンパスでの講堂使用を巡って、流しそうめん同好会、釜飯同好会、スクールアイドル同好会の3つ!─だけでなく、様々な部や同好会がくじ引きで混沌を極めていた。
いやまて、流しそうめんも釜飯も講堂で何をパフォーマンスするつもりなん??
~~~回想~~~
生徒会が設置した机の前に立つ3人の少女たち。
虹ヶ咲学園オープンキャンパス 部活動発表と書かれた抽選箱を前にベージュ髪ボブ─中須かすみが「″ぬ″ぬ″ぬ″ぬ″ぬ″ぬ″」と唸り震えるように抽選箱を見つめる。
そこへ、意気揚々と金髪ギャル、宮下愛がエールを与えーる。
ブホッ…エールだけに!♪♪♪
「頑張れー!かすみん!」
「講堂で歌えるかの瀬戸際だよ~」
そして、いつものほほんとしているがこう見えて、2人の先輩にあたる近江彼方もまた、エールという名のプレッシャーを与えーる。
エールだk───
「プレッシャーかけないでくださいよぉ……」
ここまでワナワナと手に汗握るように心も身体も震えるのか。
それは、今彼方が言ったようにオープンキャンパス当日、講堂にてスクールアイドルのライブが出来るかどうかが
勝負は1発。1回で決めなければならない。
今、かすみの手に命運が託されている。
そのため、かすみに乗るプレッシャーはかなりのものなのだ。
愛はそんなかすみの肩に手を乗せ言うと、彼方もそれに乗っかり、左肩へ手を乗せる。
「よーし!愛さんたちが
「
なんとも緊張感にかける2人である。
「………」
一応、これでも応援しているつもりのようだ。
謎にダジャレをぶっ込むぐらいには、余裕らしいが。
それもこれも自分が引くわけでないから、深層心理的に軽いのかもしれない。
「もぉ!真面目にやってください!!」
かすみは2人の謎エールに微妙そうな顔を浮かべると即座にツッコむ。
まったく、この同好会の面々はボケに回るやつが多すぎる。
少しはツッコム側のことを考えてほしいものである。
あと、特に苗字に星が入ったやつ。ツッコミ側なら徹底してツッコミをしてくれ。ボケに回るな。収拾がつかない。
──と謎にこの場に居ない彼を思い浮かべ、何故か彼へ矛先を向けるかすみ。この時、教習所にいた彼は急に大きなくしゃみをしたそうな。
「でもなんだか、行けそうな気がっ!!してきましたぁああああ!!!」
謎のダジャレエールで抱えていたプレッシャーが吹っ切れたのか、かすみはどこか、進路を王様にしそうな魔王のようなセリフを叫びながら手を抽選箱の中に突っ込んだのだった。
~~~回想終了、視点は苗字に星が入っているやつに戻る~~~
「当日、私たちは講堂使えないのよね…」
果林先輩が残念そうに呟く。
そう結果として、俺たち同好会は、講堂を使用する権利は掴めなかった。
「「面目な~い…」」
「むむむ、悔しいですぅ!!」
抽選に向かった3人がそう口を開くと、エマ先輩がTheマイナスイオンボイスパワーを放出~と言わんばかりにフォローを入れる。
カタカナ多いな。
「仕方ないよ、部活の数が多いから、倍率は高いもんね~」
「抽選に漏れても、西棟のブースは貰えるし、当日はそこでチラシ配りだね」
「まあ、そういうこったな」
備えあれば憂いなしってのはまさにこのこと。
ライブが出来ないのは残念だが。
「あの、先輩」
「ん?」
呼ばれた方へ目線を向けると、しずくと璃奈がどこか真剣そうな面持ちで
「オープンキャンパスまで少し時間があるので、映像のクオリティを上げてもいいですか?」
「別に構わんが、俺的には今のでも十分クオリティ高いと思うけど」
よく、こんな短期間で作ったな…って驚愕するぐらい出来は確かなものだった。このまま、オープンキャンパスで流しても、問題ない。
なにより、ここ数日間、ぶっ続けで編集作業していたわけだし、少しは身体を休めた方がいい。って思うんだけども。
「せっかく、見てもらうんだから、最後まで全力でやりたい!」
「妥協したくはないので。」
どうやら、2人の表情を見るに引く気はないようだ。
「私も最後までやるよ!」
侑もそのつもりらしい。まあ、本人たちがやりたいと言うのなら、それを尊重するか。
「なら気が済むまでやるといい
でも、休憩は適度に挟むんだぞ、無理だけはするなよ」
そう言うと、侑としずく、璃奈の3人が顔を見合わせた次の瞬間、口角を僅かに上げ、笑い始めた。え、なんで?
ちなみに璃奈はボードで笑っている表情を添えた。
なにがなんだか困惑していると、しずくが口を開く。
「あ、いえ、いつもと立場が逆で」
「立場?」
「ほら、いつもは私たちが直大を心配してばかりでしょ? でも今はその逆だってこと」
あぁ…そゆこと…
「少しは、心配する側の気持ちも分かったんじゃない?」
「……そ、そうだな…」
微妙に耳が痛い。
「直さん、私たちのこと....心配してくれて嬉しい」
「ま、まあ…無理して体調崩されても、寝覚めが悪いしな」
なんなら、寝付きも悪くなるまである。
「あ、でたツンデレ」
ニヤニヤした目で見てくる侑。
「違うわ!どこに、ツンと、デレの要素があったんだよ!!」
「自覚無しかぁ……」
何故か頭を抱える侑、隣のしずくも苦笑い。璃奈のはなんだ、その表情…煽ってるのか?
もうなんなんだよ。
大体、野郎のツンデレなんて、どこに需要があるんだっての…
男のツンデレで需要があるのは、誇り高き戦闘民族サ〇ヤ人の王子だけって昔から相場が決まってるんだよ。
ん?最近、龍の願い玉ネタ多くないって?バカヤロー!今はそう言う気分なの…
「私達も負けずに、オープンキャンパスの準備、頑張ろうね!」
そんな、やり取りしている最中、歩夢が他のみんなに向けて言うと、「頑張るぞー!」「おー!!」と利き腕を掲げるぐらいには、この同好会の士気がまた一段階上がったようだった。
そんなこんなで、朝の同好会の活動は終わったのであった。
※※※※※
今日も含めて、ここ3日間、授業って授業は午前中のみである。
それは、これもオープンキャンパスに向けて、学園の生徒たちがそれぞれ一眼となり準備を進めている。やる気は十分、活気に満ち溢れていた。
当日、 俺たち同好会は西棟の方を使えるため、そのためのブース作りに励んでいる。飾り付けとか、同好会の文字を大きく描き、ペンキで塗ったりと、やることは様々だ。
4日目ともなると、ブース作りもほとんど終わりかけだ。
あ、そういえば、チラシのデザインって出来たのか?
音沙汰がないけど。
まあ、それは置いといて、今俺はブースで使う、長方形型の折りたたみ机を運んでいる。うむ、意外と1人で運ぶのはあれだ。重い。
しかも、うちの学園広いからなぁ…持ち運ぶのにも一苦労なんだよ。
隠れ身の術でも使えば、簡単に運べるんだけど。
まあ、人目があるから、使えないのも致し方ない。
「直大、こっちよ」
「う~す」
自分たちが使うブースまで来ると、果林先輩に誘導される。言われるがままに、机を持ち運び、折りたたみ机の足を変形させ、果林先輩の指示の元、机を配置した。
「ふぅ~」
こりゃ、明日は筋肉痛だな…
なんて冗談を言っていると、彼方先輩がこちらへやってくる。
「おお、さすが男子、こういう時頼りになるね~」
なんて笑顔で言うんだ…この先輩は…結構疲れたなんて言えないじゃない。
「ま、まあ…そ…うですね…こん…なのは朝飯前っすよ、あはは」
なんとか、無理やり笑い見栄を張る。息切れしながら。多分バレてない。多分…
「その割には、息切れしてるみたいだけど?」
バレてました。
「そんなんで、大丈夫なの? 秘密の忍者さん
ふふっ」
そう言って、からかうように近づき微笑みかける果林先輩。
なんか、近いんですけど、最近、今まで以上に距離の近さがバグってるような
「ちょっ近いんで離れてくださいって…」
「あら、照れてるのかしら?」
もうなんなん。
大体、こういう距離の近い行動が世の男子を勘違いさせるんですよ。
あれ、もしかしてこの子、俺のこと好きなんじゃないの?って。で、挙句告白して振られるまでが完全なハッピーセットですからね。売り切れ続出するぞ。
もう大罪だろこれ。だれかこういう人に審判を下す人は居ないのか!!
俺は悔しい…うぅ…
「もう、それぐらいにしないとダメだよ~」
ここで助け舟が現れた、そうまさしく!大聖母なエマ先輩!
エママ~とスイスの大草原のようなマイナスイオンを放出~と言わんばかりの癒しボイスでこの場を浄化する。
「別に何もしてないわよ」
果林先輩は何もない、とシラを切るように返す。
全く見え見えのしらを切りよって。
もう泣きついちゃうぞ。
『エマ先輩、果林先輩が虐めてくるんですぅ~』って。
いや、俺がやったらかなりキモいなこれ。
多分かすみがギリ許されるレベルだぞ。めちゃくちゃあざといだろうけど。
「先輩~!」
噂をすればなんとやら、あざと後輩が現れた。
走ってきたのか、息を切らしているようだ。
「どうした?」
「猫の手も借りたい、いえ忍者の手も借りたい状況なんで!部室に来てください!」
よくそんなことわざ知ってたなぁ…なんて感心していたら、いつの間にか俺はかすみに手を引かれて走っていた。校舎を走ってはいけません!って言っても聞かんなぁ…これ。
──言われるがまま、導かれるままに身を委ね、部室へと向かう。
~~~
──直大とかすみが居なくなった後、果林たちは先程までしていた飾り付けにまた取り掛かった。そんな作業の中、彼方が呟く。
「果林ちゃんも素直じゃないよね~~」
「………どういう意味かしら?」
一瞬、ピタリと作業が止まった果林だが、そう言うと再び手を動かす。
「直大くんのことだよ~」
「…そうね、直大って素直じゃないわよね」
これまでも、彼は自分1人で抱え込んでしまう癖がある。
ライダーの事となると、それはもう顕著だ。
「いや…確かにそれはそうかもだけど
彼方ちゃんが言いたいのは、果林ちゃんのことなんだけどな~」
彼方自身も彼が素直じゃないと思っている部分もあるようだ。だが、さっきの発言は彼ではなく、果林に対して言ったらしい。
「…そう? 私って、結構素直に言う方だと思うけれど」
「そこについては、否定しないよ~でも、さっきは素直に言ってなかったよね~?」
先程の会話から、何かを見抜いた彼方はそう言う。果林はというと、図星だったのか、キッと彼方を強い目つきで見つめる。
一瞬、不穏な空気になりかける。がここで、エマが割って入ってきた。
「ほんとは、直大くんのこと心配だったんだよね?」
どこか、優しく緩ゆかにさらりとエマは言った。
「……さぁどうかしらね」
果林は否定とも肯定ともとれないような曖昧さで言葉を濁す。
「直大くんってさ、自分のことより、誰かのために動いてる。今回のオープンキャンパスだってそう。自分は大したことしてないって謙遜してるけど、人一倍動いてるのも直大くんなんだよね、それも周囲には悟らせないように振舞ったりとか」
「そうね。だから心配なのよね…」
(でも、彼につい頼ってしまう自分も居る。いつのまにか、彼が居ない日常なんて考えられないぐらいにね)
ここで彼方はふと、何かに気づく。
(……ん?……なんだか果林ちゃんから、別の波動?アンテナ?を感じる。なんかこうラブリーな何かを………あ、
そういうことか~直大くんも隅に置けないね~
「それにしても、難儀な悩みを抱え込んでいますな~…………」
彼方が今思ったことをふわ~っと口を漏らした。
「…あ、」
彼方は、自分が思ったことを1部だけ口を滑らしたことに気づく。
対して果林は──沈黙だ。
「……」
今、彼方が言ったことが自分に対してのことだと察すると、次の瞬間、表情が影で見えないようになりながら、彼方の方へ身体ごと向けると
「今のはどういう意味かはっきり聞こうかしら?」
笑っているようで、笑ってない顔を魅せると何か掴むようなワシワシとした両手を変え、そのままずんずんと彼方に向かっていく果林。
「お、お手柔らかに頼むんだぜ…」
そんな、2人を微笑ましい目で見つめると、エマは再び作業に取り掛かった。
(え、エマちゃん…お助k──彼方の願いは無惨にも散っていった。
※※※※※
おかしい。これはおかしい。
やっぱりおかしい。
もう一度言う。おかしい。
このままだとおかしいと言いすぎてゲシュタルト崩壊が起きそうだ。
こういう時は一度叫ぶに限る。
「なんなんだこの状況は!!!!」
─直大の突然の叫びに驚く歩夢と愛。
「うわ!?」
「びっくりした、あ、びっくりしすぎて、びっくらこいた!なんつって!」
俺はツッコまんぞ。そして侑、プルブル笑うな。
「はぁ……」
「もう、センパイうるさいですよぉ…今しず子達が編集作業しているんですから、邪魔しないでください」
「あ、うん」
って、なんでかすみにそこまで言われんとあかんのだ。
まあ、いいや。
先程、かすみに手を引かれ向かった先はスクールアイドル同好会部室。
そこで今、なんとも言えないシュールな光景が広がっていた。
部室の中に居るのは異質で一際浮いている、奇抜な2色の姿が椅子に座り、外の世界を見つめ続ける。
「はあ…」
窓ガラス越しに、2色の仮面が映り込み、また溜息をこぼす。もう何度目だろうか。左肩から出てくるのは、もう何枚目かも分からない紙の束。はぁ……いつ終わるんだこれは…
あれをこんな使い方したのは、何気に初だ。絶対使うわけないと思っていたのだがな。
すると、さっきまでしずくたちの編集作業を見ていたかすみがこちらへやってくるなり言う。
「センパイ~今どのくらいですか~?」
「あ~……結構刷ったぞ~~」
「おぉ~いい感じですねぇ~じゃあラスト50枚よろしくです!」
「へい」
そう言われ、また左肩に力を集中させ、ウィーンと音を鳴らし紙を刷っていく流れ作業を続けていった。
部室では、少々の話声とパソコンのカタカタ音、そして紙が刷られていくウィーンという音が響いていた。
「…ふふっ……やっぱりシュールだね…」
何をわろてんだぁああああ!!!
いいか歩夢……俺だってねぇ…好きでこんなことしてる訳じゃないんだぞ…
そう、それはそれは、つい数十分前に遡る。
では先ず手始めに、かすみにこの部室に連れられた用とは、当日配るためのチラシを印刷するためだということなんだと。
印刷するのに何故部室?と思うだろう。それには理由があるようで、学園で使える印刷機は今、のけ並み様々な部や同好会が利用しているため、なかなか、使用できないとのこと。
『理由は分かったけど、部室で俺に何をやらせる気だよ。大体ここに印刷機なんてないだろ』
そう言うと、かすみは「チッチッチー」と人差し指をメトロノームのように振る。
『印刷機ならここに居ますよ』
そう言って、俺を指さすかすみ。
『は?何言ってんd──『隠しても無駄ですよ~、かすみんは知っているんです!センパイの…仮面ライダーシノビの隠された能力を!!』
『いやそんなのないって……ん?あれ、いやまてよ、まさか…』
『ふっふっふっ…思い出したみたいですねぇ~』
まさか、あれをやれと言うのか、戦闘では絶対に使えないあれを。
絵師に欲しい力だと言われ、しまいには戦闘よりも別の方向に輝けるボディだと言われたあの力を使う日が…
そう、俺と相性の良いボトルの1つ漫画の力を宿したコミックフルボトル。そのコミック側のボディには、今まで使ったことのない力がある。
それは、自分で描いた絵や漫画を印刷・製本にする力があるのだ。ちなみに、元々完成されているもの(今回で言うチラシ)場合、自分で描かなくてもいける。自分が描いているっていうイメージで印刷及びコピーすることが可能ってこと。
なんだその変な能力は…と思うだろう。俺も初めて聞いた時はそう思った。
それにしても、なんでこんな戦いで使えない能力を付けたんだよってすっごく言いたい。なぁ戦兎。
あれ…でも、元を辿れば葛城巧なのか?いやそこまでいくのなら、原点でベストオブベストの葛城忍なのかも
まあ、そんなことはいい。てかなんで、かすみはこの能力知ってんだよ?話した記憶ないんだけど。誰かから、聞いたのかな
「なぁ…かすみ、この力があることなんで知ってんだ?」
「あぁ…それはですねぇ。せつ菜先輩が聞いたんですよ」
せつ菜…犯人はお前かぁああ!!!そういや前、俺があいつに教えてたんだっけ。
『いったいシノビさんにはどんな力があるんですか!!!私、気になります!!』って。妙に熱が篭ってて、つい教えてしまったんよな。
はぁ…早く終わらせよ。
~~数分後、かすみに言われたチラシは十分な量まで印刷された。
直大は、休憩がてら、校内を歩き回っていた。
「はあ……やっと終わった…」
まさか、戦闘とは無縁な部室で変身する羽目になるとは。
チラシをコピーしすぎたのか、左肩が妙に重い気がする。
ほんとに筋肉痛になったか?いや違うか。
にしても
「あ、直大さん」
「ん~?」
呼ばれた方へ目線を向けると、そこには、せつ菜──いや三つ編みでメガネを掛けた中川菜々ともう1人女子生徒が中川の隣に居た。
その女子生徒は、緑寄りの黒髪ボブの左側頭部に短い紐のような髪飾りをしており、黄色のリボンを付けていることから、一年生であることが察せた。
そして、中川は1歩前に出ると、口を開いた。
「大丈夫ですか?肩を抑えていたみたいでしたけど」
「あ~大丈夫だ。ちょっとかすみにコキ使われてな
今は休憩がてら、お散歩中って感じ。そっちは、これから生徒会?」
「はい。これからオープンキャンパス実行委員の集まりがあって、生徒会に向かっていたとこです」
「そっか、お勤めご苦労様です」敬礼
「これからですけどね」
中川は苦笑しながらも、微笑む。
改めて、同好会と生徒会、そして学校の勉強、色々両立出来てるのすげーよな。 俺にそこまでのマルチタスクはこなせるのか、はなはな疑問ではある。
やっぱ、中川さんにはリスペクトしかないっす!まじパないっす!
とまあ、尊敬の眼差しを向けていると、ふと疑問が浮かばれた。
「そういえば、その子は?」
「その子? ああ!彼女は普通科1年で、今はオープンキャンパスの実行委員の
相変わらずの全校生徒の科と名前を覚えている中川だ。いくら名前を覚えても、普通何科なのかまでは分かんねぇよ。
すると、三船栞子さんはその会話が聞こえていたのか、同じく1歩前に出ると、お辞儀をする。
「ご紹介に預かりました、三船栞子です」
なんだろう、すごい丁寧だ。
清く正しく美しくを体現したような、上品さが彼女の佇まい、そして、今の言動から、すぐに感じ取れた。なんというか、いい所のお嬢様みたいな雰囲気が滲み出ている。
対して俺は、このような形で名乗られたことがないため、少しタジタジになる。
「あ、あぁ…そりゃまたご丁寧に……あ、俺─いやワタクシは普通科2年の星奈直大と申すものです、はい」
「直大さん、キャラ変わってます…」
やかましい!でも、俺もそう思う!
「あの、会長」
「はい?」
「この方とは、どういうご関係なんですか?」
俺と中川がどんな関係…か。同じ同好会に所属する仲間。…これだとダメだな。なぜなら、中川は俺たち同好会以外の生徒や教師、はたまた両親までも、その正体を隠しているからだ。優木せつ菜であることを。
「俺と中川は、好きなものが似ている、いわば同志みたいなもんだ。友達ってやつかな」
「ですね。あ、直大さんって凄いんです、最近では、スクールアイドル同好会に所属して、そこでわたs──同好会のみなさんの歌う曲を作っているんですよ」
今、私たちって言いそうになったな…あと妙に熱が…
「スクールアイドル……が歌う曲…ですか?」
「ああ。もうかなりの曲を制作してきたかな」
振り返ると、よくもまぁ、こんなに作れたものだ。
まあ、みんなを見ていると不思議と文字がメロディが浮かんでくる。
ほんと不思議だ。
きっとスクールアイドルには、特別な何かが宿っているんだと、俺は思う。人を笑顔にする力、癒す力、湧き上がらせる力、勇気を貰える力。そして科学じゃ証明出来ないような奇跡を起こす力─人の想い。これ以外にも沢山ある。無限の虹のような何かが。
「あの、」
「ん?」
「スクールアイドルフェスティバルというお祭りを先月開催されたと聞きました」
「ああ、みんなの夢を叶える場所、そんな思いが形となって具現化したんだ」
「その理念素晴らしいと思います」
「え? あぁ…どうも」
「私も……学園のみなさん──誰もが幸せになれるような、そんな思いをもって、イベントに取り組むつもりです」
「そっか」
「それでは、会長。そろそろ行きましょう、集合の時間になりそうなので」
「そうですね、では直大さん、また」
「ああ、またな」
別れの挨拶を終え、中川と三船さんの後ろ姿を見送ったところで俺も自分のやるべきところへと足を運んだ。
誰もが幸せになれる……か。
三船さんこそ、いい理念だよ。俺も似たような思いがあって戦ってるもんな。
─誰もが愛と平和を胸に、笑顔が絶えない世界─
それが俺の理想で願いで戦う理由。
今まで以上に気を引き締めて、頑張ろ。
───直大は深くそう思った。
※※※※
「………」
そして、同日、茶髪のポニーテールに制服を着た女子高生がコンビニにて何かを買い物していた。虹ヶ咲学園を出て、─シンボルプロムナード公園 花の広場を抜けた先にあるコンビニだ。
(うわ…財布もうすっからかんだよ……バイトでも始めようかな?)
コンビニで買い物を終えたポニーテール女子高生は、財布の中身を確認するとそう思う。そして、ここから出ると、コンビニの窓ガラスに張り出されているチラシが視界に入った。
(ん?オープンキャンパス?)
そのチラシには、虹ヶ咲学園 オープンキャンパス 9月11日開催決定!と大きく書かれ、校舎の写真や、校内で生徒たちが面白おかしく楽しんでいる様子の写真も添えてあった。
それをみた、女子高生は、少し悲しげに
(虹ヶ咲……かぁ…そういえば、去年の今頃私もオープンキャンパスに行ったけ……落ちちゃったけど)
そう、虹ヶ咲はその専攻の多様さと自由な校風が売りでかなりの人気を博しており、各分野で活躍する人材が全国から集まることで有名なのだ。そのため、普通科はともかく、他の音楽科などの専門分野系の倍率は中々のものである。
彼女は、その音楽科に受験をしたのだが、落ちてしまったのだ。
(私も受かってたら、ここで………あ、いけないいけない、もう立ち直ったんだから、気にしない気にしない)
と自身を元気づけるようにして、この場を後にした。
そんな、彼女を見ていたものが1人。
「ねぇ、君、チカラ─欲しくない?」
──不穏な動きを見せるものが、今日お台場に現れた。
続く……
はい、大変長らく(約3週間)お待たせしました。
構成とか色々考えながら、文字に起こしていると、いつのまにか1万字超えてました。(もう少し短く書きたい)
ニンニンコミック(主にコミック側)の真の能力が発揮されました。
ベストマッチ系はこういう変わった能力が多い印象です。(戦闘でどう使うねん、っていう…)
最近、アーツを頭だけ改造しました。あれかなり、分解だけでも神経使いますね、体全体改修している人とか尊敬ものです。
ちなみに、ニンニンコミックハザードフォームを制作しました。出来はまあ、初めてなのでお察しですが。
Twitter (X) にツイート(ポスト)してあるので見てやってください。
※ハーメルンのサイトのプロフにXのリンク貼ってあります。
そして、今日はスクフェス2 サ終日ですね。
あまりに短さにビックリしましたが、ただまあ、納得は出来るといいますか…
動くイラストとか、いい面もあります。がやはりMV欲しいなぁと。UR単体のサイドストーリーとか。スクスタであったものが無くなっていて、あまりハマれなかったのかもしれません。
これから発売される予定のノベルゲームには、MVがあることを願います。(期待の眼差し)
それでは、また次回。