カヤの仲裁により喧嘩別れのような形でウソップは屋敷を出ていった。
その後どこかへ行ったウソップを追い掛けたルフィ以外の三人はウソップ海賊団のピーマンとにんじんと一緒にいた。
「ねェルフィどこ行ったの?」
「ウソップ追い掛けてったよ。何か心当たりがあるとか言ってたけど・・・」
「キャプテンならあそこだ!」
「うん、海岸だ。何かあるととりあえずあそこに行くんだ!!行ってみる?」
「いやいい・・・」
ウタも何か頭に引っかかってはいたのだがそれが何かまでは決定的に掴めていなかった。
「それよりあんた達ひとり足りないんじゃない?」
「ああたまねぎ!」
「あいつすぐどっかに消えちゃうんだよな」
「うん。そして大騒ぎして現れるんだ」
「あんな感じ?」
「うんあんな感じ」
ウタが指さした方には大慌てで走ってくるたまねぎの姿が。
「わああああああ!大変だああああああ!!」
「どうしたの?」
「う!ううう!後ろ向き男だあ〜〜〜〜っ!!」
猛ダッシュで走ってきたたまねぎは息を切らせながら自分が来た方向を指さす。
「変な人が後ろ向きで歩いてくるんだよっ!」
「「うそつけ」」
「ほんとだよ!!あれ見て!!」
そこには確かにツィ、ツィと後ろ向きのまま歩いてくる変な男がいた。やがてウタたちの所まで来ると、
「オイ誰だこの俺を“変な人”と呼ぶのは!俺は変じゃねェ!!」
「変よどう見ても」
「バカを言え。俺はただの通りすがりの催眠術師だ・・・・・・」
それを聞いた子供達が初めて見る催眠術師に興奮しだす。
「さ・・・催眠術!?すげえ!!」
「やって見せてくれよ!!」
「うん、やって!!」
「何!?バカヤロウなんで俺が見ず知らずのてめェらに初対面で術を披露しなきゃならねェんだ」
そして懐から紐の着いた輪っかを取り出すと、
「いいか、よくこの輪を見るんだ」
「やるのか」
ゾロがツッコむもそれを無視して、
「ワン・ツー・ジャンゴでお前らは眠くなる。いいか、いくぞ・・・ワーーーーーンツーーーー・・・」
輪っかをじっと見つめる子供達と顔の前で輪っかを振るジャンゴ。
「ジャンゴ」
バタン
「あんたも寝んの!?」
「おいこいつなんなんだ!!」
その瞬間倒れる子供達とジャンゴ。自分の催眠術を自分で見てしまったようだ。
「オイこいつらどうする?」
「どうするって・・・起こすしかないでしょ」
「おーい起きろー」
ウタ達は寝てしまった四人を起こす。幸い眠りは浅かったようですぐに目を覚ました。
「あ・・・ああ悪かったな・・・・・・ああ!いけねェ!こんな時間か!!」
目を覚ましたジャンゴは時間を確認すると急いで立ち上がる。
「ヤベェヤベェ・・・あいつの予定を狂わせちゃいけねェ・・・・・・!!」
「大丈夫?」
「悪ィが急いでるんだ!じゃあな!!」
そう言ってジャンゴはなにかに怯えるように走り去っていった。
「結局なんだったんだアイツは・・・」
「さァ・・・?」
「あれ?あっちって・・・」
「どうしたの?」
ふと何かに気付いたようなピーマンの言葉にウタが問い掛ける。
「あっちは海岸だよ。それ以外は何も無いはずなんだけど・・・」
「ふーん・・・」
少し嫌な予感のしたウタだったが気の所為と片付けていた。それが確信に変わったのはそれから数分後・・・
ドドドドドドドド
「あ!キャプテン!」
ドヒュン!!
突如猛ダッシュで走ってきたウソップ。子供達の声も聞かずに街の方へ走り去って行った。
「あれ?ルフィは?一緒じゃないのかな・・・」
「まだ怒ってんのかしら、お父さんバカにされたこと」
「さァな」
だがウソップ海賊団の面々がそれを否定する。
「違う!今の顔は違う!!」
「うん!!何かあったんだ。今海岸で!!」
「あんなにも血相を変えてどうしたんだろう!!」
それを聞いたウタ達は顔を見合わせる。なんにせよ一緒に行って戻ってきていないルフィがどうなったか見に行かなくては。
「おい・・・その海岸へはどうやって行けばいい」
「なんかさー、事件の匂いがしないか!?」
「うん、さっきの催眠術師もあっち行ってたしな!!」
「うんうん!!ウソップ海賊団出動かなァ!!」
「分かったからどう行きゃいいんだ」
そして子供達の案内でウタ達は海岸へ向かった。
シロップ村・海岸
「で、何してんだコイツは・・・」
「あの催眠術師じゃない?ルフィそういうの掛かりやすいから・・・」
その時、パチンッ!とルフィの鼻ちょうちんが割れてルフィが目を覚ます。
「んあ?あれ?お前らなんでここにいるんだ?」
「「「逆になんでここで寝てんだよ」」」
「ああ!そうだ!大変なんだ!」
目を覚ましたルフィが語ったのは衝撃の事実だった。
「えーーーーーっ!!!」
「カヤさんが殺される!?」
「村も襲われるって本当なの!?麦わらの兄ちゃん!!」
「ああ、そう言ってた。間違いねェ!!」
ルフィが語ったのは先程この海岸でかわされていた密約の内容。クラハドールが実は少し前に名を馳せていたキャプテン・クロでありあの催眠術師はその部下だった。
「やっぱりあの羊悪党だったんだ!!」
「どーりで感じ悪いハズだっ!!」
「催眠術師もグルだったんだ!!」
「そうか・・・それであんた達のキャプテン、あんなすごい形相で走っていったのね、村の方へ」
納得が行ったようにナミがそう言う。
「よかったじゃない、先に情報が入ってさ。逃げれば済むもの、敵もマヌケよね!」
それを聞いた子供達が急いで家に帰っていく。そんな中ウタは一人真剣な顔で考えていた。
「どうしたの?ウタ」
「うーん。私聞いたことあるんだよね、その“百計のクロ”の噂」
「そうなの?」
「うん。計画的な犯行で名を馳せた海賊だったんだけど・・・海軍に捕まったって聞いたハズ」
「ふーん。それがどうしたの?」
「ルフィが寝てたってことは確実に催眠術師に存在がバレてるでしょ?それで見逃すってあり得ると思う?そんな計算高い海賊が」
「・・・・確かにそうね」
「やばいっ!!」
その時、ルフィがなにか思い出したように叫ぶ。
「なに!?まだ何か言ってないことでも・・・」
「食糧早く買い込まねェと肉屋も逃げちまう!!」
「「「・・・・・・」」」
「はァ・・・一旦村に戻ろう。食糧を買い込まなきゃ行けないのも確かだし」
そして四人は村へ戻って行った。途中で再び子供達と合流した後、村から歩いてくるウソップを発見する。
「あ!!!キャプテン!!!」
「・・・よお!!お前らか!」
そしてウソップはルフィを見ると、
「げっ!!お前っ!!生きてたのか!!」
「生きてた?ああ、さっき起きたんだ」
「ずっと寝てましたこの人」
「どうしたの?死人でも見たような顔して」
「いや・・・え?だってお前・・・え?」
「そんな事よりキャプテン!!話は聞きましたよ!!海賊達のこと早く皆に話さなきゃ!!」
「みんなに・・・・・・!!」
ピーマンのその言葉にウソップの顔がひきつる。
彼らは知る由もないが、ウソップは既に村には知らせていた。しかし、毎朝のように同じ
ウソップは左手を後ろに隠し、
「はっはっはっはっはっはっは!!!」
「?」
「いつものウソに決まってんだろ!!あの執事の野郎ムカついたんで海賊にしてやろうと思ったんだ!!」
「ん?」
「「「・・・・・・・・・」」」
「えーーーーっ!!ウソだったんですか!?」
「なーんだ。せっかく大事件だと思ったのに」
「くっそー!麦わらの兄ちゃんもキャプテンの差し金か!!」
「え?いや俺はモゴ」
「・・・・・・」
痛みを押し隠し、全てを嘘だと言い張るウソップ。それに反論しようとするルフィの口をウタが抑える。ウタは地面に滴るウソップの血に気付いていた。
「・・・・・・でも俺、ちょっとキャプテンを軽蔑するよ」
「俺も軽蔑する!!」
「僕もだ!いくらあの執事がやな奴でもキャプテンは人を傷つける様なウソ、絶対につかない男だと思ってた・・・!」
三人はそう言って村へ帰っていった。やがてルフィ達とウソップは海岸に戻り、そしてウソップからことの全てを聞いていた。
「俺は嘘つきだからよ。ハナっから信じてもらえるわけなかったんだ!俺が甘かった!!」
「それであの執事はウソップを見逃したのね。毎日ついてるウソがまさか現実になるなんて村の人たちも思ってないわけだ」
「でも甘かったって言っても事実は事実、海賊は本当に来ちゃうんでしょう?」
「ああ間違いなくやってくる。でも皆はウソだと思ってる!!明日もまたいつも通り平和な一日が来ると思ってる・・・!!だから俺はこの海岸で海賊共を迎え撃ち!!!この一件をウソにする!!!!それが嘘つきとして!!通すべき筋ってもんだ!!!!」
「「「「!」」」」
「腕に銃弾ブチ込まれようともよ・・・ホウキ持って追いかけ回されようともよ・・・!!ここは俺の育った村だ!!」
そしてウソップは涙を流しながら思いを吐露する。
「俺はこの村が大好きだ!!!皆を守りたい・・・・・・!!!こんな訳も分からねェうちに・・・!!みんなを殺されてたまるかよ・・・・・・!!!」
「「「「・・・・・・」」」」
「とんだお人好しだぜ。子分まで突き放して一人出陣とは・・・!!」
「でもルフィ、こういう人ほっとけないでしょ?」
「ああ!!俺達も加勢する!!」
「言っとくけど宝は全部私の物よ!」
「え・・・」
その言葉にウソップが言葉を失う。援軍の存在は予想もしていなかったのだ。
「お前ら・・・一緒に戦ってくれるのか・・・・・・!?な・・・何で・・・」
「だって敵は大勢いるんだろ?」
「恐ェって顔に書いてあるぜ」
「お!!俺が恐がってるだと!?バカ言え!!大勢だろうと何だろうと俺は平気だ!!!なぜなら俺は勇敢なる海の戦士、キャプテン・ウソップだからだ!!!」
だが言葉とは裏腹に彼の脚はガクガクと笑っている。何とか止めようとするがそう簡単に恐怖は覆せない。
「くそっ!!くそっ!!見世物じゃねェぞ!!相手は
「誰も笑ってないじゃん。立派だって思うから手を貸すんだよ」
「同情なんかで命縣けるか!」
「!!う・・・・・・・・・!!・・・お・・・お前ら・・・・・・・・・!!」
「で?どうすんの?それでも嫌なら私たちは手を出さないけど」
「・・・・・・・・・すまねェ!!恩に着る!!!」
ここに協力関係を結んだルフィ達とウソップ。問題は迫る大群をどうやって撃退するかだった。
「この海岸から奴らは攻めてくる。だがここから村へ入るルートはこの坂道一本だけだ!あとは絶壁!!つまりこの坂道を死守出来れば村が襲われることはねェ!!」
「そうか、簡単だな!」
「口で言うのはな!後は戦力次第・・・お前ら何が出来る?」
「斬る」
「のびる」
「歌う」
「盗む」
「隠れる」
「「「「お前は戦えよ!!」」」」
そんなこんなで彼らは準備を進める。いくら守りやすい地形とはいえ相手は海賊団。相当の人数がいるのだから、何かしらの作戦は必須だ。彼らの考えた作戦とは・・・
「よし!完璧だ!!これで奴らはもうこの坂道を登れない!!ここに敷きつめた大量の油によってな!」
油を敷き詰め、それに滑っている間にぶちのめす作戦だった。そして準備が終わった頃、水平線から太陽が顔を出す。
「夜明けだ。来るぞ・・・」
人知れず、彼らの村を守る戦いが始まる。
はずだった。
「来ねェなァ・・・朝なのに・・・・・・」
「寝坊でもしてんじゃねェのか?」
太陽が登ったというのに、海賊達は現れない。その時、ウタの耳が何かを捉える。
「・・・ねェ、なんか北の方から叫び声が聞こえるんだけど・・・」
「・・・ほんと!聞こえるわ!!」
「北!?」
「おいどうした!!」
「き・・・北にも上陸地点がある・・・!!まさか・・・」
「海岸間違えたのか!?もしかして!!」
「だってよ!あいつらこの海岸で密会してたからてっきり!!」
「急ごう!!村に入っちまうぞ!!どこだそれ!!」
「ここから真っ直ぐ北へ向かって走れば三分で着く!地形はほぼここと変らねェから坂道で食い止められりゃいいんだが!!」
「ねェ待って!北の海岸って私たちの船があるところだよ!!」
「まずいっ!!船の宝が取られちゃうっ!!」
「20秒でそこ行くぞ!!」
「あ!!まってルフィ!!アンタ絶対迷うからあ〜〜!!!」
駆け出したルフィを追い掛け、ウタも走り出す。なにやら後ろでもゴタゴタがあったようだが構っていられない。最高戦力であるルフィを欠いては数で勝る黒猫海賊団相手に勝てるわけも無い。
「北へ真っ直ぐ!北へ真っ直ぐ!」
「そっちは北じゃなーーいっ!!!」
残念ながらウタの警告もルフィには届かない。既にかなり離れている上に、こうなったルフィは周りのことが見えなくなる。そして案の定、
「あれ!?村に出ちまったぞ!?おっかしいなー北ってゆうから寒そうな方角に来たのにっ!!」
「馬鹿!!」
迷いに迷ってルフィとウタは村まで出てしまう。この時北の海岸では既に先に着いたウソップとナミが海賊たちと接触、戦闘を始めていた。
「着いてきてルフィ!急ぐよ!!」
「おうっ!!」
そしてウタの案内で海岸に辿り着く。タイミングはちょうどゾロと同じ、ウソップとナミを打ち倒した黒猫海賊団が坂を駆け上がっていく所だった。目の前に現れた
「ナミてめェ!!!よくも俺を足蹴にしやがったな!!!」
「ウソップこの野郎!!!北ってどっちかちゃんと言っとけェ!!!」
「ハァ・・・ハァ・・・何とか間に合った・・・」
この小説を読むような人でハロウィンウタちゃん見なかった人はいないと思いますが・・・見ましたあれ!?可愛すぎでは!?てかコレもしかして今後もウタの新しい映像ちょいちょい期待してもいいんですか!?
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