仮面ライダーシノビ(ビルド) × 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 ~夢が始まり、虹が咲く場所~   作:ラビラビfom

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大変……お待たせしました。お待たせしすぎました…
お時間ある際にどうぞ!







19─2話 ~合同ライブの準備と集いの近況報告~

 

 

「Y.G.国際学園、スクールアイドル部部長、ジェニファーと」

「副部長のラクシャータです」

 

2人の少女の綺麗な声がこだました。

 

 

場所はスクールアイドル同好会部室。

2人のゲストを招き入れた、同好会面々は、軽い自己紹介の末、話を始めた。

 

ちなみに彼女たちが在籍しているのは、

『Y.G.国際学園』

 

 

せつ菜が言うには、海外からの留学生が多く在籍する高校らしい。

 

俺が聞いた話だと、国際色豊かなインターナショナルスクールで、日本人も在籍はしているが、世界各地からの留学生が集まる為、留学生の比率が高いようだ。

ニジガクと負けず劣らずの大規模な学校とのこと。そして、その学園でもスクールアイドル部が存在しており、目の前にいる彼女たちのライブも何度か動画で見た事がある。

 

 

まぁでもまさか、数少ないマンモス校の中でピンポイトで俺たちと巡り会うなんて。スクールアイドルの縁というのは怖いぐらいに繋がっているみたいだ。

 

 

せつ菜の説明にエマ先輩は笑顔で肯定すると、

「二人とは留学生が集まるネットコミュニティで知り合ったんだ!お互いスクールアイドルやってるって分かって」

「スッゴク盛り上がったよね!」

 

当時を思い出すように、彼女たちは話に花を咲かせた。それにしても、ネットのコミュニティで仲良くなったか……時代だなぁ…

流石、外国の血が流れたスイスイでアメリカーンな積極性、コミュニケーション能力だ。俺も見習いたいもんだけど、多分無理。

 

「勿論、スクールアイドルフェスティバルにも参加したいです」

 

こちらでオファーを出さずとも、彼女たちは乗り気らしい。

このように前回と比べて、参加希望の学園がどんどん増えていく。まだ日程は決まってないが、来る日のスクフェス当日が楽しみすぎて、夜しか眠れないまである。

 

「その前に、お互いのことよく知りたいなぁって思って」

 

なるほどな。

 

「だから、そのための合同ライブ…か」

「そのとおり♪」

 

そう言って、ジェニファーさんが人差し指を立て、笑顔で微笑みかけられた。おぉ…これは凄い…流石アイドル。不覚にもトキメキかけたわ…

 

 

そんなバカのことを考えながらも、俺の中で何故、彼女たちは合同ライブを持ちかけてきたのか、その理由を1人で納得をした所でせつ菜が勢いよく腕を上げる。

 

「良いですね!私達もY.G.国際のステージ見たいですっ!」

 

と相変わらずのクソデカボイスで賛成していた。他のみんなも特にこれといった、反対意見はないようで、むしろやる気に満ちていた。そんな周りの反応を伺った彼女は、金髪のツインテールを揺らし、「ふふっ」と笑みこぼす。

 

「決まりね」

そう言って、ウィンクと共に指を鳴らした。

 

 

まあ、なんとなく読めていた展開だが、これからはとりあえず、その合同ライブに向けて、同好会の活動をしていくとするか。

 

と俺の中で、やる事が定まった瞬間、ジェ二ファーさんが耳寄りな情報(俺らにとって)を何気なく呟いた。

 

「昨日のランジュのライブもスッゴく良かったし、みんなのステージも楽しみ!」

 

 

空気が凍りついた。というには大袈裟だが、同好会のみんなは、小さく驚いていた。しかも声が漏れるぐらいには。かすみに至っては急に前に出てきて、テーブルを両手で叩くと──

「鍾 嵐珠がライブやったんですかぁっ!?」

 

と、声を荒らげる。相変わらずオーバーな後輩だ。それにそんな驚くもんでもない気はするけど。

 

「行きたかったぁ………」

 

侑に関しては、こんなことを言い出す始末。てか絶対いまそこじゃないだろ。

 

「侑先輩流石ですね……」

「?」

 

しずくは呆れて──はないか、関心しているといったところかな。

 

「ゲリラライブでしたから、見られたのは途中からですけどね」

 

ゲリラ豪雨ならぬ、ゲリラライブ。確かにこれじゃ、予告もないし、見れただけでもラッキーなものだろう。

ちなみにそれを聞いたかすみはというと、他人の事が気になるのか、盛り上がったのかどうかを問いかけていた。

返事としては、凄く盛り上がったそうな。

 

「ムッッッッキィィィ!″ぐやじい″ですぅぅ!」

とその場で地団駄を踏んだ。

 

 

「あまり、人のことばかり気にしても仕方ないわよ」

「結局は、自分が頑張るしかないもんね」

 

果林先輩と歩夢の言う通りだ。正論過ぎてぐうの音もでない。

 

まあ正論は時に人を怒らせるとも言うが、かすみはそんなこともなく、素直に受けいれていた。いや素直っていうか、単純というか。

 

「センパイ!失礼なこと思わないでください!」

「いやちょっとまて、なんで分かんだよ。声に出してないぞ?なに、やっぱエスパーなの?」

 

「やっぱり、思ってたんですねぇ!」

 

「当てずっぽうだったのかよ……」

 

当てずっぽうで考えが読まれちまうなんて…も、もしかして、かすみより、俺の方が単純だった??

 

 

「直さんボード[ガーン……]?」

「璃奈……セルフの効果音いらない」

 

思考を読まんでいい。てかいつの間にそんなん用意したんだよ。

 

「「「「「あははっ♪♪」」」」」

 

とこのタイミングで部室に笑いが起きた。俺としては、なんだかなぁ……

すると、ここでジェニファーさんが俺に疑問をぶつけた。

「さっきから思ってたけど、君、なんで首にホワイトボードなんて引っ掛けてるの?」

 

「…あ……いやそこには触れないでくれ…」

 

「「?」」

 

ゲストの2人は?マークを浮かべる。

そう、俺は今、彼女の言う通り、ホワイトボードを首に引っ掛けている。

[私は、遅刻しました]と書かれてな。

 

 

「遅刻魔のセンパイの当然の報いです!」

「遅刻魔?」

 

経緯としては、サメの怪人との交戦により、集合時間に大幅に遅刻した俺は、かすみに罰として今日はこれを引っ掛けて活動しろとのことだ。

 

「日本では、遅刻したら、こういう文化があるんだ…」

「知りませんでした」

 

いやなんで2人ともそんな解釈になるん?

 

「まっ、そういうことです!ぬっはははっ」

 

愉快そうに笑うんじゃなくて、否定せいよ。

 

「はぁ……」

全くかすみというやつは。

 

 

 

にしても、

あの怪人が落としたメダル。やっぱりどっかで……

 

 

うーん……………ああだめだ!あとちょっとで思い出せそうなのになぁ…

もどかしい。テストでよくある、ここまできているのにっ!だ。

 

頭の中を合同ライブに切り替えたいけど、さっきの件が頭に離れそうにない。このモヤモヤを晴らさないとなぁ……

 

 

 

そんな頭を悩ませている俺とは別に、ラクシャータさんが辺りをふと見回すと、1つ気がついたようだ。

 

「そう言えば彼女、ここにはいないみたいですが••••••」

 

「ランジュさんは、同好会には所属していないんです」

 

あの日のオーキャンで自ら入部を辞めると言い、俺らに宣戦布告をしたのは記憶にも新しい。どうやら、2人は彼女も同好会に所属しているもんだと思っていたらしく、せつ菜の言葉に驚いた様子だ。

 

「えっ!?そうなの?せっかくだし、ライブに出てくれたら嬉しいけど••••••」

 

 

確かにゲリラのライブで観客を湧かせたぐらいだ。もし、出演してくれたら、今回のライブもより盛り上がることは間違いないだろう。

 

 

でも、彼女は言っていた。

ここじゃ、叶えたい夢も叶いそうにない、だから、自分自身の正しさを証明するため、そして、俺たち同好会と鐘嵐珠、双方の願うスクールアイドルのカタチをフェスティバルにてぶつかり合おうと。

 

 

このことから、なんとなく予想は出来る。彼女はきっとこのライブには出ない。誘われても断る気がするんだよな───

 

「私、声をかけてくるよ!」

 

─直大自身は、彼女がこの合同ライブに出るかどうかについての予測を立てた。そんな彼とは別にエマはここで立ち上がると、そう言った。

 

 

 

(さて、どうなるのやら)

 

 

 

※※※※※※※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お断りするわ」

 

 

 

思い立ったら、即行動ということで、エマ先輩は、彼女に合同ライブに出ないかと誘いをかける。ちなみに同伴したのは、かすみと果林先輩。そして俺だ。

 

「即答ですかぁ……」

 

結果としては、否。かすみの言う通り即答だ。もはや考える時間すら無かった。ちょっとぐらい悩んでもいいのではないだろうか。

ただまあ、予想通りではあったから、驚きも少ない。

 

 

「小規模のライブなら1人でも出来るって分かったしね。私は自由にやりたいの」

 

「でも…」

 

エマ先輩はそれでもと、口を開く。

が、俺は先輩の声を被せた。

 

「じゃあ仕方ないっすね。エマ先輩」

「直大くん……」

 

何か言いたげなエマ先輩だが、それ以上は何か言う素振りはなく、ランジュの方へ視線を戻した。そんなランジュは「それに」と付け足し、不敵に笑う。

 

「貴方たちと同じステージに立つのはスクールアイドルフェスティバルまで取っておきたいの」

 

 

なるほどな。

正しさの証明の決着を付けるなら、大きなステージの方がいいとのことだろう。まあ気持ちは分からんでもない。

 

「用がそれだけなら、私は行くわ」

 

そう言って、彼女は背を向けて、去っていた。すると、かすみがオーバーに首を振る。

 

「″う″ぬ″ぅぅぅ″なんなんですかあの態度″ぉぉぉ″!!」

 

彼女の態度に怒りを覚えたかすみは、子供のように唸った。

 

「まあ、そうカッカッすんなって、そんな怒ってると血圧上がるぞ?」

「センパイは黙っててください!」

「あ、はい……」

 

やだこの子、怖い。

 

「でも、想像どおりじゃない」

 

果林先輩も予想どおりだったのか、特段気にした様子はなく、クールに呟いた。そして、ランジュの去った方向を未だ見つめているエマ先輩へと声をかける。

 

「エマ、仲間外れにしたくないって気持ちはわかるけど」

「うん…」

 

エマ先輩はどこか寂しそうに明後日の方向を見つめる。

 

仲間外れにしたくない。優しさの塊ともいっていい、エマ先輩だ。同じ海外から日本へ遥々スクールアイドルをするためにやってきた共通点が余計にオカンの心を刺激し、ほっとけないのだろう。

そこがエマ先輩の良い所なんだよな。

 

すると、かすみが2人の前に飛び出し、エマ先輩たちへ焚きつけるように言う。

「鐘嵐珠に負けてられません!私たちも合同ライブに向けて、準備を進めましょう!」

 

対抗心が剥き出しだ。余程、負けたくないんだなかすみは。仲間でライバル、それがこの同好会のカタチ。でも今の彼女とは、ライバルの一点………だけ。

 

───────────

 

それからというもの、俺たち同好会は、YG国際面々との打ち合わせや日々の練習など、来る日の合同ライブへ着実に準備を進めていた。そんなある日の活動では、ライブでの歌う順番を決めていた。

 

「まずは、歌う順番を決めましょうか」

 

ホワイトボードの前に立ったしずくは仕切るようにそう言う。すると間髪入れずにその場へ立ち上がったやつがいた。───

 

「はいはーい!1番はやっぱりかすみーん!」

 

まるで早い者順かのような速さで申し出るかすみ。でもその希望通りに行くかというと、それはまた難しい。なんたって─────

 

「ちょおっとまったぁー!愛さんも最初がいい!」

 

「私もトップバッター希望ですっ!」

「彼方ちゃんも~」

 

ですよねぇ~

この同好会に所属している彼女たちは、我が強い。我こそはと、手を挙げ主張する。ほら続くように璃奈も、「私も」と立候補した。

 

 

「おおっ!りなりーやる気だねぇ!」

「勿論」

「りな子負けないよぉ!」

「彼方ちゃんも~~!」

 

白熱した話し合いに、1本の大天使の矢が放たれた。

 

「じゃあここは間をとって、私が1番やろっかな!」

 

「全然間とってないじゃ~ん~~」

 

エマ先輩の発言に彼方先輩が声は緩やかに鋭いツッコミを入れると、この場に笑いが生まれた。

うん…なんというか、エマ先輩ってたまに日本語変な時あるよな。

 

 

 

 

それから、歩夢やしずくも1番へ立候補していく。話が進む気配は未だ見せることはなかった。

 

そんな中、俺の左隣に座っていた果林先輩が───

「これは決まらなそうね」

 

冷静に現状を述べ話しかけてきた。

一見クールに観せている先輩だが、胸の内では、1番を立候補していることだろう。全く溢れ出てる情熱がバレバレですよってね。

ここは1つカマをかけますか。

 

「そうっすね。果林先輩も”1番″を希望してますしねぇ…」

 

同好会全員が1番を希望している。もはやこうなると決めるのは一苦労ってもんです。

 

「あら……そんなこと一言も言ってないわよ?」

 

「またまた、ご冗談を。俺は分かってますよ」

 

「そのニヤついた表情で女性を見るのは辞めた方がいいわよ。通報されるわ」

 

ゴフォッ…………あられもない冤罪だ。というかそんなに通報されるほど、気持ち悪い表情をしていたのだろうか。

 

「………ちょ、ちょっと言葉に棘があるのではなくて?」

 

「そう?事実しか言ってないけれど。あとその言葉使い、面白くないから辞めておきなさい」

 

「…………」

なんか、パンチ強くない!?いや仕掛けた俺が悪いけどさ。

 

「…まあ、話戻しますと。もうこの際くじ引きでいいんじゃないすかね?」

「確かにそれが現実的ね」

 

果林先輩に口論で敵うわけなかった。

 

 

~~

 

 

「なんなんですかこの人たち…」

─互いに笑顔でバチバチに言い合い(果林優勢の直大劣勢)をしていたかと思えば、普通に会話を初める2人を見て、そう呟くかすみである。

 

「さ、さぁ…」

「あ!これが夫婦漫才?なんだね!」

 

「はい?」

 

 

なんだか、大きな勘違いをされている気がする。前々から思ってたけど、エマ先輩に間違った意味の日本語を教えてるやついるだろ!

 

「ちょっと違うわよエマ!大体、私と直大がふ、夫婦なわけないでしょ!」

「そ、そうですよ!それに先輩はまだ籍を入れられる年齢じゃないですし」

 

結構な早口で否定する果林先輩。気のせいか、どことなく、耳が紅い気もする。なんで?

そして何故か、しずくも同調するように口を開く。確かにごもっともだけど、なんかズレてない?

 

「ちょっとカリン~、勝手に相方のホッシー盗らないでよ~」

 

愛はブーブーと文句を垂れた。ん?

 

「おいこらまて、そっちこそ勝手に相方にするんじゃない」

 

「あれ?バレちゃった!?ホッシーはツレないな~」

「残念ながら、魚じゃないんで一生釣られることはない」

 

「そっちの釣られるじゃない気が…」

 

やかましい。そんなことは分かってるって。言葉の綾だ。綾。

あ~もう。なんかややこしくなってきた。

 

「はいはい。じゃあもう決まらないし、くじ引きで」

「直大……もうなんか投げやりになってない?」

 

そんなことないもん。

 

「いや全く。むしろ理にかなってるだろ」

侑さんや。他に良い意見があるなら考えてみそ。

 

 

「でも、くじ引きだと、運ですよねぇ……」

「そうだけど。かすみはくじ引きだと嫌なのか?」

「いや~その…最近のかすみん。くじ引きとは相性悪い気がするんですよねぇ…ほらこの前だって」

 

「あぁ……」

そういや、少し前にオーキャンでの、講堂使用の抽選に外れてたっけ。

 

「まあ、残りものには福があるって言うし、この際そうしたらどうだ?」

「検討しときま~す」

「へいよ。まあそういうことで、とりあえず歌う順番の決め方は保留だな。みんなもそれでいいか?」

 

そう問いかけると、皆頷いたり、返事したりとそれぞれだが、異論はないようだった。

 

そんなこんなで、数日経ち。合同ライブのポスターが完成した。無数の星が煌めく宇宙を背景にそれぞれの学園のスクールアイドルが並んでいた。ちなみに、ポスターをデザインしたのは、彼方先輩だ。

 

「我ながらいい出来~」

 

自画自賛するほどに、先輩は声を鳴らす。流石は、ライフデザイン学科。ポスターのフォントや配置など、センスが良く、ポスターを制作するのにも御茶の子さいさいらしい。

 

「侑先輩は音楽科の補講ですかぁ?」

「うん。今日は小テストだって」

 

そう、音楽科の補講はまだ続いており、今日侑はこの場に居ない。にしても補講って結構かかるんだな。

 

「赤点取らないようにお参りした方がいいかもな」

「もう直くん。そうやって思ってもないこと言っちゃダメだよ」

 

…なんか怒られた。

 

「まあ、センパイが茶化す時って……」

何故かニヤニヤした目で見てくるかすみ。なんだこいつ。

 

「直くんって、ああは言ってるけど、誰よりも侑ちゃんのこと信じてるもんね」

 

「……………」

 

 

な、、なななぁにおっしゃってるのかわっかりませんねぇ。というか、どちらかというと、誰よりもは歩夢のことだろうに。

 

「相変わらずのツンデレ具合ですね。先・輩?」

 

桜坂さんニヤリと微笑みかけないでください。

あと近いです。

「そんなわけないだろ」

「どうだか。ほっんとあざとさの極みですねぇ…」

 

だから、かすみだけには言われとうないんですけどぉ!!

 

「はぁ…もうこの際、なんとでも言うがいいよ」

 

~~~~~

 

 

 

「ってことがあったんだよ」

 

と、最近の出来事を語った俺は無機質で様々な実験道具などが置かれた、ある研究室の椅子へと腰をかけていた。

 

「ふっ……」

 

パソコン片手に話半分で聞いていた、黒髪の青年─桐生戦兎は、鼻で笑った。何故に!?まあいいや。

 

「なあ、俺ってあざといのか?」

 

「あざといんじゃね?」

格闘家のポスターが貼られた壁の前でいつもの日課である筋トレを行いながら、適当に答える万丈。他人事だと思って興味無さそうに答えおって。こっちは真剣に悩んでんのよ。

 

「ゆr……さん……」

 

うん?なんかうめき声が右側から聞こえるような。気のせい────

~な~お~ひ~ろぉぉぉ~~どういうことだぁぁぁ!!このハーレム野郎!」

そう声を荒らげた主は、瞬時にガッと俺の肩を掴み、身体ごと激しく揺らした。というかまたハーレム野郎!?変な異名すぎるだろ。

 

 

「え、ちょっ…な、なになんなのぉぉ!?」

 

脳が揺れる。あのほんとに、脳が震える。

「そんな不名誉な名前は辞めてくれ。第一みんなとはそんな関係じゃない」

「はっ!そんな嘘騙されるかぁ!」

 

いや、もうなんなんこのドルオタ。

 

「それぐらいにしとけよ~。非モテの嫉妬ほど醜いものはないぞ?一海」

 

そう、今俺を揺らしているのは、猿渡一海こと、かずみんだ。どこか彼の逆鱗に触れたのか、怒り顔をむき出しだ。俺…なんかしましたっけ…

 

「…ふん」

 

お、戦兎の言葉にかずみんは、鼻で笑い、俺の肩から手を退かしてくれた。いや~よかった解放された…ん?鼻で笑った?なんでぇ?

 

 

「同じ非モテに言われてもな…」

 

あ…ちょっ…そんなこと言ったら……

 

 

「………それを言ったら戦争でしょうが!」

 

 

ですよねぇ…

 

「おう。やるか」

 

「いやいや、2人がそんなこと言ったら、シャレにならないから!」

思わず、2人の仲介に入り、喧嘩(じゃれ合い)を止めに入る。

 

「なんか、楽しそうだな~」モグモグ

 

万丈(おバカ)はバナナを頬張りながら、呟く。

これを見て、そう思えるのは流石だよ…

 

「でもお前ら、なんでそんな白熱してんだ?」

 

「「はぁ?」」

 

話聞いてなかったんかい!

 

「あ、そうだ!お前あの子とは今どうなんだよ?」

 

かずみんは思い出したかのように万丈に近づき、そう投げかける。

 

「あの子?」

「由衣ちゃんに決まってんだろ?」

 

「あぁ!あいつとは、なんもねぇよ!」

「ほんとかよ」

 

少しの動揺を見せた万丈。

てか、由衣ちゃんさん?って誰だ?

 

馬渕由衣(まぶちゆい)────

そんな?マークを浮かべた俺を見た戦兎が説明した。なんでも、あの地球外生命体、キルバス事件の際に出会った女性で、あの事件以来、休日は戦兎の発明品が売り出されたフリーマーケットで万丈の手伝いをしており、関係ができつつあるとか、ないとか。

 

「こんのぉリア充めぇえええ!」

かずみんはそう言って、プロレス技の如く、万丈の首へ腕を回し、痛み付ける。何すんだよと言いたげに、暴れる万丈。

 

「美空さんが今の光景見たらドン引きしそう」

「刻まれるな」

 

戦兎もかずみんも顔かなり整ってるし、少しの言動とかでモテると思うけど。戦兎は研究一筋だからともかく、かずみんに関しては、心で思うならまだしも、時折ある美空さんへのキモすぎる独り言は特に直した方がいいと思います。はい。

 

 

「みーたん……」

そんな俺と戦兎の会話が耳に入ったかずみんは、急に万丈を解放し、その場で膝から崩れ落ちる。

 

 

「あんなにみーたんに俺の愛をアピールしてんのに…1ミリも伝わってない……」ガーン

 

と、かずみんの周りだけ、フィルターがかかったように暗くなった気がする。やっぱ、アピールの仕方が悪いんじゃないかな。多分。

 

「まあ、そんな話は置いといて、今日の本題に入ろう」

 

そう、戦兎の言うとおり、今日はあることで呼び出されたのだ。北側に住んでいるかずみんが東京に居るのもそのため。

 

「ほれ」

そう言って、ニンジャスクラッシュゼリーを俺に投げ渡した戦兎。どうやら解析は終わったらしい。

 

「それで結局なんの用なんだ?」

 

それまで疑問があったのだろう、かずみんが問いかける。

 

「前に新種のスマッシュが直大の居る学園に出たって言ったろ?」

 

新たなネビュラガスによって、打ち込まれた者は途端に悪意に染まったネオスマッシュへと変貌する。あの1件について、翌日に戦兎へ報告したんだ。そのことを簡単にみんなへ周知させたらしい。

 

「ああ。確か聖吉(しょうちき)たちが変わるスマッシュと一緒で」

 

自我を保つ。だが、敗北=死を意味する。

変身者を救うにはそのガスを浄化し、スマッシュと人を分離しなくてはならない。

 

「そっ。そしてそのスマッシュがまた別で現れた」

 

え?

 

「初耳だ」

「言ってないからな」

 

目撃されたのは、政府機関直属の仮面ライダー緊急通報システムにより、一般市民からの通報で「人がボトルを身体に刺し、変わった化け物を見た」とのことらしい。

ちなみにこのシステムは、最近導入されたもので、政府が未知なる怪物に対し、防衛のために兵器としてじゃなく、1人の戦士として仮面ライダーを採用した。それこれも、氷室泰山(ひむろたいざん)首相が考案したのだ。略してKKS。

 

 

簡単に言うと、通報を受けた近くのライダーがその場へ向かいスマッシュを対処すること。

このシステムに登録されたライダーは俺を省き4人。何故か俺は高校生だからって理由でハブられた。全く子供扱いしないで欲しいもんだ。

 

 

「で、そのスマッシュは?」

「逃亡中」

 

「そっか」

現れたのはお台場のようだ。

なんでまた、俺たちの近くに。

まあ理由は考えるまでもないか。

 

「まあ、そんなこともあって、お前たちのベルトを少し改良を施すために呼び出したんだ」

 

「改良?」

「ああ。直大のあの浄化の力を解析した結果を元に。いざネオスマッシュ相手に俺たちが出くわして、このまま無策なんてわけにもいかないからな」

 

 

確かに俺の場合、一か八かの賭けで何とか救えた、だから偶然の産物に過ぎない。変身者の命がかかっている以上、より正確に確実性のある方法を模索しなくてはいけないのもまた事実。その点、戦兎にはなんか考えがあるみたいでそこは一安心か。

 

やがてそれぞれ、自身のドライバーを戦兎へと渡していく。早速俺も、2人に続いてドライバーを渡そうとするが、

 

「直大のは要らんぞ?」

「え?なんで?」

 

「だって、お前はそのままでもネオスマッシュを浄化出来るじゃん」

「ああ!確かに…」

 

完全に頭から抜けていた。でも、そうなると、戦兎の見解は、現状の俺の戦い方が正攻法だと導きだしたということなのだろうか。え、じゃあ俺を呼び出したのって、スクラッシュゼリー目的?えぇ…

 

 

 

 

 

 

 

 

そこからは近況報告などの談笑で盛り上がる。なにやら、最近nasitaは、店舗とは別に移動販売を始めたらしい。週2日、キッチンカーを走らせ、美空さんが営業しているようだ。かずみんは、隙あらば通ってるんだと。ここまで来ると、半分ストーカーなんじゃ?

 

ここで俺は1つ思い出す。

「あ、そうだ。戦兎に報告し忘れてたことがあったわ」

 

「?」

 

「実は────」

 

俺は話した。つい数日前学園へ現れた、メダルを零すサメの怪人とミイラのあの一件について。

 

「なるほどな」

 

俺の話をに一通り聞いた戦兎は、顎に手を置き、何か考えるように目線を下げた。

 

正直俺だけじゃ、この件について結論を出せそうにない。だから、戦兎たちに話して意見を貰おう。

 

「メダルをおもらしする化け物ねぇ…新手のスマッシュってわけじゃないんだろ?」

 

かずみんの質問に俺は頷く。

「スマッシュとは明らかに別物の怪人って感じ。ただ戦ってて意思はなかったような気がしたかも」

 

「ほぉ~ん」

「メダル……めだる……うーん…」

 

急にブツブツと万丈は何かを思い出そうとするかのように腕を組み唸り始めた。

「なんだ、考え事か?珍しいこともあるんだな」

 

「はあ?俺の事馬鹿かなんかだと思ってんだろ!」

「おん。だってバカじゃん。なっ?」

「いやなっ?って言われても……まあうん…」

 

 

否定できなかった。否定するのが難しい。いや不可だ。

戦兎なんて、無言で頷いてるし。この場の全員満場一致だ。だが、それを壊すように万丈は口を開く。

 

「違う!俺はプロティンの貴公子!バサッ!万丈龍我だ!」

 

と得意げに人差し指を立て、天へ掲げた。

まぁた、やってるよ…飽きないのねそれ。

 

「さて、バカは放っておいて、さっきのことだが───脱線した話を戻した戦兎は自身の見解を述べる。

 

「別世界?」

 

戦兎の見解としては、別世界のライダーと対峙した怪人、それがメダルを零した奴の正体だろうと。それを聞いたかずみんは──

 

「ちょっと待て、別世界のライダーってなんだよ?俺たち以外にもライダーが居るっていうのか?」

「ああ、居る。旧世界、ここ新世界とも違う。様々な仮面ライダーが存在している別の世界」

 

「そんなのがあんのか?」

にわかには信じられないかずみん。無理はないのかもな。ただ、それは真実だ。戦兎の言っていることは、エニグマ事件の際に邂逅した、仮面ライダーたちのことを指しているのだろう。

 

 

「直大と万丈なら、覚えているんじゃないか?メダルの力で戦う。先輩ライダー」

 

ん。メダルの力で………………………………あ。

今までのモヤが晴れ、頭の中で鮮明に浮かびあがる。 下着を長い木の棒へ吊るしたものを持ち、同時に”相棒”の復活という大きな欲望を持って世界中を旅している彼を。

 

そう───

「「パンツの人!」」

万丈とハモってしまった。そうだよ、居たじゃん。特徴的な歌で変身するメダルの力で戦う仮面ライダーが!完全にド忘れしてたわ。

 

「パンツ??」

 

隣のかずみんは訳が分からず、は?と表情に出ていた。戦兎はそんなかずみんを他所に、話を続ける。

 

「そして、直大の話を聞く限り、そいつら自身に意思はなく、気の向くまま…ただ、暴れる。兵器のように」

 

これが、戦兎の見解のようだ。

 

「じゃあ、クローンスマッシュのような再生怪人ってことか…」

 

「恐らく」と戦兎は首を縦に振る。

 

「でもなんで、そんな奴らが出てきたんだよ?」

 

確かに万丈の言う通りだ。

─あの日以来、平行世界への道は閉ざされている。どうやって、別世界の怪人を……

もしかして、新世界を創造した際に何かが起きたのか?いや、分からんな…

 

「さあ?」

戦兎もお手上げだと言わんばかりに、首を傾げる。ただ1つ分かることとすれば、脅威がまた1つ増えた─いや1つじゃないのかもしれない。なんとなく、そんな気がした。

 

ふと、目線を携帯に下げ、時間を確認した。時刻は、19時を過ぎようとしていた。いい頃合いだし、帰るか。

 

「それじゃ、俺は帰るわ」

 

そう言って、帰る支度を始めると、戦兎が話しかけてきた。

 

「直大なら、大丈夫だとは思うが、がんばれよ?試験」

 

俺の直近の試験となると、二輪の免許もしくは、中間テストのどちらかだ。まあ恐らく前者だろう。因みに教習所の中型二輪教習カリキュラムとやらを最短で履修した俺は残すところ、運転免許センターで行う本試験だけだ。

 

「ああ。言われなくても。免許証を持ってまたここに来るよ」

「楽しみにしてる」

 

そうして、俺はこの場を後にした。学生の身分として、学業に直近だと合同ライブ。免許の本試験。オマケに俺たち仮面ライダーへ立ちはだかる脅威。やることなすことで、大変だ。でもいっちょ頑張りますか。

 

─改めて気合いを引き締めた直大は、夜の道を1歩前へ進んだ。そんな同時刻、1人の男が研究室へと足を運んでいた。

 

「……ん……今のは……」

直大とすれ違った、スーツの男は思わず足を止め、振り返る。見覚えのある人物が視界に入ったからか、否か。

対して直大は、立ち止まり振り返るなんてことはなく、変わらず前へ進んでいる。やがて、男はニヤリと笑みを浮かべた。

 

 

「変わってないようだな…」

 

男はそう言って、踵を返し、建物の中へと足を運んだ。

 

続く……

 





19-2話でした。
ということで、恐らくお分かりだったと思いますが、前回の怪人はサメヤミーと屑ヤミーです。レジェンドボトルは玩具で発売こそしてましたけど、使われてなかったのでこういう形で登場させてみました。
ちなみに直大も平ジェネFinalの話は経験済みです。あっちの世界へ万丈と一緒に飛ばされて、レジェンドライダーと邂逅したりと色々。



さてさて
いや~えいがさきも7thライブも最っっっっ高。
第2章は来年の冬!長いようにみえて案外あっという間に公開してそうで怖い。

あとスカルの肖像もダブル見てきた人は絶対見に行った方がいいです。

今年中に何話か更新したい(理想は2期3話の内容まで)
それではまた次回もよろしくお願いします!
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