ONE PIECE ウタのいる世界   作:後門の熊

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最初にウタの歌はそんなに使わないと言ったな。
あれは嘘だ。
何だかんだウタが歌ってるところ一番想像しやすいから使っちゃうんだよなァ


第十七話 戦う理由

 

「クラハドール!!!もうやめて!!!」

 

カヤの登場にその場に居た全ての者が驚く。ジャンゴ達は希望を、ウソップ達は焦りを覚える。流石のクロもこれには驚きを隠せない。

 

「これは驚いた・・・・・・お嬢様・・・・・・。何故ここへ・・・?」

 

「メリーから全部聞いたわ」

 

「・・・・・・ほう。あの男、まだ息がありましたか。ちゃんと殺したつもりでしたが(・・・・・・・・・・)・・・・・・」

 

その言葉にいよいよカヤもウソップが伝えに来た言葉が本当だったのだと確信する。メリーが襲われても今だ信じたくなかった事だったがここまで来れば認めるしかなかった。

 

「ごめんなさい、ウソップさん・・・!!」

 

「!」

 

「謝っても許して貰えないだろうけど・・・・・私・・・・・・!!どうしても信じられなくって・・・!!クラハドールが海賊だなんて・・・」

 

「そんな事はどうでもいいっ!!何でここへ来たんだ!!俺は逃げろって言ったんだ!!!お前は命を狙われてるんだぞ!!!」

 

その言葉にカヤは涙を浮かべながら叫び返す。

 

「あなたは戦ってるじゃない!!!!私達はウソップさんにあんな酷い仕打ちをしたのに!!そんなに傷だらけになって戦ってるじゃない!!!」

 

「おれは・・・だから・・・!!ゆ!!勇敢なる海の・・・」

 

言い訳を言いかけたウソップの言葉を無視し、カヤはクロに交渉する。

 

「クラハドール!!!私の財産が欲しいのなら全部あげる!!!だからこの村から出て行って!!!」

 

しかし財産(ソレ)はクロの目的のひとつでしかない。彼の求めるものはもうひとつ。“平穏”だった。その為には事故(・・)でカヤが死に、その遺書で財産をクラハドールが相続する。この二つは絶対条件だった。

そんな残酷な事実を告げられたカヤが唖然とする。

 

「逃げろカヤ!!そいつにゃ何言っても無駄なんだ!!!お前の知ってる執事じゃないんだぞ!!!!」

 

その言葉にカヤも覚悟を決める。懐から(ピストル)を取り出し、銃口をクロに向ける。

 

「村から出て行って!!!」

 

「なるほど・・・この三年であなたもだいぶ立派になられたものだ・・・」

 

「!?」

 

その言葉にカヤはハッとする。そしてクロは今までのカヤとの思い出(・・・)を語り始めた。そして、

 

「夢見るお嬢様に散々付き合ったのも、それに耐えた(・・・)ことも・・・」

 

「!!」

 

「全ては貴様を殺す、今日の日の為っ!!!」

 

「野郎・・・!!」

 

その言葉にカヤはいよいよ涙を流す。両親を失い、体の弱った自分を懸命に支え続けてくれていた者の裏切り。しかもそれが初めて会った時からずっとだったというのだ。精神的なダメージは計り知れない。

 

「かつてはキャプテン・クロを名乗ったこの俺がハナったれの小娘相手にニコニコへりくだって心ならずも御機嫌とって来たわけだ・・・!!わかるか?この屈辱の日々・・・!!!」

 

とうとう(ピストル)を落とし、膝から崩れ落ちるカヤ。だがウソップは、何だかんだカヤを支える人物としてクラハドールを認めていた彼はそれを許せなかった。

 

「クロォオオおーーーーーっ!!!!」

 

「ウソップ君・・・そう言えば君には・・・」

 

怒りの声を上げながら殴り掛かるウソップ。しかし相手は無音の移動術“抜き足”を使いこなすクロ。猫を被っていた以前の様に当たるはずもない。スカッと空ぶったウソップの背後に回り込み、

 

「思い切り殴ってくれたよな・・・・・・!!!!」

 

クロがウソップを斬り刻もうとしたその時!!

 

ドゴォン!!!!!

 

突如飛来する拳。突然の攻撃にクロは避ける間もなくまともに食らい、地面に倒れる。その拳の主、ルフィはニッと笑うと、

 

「殴られるのがそんなに嫌なら、あと100発ぶち込んでやる!!!」

 

その様子に周りの海賊達は意味が分からず混乱する。ルフィが居るのは坂の下。坂の上にいるクロまで拳を届かせるのは物理的に不可能なはずだった。

完全にブチ切れたクロ。しかしそこに更なる出来事が襲いかかる。

 

「「「今だァあああーーーーーーっ!!!」」」

 

「!?」

 

その声を聞いたことがあるのはルフィ達五人に加え、ジャンゴも聞き覚えのある声。

 

「えっ!」

 

「あっ!!!」

 

カヤ、ウソップも驚きの声を上げる中、現れたのは、

 

「ウソップ海賊団参上っ!!!」

 

「覚悟しろこのやろう!羊っ!!!」

 

「羊このやろおーーーっ!!!」

 

「お前らどうして・・・・・・!!!」

 

「あなた達、来ちゃダメだって・・・!!」

 

ウソップ海賊団の子供達だった。それぞれ手にフライパンやバット、シャベルを持って倒れたままのクロに襲いかかる。

 

「せえばいだせえばい!!!」

 

「村の平和をみだす海賊め!!!」

 

「くたばれちきしょう!!」

 

その様子に焦るウソップとクロネコ海賊団。これ以上クロを怒らせては自分たちの命も危ないと考えたのだ。

 

「もうよせお前ら!!やめろ!!!」

 

「何のつもりだ、あのチビ達」

 

ようやく叩くのを辞めた三人。しかし悲しいかな、子供の力ではクロにまともなダメージを負わせられない。しかし彼らはそれには気付かず、

 

「やっぱりだ!!キャプテンは戦ってた!!」

 

「なんで言ってくれなかったんですか!汗くさいじゃないですか!!」

 

「違うよ!!水くさいじゃないですか!!!」

 

「何くさくてもいいっ!!とにかくお前らこっから離れろ!!逃げるんだ!!」

 

その言葉に彼らは首を横に振り、それぞれの得物を構える。

 

「いやですキャプテン!!」

 

「そうだ!!俺たちだって戦います!!」

 

「逃げるなんてウソップ海賊団の名折れです!!」

 

その時、背後に倒れていたクロが立ち上がる。彼らが与えたダメージは精々、ヒビの入っていたメガネを割った程度だった。

 

「「「ううわああーーーーーーっ!!!」」」

 

「バカ野郎!早く逃げろ!!!」

 

しかしクロは子供たちを無視して通り過ぎる。そしてドカッ!!とウソップを蹴り飛ばすと、

 

「少々効いた・・・随分奇っ怪な技を使うもんだ」

 

完全に子供たちを無視してルフィに話し掛ける。そして彼はその現象に心当たりがあった。

 

「貴様“悪魔の実”の能力者だな・・・・・・!!!」

 

「そうだ。“ゴムゴムの実”を食った!ゴム人間だ!!!」

 

その言葉に海賊達が驚く。今まで噂程度でしか聞いた事のなかったそれを目の当たりにした衝撃は大きかった。

だがクロはそんな事、意にも介さない。

 

「ジャンゴ!!!」

 

「お・・・おう!!」

 

「その小僧は俺が殺る。お前にはカヤお嬢様(・・・・・)を任せる。計画通り遺書を書かせて()せ。それに・・・アリ(・・)を三匹、目障りだ」

 

「引き受けた」

 

だがそれをウタ達が許すはずもない。坂の途中に陣取ると、ジャンゴの行く先を封鎖する。

 

「止まれ。こっから先は通す訳には行かねェことになってんだが」

 

既にニャーバン・兄弟(ブラザーズ)は完全に気絶している。だがジャンゴにはまだ手があった。

怯えて縮こまっている海賊達にチャクラムの催眠道具を向ける。

 

「お前ら覚悟決めろ・・・ここでやらなきゃもう無理だぞ!!」

 

「「「「お・・・おう!!!」」」」

 

「ワン・ツー・ジャンゴで強くなれ!!ワン・ツー・ジャンゴ!!!!」

 

その催眠にかかった者の人数、およそ百人。幾らゾロが強くとも全てを通さずに置くのは至難の業。だがこの場にいる手すきの防衛側の戦士はもう一人。

 

「ゾロ!!コイツらは私に任せて!!アンタはその催眠術師を!!」

 

「!おう!!」

 

そしてウタは大きく息を吸い込む。既にそこそこ戦い、体力を消耗した今、幾ら雑魚とは言え催眠強化された者をこれだけの人数抑えるのには無理がある。だから、

 

「半分の50人くらいで・・・いくよ!!」

 

大きく息を吸い込み、歌い始めるその歌は大人数を引き込むことに特化した歌。

 

 

「♪ひとりぼっちには飽き飽きなの

繋がっていたいの

純新無垢な想いのまま

loud out♪」

 

 

一人ぼっちな自分の世界に相手を引きずり込む自分勝手な歌。相手の都合を考えずただ自分の幸せを押し付けるこの歌は、大人数をウタワールドに引き入れる際に非常に有効だ。しかし、その引きずり込みの強さと引替えに彼女自身はウタワールドで負担を抑えて戦うことが出来ない。

ウタワールドに引きずり込まれても催眠強化は解けない。仕方なしにパチンッと指を鳴らし、音符の戦士達を召喚する。

幾つか死線を超えて強くなった今のウタでも残り体力的にタイムリミットはこの一曲。だが今のウタには何にも勝る、そう、ネズキノコにも勝る最高の気力の源がある。

 

「ウタ!!」

 

「!ルフィ!何!?」

 

任せた(・・・)!!!」

 

それは信頼の証。クロと戦う自分の背中を預けるルフィの信頼はウタの気力を無限に湧きい出させる、最高の材料だ。

 

「〜〜〜〜〜っ!!!まっかせて!!!」

 

そしてウタは本格的に戦い始める。

現実世界では操った半分の海賊たちをもう半分にぶつけて抑え込む。歌いながら自身も戦い、一人ずつ何とか落としていく。気絶させた海賊達も使えれば楽なのだが、既に歌を聞けない彼らを引き込むことは出来ない。

 

一方ウタワールドでは音符の戦士を五体召喚、空から引きずり込んだ海賊を相手する。盾と槍を使いこなし、空からの攻撃で海賊たちを沈めていく。海賊たちは初めはウタを狙っていたが理性を飛ばされ、さらに司令塔のジャンゴも居ない今、冷静な判断はできなかった。あっという間にウタに誘導され、音符の戦士達に狙い始める。

 

 

 

ウタの活躍で雑魚戦闘員達が抑え込まれている間に、ウソップは子供たちにカヤを守るように指示、ゾロは追おうとするジャンゴの足止めを行っていた。だが狡猾なジャンゴのウソップを狙った遠距離チャクラムに気を取られた一瞬の隙に森に入られてしまう。

すぐ様追いかけようとするゾロをウソップが呼び止める。

 

「くそっ!!追われちまった!!」

 

「おい!!俺を連れてってくれ!!あいつらが行きそうな場所に心当たりはある!!」

 

「・・・それもそうだな。よし!ルフィ!俺はウソップ担いで催眠野郎を追う!問題あるか?」

 

「ない!急げ!!」

 

だが当然、クロがそれを許すばはずもない。

 

「おい貴様ら、誰がこの坂道を抜けることを許可したんだ?」

 

だがそこに再び迫るルフィの拳。

 

「俺だよ!!」

 

繰り出した拳は避けられるもその隙にゾロが駆け出す。

 

「もう一発っ!!」

 

だがそれを“抜き足”で回避、背後に回ったクロが爪を振り抜く。紙一重で地面に転がり回避したルフィはそのまま逆立ち。足を合わせてクロを向ける。

 

「ゴムゴムの・・・」

 

危機を察したクロが再び避ける。

 

「槍ッ!!!!」

 

だがひとまず目的は達した。既にゾロ達はカヤ達を追って森に入っている。

 

戦う前(・・・)に一つだけ聞いておこうか・・・他所者のお前が何故この村のことに首を突っ込む!!」

 

それに対し、ルフィはニッと笑って答える。

 

「死なせたくない男がこの村に居るからだ」

 

それぞれの最後の戦いが、始まった。

 





高評価、お気に入り登録、何卒お願いします!!感想も!!

ウタは出ないけどちょっと変わったウソップの活躍、要る?

  • いる。変わってるなら必要でしょ!!
  • いらない。ウタちゃんいないし書く価値無し
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