ONE PIECE ウタのいる世界   作:後門の熊

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ウタの戦闘パターンその二です。


第七話 猛獣使い

 

バギーの一味から一旦撤退したルフィ達は少し離れた通りをルフィの入った檻を引っ張りながら歩いていた。

 

「だいぶ酒場から離れたね。とりあえずゾロの傷を塞がないと」

 

「ああ、しかし一旦退いたはいいがこの檻は厄介だな・・・!!」

 

「そうなんだ。これが開かねェとあいつが来ても何も出来ねェよ!!」

 

ガヂガヂと檻の格子に噛みつくルフィをゾロとウタで運んでいたが、さすがに限界が来たゾロが倒れ込む。

 

「もうダメだ。血が足りねェ。これ以上歩けん・・・!!」

 

と、倒れ込んだゾロの目の前に一匹の白い犬。

 

「・・・何だこの犬は・・・・・・!」

 

「犬?あ、犬だ」

 

「ほんとだ、ちょっと可愛いけど・・・傷だらけだね」

 

ウタがゾロを近くの建物に寄りかからせている間にルフィがその犬にちょっかいを出す。

 

「おいコイツ全然動かないぞ。本当に犬か?」

 

「知るか・・・そんなモン犬の勝手だ。とにかく今はお前がその檻から出ることを考えろ」

 

「死んでんのかな」

 

とルフィが犬の目を指で突き刺す。流石に怒った犬がその指に噛みつきまさかの檻の格子を挟んでの喧嘩になる。

 

「何すんだ犬っ!!」

 

「ワンワン!!」

 

「テメェ今の事態わかってんのか!!?」

 

「ああ!ゾロ動かないで!!血が吹き出る!!」

 

やがて疲れたルフィとゾロが倒れ込み、再び犬が動かなくなる。

 

「犬め!!」

 

「くそ・・・血が足りねェ!!」

 

「二人ともしばらくそこで寝てな。私が包帯とか探してくるから」

 

「食いもん!」

 

「はいはい」

 

と、一旦その場から離れようとしたウタの前にナミが現れる。

 

「アイツら一体なにやってんの二人して・・・あんな道端で寝てたらバギーに見つかるわよ?」

 

「「よォ航海士」」

 

「誰がよ!!」

 

「あ、そういえばそうだったね。アンタウチの航海士になったんだっけ」

 

「だからならないって言ってんでしょ!?」

 

「じゃあ何しに来たの?バギーの部下の宝奪ったのってあなたでしょ?こんなところにいていいの?」

 

「一応お礼をしに来ただけよ。助けてもらったからね」

 

「礼?」

 

そう言ってルフィの目の前にナミが放り投げたのは鍵。正にルフィ達が欲していた、檻を開けるための鍵だった。

 

「鍵!!檻の鍵盗ってきてくれたのか!!」

 

「まァね・・・我ながら馬鹿だったと思うわ。他に海図も宝も何一つ盗めなかったもの、そのお陰で」

 

「はーーーっ!ホントどうしようかと思ってたんだこの檻!!」

 

「これで一応逃げた苦労が報われるな」

 

「ありがとね。見ず知らずなのに」

 

「礼だって言ったでしょ。これで貸し借りなしよ」

 

しかし、ナミが投げた檻の鍵をウタが拾いあげようとした瞬間、

 

パク…

ゴクン…

シーーーン

 

先程まで全く動かなかった犬が目の前の鍵を食べてしまう。呆気に取られていたルフィ達だったが我に返ったルフィが犬の首を掴んで揺さぶる。

 

「この犬ゥ!!吐け!!今飲んだの餌じゃねェんだぞ!!!」

 

またも犬と喧嘩を始めたルフィだったが突如現れた鎧と槍で武装したおっさんに怒鳴られる。

 

「くらっ!!小童共!!シュシュをいじめるんじゃねェ!!」

 

「シュシュ?」

 

「誰だおっさん」

 

そう聞いたゾロにそのおっさんは胸を張って

 

「わしか。わしはこの街の長さながらの町長じゃ!!」

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 

「ゾロは?」

 

「休ませてきた。となりはわしの家じゃ。避難所に行けば医者がおると言うとるのに寝りゃ治ると言って聞かんのじゃ。すごい出血だと言うのに!!」

 

「まァゾロなら大丈夫でしょ」

 

「いやあの出血じゃあ二、三日じゃ治らないわよ」

 

とナミは言うがウタはゾロにルフィと同じ匂いを感じていた。要するに根性で怪我などなかったようにするようなヤツだと思っていた。

それから暫くルフィ達は町長からこの犬、シュシュの事、シュシュが守っているペットフード店の事、既にこの店の主人は死んでしまっている事などを聞いた。そして、

 

「きっとこの店はシュシュにとって宝なんじゃ。大好きだった主人の形見だからそれを守り続けているのだとわしは思う」

 

という言葉にウタはルフィが被るシャンクスの麦わら帽子を見た。ルフィやウタにとっての麦わら帽子と同じように、この店もシュシュにとって大事なものなんだろうと思っていた。その時、

 

「グオオオオオオオ・・・!!!!」

 

突如、とんでもなく大きな雄叫びが辺りに鳴り響く。

 

「な・・・何この雄叫び・・・!!」

 

「こ・・・こりゃあいつじゃ!!“猛獣使いのモージ”じゃ!」

 

一目散に逃げる町長とナミ。対照的にシュシュ、ルフィ、ウタは落ち着き払ってその場に残ったままだ。

 

「鍵返せよお前ェ」

 

「ガウ」

 

「もう無理でしょ。諦めて別の方法探さなきゃ」

 

やがてそこに大人の二倍くらいはありそうな大きなライオンに乗った、着ぐるみを着たような男が現れる。

 

「見つけたぜェ。まず二人・・・俺はバギー一味、猛獣使いのモージだ」

 

「ガルルルルル・・・!!!」

 

残っているのはルフィとウタのみ。それを見たモージが嘲笑う。

 

「フハハハ・・・他の二人はどうした?置き去りにされたのか?不憫だなァ。せっかく逃げ出したのに・・・」

 

ライオンに乗ったままのっしのっしと近づきながらモージが続ける。

 

「バギー船長はかなりお怒りだぜェ・・・偉いことしちまったなァお前ら」

 

「なんだお前、変な着ぐるみ被って」

 

「何っ・・・・・・!!失敬だぞ貴様ァ!!これは俺の髪の毛だ!!」

 

「尚更変じゃん。なんでそんな髪型なの?」

 

「やかましいわァ!!」

 

ルフィとウタにおちょくられたモージが怒りに身体を震わせながら、

 

「てんめェ、その檻に入ってるからって安心してんじゃねェのか。まず、俺の怖さを知らんらしい・・・」

 

そしてシュシュを指さして言う。

 

「言っとくがこの世に俺に操れない動物はいないんだぜ。例えばそこの犬にしてもだ」

 

そしてライオンから降り、シュシュに手を差し出し、

 

「お手」

 

「ガブ!!」

 

「あああっ!」

 

見事に手を噛まれる。ライオンの上に戻り何事も無かったように

 

「お前らは所詮名もないコソ泥だ」

 

「「犬は」」

 

ルフィとウタが突っ込むがそれを無視してライオンと共に凄み、

 

「貴様らに興味は無い。ロロノア・ゾロの居場所を言え」

 

「ガルルルルル・・・!!」

 

「いやだ」

 

「お断りだよ」

 

「やれ!!リッチー!!!」

 

モージの指示に従い、そのライオン・・・リッチーが檻に襲いかかる。鉄で出来ている檻をバキバキに粉砕し、そのままルフィを襲う。が、ルフィはすぐ様そこから抜け出し、リッチーの攻撃を避ける。

 

「やった!!檻が開いた!!」

 

だが既にリッチーは次の攻撃への構えをしており、その剛腕でルフィを吹っ飛ばす!!

 

ドゴォオオ!!!

 

「グァオォオオ!!」

 

飛ばされたルフィはそのまま建物を貫通してまだ吹き飛ぶ。

 

「即死だ!俺に歯向かうからそうなる。さて、どうする女。俺の女になるなら生かしてやるようバギー船長に口聞いてやってもいいが?」

 

「生憎、タイプじゃないし好きな人いるし、その髭何とかしてから出直してきたら?」

 

その言葉に再びモージがキレる。

 

「やれ!リッチー!!」

 

ウタ目掛けて再び剛腕が上から振るわれる。ウタはそれをサッと回避し、先程リッチーが破壊した檻の元まで走る。そこから鉄の棒を一本拾い上げるとリッチーに向けて構える。

 

「うん・・・重さ的にもちょうどいいね。エース達に教わった使い方が出来る」

 

「ガオオオオオ!!」

 

今度は頭を下げての突進。それを毛を掴み、リッチーの頭の上でバク転するように回避。モージに鉄の棒を振るう。

 

「ハァ!!」

 

「グッ!!」

 

咄嗟に右腕でガードしたがすれ違いざまとは言え鉄の棒による一撃。モージの腕が内出血で赤くなる。

 

「やってくれたな女ァ。生きていられると思うなよ!!」

 

「この後もっとたくさん控えてるしね。能力は何とか使わずに行きたいけど・・・!!」

 

ダダンの元でルフィと共に鍛えられたウタはリッチーのような猛獣とも戦ってきている。回避しながら少しずつ攻撃を入れるくらいならウタでも可能だった。

 

「グルァアアアア!!」

 

「フッ!!」

 

再びリッチーが腕を振るう。避けざまに今度はリッチーに一撃入れるも流石にこの程度では倒れない。

と、その時、リッチーがヒクヒクと鼻をひくつかせる。その目線はシュシュが守るペットフード店に向いている。それに気付いたシュシュがグルルル・・・と威嚇の声を上げる。

 

「リッチー、食事は後だ。まずはこの女を始末してから・・・・・・」

 

「ガウ!!」

 

ガブッ!!!

 

シュシュがリッチーに噛み付く。だがたかが犬の噛みつきなど、大きなライオンのリッチーには全く効かない。ブン!と腕を振るえばシュシュは簡単に吹き飛ばされる。

 

「シュシュ!!」

 

「なんだ?この犬。まさかこのちっぽけな店の番犬ってわけじゃねェよなァ・・・・・・」

 

「その店はシュシュの宝物だ!お前たちが触れていいもんじゃない!!」

 

「ああ!?宝物だァ!?バカ言うな!!宝物ってのはなァ、金銀財宝みたいなもののことを言うんだ!!」

 

「違う!!確かにその店はアンタにとっても、なんなら私にとってもただの店だけど・・・シュシュにとっては主人と一緒にずっとやってきた大切な場所だ!!」

 

「ハッ!話が通じねェな。まァいい。どの道テメェも犬もぶっ殺してやるよ!!」

 

そう言うと再びリッチーがウタに襲いかかる。だが既に何度も動きを見ていたウタはそれを避け、しかし攻撃は入れずにシュシュの元へ走る。

 

「シュシュ!大丈夫?」

 

「ワン!」

 

「よし、シュシュ。私はあなたの主人じゃないけど・・・あの店を守るために協力してくれる?」

 

「ワン!!」

 

「いい子!」

 

「ガオオオオオ!!!」

 

「ハッ!!」

 

リッチーの攻撃、シュシュと話していた最中だったため、避けきれず鉄の棒で受けるが勢いを殺しきれず、近くの建物まで吹っ飛ぶ。

 

「ウッ・・・!」

 

「ワンワン!」

 

「大丈夫・・・!それより、さっき言った通りにやるよ!」

 

暫く避け続け、やがてリッチーが頭を下げ、突進してきたその時!

 

「今!!」

 

「ワン!!」

 

いつの間にか鉄の棒の先端に乗っていたシュシュをウタが全力で放り投げる。狙いはリッチーの上のモージの顔面!!

 

「何!!」

 

「ワン!!」

 

ガブッ!!!!

 

首筋に噛みつき、勢いそのままにモージをリッチーから引きずり下ろす。主人の重みを失い、リッチーが戸惑っている隙にウタは地面に倒されたモージの元へ向かう。

 

「このクソ犬が・・・!!」

 

シュシュの首を絞め上げようとするモージに背後から駆け寄り、鉄の棒を振るう。

 

ガンッッ!!!

 

「ガッ・・・!!」

 

バタリとモージが倒れ込む。だが喜んだのも束の間、リッチーがウタ達に気付く。流石猛獣使いと言うだけあるのか、主人が倒れても尚、リッチーはウタ達を攻撃しようとしている。ウタもシュシュもここからリッチーまで倒すとなるとかなり難しい。シュシュを後ろに庇い、ウタがいよいよ能力を使おうとした瞬間、

 

「ウタに何やってんだァァァァ!!!!」

 

突如飛ばされていたルフィが現れ、頭上からリッチーを殴り倒す。まだ意識があるリッチーに対し、ゴムの体を活かして腕をグルグルと巻き、その状態でリッチーを掴む。

 

「ゴムゴムのォ・・・」

 

そのまま後ろを向き、一本背負いのようにリッチーを投げ飛ばす!!!

 

「槌ィ!!!」

 

回転の勢いも加え地面に首までめり込んだリッチーはガクリと意識を失う。

 

「大丈夫か!ウタ!!」

 

「ルフィ・・・良かった・・・!!」

 

「俺はゴム人間だぞ。あんなので怪我しねェよ。それよりお前は」

 

「ああ、大丈夫。ちょっと掠って怪我したくらい」

 

「そうか・・・!良かった・・・!!」

 

先程までの殺伐とした雰囲気から一転、なんとも甘い雰囲気になったルフィ達を、シュシュが白い目で見ていたことは言うまでもない。

なんにせよ、ルフィ達はバギー一味のナンバー2、副船長のモージを倒すことに成功したのだった。

 

 

一方、モージ敗北の知らせを聞いたバギーはとうとう怒りの頂点へと達していた。

 

「モージがやられた!!?」

 

「はい!船長!」

 

「おのれコソ泥め・・・・・・!!“特製バギー玉”!ありったけ用意しろ!!茶番は終わりだ!!この町ごと吹き飛ばす!!全て消し飛ばしてやる!!!」

 

危機はまだ終わっていなかった。

 





まさかの近接戦闘でした。現在のウタは映画ウタより歌の技量は下ですが身体能力の面では上回っています。赤髪の娘ということでルフィと一緒にガープがダダンの元に預けていたので、でっかいクマとか相手にしてました。基本囮役だったので避けるのが上手い、という感じですね。何せ髪色が目立ちますからね、ウタ。

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