ONE PIECE ウタのいる世界   作:後門の熊

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後半は割りとそのまんまなので飛ばしてもいいかも


第十話 因縁

 

バギー一味対麦わらの一味。モージはウタとルフィに倒され、カバジはゾロに敗れた。が、その後すぐにゾロが眠ってしまったため、現在戦えるのはルフィ、ウタ、バギーの三人のみだった。そんな中バギーの口から出たのは意外な名前。

 

「赤髪って・・・!?シャンクスの事か!?知ってんのかお前!!」

 

「・・・んん?なんだ・・・興味しんしんだなおい。知ってるがどうした・・・」

 

「今どこにいる?」

 

だがルフィのその問いに対してバギーは意地悪な笑みを浮かべる。

 

「どこに・・・?さァなァ。知ってると言やあ知ってるが、知らんと言やあ全く知らん・・・!!」

 

「何言ってんだお前!!ばかか!」

 

「馬鹿とは無礼だなコラ!!」

 

「ルフィ、コイツは元々シャンクスと同じ船に乗ってたんだよ」

 

バギーが答えをはぐらかそうとするもシャンクスの話を思い出したウタがそのことを明かす。

 

「ああ?なんで知ってやがんだてめェ・・・」

 

「私は元々シャンクスの船に乗ってたから。シャンクスからあんたの話も聞いたことがあるだけ」

 

「コイツ、シャンクスの船に乗ってたのか!?」

 

「馬鹿言え!誰があんなやつの船になんて・・・俺ァまだ見習い時代にあいつと同じ船にいた、いわば同志だな」

 

「はァ!?お前と同志!?シャンクスは偉大な男だ!!お前と一緒にすんな!!」

 

「ルフィ、あれは一応事実だよ。シャンクスも言ってたし」

 

「え!?」

 

同じ環境で育ったのなら何故こんなにも違うのか。ルフィがそう驚くもウタはそもそも聞いていた話と少し違うことに驚いていた。

 

「シャンクスは確かにアンタの事を同士だって、仲間だったって言ってたよ。でも・・・シャンクスから聞いてたアンタと今のアンタが結び付かない。確かにお宝にがめつい男だったけど良い奴だったって言ってたのに・・・・・・何があってそうなったの?」

 

「アイツ相変わらず俺のことそんなふうに思ってんのか・・・・・・アイツのお人好しも変わんねェな。俺は別に元々こんなだぜ。海賊なんだ、奪って何が悪い。そもそも海賊になっても世界を旅するとか何とか言ってるアイツの方がおかしいんだ」

 

バギーの言っていることは一つの真実ではあった。実際海賊と言えば、悪党たちが海の上で徒党を組んでいるだけのようなもの。ルフィやシャンクス達のように略奪をしない方が珍しいとさえ言える。だが、

 

「そもそも大海賊時代の始まりはロジャーの宝探しでしょ?シャンクスやルフィはそれを目指してる。アンタらはただそういう本当に海賊王の宝を見つけたい人の陰に隠れてコソコソ人からものを奪ってる悪党だよ」

 

「てめェ・・・・・言ってくれんじゃねェか。そこまで言うからには死ぬ覚悟は出来てんだろうな。あァ!?」

 

「私は、私達は夢の為に生きてるんだよ。その為に海が弱点なのに海に出た。死ぬ覚悟なんてとっくにできてる。でもそれはアンタに負けると思ってるからじゃないけどね」

 

「お前が本当にシャンクスと同じ船に乗ってたかどうか俺には分かんねェけど、少なくともお前とシャンクスは違う!!一緒にすんじゃねェ!!!」

 

「がはははは!!そういう事は俺に勝ってから言うんだな!!まァ、その前に殺してやるさ!!!」

 

そう言ったバギーを見据えて、ルフィはウタに言う。

 

「ウタ、コイツの相手は俺にやらせてくれ」

 

「ルフィ・・・・・でも私もコイツには・・・」

 

「分かってる。でも俺もコイツが許せねェ。こんな奴がシャンクスと同志ってことが許せねェ!それにもしそうならシャンクスとの約束の為にも越えなきゃいけねェ奴だ」

 

「・・・・・・・・・それを出されたら私は何も言えないよ。でも、私の分もちゃんとお願いね!」

 

「任せろ!!お前の分も殴ってくる!!!」

 

そう言ってウタが少し離れている間にバギーが靴を踏み鳴らすとその先から刃が飛び出す。

 

「ゴムでも刃物ははね返せまい」

 

「うん、むり」

 

「そんな正直に言わなくても・・・」

 

「バ〜ラ〜バ〜ラ〜・・・」

 

バギーが右足を上げ、ぐぐぐ・・・と体を捻る。そして、

 

「せんべいっ!!」

 

勢いよく振り抜くと同時に腰を切り離せばまるでブーメランのようにルフィ目掛けてナイフのとび出た下半身が飛んでくる。それをジャンプして避けたルフィにバギーは手に持ったナイフで更に追撃を仕掛ける。

 

「空中は身動きが取れんだろう!!」

 

何本ものナイフがルフィを襲う!!しかしルフィは余裕そのもの。

 

「とれるさ」

 

と言うと近くの建物に手を伸ばし掴むと自分の体を引き寄せてナイフを回避する。

 

「ほほう!!そう来たか面白ェな!!」

 

「お前もな!ゴムゴムの・・・」

 

バギーの下半身が元に戻るのと同時にルフィは自分の右手を後ろに伸ばす。

 

(ピストル)!!!」

 

だがバギーも伊達に海賊達の船長をやっていない。サッと回避すると、

 

「面白ェ能力だが・・・・・・!!伸びきった腕は隙だらけだな!!」

 

ナイフをその腕に振りかぶる。

 

「斬りキザんで・・・!!」

 

だがバギーはルフィが再び伸ばした先の建物を掴んでいることに気づかない。

 

「ゴムゴムの・・・」

 

「や!!?」

 

先程避けた時と同じようにルフィがゴムの弾力を利用して接近する。

 

「“バラバラ緊急脱出”っ!!」

 

「鎌っ!!」

 

腕でラリアットのように攻撃したルフィだったが狙った首を切り離され、空振りに終わり、とんだ先の瓦礫に埋もれる。

 

「がっはっはっは!甘いわゴムゴム!!」

 

「むんっ!!」

 

瓦礫を跳ね除けてルフィが飛び出る。

 

「くっそー。バラバラバラバラ分解しやがって」

 

それを見ていたナミやバギーの部下はこの世のものとは思えない奇妙な戦いに絶句していた。

今度はバギーがその手にナイフを握ると

 

「バラバラ砲ーーーーうっ!!!」

 

ナイフごとその右手をルフィに向けて飛ばす。

 

「ふんっ!!!」

 

ルフィはそれを真正面から掴んで止めるもそれは悪手。

 

「切り離し!!!」

 

「うわっ!」

 

ルフィが掴んだ所から更に先を切り離して飛ばす。バギーの体は自在にバラバラにできる。部位で別れている訳では無いのだ。

何とか避けるもそのナイフがルフィの顔と、そして何よりも大切な麦わら帽子に傷を付けた。

 

「この野郎ォ!!!」

 

「なんだ?顔は傷つけちゃマズかったかい」

 

「よくもこの帽子に傷をつけやがったな!!!」

 

「は?」

 

「これは俺の宝だ!!!この帽子を傷つける奴は絶対許さねェっ!!!」

 

だがそれを見てバギーはニヤリと笑い、

 

「そんなに大事な帽子なのか?」

 

「そうだ!!」

 

そのルフィの背後では先程飛ばしたバギーの右手。まだナイフを握ったままだ。そのうちの一本を投擲。ルフィが突然の奇襲に体勢が崩れたところに本命の手自体が飛んでくる。

 

「大事ならちゃんと守れ!!!」

 

ズバッ!!!

 

飛んできた右手のナイフは見事に麦わら帽子を捉え、三本の傷を作る。

そのまま帽子は右手と一緒にバギーの元へ。

 

「がはははははは。こんなくたびれた帽子の何が宝だ!!!」

 

ルフィは今まで見せたこともないほど険しい顔になると、

 

「それはシャンクスとの誓いの帽子だ!!!」

 

「何い?・・・て事ァこりゃシャンクスの帽子かよ。道理で見覚えがある訳だぜ・・・・・・!!!」

 

そう言うとバギーは帽子を地面に投げ捨て唾を吐きかける。それを見たルフィは更に怒りのボルテージを上げていく。

 

「シャンクスの帽子に・・・・・・」

 

「バラバラ緊急脱出っ!!」

 

再び拳を構えたルフィにバギーも再び体を分解して避けようとする。が、

 

「何すんだ!!!!」

 

ズドォ!!!!!

 

分解しなかった腹の部分にルフィの蹴りが突き刺さる。それを見たウタは密かに、

 

(ルフィってこんな頭使った戦い方できたんだ・・・・・・)

 

と、ルフィも成長したかとちょっと感動していたがそれはさておき、見事に蹴り抜かれたバギーが吹っ飛び、背中から地面に倒れ込む。

 

「ちきしょう!俺の宝をあんなにしやがって!!唾まで吐きかけやがったな!!」

 

そう言うとバギーに馬乗りになり唾の着いた部分をバギーに擦り付ける。汚い。

 

「うべ!うべべっ!!きたねェやべろっ!!」

 

「お前のつばだろうが!!」

 

そして何よりガキっぽい。ウタはやっぱり気の所為かと頭を抱える。ルフィはバギーの頬を掴んで引っ張ると、

 

「お前とシャンクスが同志だなんて二度と言うんじゃねェっ!!」

 

「けっ・・・てめェとシャンクスがどういう繋がりなのかは知らんがな!!俺がアイツをどう言おうが俺の勝手だ!!!」

 

そして腕を広げて、

 

「これでも喰らえ!!バ〜ラ〜バ〜ラ〜・・・「分解すんな!!」

 

「んぼ!!!」

 

分解しようとしたバギーの眉間にドスッ!と手刀を入れて阻止する。ルフィが優勢になりつつあったが何とか振り払い立ち上がるとバギーは自分とシャンクスの因縁を語り始めた。

 

見習いだった彼らは日頃から互いに意見が合わず、喧嘩ばかりしていた。

だがある日バギーは敵船と戦闘中、偶然にも宝の地図を発見した。その宝の地図を隠し、自分だけのものにしようとしていたバギーだったが更なる幸運が訪れる。何と敵船からの戦利品に“悪魔の実”があったのだ。それの目玉が飛び出るような値段を知ったバギーは一計を案じ、偽物とすり替えてそれを食べたように見せ掛け、本物の方もまた、自分の懐に入れた。

だが見つかりそうになった時、咄嗟にその悪魔の実を口の中に入れてしまい更にその状態でシャンクスに驚かされ(本人に驚かした自覚は無い)それを本当に飲み込んでしまった。彼にとっての不運はまだ続き、その拍子に宝の地図も海に落としてしまう。本来なら泳ぎの得意なバギーは取りに行けたがカナヅチになった彼はもう泳げない。結果、シャンクスに助けられたバギーは宝の地図も値千金の悪魔の実も両方失ったのだった。

 

それを聞いたルフィは、

 

「へーー。シャンクスが助けてくれたのか」

 

「俺が言いてェのはそこじゃねェだろ!!あいつのお陰で俺の人生計画は一気に10年の遅れを取ったんだ!!!そして俺は吹っ切れた!!海中がダメなら海上の全ての財宝を俺のものにしてやるとな!!このバラバラの能力で!!」

 

そう言ってバギーは上半身だけ浮かび上がる。そして倉庫の方を向くと、

 

「だから俺の財宝に手をかけるやつはどんな虫けらだろうと絶対に・・・!」

 

そこには正に宝を運びだそうとしているナミの姿が。

 

「あ」

 

「生かしちゃおかん!!!」

 

「え・・・」

 

まさかの奇襲にルフィもナミも対応が遅れる。

宝とナミの運命は!!

 




今にして思えばバギーって知らなかったとはいえとんでもないことやらかしてますよね。あれ船長の形見でもあるんでしょ?本編で麦わら帽子に傷付けてるのコイツだけですよ。なんてことしてんだコイツ、唾までかけて。

ウタに戦わせようかとも思ったんですけどやっぱりルフィに頑張ってもらいました。ちょっと甘々成分を入れて(入ってるか?コレ)。

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