ONE PIECE ウタのいる世界   作:後門の熊

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FILM Z 放送ですってよ奥さん!!あれ結構好きなんですよね。「俺は!!Zだぁぁぁああ!!」って言う所とか好きです。



第六話 デカッ鼻

 

海軍基地の街、シェルズタウンを出航してしばらくたったウタ達は現在何をしているかと言うと・・・・・・

 

「ゾロ!頑張って漕いで!!方向は私が見てる!!」

 

「くっそ!何やってんだあのアホは!!」

 

全力で船を漕いでいた。だがその船にルフィの姿は無い。空を飛ぶ大きな鳥を仕留めようとゴムゴムのロケットで飛んで行ったルフィはそのまま鳥に捕まり、何処かへ連れ去られてしまっている最中だ。

 

「ん?待ってゾロ!進行方向に誰かいる!!」

 

「ああ!?」

 

「おーーい!止まってくれェ!!」

 

「そこの船、止まれェ!!」

 

ルフィが連れ去られた方向へ向かう船の前に三人の遭難者がいた。だがそのためにわざわざ止まってやるほどウタもゾロも余裕がある訳では無い。

 

「船は止めねェ!!勝手に乗り込め!!」

 

「な!!なにいっ!!?」

 

スピードをゆるめることなく進む船に何とか遭難者三人は乗り込む。だがその風体はどう見ても一般人とは言えない格好で・・・・・・

 

「おい、船を止めろ。俺達ァあの海賊“道化のバキー”様の一味のもんだ」

 

「あァ!?」

 

ニタニタと笑う三人。しかし彼らは目の前の人物が何者なのかを、まだ知らなかった。

 

 

 

数分後

 

「あっはっはっはっはーーっ!」

 

「あなたが“海賊狩りのゾロ”さんだとはつゆ知らずっ!失礼しました!」

 

ゾロにボコボコにされた三人は現在、ゾロに変わって船のオールを漕いでいる。

 

「あんた達のせいで仲間を見失っちゃったじゃない。とりあえずあの方向に真っ直ぐ漕いで。ルフィならその内自力で降りるでしょ」

 

「で?なんで海賊が海の真ん中で溺れてたんだ?」

 

「それだ!!よくぞ聞いてくれやした!!」

 

その後三人が話した所によると、三人が商船を襲って手に入れた宝をある女に船ごと奪われてしまったらしい。しかも女が宝を積んだ船で逃げた直後、女の予報通りにそこにスコールが吹き、船は転覆してしまったという。

 

「天候まで操るのか・・・海を知り尽くしてるなその女」

 

「ウチの航海士になって欲しいもんだけどね」

 

そう話し合うウタ達の前で三人が相談する。

 

「あいつは絶対探し出してブッ殺す!!」

 

「それよりまず宝はどうする!」

 

「そうだぜ。このまま帰ったらバギー船長に・・・・・・!!」

 

「バギー?」

 

その言葉に反応したのがウタだ。

 

「知ってんのか?」

 

「いや・・・・・・どっかで聞いたような気がするんだけど・・・・・・なんだったかな・・・」

 

「俺たちの海賊船の頭ですよ。“道化のバキー”の名は広まってるからそれでじゃないですかい?“悪魔の実シリーズ”のある実(・・・)を食った男でね。恐ろしい人なんだ!!」

 

「悪魔の実か・・・・・」

 

「あ、あれ?あんまり驚かないんですね・・・」

 

「まァそりゃあな」

 

何せルフィの一味は船長を含めて半分以上が悪魔の実を食べている。レア感がないのだ。

 

 

そうこうしているうちに何やら街らしき場所に着く。らしき(・・・)、というのも・・・

 

「何だ・・・がらんとした街だな」

 

「人っ子一人いないよ」

 

「はあ、実はこの街、我々バギー一味が襲撃中でして」

 

「じゃあそのバギーって人に会わせてくれる?もしかしたらルフィの情報が聞けるかも」

 

「だな」

 

「分かりやした。多分街の中心の酒場にいると思うんで、案内致しやすよ」

 

こうして、ウタとゾロはバギーのいるオレンジの町に上陸を果たしたのだった。

 

(うーん。どこで聞いたんだったかなー、そのバギーって人。海に出てからでは無いと思うし・・・)

 

若干のモヤモヤを抱えながら。

 

 

 

 

オレンジの町・酒場の屋上

 

そこではちょうど、ルフィを助けようとしたオレンジ髪の女、ナミにバギーの手下達が襲いかかるところだった。

 

「お前・・・!!後ろっ!!」

 

「うっひゃーーー!」

 

ナミに大砲で撃ち抜かれるのを止めてもらったルフィが檻の中からナミに叫ぶ。だが既に迎撃が間に合う時間では無い。手下達の刃がナミに突き刺さる寸前、

 

「女一人に何人がかりだ」

 

バキッ!!!

 

「え・・・」

 

「ゾロォ!!!」

 

間一髪、到着したゾロが手下達を鞘から抜かずに押しのける。直ぐにウタも追い付き、ナミ駆け寄る。

 

「大丈夫?怪我は無い?」

 

「え・・・ええ、平気・・・」

 

「やーよかった。よくここが分かったなァ!!早くここから出してくれ」

 

実際にはここにいるバギーにルフィのことを聞こうと思っていたし、まさかそのバギーに捕らえられていたとは思いもしなかった。が、そんな事をウタは気にしない。檻の中のルフィにツカツカと歩み寄ると

 

「ルフィ!何遊んでるの!!鳥にさらわれたかと思ったら今度は檻の中!?このバカ!!」

 

「いやースマン!とりあえずここから出してくれ」

 

「ほんとに反省してるの・・・?全く・・・・・」

 

ぶつくさ言いながらも実際はかなり心配していたことを知っているのは案内をしたバギーの手下三人組だけだ。道中心配で慌てまくっていたため流石に三人も、

 

(あ、コイツその人のこと好きなんだな・・・)

 

と、なんとなく察していた。

 

一方バギーの一味はルフィが叫んだ名前に驚いていた。何せ海賊狩りのゾロと言えばこの辺りで知らぬ者はいない程に有名な賞金稼ぎだ。

 

「おいあいつ・・・ゾロって言わなかったか?」

 

「“海賊狩りのゾロ”か!?何で泥棒と喋ってんだ・・・?」

 

それを聞いた如何にもその中でいちばん偉そうなデカッ鼻の男、バギーがゾロに問い掛ける。

 

「貴様、ロロノア・ゾロに間違いねェな。俺の首でも取りに来たか?」

 

「いや・・・・・興味ねェな。おれはやめたんだ。海賊狩りは」

 

とゾロは否定するがバギーはそんなことお構い無しだ。ナイフを取り出すとクルクルと手の内で弄ぶ。

 

「俺は興味あるねェ。てめェを殺せば名が上がる」

 

「やめとけ、死ぬぜ」

 

お互いに挑発しあい、周りの部下たちも盛り上がる。

 

「本気で来ねェと血ィ見るぞ!!!」

 

「・・・・・・!そっちがその気なら・・・・・・!!!」

 

ゾロが刀を咥え、臨戦態勢に。そこから三本の刀でバギーの右腕、胴、右脚をアッサリと斬り伏せる。

 

「うわっ、よえーなあいつっ!!」

 

「・・・・・・うそ・・・」

 

「あーダメだこの檻、鍵が無いとあかないよ。どうしよ」

 

ウタは全く見ていなかったがしかし周りの部下たちもしっかりと自分達の船長が斬られるところを見ている。しかし彼らに動揺は無い。むしろヘラヘラと笑っているほどだ。

 

「なんて手応えのねェ奴だ・・・」

 

「おいゾロ!なんかこの檻鍵が必要だって。お前、何とかこれ斬れないか?」

 

「!・・・ああ、見てみる」

 

そんな中、ナミはこの一味の船員たちがヘラヘラと笑っていることに疑問を覚えていた。

 

(・・・どうかってんのこの一味。船長が殺されたのに笑ってるなんて・・・!!)

 

「あーダメだな。流石にこれは斬れねェ」

 

するととうとう堪えきれなくなったのか船員たちが大声で笑い始める。

 

「へっへっへっへ!!」

 

「あーっはっはっはっは!!」

 

「何がそんなにおかしい!!おとなしくこの檻の鍵を渡せ!!俺はお前らと戦う気は無い!!」

 

ゾロがそう言うも船員たちは未だに笑い続ける。そんな中、一人屈んでルフィの入った折を調べていたウタが異変に気付く。

 

「!!ゾロ!後ろ!!」

 

ドスッ!!!

 

ウタの警告も間に合わず、ゾロの脇腹にナイフが突き刺さる。だがそれを持つ手の先には肘や体は無い。なんと腕だけがフワフワと浮かび、ゾロにナイフを突き刺したのだ。

 

「!!?・・・ゾロっ!!」

 

「!?・・・・・・なにあの手!!!」

 

「「「ぎゃっはっはっはっは!!」」」

 

「くそっ!!なんだこりゃあ一体・・・・!!」

 

咄嗟に払い除けるも既にナイフはゾロの体深くまで突き刺さっていた。致命傷では無いが、かなりの重傷だ。

 

「バラバラの実・・・・・!!」

 

ユラリと立ち上がりながらそう言うのは先程ゾロに斬られたはずのバギー。いや、斬られた切断された場所はそのままに体が上半身、右脚、右足以外の下半身に分かれている。

 

「それが俺の食った悪魔の実の名だ!!!俺は斬っても斬れないバラバラ人間なのさ!!!」

 

そう言うとバラバラになっていたバギーの体が完全に元通りになる。流石のゾロも初見の悪魔の実の能力による奇襲は防げなかった。

 

「!!・・・体がくっついた・・・悪魔の実なんてただの噂だと思ってた!!」

 

「バラバラ人間って、あいつバケモンかっ!!」

 

「いや私たちも十分そうでしよ。特にアンタは」

 

驚くルフィ達を見てバギーがニヤリと笑う。

 

「急所は外しちまったか・・・だが相当の深手だろ。勝負あったな!!」

 

バギーの言葉通り、ゾロは傷口を抑えて膝をついている。その様子に周りの船員たちが沸き立つ。

 

「ひゃーーー!船長しびれるーーーーっ!!」

 

「やっちまえーーっ!斬り刻めーーーっ!!」

 

そんな彼らに檻の中のルフィが叫ぶ。

 

「後ろから刺すなんて卑怯だぞ!!デカッ鼻ァ!!!」

 

が、その言葉はバギーにとって逆鱗だった。

 

「誰がデカッ鼻だァああ!!!!」

 

怒り狂ったバギーがナイフを持った右手を切り離し、ルフィに向けて飛ばす。咄嗟にウタが庇おうとするも、

 

「ウタ!退いてろ!!」

 

「でも・・・!」

 

「大丈夫だ!」

 

その言葉にウタがサッと横に避けると凄まじい勢いで飛んできたナイフをなんと口で受け止めてしまう。そのままナイフを歯で折り、

 

「お前は必ずブッ飛ばすからな!!」

 

「ほほーう。ブッ飛ばす?ぶあーっはっはっはっはっは!ブッ飛ばすだァ!!?終いにゃ笑うぞ!!テメェら四人この場で死ぬんだ!!」

 

「ダメだ・・・終わった・・・・・・!」

 

絶望するナミだったがルフィは違う。

 

「はっはっはっはっはっは!!死んでたまるかっ!!」

 

「この状況でどうブッ飛べばいいんだ?俺は!!野郎ども!笑っておしまいっ!!」

 

そんなバギーの言葉に更に笑いが巻き起こる。だがルフィはそれにはお構い無しにゾロとウタに叫ぶ。

 

「逃げろ!!ウタ!ゾロ!」

 

「・・・・・・!!ちょっ・・・せっかく助けに来てくれた仲間に逃げろって・・・!!あんたはどうすんのよ!!」

 

だがルフィの表情を見たウタとゾロはルフィと同じようにニッと笑う。

 

「「了解船長(キャプテン)」」

 

そんなウタ達の様子に訳が分からなくなったナミはひとまず自力で逃げ出す方法を模索する。が、

 

「バカたれが!逃がすか!バラバラ砲ーうっ!」

 

バギーの両腕が勢いよく切り離され、ウタ達を狙う。その時、ウタがゾロとナミに指示を出す。

 

「ゾロ!暫くその手、お願い!!そこのオレンジ髪の人!大砲動かすから手伝って!!」

 

「任せろ!」

 

「え!?わ、私も!?」

 

「当たり前でしょ!?死にたいの!?」

 

「わ、分かったわ!」

 

ゾロがバギーの手を相手している間にウタとナミは二人がかりで大砲をバギー達に向ける。

 

「ぎいやーーーー!大砲がこっち向いたァーーーーっ!!!」

 

「ぬあーーっ!!アレにはまだ“特製バギー玉”が入ったままだぞ!!」

 

「ねえ!マッチとか持ってないの?早く火を付けて!ゾロ、戻ってきて!」

 

「は、はい!」

 

「おう!」

 

「よせ!!」

 

バギーが制止の声を上げるも時すでに遅し、中程まで既に燃えていた導火線に再び火をつけるとそのとんでもない威力がバギー達を襲う。

 

「ふせろォーーーーっ!!!」

 

ドゥン!!!!!

 

「今の内に!で、あなた誰?」

 

「私・・・泥棒よ」

 

すると檻の中のルフィがにいっと笑い、

 

「そいつはウチの航海士だ」

 

「バッカじゃないのまだ言ってんの!?そんなこと言う暇があったら檻から出る方法考えたら!?」

 

「あーそりゃそうだ。そうする」

 

その能天気さにナミが呆れていると、

 

「いや問題ない。テメェは檻の中にいろ!!ウタ!ワリィが俺の腹、抑えててくれ!」

 

そしてゾロはルフィの檻を掴み、

 

「オオ・・・!!」

 

「ちょ、ちょっと傷が開くでしょ!?」

 

「だから抑えてくれっつってんだろ!」

 

「ああ!もう!分かった!」

 

ウタがゾロの傷口を抑え、内臓が飛び出るのを防ぐもブシュッと血が吹き出す。

 

「何でそこまで・・・!!」

 

ナミが驚き、問い掛けると、

 

「俺は俺のやりてェ様にやる!口出しすんじゃねェ!!」

 

「急ぐよ!煙が晴れる!!」

 

やがて煙が晴れた時、ルフィ達四人の姿は既に無かった。

既に別の建物の上に移動している。

 

「くそっ!この檻さえ開けば!!開けば!!」

 

「厄介なモンに巻き込まれちまった・・・!」

 

「でも一回やり合ったからにはケリつけないとね」

 

「ああ」

 

一旦は敗走した麦わらの一味は次への闘志を滾せていた。

 




割とウタは好戦的な性格だと思ってます。何せ物心ついた時には海賊船にいた訳ですし。

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