ONE PIECE ウタのいる世界   作:後門の熊

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使用楽曲って歌詞とか使ったら必要なやつなんですね・・・知らなかった・・・
何も知らずに使うことにならなくて良かったです。


第三話 ロロノア・ゾロ

 

海軍基地のある町、シェルズタウン。ルフィ、ウタ、コビーの三人はアルビダの休息地から貰った船でついにここまでたどり着いていた。

 

「ついた!!海軍基地の街!!」

 

「はい!!ついに!!」

 

「でもコビーがいてくれて助かったよ」

 

「え?」

 

「正直私だけだとまだ不安なんだよねー船の操縦。一応知識はあるんだけど」

 

「そ、そうですね。一応アルビダの船で航海士をやってましたから」

 

「ありがと。やっぱり初めてだったから経験者がいてくれてよかったよ」

 

「いえ、そんな・・・」

 

「おいお前ら!!早くメシ食おう!!」

 

「あ!ちょっと!!待ってよルフィ!」

 

 

 

 

 

シェルズタウン・食堂FOOD FOO

 

 

ここで完全に道をわかたれる三人は最後の別れの食事を食べていた。

 

「じゃあここでコビーとはお別れね」

 

「そっか!!いい海兵になれよ!!」

 

「海賊の私たちが言うのもなんだけどね」

 

「はい・・・!ルフィさん達も立派な海賊になってください・・・!いずれは敵同士ですけど」

 

海賊と海軍。いつか会うことがあるとしても敵としての相対になることは間違いない。コビーはそう考え、涙を零していた。

 

「そう言えば海軍にいるのかな、あの・・・ゾロって奴」

 

何の気なしに行ったルフィの一言はしかしこの街では禁句の一言だった。ガタガタと飲み食いしていた客は椅子から転げ落ち、ルフィ達三人から距離をとる。それを見たコビーが声を潜めて

 

「この街でゾロの名前は禁句のようですね・・・」

 

「ふーん」

 

「ま、無理も無いわね。海軍に捕まってるやつなんだし」

 

何とかゾロの事から話題を変えようとコビーがついさっき見た張り紙のことを口にする。

 

「そう言えばさっき張り紙を見たんですけど、この街にはモーガン大佐という人が・・・」

 

ガタガタッ!!!

 

またしても椅子から転げ落ち、ルフィ達から距離をとる客達。もはや何かの芸にしか見えない。

やがて店を出たルフィはまだ腹を抱えて大笑いしていた。

 

「はっはっはっは、面白い店だったなー。俺あとでもう一回行こう」

 

「おかしいですよ海軍に捕まっているロロノア・ゾロの名に過敏になるのは分かりますが海軍大佐のモーガンの名にまで・・・・・・。なんだか僕、不安になってきました」

 

「・・・・・・・・・」

 

そんな中、ウタはついさっき出たばかりの食堂を真剣な顔で眺めていた。

 

「?どうした?ウタ」

 

「ごめんルフィ。私ちょっと別行動でいい?」

 

「え?ど・・・どうしたんですかウタさん」

 

「さっきのお店の人達・・・すごく怯えてた。なにかに脅されてる感じで・・・・・・私ちょっとあそこで歌ってみるよ」

 

「ウタさん・・・・・・」

 

「私はね、みんなが平和で幸せになれる世界を歌で作りたい。こんなビクビク怯えながら暮らすなんて・・・・・・見てられないよ」

 

「分かった。俺とコビーは基地に行くよ。ゾロってやつを見てくる」

 

「了解、気を付けてね」

 

そう言って、ウタは来た道をもどり食堂へ向かう。ウタはふと、シャンクスの言葉を思い出していた。

 

『いいかウタ。この世界に平和や平等なんてものは存在しない。だけどお前の歌声だけは世界中の全ての人達を幸せにすることが出来る』

 

ならば自分の歌声が届く範囲の人は幸せになって欲しい。ウタはそう願っていた。

食堂に入り、そこの店員に話しかける。

 

「あのさ、ちょっといいかな・・・・・・」

 

旅に出てから最初の、ウタのステージが始まった。

 

 

 

 

 

 

「おーいウター!」

 

「あ、ルフィおかえり。あれ?コビーも。どうしたの?海軍にはいるんじゃなかったの?ていうかその子は?」

 

「あ、あはは・・・」

 

「まァいいや。あ、見てよこれ。かなり貰っちゃった。いいって言ったんだけど、どうしてもって言うから。それに旅に出るなら先立つお金は必要でしょ?」

 

ルフィとコビー、そしてリカはロロノア・ゾロを見に行ってから、一旦先程の食堂に戻ってきていた。

ちょうど何曲か歌い終え、休憩していたウタは聴いていた人から少なくないお金を受け取っていた。

 

「おーー!流石だなウタ!」

 

「えへへ・・・。あ、それよりどうだった?噂のロロノア・ゾロには会えた?」

 

「あァ!良い奴だった!でも断られた!!」

 

「あーそれは残念」

 

ルフィ、コビー、リカの三人がかわるがわるゾロのことをウタに教える。結果、ウタの中に湧いたのはヘルメッポに対する怒りだった。

 

「じゃあ悪いのは全部アイツじゃん!!」

 

「そうなりますね。僕もこんな海軍には入りたくないです・・・・・・」

 

「海兵さんにも優しい人はいるよ?ただ・・・・・・みんなモーガン大佐が怖いから・・・」

 

「そのモーガンってのが一番悪いのね・・・」

 

すると外から何ともバカっぽい笑い声が聞こえてくる。

 

「あれは・・・・・・モーガンの息子!!」

 

「今外にいるの!?」

 

「あの笑い声は確かにそうです!!街にまで来るなんて・・・!」

 

外に出た四人が目にしたのは二人の海兵を従えて街中を闊歩するヘルメッポの姿だった。周りの人はみな、道を開けて地面に頭を付けている。その光景に誰よりも怒りを覚えたのはウタだった。

 

「ひぇっひぇっひぇっひえっ!頭が高ェつってんだろ!親父に言うぞ!!」

 

「あいつ・・・!」

 

「ウタさん堪えて!僕達まで捕まっちゃいますよ!!」

 

「・・・!」

 

海兵になりたいコビーにとって前科が着くのはまずい。自分たちのことはいいがコビーの将来まで考えると、ウタは怒りを堪えるしかない。

 

「ロロノア・ゾロみてェに磔になりてェか!?三日後にはゾロの奴を公開処刑にする!みせしめだ!楽しみに待ってろ!!」

 

「三日後?」

 

その言葉にルフィが反応する。ゾロから聞いていた話と違ったからだ。

 

「一ヶ月の約束はどうしたんだ!!」

 

「何ィ?誰だ貴様。どこで聞いた?頭が高ェな」

 

ヘルメッポはバカっぽい顔でさらにバカっぽく笑いながら告げる。

 

「そんな約束ギャグに決まってんだろ!!それを本気にする奴もまた魔獣的にバカだけどな!ひぇっひぇっひぇっ」

 

次の瞬間、

 

ドカッ!!!

 

ルフィがヘルメッポの胸ぐらを掴み、殴り飛ばす。

すぐ様コビーが駆け寄り、抑えようとする。

 

「ルフィさん!やめてください!落ち着いて!!」

 

「こいつクズだ」

 

「海軍を敵に回すつもりですか!!?」

 

するとルフィはコビーとウタに、

 

「決めたぞ!ウタ!コビー!」

 

「え?」

 

「なに?」

 

「俺はゾロを仲間に引き込む!!!」

 

宣言した。最もウタは内心、

 

(どうせルフィの事だから諦めないんだろうな)

 

なんて考えていたので別に驚きはしなかったが。

やがて海軍に支えられて起き上がったヘルメッポがルフィに叫ぶ。

 

「殴りやがったな!!この俺を殴りやがったな!!親父にだって一度も殴られたことねェのに・・・!俺は海軍大佐モーガンの御曹司だぞ!!!親父にいいつけてやる!!」

 

そんな何処ぞの金持ちスネ〇と同じようなセリフに周囲の人々はビクッ!っと怯えるがルフィにそんな脅しは効かない。

 

お前が(・・・)かかって来いよ」

 

「ルフィさん、やめて下さい!!」

 

ヘルメッポはそんなルフィに悪い笑みを浮かべながら

 

「俺を殴った事を後悔しながら死んでいけ!お前は死刑だ!!親父に殺されちまえ!!バーカ!!」

 

と言い捨て走り去って行った。その様子は見事なまでに小者そのものだったが、実際海軍大佐と言えば相当な強さではある。

その証拠に周囲にいた人がどんどん三人から離れて家にひきこもって行く。関わっていると思われたくないためだろう。

 

「で、どうするか決めてるの?ルフィ。下手したら海軍が動くよ?」

 

「その時はその時だ!俺、ゾロにあってくる」

 

「じゃあ私も。ゾロって人に会ってみたいし」

 

 

 

 

 

 

シェルズタウン・海軍基地

 

今度はウタ含めて三人で来ていた。ガープに鍛えられた二人にとってこの程度の壁を越えることなど造作でもない。

 

「よっ」

 

「こんにちはー」

 

「また来たのか・・・。それになんだテメェは。コイツの仲間か?海賊の勧誘なら断ったはずだぜ・・・!」

 

「俺はルフィ!縄解いてやるから仲間になってくれ!!」

 

「話聞いてんのかテメェ!!」

 

「コイツ一回決めたら中々動かないよ。諦めて仲間になっちゃいなよ」

 

「それはよーく分かった。だがな、コイツにも言ったが俺にはやりてェ事があるんだ。誰が好き好んで海賊なんて外道になるか」

 

「別にいいじゃんか。お前元々悪い賞金稼ぎって言われてんだから」

 

するとゾロは視線を鋭くしてルフィを睨み、

 

「世間でどう言われてるかは知らんが、俺は俺の信念に後悔するようなことは何一つやっちゃいねェ!これからもそうだ!!だから海賊にもならねェ!!」

 

が、そんな言葉がルフィに響くはずもない。

 

「知るかっ!俺はお前を仲間にするって決めた!!」

 

「勝手なこと言ってんじゃねェ!!」

 

「それはそうとさ、あなた刀使えるんでしょ?」

 

「!・・・・・・・フン・・・ああ、なにかに体を括り付けられてなきゃ一応な」

 

「その刀は?」

 

「取られたよ、バカ息子に。命の次に大切な俺の宝だ・・・!」

 

「へーーー?宝物なのね?」

 

ウタの顔に悪い笑みが浮かぶ。ウタはルフィの方を向くと

 

「ルフィ、ちょっと海軍基地に刀取ってきてくれない?あのバカ息子なら場所知ってるでしょ」

 

「おい何を・・・」

 

「その刀返して欲しかったら仲間になろっか♪」

 

「たち悪ィぞテメェ!!」

 

「よし分かった!行ってくる!」

 

「おい待て!!」

 

「お願いねー」

 

やがてルフィが去った頃、コビーがようやく壁を越えてくる。

 

「あ、遅いよコビー」

 

「す、すみません・・・。あれ、ルフィさんは?」

 

「コイツの刀取りに基地に乗り込んでったよ?」

 

「え、ええ!?またムチャクチャな事を・・・!」

 

「それよりさ、この縄とくの手伝ってよ。結構固くてさ」

 

「あ、はい!」

 

「おい!この女はいいとしてお前はいいのか!?俺に手を貸せばテメェが殺されるぞ!!」

 

「貴方が捕まる理由は無いはずです!!僕はこんな海軍、見てられない!僕は正しい海兵になるんです!ルフィさんが海賊王になるように!!」

 

「何!?か・・・海賊王だと!?意味わかって言ってんのか!?」

 

「えへへへ・・・僕も驚きましたけど、だけど本気なんです。彼はそう言う人です!!」

 

「おいテメェ、そりゃホントか」

 

「そうだよ。ルフィは海賊王になる男だ。だから私はルフィについて行ってるの。しかしこの縄中々解けないわね!ルフィが持ってくる刀で斬った方が速いんじゃない?」

 

二人が縄解きに苦闘していると突然、

 

バァン!!

 

「コビー!!」

 

屋上からの射撃!!コビーの肩が撃ち抜かれる。

幸い距離があったためか、致命傷には至らないが撃たれたことなどないコビーにとっては耐え難い痛みだった。

 

「あああああ!!撃たれたあああ!血が!血が出たああ!!」

 

「落ち着いて!!この程度じゃまだ死にはしない!!服破るよ!!」

 

ビリビリとコビーの服を破り、包帯代わりに巻き付け、止血を行う。

 

「おい、お前ら直ぐに逃げろ。海兵が降りてくるぜ」

 

「それはダメだよ。ルフィだってまだいるし、あなたの縄も解かなきゃ」

 

「俺はいいんだ。一ヶ月耐えれば助かるんだから。早く行・・・」「助かりませんよ!!あなたは三日後に処刑されるんです!!」

 

「ちょっとコビー!動かないで!!」

 

コビーのその言葉にゾロが驚愕する。

 

「何言ってやがる・・・!ここで一ヶ月生き延びれば助けてやるとあのバカ息子が約束を・・・」

 

「そんな約束、嘘だったのよ。初めから守る気なんてなかった。それを知ったからルフィはあいつを殴ったのよ。アンタの代わりに」

 

「な・・・何だと・・・!!?」

 

「海軍はもうあなた達の敵に回ってるんです!!お願いです!この縄を解いたらルフィさん達を助けてください!!」

 

「コビー!動かないでって言ったでしょ!!」

 

「ルフィさん達は僕の命の恩人なんです!貴方に海賊になれとまでは言いませんが、あなた達が手を組めばこの街からも逃げ出せる!!逃げて下さい!!」

 

だが、無情にも基地から出てきた海兵たちが到着、全員が銃をこちらに向けていた。

 

「そこまでだ!モーガン大佐への反逆につきお前達三人を今この場で処刑する」

 

「くっ!」

 

ウタが立ち上がり、覚悟を決める。ウタウタの能力は強力だがその分燃費が激しく、数曲歌えば体力が尽きてしまう。大人数をウタワールドに取り込めばその分早く気絶してしまう。そのため本来なら、誰が守ってくれる人が居なければ使うことは無いのだが・・・

 

(今いる海兵全員を巻き込めば時間稼ぎには・・・・・・!!)

 

が、そこに更なる脅威が現れる。

 

「面白ェ事やってくれるじゃねェか・・・テメェら四人でクーデターでも起こそうってのか?」

 

モーガン大佐だ。斧手のモーガンの二つ名の通り、その右手は斧と一体化している。

 

「ロロノア・ゾロ・・・テメェの評判は聞いていたがこの俺を甘く見るなよ・・・。貴様の強さ等俺の権力の前にはカス同然だ・・・!!!」

 

「その様子じゃ、ルフィになんかやられたみたいだね」

 

「あん?何だ小娘。言っとくが俺は女子供だろうと容赦しねェぞ。これが終わったら街に行ってそいつを助けようとしたガキも始末してやる!」

 

「お前・・・!!」

 

「構えろ!!」

 

ジャキ!!

 

海兵たちが銃を構える。ウタワールドに取り込むこと自体は簡単だ。問題なのは入れた人の強さ。強ければ強いほど、人数が多ければ多いほどウタの体力が削られる。ここにいる全員を取り込めば一、二分と持たないだろう。

だが、ウタはチラリと基地の方を見るとモーガンの方を向き直り、笑みを浮かべる。

 

「どうしたの?撃たないの?もしかして・・・怖いの?」

 

「小娘ェ・・・!!」

 

「私は新時代を作る女、ウタ!!歌で皆を幸せにする!!アンタみたいな支配しようとするやつは・・・絶対に許さない!!」

 

「射殺しろ!!」

 

モーガンの指示に従い、海兵たちが一斉に射撃する。その弾がウタ達に当たる直前、

 

ズドドドドド!!!

 

基地から飛び込んできたルフィがウタの前に立ち塞がる。全ての弾丸をその身に受けたルフィにウタ以外の全ての者がルフィが死んだと思った。しかし!

 

「効かーーーーーん!!!!」

 

「「「うおおおおおおっ!!!」」」

 

ルフィに撃ち込まれたはずの銃弾が全て弾け飛ぶ。あまりの怪奇現象を目撃した海兵たちやモーガンは目が飛び出るほど驚いていた。

 

「んはっはっはっはっは!!!」

 

「ナイスタイミング!ルフィ!!」

 

そんなルフィにゾロが驚愕しながら問いかける。

 

「テメェ・・・!!一体何者なんだ!!!」

 

「俺は!海賊王になる男だ!!」

 

そのルフィの手には三本の刀が握られている。

 

「ほら!お前の宝物!どれだ?分かんねェから三本とも持ってきた!」

 

「三本とも俺のさ・・・俺は三刀流なんでね」

 

「え?三刀流?」

 

疑問をうかべるウタをよそに、ルフィがゾロに問い掛ける。

 

「ここで俺と一緒に海軍と戦えば政府に楯突く悪党だ。このまま死ぬのとどっちがいい?」

 

「テメェは悪魔の息子かよ・・・。まァいい・・・ここでくたばるくらいならなってやろうじゃねェか・・・海賊に!!!」

 





次回、とうとうウタが戦います!!
本作のウタウタの実ですが、
①歌うと聞いた者の中で任意の者をウタワールドに引き込める。
②引き込んだ人が能力者本人に抵抗している場合、体力の消耗が激しい。
③抵抗している人が強い、多い場合、更に消耗する。
④ウタワールドで精神が無傷のまま現実に戻った場合、すぐに目が覚める。
⑤ウタワールドは任意で解除できる。
という設定です。つまり相手を無力化するには制限時間内にウタワールドで相手をボコボコにして解除する必要があります。

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