ONE PIECE ウタのいる世界   作:後門の熊

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第十二話 楽に行こう!!

 

「勝った!!」

 

「あー疲れた」

 

バギーを吹っ飛ばし、ルフィが高らかに宣言する。それに対してウタは心底疲れたという表情だ。

 

「これで改めて仲間になるんだよな!」

 

手を組む(・・・・)の!!いいよ!あんた達といると儲かりそうだしね!」

 

そんなナミはバギーが残した宝を抱き抱えてにっこりと笑う。

 

「バギーったら流石財宝にこだわる奴だけあって宝の質がいいの!これだけあれば一千万ベリーはくだらないはずよ」

 

「嬉しそうね」

 

「そりゃもう!こんなにお金があるのよ!嬉しくないわけないじゃない!」

 

一方ルフィは真剣な顔でバギーに傷を付けられた麦わら帽子を見ていた。

 

「そんなに大切なの?その帽子・・・」

 

「そりゃね。ルフィにとっては命の恩人から預かってるものだから。あれを返すことも旅の目的の一つだし」

 

「ふーん・・・」

 

「でもまあいいや!まだ被れるし!バギーもぶっ飛ばしたから気は済んだ!!」

 

「・・・・・・・・・」

 

ルフィは明るげにそう言うがウタとしてはルフィが小さい頃からどれだけその帽子を大事にしていたかを知っている為、複雑な心境だった。

 

「おいゾロ起きろ!行くぞ」

 

「ん?・・・・・・・・!カタは着いたのか・・・・・・」

 

「ああ、海図も宝も手に入れた」

 

ルフィに起こされたゾロだったが、さすがに血が足りないのかまともに立つことも出来ない様子だ。

 

「・・・あーダメだ、歩けそうにねェ」

 

「当たり前よ。それで歩けたら人とは認めないわよあんた達二人」

 

「なんで俺も入ってんだ」

 

「あんたが一番疑わしいのよ!!」

 

「あはは・・・」

 

実は自分もおよそ人間とは言い難い能力を持っている身から、苦笑を浮かべるウタ。すると四人が談笑している所へ大勢の申し訳程度の武装をした集団が現れる。

 

「君達・・・俺達はこの町の住人だ。海賊の仲間わけでも起きたのか・・・何か知ってたら教えてくれ・・・!!」

 

「なんだ・・・町の人か。まだ仲間がいたのかと思った」

 

一瞬警戒したナミだったが彼らの言葉を聞き警戒をとく。同時にこれは得をするチャンスだとも考え、

 

「教えろと言われたら教えない事もないんだけど・・・」

 

「あ!!町長っ!!」

 

何とかしてお金をぶんだくろうとしたナミだったが、街の人が倒れた町長を見つけた事で遮られる。

 

「何て事だ!!しっかりして下さい!!」

 

「くそっ!!一体ここで何があったんだ!!」

 

「海賊たちの仕業に違いない!!」

 

ここまで来てこの先の展開が読めたウタはゾロに肩を貸し、立ち上がらせる。

 

「あ?」

 

「いいから。どうせすぐ逃げることになるよ」

 

「は?」

 

「あ、ごめん。そのおっさんは俺がぶっ倒した!」

 

「「「何!?」」」

 

ギロッ!!と町民たちの鋭い視線がルフィ達の方をむく。

 

「ちょっと!そんな事わざわざ言わなくても!」

 

「見てたろ」

 

「見てたけど!!それにはちゃんと理由が・・・」

 

「お前らうちの町長をこんな目にあわせておいて!」

 

「言い訳は聞かんぞ!!」

 

「何者だ!!まさか海賊か!?」

 

そこまで行くとウタに支えられたゾロにもこの先が読めた。

 

「・・・そういう事か」

 

「そういう事。怪我してるんだから早めに準備しておかないとね。ほら刀差して」

 

ここでバカ正直に自分達は海賊や泥棒だなどというバカは居ないだろう。だが残念な事に、ルフィはバカだった。

 

「海賊だ!!」

 

「行くよ!ルフィ肩貸して!ナミも急いで!!」

 

「ばかっ!!!ああもう!!」

 

「ほんとだろ!!」

 

ウタの掛け声で四人は港へと駆け出す。流石にウタだけでゾロ+刀三本は運べない。ルフィと二人でゾロを担ぎ、急いで船へと向かう。

 

「何であんたは話をややこしくすんのよ!!」

 

「いい町だな!!」

 

「え?」

 

突然のルフィの言葉にナミが意味がわからず聞き返す。ルフィは笑いながら、

 

「町長のおっさん一人のためにあんなにみんなが怒ってる!どんな言い訳してもきっとあいつら怒るぜ!」

 

「またたまにルフィは物事の核心を付くよね・・・」

 

やがて四人が路地に逃げ込むと後を追う町民たちの前にシュシュが立ち塞がる。

 

「ワン!!!」

 

「うおっ!!」

 

「「シュシュ!」」

 

「犬っ!」

 

唸り声を上げてシュシュが町民達を威嚇する。町民達はわけも分からず戸惑うばかりだ。

シュシュの足止めのお陰で大きく町民達を引き離したルフィ達はなんとか船へとたどり着く。

 

「はあー怖かった。シュシュのお陰で何とか逃げきれたわ。なんで私達がこんな目に遭わなきゃなんないの?」

 

「いいだろ別に。俺達の用は済んだんだから!」

 

「そうそう」

 

「そりゃそうだけどさ」

 

ナミの船にバギーの手下三人が隠れていたなどのトラブルはあったが、ゾロの顔を見て逃げていったので特に問題は無い。

 

「・・・ねェあんた達、その船一つで旅をしてるの?」

 

「そうだけど?」

 

「・・・ウタ、こっち来る?」

 

「え!?いいの!?やったー屋根付き!」

 

「あ!ウタズリィぞ!」

 

「ふふーん!レディーファーストってやつよ」

 

まさかこんな小さな船でしかも男女三人で旅をしていたとは思わなかったナミはウタを自分の船に誘う。

なんやかんやありつつも出港した直後、

 

「おい待て小童共!!!」

 

「町長のおっさん!」

 

急いで走ってきたのか息をゼェゼェときらせた町長が息を整え、顔を上げると、

 

「すまん!!!恩にきる!!!!」

 

涙ぐみながらルフィ達に叫ぶ。それを聞いたルフィはニカッと笑うと、

 

「気にすんな!!楽に行こう!!」

 

たった一人、町長に見送られ、船は往く。しばらく行ったあと、ナミの叫びが海に響いた。

 

「何ですって!?宝を置いてきたァ!?」

 

ナミがルフィに預けておいたバギーの宝の半分を、ルフィは町にそのまま置いてきていた。

 

「あんたには半分預けて置いたのよ!?五百万ベリーよ!?」

 

「ああ、だって町ぶっ壊れて直すのに金がいるだろ」

 

「あれは私の宝なの!!!」

 

怒ったナミがルフィに泳いで取って来させようと海に押し込もうとする。

 

「やめろ!!俺は泳げないんだ!!欲しけりゃもっかい取ってこいよ!!」

 

「そんなことできるか!!次やったら殺すわよ!!」

 

「だはははははははは・・・!!」

 

「あっはっはっはっは!!!」

 

だが船に腰掛けて天を仰いだナミの顔も同じく笑っており、

 

「ばーか」

 

「なんだ笑ってんじゃんお前」

 

「うっさい!!」

 

「よーし!歌っちゃおう!!新しい仲間の歓迎会!!」

 

「仲間じゃない!!」

 

笑い声を乗せ、二隻の船は次なる島へ。果たして次はどんな冒険が待っているのだろうか?

 




もしかしたら珍獣島の所はカットするかもしれないです。ウタが居ても相槌打つだけな気がする。

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