とある黒猫になった男の後悔日誌   作:rikka

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143:交渉前のブレイクタイム(総督は除く)

『黒猫海賊団、ならびに白ひげ海賊団の混成艦隊、G14支部から目的地への航路に展開! 数七隻!』

 

 駒の差し合いは続く。

 海軍としては天竜人を守らねばならないという立場上、交渉が破談した時に備えて少しでも海兵を交渉の場である島に送り込まねばならない。

 

 だが、レッドポートは一刻も早く食料等を運ばねばならない輸送船と、その護衛船でごった返している。

 

 軍艦を優先させよ。民間は航路を譲れ。

 

 そういう強硬手段もなくはなかった。

 

 ……これまでならば。

 

 

―― 総督、レッドポートとリスキーレッド島を結ぶ中間海域での部隊展開、完了しました。

―― ご苦労、アメリア。あとは適当に。会談日の二、三日前までに戻って来ればいい。

―― ……珍しく航行の指示が曖昧ね? 総督らしくないわ。

―― 新世界だからな。戻るのは多少早くても構わん。遅れる方がマズいと思え。

―― 了解。でもそれでいいのかしら? 同行してる白ひげの人も護衛役の魚人も不可解そうよ?

―― 問題ない。我々黒猫と白ひげの合同艦隊が、その海域で明確な軍事行動を行ったという事実だけで海軍の包囲しようとする動きを封じられる。

 

 

 民間船が不安を覚える海域に、白ひげ海賊団の船が現れる。

 迎撃をしようにもまずそれが可能な部隊が揃わず、しかも現在『白ひげ』は天竜人の件で交渉に入る予定の『黒猫』と共闘関係にあると見られていた。

 

 現に白ひげ艦隊の中には、必ず『黒猫』の特徴である親衛隊の姿が確認されていた。

 

 絶対の存在である天竜人の安否がかかっている以上迂闊なことは出来ず、かといって放置も出来ず。

 結果海軍は、その部隊展開の主導権を一人の少年海賊に握られていた。

 

「民間の往来が比較的減る夜間の間に一隻でも通す! ただし、優先するのは輸送船だ! これ以上レッドポート近隣の島の火種を放置は出来ん!!」

 

―― ジンベエ、ライジン島方面に出した魚人偵察隊を下げる。電伝虫を。

―― ? もうよいのか?

―― あの海域を強行した艦隊との遭遇戦を畏れていたが、ここまで来たらもう間に合わん。

―― 承知した。ではこの島に?

―― いや、ビブルカードを使ってアーロン隊の撤収援護に回してほしい。探り撃ちの一つもなかったという以上、海軍の手の内は読めた。あそこの空船を回収するだけの余裕はある。

 

 

 状況は厳しい。

 クロの真意は読めていても――いや、読めているからこそセンゴクは厳しい綱渡りを覚悟して海軍の方針を叫ぶ。

 

「クロが事実上の指揮官とはいえ主戦力は白ひげ! そして我らは不本意だとはいえ奴らの縄張りに手を出したのだ!」

 

「可能な限りの兵を集めよ!」

 

「これ以上事態を暴発させるような事があってはならぬ!!!」

 

 

 

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 

「海軍の奴らめ、こうも集まるのが遅いとはいったい何をやっているのだえ」

「海軍も最善を尽くされてはいるようですが、どうしても限界がある御様子。どうか残り七日の間、ご不便をおかけいたしますがご辛抱を」

 

 プルミング聖を始めとする八名の天竜人は、魚人島攻防戦の最中に比べて大分静かになったがそれでも天竜人。

 出来るだけ不満を残さないように、かつ戯れが過ぎる願いを出さないようにペラを回すのも俺の仕事である。

 

(ちくしょう、ここにトーヤがいれば多少は任せても大丈夫なんだがな……)

 

 西の海に着いたらスパニエル君はしばらくトーヤに付けて弟子入りさせておこう。

 つくづく思うけど、親衛隊の中で一番替えが利かないのはトーヤだわ。

 

「クロ、これだけ海軍がいれば大丈夫ではないのかえ? 一刻も早く、聖地に帰りたいアマス」

 

 プルミング聖の二女、ロエリー宮がそう言うと周りの天竜人数名も小さく頷いて同意を示す。

 まぁ、そりゃそうだろうが――

 

「申し訳ありません。皆様を船の狭い部屋に押し込めている事は大変心苦しいのですが……先日のように皆様に危害を加えかねない者が現れる可能性があります」

 

 先日、警戒していた侵入者が本当に現れた。

 

 原作の……名前忘れたけど牛のツノみたいな髪型のCP9が食ってた実のように空間に作用する能力があるから、当然あり得ると思っていたら……。

 

 居合わせたトロイとTボーン、スモーカーが応戦したがとにかく強く、スモーカーに至っては斬られかかった。

 とっさにスモーカーが「やはり暗殺に動きやがったか!」と叫んだ事に一瞬怯んだ事で時間を稼げた所に俺とクリス、レイリーが参戦し、クリスとレイリーがバッサリ胴体を斬った所を俺が『噛猫』で吹っ飛ばしたが……なんだったんだあの三日月野郎。

 

 天竜人の面々は顔を知っているようだったが……。

 よく確認する前に顔面に蹴り叩き込んじまったからなぁ。

 トドメとばかりにトロイが覇気込めて投げた短刀もぶっ刺さってたし。

 

「クロ、あれは……本当にわちきらを?」

「……正直、なんとも言えません。確率としては半々かと」

 

 ともあれ、海底の時に比べて天竜人はある程度俺に心を開いてくれている。

 ならば、偽りの情報で引っ掻き回すまでもないだろう。

 

 思う所を気持ち塩一つまみ分くらい反天竜人に傾けてお渡しすれば、キチンと飲み込んでくださる。

 

「恐らく、海軍を飛び越えて政府の命で動いたのでしょうが……マンマイヤー聖の強行命令同様、余りに迂闊と言いますか……杜撰であるとしか言えません」

「杜撰じゃと?」

「確実に皆様をお返しするための策であると、センゴク元帥は理解しておられます。だからこの会談の場を必要以上に険悪にさせぬように尽力している。にも関わらず、その努力を踏みにじりかねない真似を容易くやってしまう」

 

 マンマイヤー聖と全く同じだ。

 辛抱が利かない……だけかと最初は思ったんだが……。

 いや、実際マンマイヤー聖はそうだったのだろう。

 

 だが――

 

(これまでの兵士からの情報と、先日の襲撃で確信が持てた。世界政府は、天竜人以外を潜在的な敵と見ている。直属の組織である海軍も。……下手したら役人でさえ、奴隷候補に役割を与えている程度にしか思っていないのかも……)

 

 だから今回という緊急事態、しかも海軍将兵の心が離れている事に危惧を抱いている現状、どうしても直接自分達の手で解決せねばならないと動いてしまう。

 世界政府を名乗りながら、どうしようもなく奴らの世界は狭い(・・)

 

「だからこそ、海軍の力が必要なのです。天竜人――マンマイヤー聖が皆様を取り戻そうとしているのか、あるいは本当に悪意があるのか。どちらにせよ軽率な動きで万が一にも海軍と白ひげの間で戦端が開かれれば、我々『黒猫』も皆様の身の安全の確保で手一杯になります」

「……じゃが海軍は頼りにならぬ」

「いいえ。彼らには『数』という最大の武器があります」

 

 大勢が動かせる。

 ただそれだけで滅茶苦茶強いんだよ。

 天竜人がアホやらなければ、西の海を除く二度の大規模徴収令を乗り越える事だって出来るくらいには。

 

「兵士達という、言い逃れの出来ない大勢の『証人』の目の前で皆様の安否を報せ、その上で政府に筋を通していただく。これが今という状況では何よりも大事なのです」

 

 焼石に水レベルだけれども。

 とはいえ、その水一滴を舐めたらアカンのが統治であり政治だ。

 万が一にも油断は出来ん。

 

 向こうもどうやら俺を指揮者と捉えている節があるし、必ず天竜人の返還と捕虜交換を成功させて、より多くの兵士達に我々黒猫の『実績』を見せつけ、認めさせる必要がある。

 

「多くの目があればこそ政府も軽率な真似は出来なくなり、皆様の壮健な姿を多くが知る事により、万が一の際にも聖地での皆様の身の安全の保証に繋がります」

 

 …………。

 

 …………。

 

 大丈夫?

 俺の言っている事、伝わってる?

 

 あぁ、ルセリナ宮はそんなに不用意に近寄られても……。

 チクショウ、三歳児の天竜人なんざどう扱っていいか分からん。

 なんか懐いてくれたのはいいんだが。

 

 

 

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 

「天竜人への説明会を兼ねた茶会、その他諸々お疲れ様」

「あぁ、悪いなドール曹長」

 

 天竜人への説明を終えてから白ひげの面々の酒盛りに顔出して、民間魚人達の様子をネプチューン陛下と見て回ってから天竜人も含めた皆の食事の仕込みして、完成した会談場の視察を終わらせて、状況把握に小舟出して来た海兵の所に顔出しして説明して、そのあとレイリーと斬り合ってビスタさんと斬り合ってジョズさんと殴り合って、なんか向こうの若いけどやたら強い剣士と更に斬り合って白ひげと飲み比べして…………。

 んでもって酔い醒ましにレイリーと斬り合ってから念のために物資残量の再確認をしてウチの各班からの報告書に目を通して……。

 

(ほ、本っっ当に……疲れた……)

 

 聖地での激務に引き続き、今回の事件で改めてダズやテゾーロ、ロビンの有難さを本当に思い知った。

 命じた事をこなして報告書を上げてくれるというそれだけの事が、どれだけ有難いことか身に染みる。

 

 仕事でなんとなく目を通している資料の一枚一枚が、どれだけ苦労した矢先に残った気力を振り絞って書かれている物かしっかり思い出した。

 下積み時代を思い出せたのはまぁ、有難いっちゃ有難い。

 

(まぁ、白ひげ海賊団はあくまで協力者で……ウチみたいな物資管理制度とかないしなぁ)

 

 あとハンコックが事務仕事の手伝いにと残していってくれたギャルディーノ君。

 お前絶対に逃がさんからな。

 なんとしてもウチの海賊団に骨を埋めてもらう。

 

 さすがにハンコックから奪うわけには行かないが、出来ればテゾーロとタッグを組んでウチの組織運営の仕事に専念してもらいたい。

 

 ……ハンコックも明日明後日くらいにまでは戻って来るかな。

 定時連絡では大分近づいているという事だったし。

 

「――にしても」

 

 ドールが煎れてくれたお茶を啜る。

 疲れている時の俺の好みの程よい薄さ、程よい温さ。

 後で足すように砂糖壺とミルクの入った小瓶がテーブルの上に並べられている。

 

「悪いな、ドール」

「? なにが?」

「海賊の好みを完全に覚える程にお付きをやらせてしまった事にだよ」

 

 いやもう本当に申し訳ねぇ。

 見せて問題ない範囲なら書類仕事まで任せてしまって……。

 

「代わりに総督からは色々と教えてもらっているから。これでトントンさ」

 

 結果としてスモーカー君同様、完全にドールも我々に馴染んでいる。

 親衛隊の面々――特にムードメーカーに徹しているミアキスが上手い事空気を捌いているのもあるだろうが、捕虜の面々との関係はかなり改善している。

 彼らの精神面も徐々に良くなっていたようで、最近では重湯や粥とかじゃなくてちゃんとした食事を取れるようになってきた。

 

 ……しまった、仕込みは終えたけど後で彼らのリクエスト聞いておかないとな。

 

 もうじき彼らは返還するんだ。虐待や粗末な扱いをしていたと思われてはならん。

 スモーカー君達は人手が足りないから予備兵みたいな扱いしちゃったけど、可能な限り彼らを万全の状態に整えておかないと。

 

 捕虜交換はそれそのものが儀礼の確認であり、今後の交渉の武器になる。

 ……向こう側の扱いが気になるが……。

 

「なぜか、俺が即席講義を開くと必ずクロコダイルも参加しているけどな……」

「総督よりは海賊らしい男だけど、意外と真面目な男よね」

 

 スモーカー君やドールにせっつかれて先日の補給線に関する話をアレコレしていたら、いつの間にかクロコダイルまでその話に参加していた。

 むしろ積極的に質問している。

 ちょっとした陸戦に関する講義を開いた気分だわ。

 

「それにしても、あと七日で交渉か」

「そのための準備は進んでいるし、天竜人も一応協力的だ。問題は――」

「……魚人、だね?」

「ああ。今捕まっているのは、主に先日の攻防戦で暴走した連中だからなぁ」

 

 本当の意味での民間人はほとんど救出している。

 で、それと前後して魚人の暴走が始まってしまって……。

 

(ジンベエが相当気にしているからなぁ)

 

 出来るなら助けてやりたいし、だからこそ捕虜交換という形になるように正式に宣戦を布告してる。

 

「センゴクさんは多分乗ってくれる……と思うんだ。ただ……」

「ただ?」

「天竜人がそれこそ最後まで居座っていたからなぁ」

 

 あの時魚人が捕らえられていた船には天竜人も残っていた。

 あの戦いの後、奴らが彼らの所有権を主張していたら面倒な事になるかもしれん。

 

「そういえば、まだ元帥は到着していないね」

「……まぁ、所詮一海賊なんだからキチンとした本部中将クラス以上が来てくれれば形式上は問題ないんだけど……」

 

 ひょっとしたらセンゴクさんやおつるさんが手間取っているのは、そこらへんの問題もあったのかもしれん。

 加盟国であるリュウグウ王国が宣戦を布告した意味の重さを理解……出来ないんだろうなぁ、天竜人は。

 

「総督を一海賊だと思ってる海兵は本部にはいないよ。アタシらが天竜人のお守りにかき集められる頃には、もう聖地防衛戦の詳細が出まわってたからね」

「? 早いな」

「本部の戦術研究部が騒いでたのもあるだろうし、それに……」

 

 それに?

 

「反黒猫派筆頭の一人だったサルーキ少将が、戻ってきてから総督の事ベタ褒めしてたからね」

 

 サルーキ……。

 ああ、シキに沈められた艦隊の指揮官だった人か。

 骨折も一応落ち着いた事で、俺が聖地に行くタイミングで本部に移送されたって話だったけど。

 

「だからまぁ、他の海は分からないけど本部の人間は多かれ少なかれ総督には好意的なのさ」

 

 むぅ、そんなもんかね。

 

「……ねぇ、総督」

「ん?」

「ヒナ達はこの後も総督に同行するんだよね?」

「ああ。スパイだからな」

「どんなスパイなんだよ、それ」

 

 まぁ、正確にはスパイと書いてパイプと読むのが正解なんだけど。

 今は緊急事態に緊急事態が続いて機能していないけど、西の海に戻って態勢を整えれば裏でセンゴクさんと再び連携することも――

 

「……なら、総督」

「ん?」

「アタシも、一度西の海まで付いて行っていいかい?」

 

 !!?

 

 なんっっでや!!?

 捕虜交換で君捕虜やぞ!

 秘書やらせているけど!!

 

「……理由を、聞いても?」

 

 とりあえず訳を話せ。

 そう尋ねると、ドールはしばし黙ったまま俯いて、

 

「そっちの幹部に、アタシの上官の関係者がいる」

「上官?」

「だったってのが正しいけど……」

 

 元海軍。

 タキ爺ちゃんやビグルみたいな元西の海の兵隊か?

 

「海軍に戻る事に疑問があるってのもそうだけど……一度、会って話を聞きたいとは思っていた」

「ちなみに、誰に?」

 

 

「……ニコ・ロビン」

 

 

 …………。

 

 …………。

 

 ????

 ロビン???

 

 ロビンに関わった元海兵で、階級高い人?????

 クザン……はまだ海兵のままだし……。

 

 …………。

 

 あ。

 

「ひょっとして、巨人の?」

 

 そう聞くと、ドールは久々に暗い顔をして小さく頷いた。

 

(お前――)

 

 

(サウロの部下だったんかい!!)

 

 

 

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 

「黒猫派?」

「ああ。少佐なら知っているかと思ったんだが」

「うむ、耳にはしている。西の海の海賊連合事件以降、彼と直接関わった海兵達だろう」

 

 先の魚人島攻防戦において捕虜になった面々は、たまに総督のクロを始め黒猫の作業を手伝う事はあったが基本的に自由行動が許されていた。

 

 その中で捕虜に人気の行動の一つが釣りだった。

 白ひげから莫大な食料が提供されているとはいえ少しでも足しになればとある兵士が挙手した所、手先の器用な親衛隊の面々が釣り竿を作って渡したのだ。

 

 時間のあいたTボーン少佐とスモーカー兵長は、その釣り竿から糸を海に垂らしてジッとかかるのを待っていた。

 

「ただ、いわゆる派閥というよりは……情報交換というか、活発的になんらかの活動をしているわけではない」

「それでもいいんだ」

 

 そもそも、釣ろうと思って釣り竿を振っているわけではない。

 会話をするにも手持無沙汰だったために、なんとなくスモーカーが持ち出しただけである。

 

「クロだ。本人は海賊だと言っているが――」

 

 そこそこ柔らかい地面に釣り竿の根元を突き刺し、スモーカーは釣り糸の先のその向こう。

 海軍が駐留している島と、その周囲の数々の軍艦へと目を向ける。

 

「アイツだ。政府の意向なんざ知るか。アイツの思想、思考こそが、今一番海軍に必要なモンだ」

「……軍内部に、彼の思想を広めた上で組織化する。……正直、彼の今日までの活動を見て私もそれを夢想することはあった」

 

 Tボーン。

 少佐の身ではあるが、将来の海兵の鑑になる兵士と言われた男は釣り竿を握ったまま溜息を吐き、

 

「彼、あるいは彼の思想を頭に置いた新たな海軍。新たな民衆のための軍組織。だが……」

「ああ。政府は絶対に奴を認めねぇ。この一件で明らかだ」

 

 スモーカーは拳を握りしめる。

 何かを殴ったり八つ当たりするためではないが、何かを握りしめなければ気が収まらなかった。

 

「政府にそれを認めさせるには、海軍の権力が奴らのソレに匹敵しなきゃならねぇ」

「……理屈はその通りだが、私の矮小な脳ではその手段を思いつかん。策はあるのかね、兵長」

「俺にも、分かんねぇ。だから、まずは頭数を揃える」

 

 スモーカーは思い出す。

 敵も味方も分からず、とにかく目の前の人間を殺し続ける海兵達と民衆。

 血走った目ですでに事切れた天竜人の身体に延々銃剣を突き立てる、正義に憧れていた新兵。

 

 

「今のままじゃ駄目だ」

 

 

 

「駄目なんだよ」

 

 

 

「天竜人のための海軍じゃあ」

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