って自慢しようと思ってたら天上人達は86回とか見てるそうです。流石に格が違いすぎる・・・!
金がないんだよなァそこまで。
「えー!?ゾロ戦ったの!?三刀流見たかった・・・」
後に目を覚ましたウタがルフィ、ゾロ、コビーから自分が倒れたあとどうなったかを聞いていた。三刀流という赤髪海賊団にもいなかった流派の剣の使い手の戦いを見てみたいという気持ちがあったのだが、残念ながら逃してしまったことを悔いていた。
「しかしこの船長もそうだがお前も悪魔の実の能力者なんだな。どんな能力なんだ?」
「私が食べたのはね、ウタウタの実っていう悪魔の実だよ。まァ何時食べたのか記憶が無いんだけどね」
「ほー。それでどんな能力なんだ?」
「能力を発動して私が歌を歌うと、それを聞いた人の精神を私の想像の世界に引き込めるの。体は気絶するんだけどね。その間、その空っぽの体は私の思いのままってわけ」
「そりゃなんともデタラメな能力だな。歌うたって相手が寝てる間に殺せばいいわけか」
「そうなんだけど、相手の数が多いと中々上手くいかないよ。それに凄く体力を使うから今回みたいにすぐ気絶しちゃうし」
「でもスゲーつえーぞウタは。耳栓持ってなかったら誰も勝てないからな!!」
「逆に言えば耳を塞がれたらおしまいなんだけどね。私自身はそこまで強くないし」
リカの家でご飯をご馳走になりながらウタは自分の能力について明かす。この場には海兵になる予定のコビーも居るのだがお構い無しだ。
「それで、ここからどこへ向かうつもりなんだ?」
「“
「!!!?」
次の行き先を尋ねたゾロに、ルフィがそう答える。それに驚いたのはコビーだ。
「まっ、また無茶苦茶な!!!たった三人なのに“
「まァどの道“ワンピース”を目指すからにはその航路を辿るしかねェんだ。いいだろう」
「いいって、ゾロさんあなたまで!!?」
「別にコビーは行かないんでしょ?」
「い、行かないけど心配するくらいいいじゃないですか!!ウタさんだって無謀だって分かってるでしょう!?」
「まあねェ。でも“
「・・・・・・!!」
想像以上の見切り発車にコビーが絶句する。だが、彼も彼なりに心配しての事だった。
「ルフィさん・・・!僕ら付き合いは短いですけど・・・!友達ですよね!!」
「ああ、別れちゃうけどな。ずっと友達だ」
その言葉にコビーの顔に笑みが広がる。
「僕、小さい頃からろくに友達なんていなくて・・・まして僕のために戦ってくれる人なんて絶対いませんでした。何より僕が戦おうとしなかったから・・・!!」
そう言うコビーの顔は出会った時よりずっと逞しくなっていた。
「だけどあなた達三人には、自分の信念に生きることを教わりました!!」
海兵になって悪いヤツを捕まえる。ルフィ達とは方向性は違えど彼らにも負けないコビーの信念だ。
「だから俺たちは“
「まァそうなるな」
「コビーも分かってんじゃん」
「あっそうか・・・・・・いや!!違いますよ!だから僕は今行く事が無謀だって・・・!」
「それよりコビーは大丈夫なの?」
「え?」
ウタの急な自分への心配になんの事か分からず、コビーは呆けてしまう。
「無理矢理の雑用でもなんでも、アルビダの海賊船に二年間もいたんだよ?それがバレたら海軍になんて入れないよ?」
「あっ・・・・!」
その時、
「失礼!!」
家に海兵が入ってくる。外には大勢のほかの海兵たちも集まり、まるで逃げ出さないように囲っているかのようだ。
「君らが海賊だというのは本当かね」
「そうだな。三人にもなればもう海賊ってことでいいだろ」
それを聞いた海兵は帽子のつばをクイッと下げると、
「反逆者としてだが我々の基地とこの街を救ってくれたことには一同感謝している。しかし君らが海賊だとわかった以上、海軍の名において黙っている訳には行かない」
あくまで海兵として、それこそモーガンのように私欲に走る腐った海兵ではなくきちんとした海兵としてある為に、
「即刻この街を立ち去ってもらおう。せめてもの義理を通し、本部への連絡は避ける」
それはルフィ達の行いを無駄にしないための行為だったが、当然街の人は納得しない。
「おい海軍!なんだその言い草は!!」
「テメェらだってモーガンに抑えつけられてビクビクしてただけじゃねェか!!」
「ウタちゃーーーん!!行かないでーーー!!」
しかしそんな彼らとは対照的にルフィたちは静かだった。
「じゃ・・・行くか。おばちゃんご馳走様」
「おいしかったよ」
「もう行っちゃうの?お兄ちゃん達・・・」
コビーには見向きもせず、ルフィ、ゾロ、ウタの三人は家を出ようとする。その様子を見て海兵が
「君も仲間じゃないのか?」
「え!・・・僕・・・・・・!!僕は・・・・・・!!」
コビーもまた、ルフィ達の行いを無駄にする訳には行かない。彼らの往く道が同じ方向を向いていない事は二人ともよくわかっていた。
「僕は彼らの仲間じゃ・・・・・・ありません!!!」
だが海兵は疑うことが仕事のようなもの。当然、ルフィにも聞く。
「待ちたまえ君達!!本当かね?」
それに対し、ルフィの返答は・・・・・・
「俺、こいつが今まで何やってたか知ってるよ」
「!?・・・ルフィさん・・・・・・・・・!?」
傍から見ればそれはコビーの夢を潰す行為。
「どの辺の島かはわかんねェけど、こーんな太った女の海賊がいてさァ」
「ちょ・・・・・・やめて下さいよ・・・」
「何だかイカついおばさんなんだけど、二年間もこいつそこで・・・・・・」
「やめて下さいよ!!!」
バキッ!!!
コビーの拳がルフィを殴る。だがルフィはニヤけており、ウタとゾロが助けに入る様子もない。
「やったなコノヤロォ!!」
バキッ!!!
今度はルフィが殴り返す。そもそもゴム人間のルフィにパンチは効かないし、それを抜きにしてもコビーがルフィに勝てるわけが無い。
「このやろ!このやろ!」
「やめたまえ!!!これ以上この街で騒動を起こすことは許さんぞ!!」
「おいおいやりすぎだ。その辺にしとけよ」
海兵があまりの喧嘩の激しさに叫んだ所で、ゾロが止めに入る。だが既にコビーはボロボロだった。
「君らが仲間じゃないことはよく分かった!!今すぐこの街から立ち去りなさい!!」
それを聞いたコビーがようやく事の真意に気付く。ルフィがあんなことを言ったのも、避けられるパンチを避けなかったのも全てコビーが自分たち海賊の仲間では無いことを証明する為だった。
また最後の最後までルフィに助けられてしまった。だがここからは本当に自分で頑張らなくては行けない。もう彼を頼ることは出来ない。
「僕を海軍に入れてください!!雑用だってなんだって喜んでやります!!海兵になるためなら!!」
だが当然疑う者もいる。先程のルフィの言葉もある上、そもそもルフィの仲間かもしれないのだ。
「中佐!私は反対ですよ!悪いがね、私はまだ君を信用しきれない。まずは君の素性を調べて・・・・・・」
「僕は!!!!」
剣士として名をあげると誓う彼のように、新時代を作る歌い手になると誓う彼女のように、海賊王になると誓う彼のように。
「海軍将校になる男です!!!」
その目は正に、彼らと同じ光を、決意を宿している。
「・・・・・・海賊にやられた同志は数知れない。海軍を甘く見るな。・・・・・・入隊を許可する」
「はいっ!ありがとうございます!!」
未来の海軍将校の誕生の瞬間だった。
シェルズタウン・港
「相変わらず演技下手だよねルフィ。バレても知らないよ?」
「あとはコビーが何とかするさ、絶対!!」
「何にしてもいい船出だ。みんなに嫌われてちゃ後引かなくて海賊らしい」
「だははは!そうだな!!」
彼らが出航準備をしていたその時、
「ル・・・ル・・・ルフィさん!!!」
「コビー」
コビーだった。急いで走ってきたのだろう、その息は荒く切れている。
コビーは右手を頭に、左手を腰の後ろに当てると
「ありがとうございました!!!この御恩は一生忘れません!!!」
その姿勢は海軍の敬礼。彼が無事、海軍に入れたことを意味していた。
「海兵に感謝される海賊なんて聞いた事ないよ」
「しししし!」
ルフィは大きく笑い、コビーに手を振る。
「また逢おうな!!!コビー!!」
その時、
「全員敬礼!!!」
ザッ···!!!!
「え・・・?」
コビーの後ろには基地の海兵達。さらに街の人々も大勢いる。結局、彼らは街中の人から感謝されながら、歓声に押されて出航していったのだった。
あの中佐いまどうしてるんですかね。REDのエンディングでもいなかったような気がするんですけど。
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