作者本人がキャラをあまり理解できていないのでだいぶキャラがブレるかもしれません。
竜がブレスを吐いた。
爆音が聞こえる。仲間の声が遠くで叫んでいるように聞こえる。
「今ので何人墜ちた!」
近くを走っていた奴に独り言のように叫ぶと
「金突の第二班の直撃、恐らく全滅です!」
「着いて来い!逆鱗を破壊するぞ!」
8時間に及ぶ戦闘にて竜の飛翼と左目を破壊したが騎士団の大半を失った。この戦闘を終わらせる為に竜の体を登っていく。
「きゅぇ」
共に駆けていた仲間が竜の鱗から噴き出す炎に燃やされたらしい。
なんとか逆鱗を引き抜いたものの、竜は最後の抵抗とばかりに今までと比べ物にならないほど圧倒的な圧を感じるブレスを溜め始めた。
このままでは全滅は免れないと直感的に理解した。
竜の頭部に一番近いのは自分であり幸運な事に防御術式を使えた。
しかし、ブレスを受けると自分達は確実に死ぬだろう。
迷いは無かった。
「すまないなハク。私と一緒に死んでくれるか。」
魔導騎士団設立時からの相棒である騎獣のハクは気にするなと意思を伝えてきた。
「…ははっそうだったな。お前も、俺もそう言う奴だったな。
…よし、最速の獣の名に恥じない最後の走りだ。行くぞ!」
逆鱗のあった場所から走り出し鼻先から飛び出した時にはもうブレスが発射される直前だった。
「ありがとうバク。俺を乗せてくれて。」
ワプラスは己の全ての力を使い竜の大きく開かれた口を自分達ごと包みこんだ。
恐らくそれで稼げた時間はI秒も無かったのだろう。
その僅かな時間で少しでも多くの仲間が生き残る事を願い黒く白い光に呑み込まれ意識を失った。
その意識は2度と戻らない…筈だった。
ーーー
同時刻、オラリアに異変が起こっていた。
今までに経験した事のないほどの風が吹き荒れ、立て付けの悪い建物の屋根が吹き飛んでいた。
また、ダンジョンに存在するモンスターが強さに関係なく何かから逃げ出すように深層もしくは地上に進行したのだった。
偶然、遠征中のロキファミリアの冒険者達が地上に出ようとしているモンスターを殲滅した為特に被害は無かったもののこの原因究明にギルドがその重い腰を上げた。その日から後に遠征に行くファミリアのクエストに異常モンスターの情報収集が追加される事になった。
初期の頃から下界に居る神々の間でとある噂が流れ始めた。
ー3大クエスト級のモンスターが討伐されたと
その噂には信憑性は無く、最後のクエストである黒竜は依然と存在している。
そんな噂は瞬く間に別の噂の影に隠れ忘れ去られてしまった。
そんな神々を尻目に未だ1人も眷属がいない女神ヘスティアは日課とまで感じ始めた冒険者勧誘でことごとく断られホームである廃教会に帰って来た。
ホームの扉を開く直前に住み慣れてしまった廃教会の違和感に気づいた。
一瞬考え出た答えは、自分以外の生物の気配。
それが何なのか全く考えず勢いよく扉を開いた。
「誰だーボクの家に勝手に入るなぁー!」
そう叫んだヘスティアだったが目に飛び込んだ光景に声を失った。
後ろ左脚を失い顔の右半分から背にかけて焼け爛れてなお美しいと思う顔を自神に向けて座り込んでいた。
よく見るとその獣の側に血塗れの人が倒れていた。
自分で考えた敵対魔獣と騎獣を間違えた。
悲しい…
でも、なによりも悲しいのが2ヶ月近く経ってやっと気づいた事。