とある黒猫になった男の後悔日誌   作:rikka

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165:固まる結束

「いや~、悪いわね。『神敵』直々に護衛についてもらって」

「……殿下、出来ればその二つ名は……自分には少々過ぎた物ですので」

「あら、どうして? アンタにはピッタリじゃない」

 

 リガロの王妃――王様に置いて行かれたお姫様は、とても若いお方だった。

 逃げたリガロ王が60歳前後だったハズだから王妃殿下もその年齢位……若くてもマイナス10歳くらいだろうと思っていたら、なんと今年で22だそうだ。

 

 そんだけ離れてりゃ犯罪だよなぁ。

 確かにとんでもない美人だけど。

 

 赤みがかった髪をポニーにしている、活発そうな方だ。

 

「というか、アンタにとっても都合がいい二つ名でしょ。これを付けた世界政府は馬鹿の中の馬鹿だわ」

「まぁ……はい。そういう側面は確かにあるんですが……」

 

 そしてとんでもなく気さくな人だった。

 

 護送中の世話役として連れて来たアミスとキャザリーが微妙な顔をしている。

 うん、今まで見て来たお姫様の中で一番フランクだもんね。

 

「天竜人に対するカウンターであることを指し示す称号。……あぁ、そうか。ひょっとしたら海軍がそれを狙って名付けた可能性もあるわね」

「海軍は恐らく政府の手綱を切ろうとしている最中(さなか)。だからこそ今、政府に余計な所で目を付けられる行動は控えるでしょう」

「じゃあ本当にただの自爆? 沸点低いわね~天竜人様は」

 

 アンタ元は加盟国の王妃だったろうが!!

 一応は!!

 

「まぁ、あれだけ好き勝手出来ればそうもなるか」

「……スーペリアは酷い事になりました」

「それを聞いていてアンタらの庇護下に入るの渋る馬鹿が多くてごめんなさいね?」

 

 コイツ平然と自分の国民ディスったな!!?

 いやまぁこの一年半の間に相当苦労させられたんだろうけど!!

 

「ったく、民衆はともかくあの馬鹿が国捨てて逃げた時にあたふたしか出来なかった役立たず共は……肝心な所で渋りやがって」

「大臣達ですか」

「そ。……おかげで監視役としてアンタの所の兵隊、多めに配備してもらわなくちゃいけなくなるし」

「……我ら海賊の下に降る事を思えば、あながち渋るのも――」

「自分達の敗北を未だに受け入れたくないのよ。『死の教師』に城の一角斬り落とされた時にはチビるどころかデカいのまで落とした癖に」

 

 王妃殿下は肩をすくめてため息を吐く。

 船の中というのもあって木製のティーカップを使っているが、それでもその所作(しょさ)にはやはり品がある。

 

「おかげで出遅れたわ。もう他の国の御姫様達一通り抱いたんでしょ? 誰が一番良かった? 夜の相手の参考にするから直接話を聞きに行きたいんだけど」

 

 口を開けば全部吹き飛ぶが。

 

「彼女達は各々の御国のために覚悟を持って来られた方々です。それを汚すような真似は……」

「え、抱くどころか剥いてもないの? ウチのトドみたいにデッカい風呂で裸の女侍らせたりとか」

「……殿下、どうか言葉を選んで頂きたく――」

「じゃあアンタ……まさかまだ童貞!?」

「言葉を選べ!!」

 

 やっべ、思わず素が出てしまったな。

 美人さんがにんまりと笑って、「へぇ~」だの「ふ~ん」だの言いだす。

 おいそのニヤケ面止めろ。

 俺の男女平等パンチが光って唸るぞ。

 

「馬鹿真面目ねぇ~。適当につまみ食いしなさいよ。そっちの方が皆安心するわよ?」

「……いずれそうなる可能性もありますが……」

「まぁ、海賊だけど正義の味方である事を求められているアンタじゃ、行動の一つ一つに慎重になっちゃうのも仕方ないか」

 

 そうなんだよ。

 

 この人明らかに王族らしくない気軽さだけど、知見は確かだ。

 情報収集も欠かしていないし、自分の見聞きした物を疑う用心深さといざという時の大胆さを持ち合わせている。

 

「お、見直したって目だね」

「……正直、貴女が王族として国の手綱を引いていればと思わずにはいられません」

 

 この人ならばスーペリアへの火事場泥棒なんて真似をせずとも上手く立ちまわれただろうに。

 

「あっははは! 無理無理、アタシ元は娼婦だもの」

 

 だからこそ惜しいんだよ、マジで。

 

「……第二妃でしたね」

「あのデブは女遊びが激しくてね。ウチの娼館のお得意様だったのよ」

「引き上げられた時に、反発は?」

「そりゃああったわよ。とはいえ、前の王妃様が後を継ぐ王子様を二人産んでいたし、お姫様も二人いた」

「……血筋の確かな後継者がいるため、ですか」

「そそ。万が一アタシに子供が生まれても王位継承者に数える事はないって誓約書まで作らされたんだから」

 

 背筋を伸ばしたまま、ティーカップを美しく傾ける。

 

「……そこまでやっといて、まさかその子供達を見捨てて逃げるなんてね」

 

 そうして空にしたカップを受け皿の上へと戻して、明るかった表情が一転して重苦しい物になる。

 

「ねぇ、あの子達に付いてくれた親衛隊。当然アンタが信頼できる人間なのよね?」

「はい。指揮を執るトロイは武力のみならず、機転が利く男です。自分達に都合の良い俗事を吹き込もうとする輩から殿下らを遠ざけるでしょう」

「ありがとう。大臣達はまだ世界政府での椅子に未練があるようだから……。本当はあの子達も連れて来たかったんだけど……」

「さすがにそれは対立を深化させます」

「えぇ……」

「今回の会談を経て、リガロの立ち位置が明確になれば多少はリガロの王宮内も落ち着かれるでしょう」

「多少はね。……それこそ、今建ててる基地が完成してかなりの兵力が常駐するまで大臣達はどうにか政府に繋がろうとするわよ」

「その後は?」

「……一応は大人しくするけど、ずっと天秤を揺らしているって所かしら」

 

 モグワやスーペリアがそうだったが、王様が好き勝手やる分には世界政府は楽なんだ。

 縛る物がほとんどない。

 それこそ国民総奴隷化だろうと黙認するだろう。

 

「当然アタシは政治から切り離されていたから、あくまでアタシが感じているだけよ?」

「はい、ですが参考になりました。ありがとうございます」

 

 言い方を選べば、接客業のプロだからか人を見抜くセンスがこの人は凄い。

 確かに鵜呑みにするわけには行かないが、それでもかなり精度の高い物差しだろう。

 

 ……段階を踏んで、場合によっては裏切りの証拠を押さえて正当性を確保した上でリガロの大臣らを排除(パージ)する必要もあるな。

 

(……というか、この人俺達にソレを望んでいるのかもな)

 

 油断はできないが、こういう人がいるのは正直助かる。

 

「ま、一番手っ取り早いのはアタシがアンタの子供を産む事ね」

「おい」

「なんなら、今からちょっとアタシの身体を試してみる? モプチに着くのは明後日でしょう?」

「おい!」

 

 やめろ胸元はだけさせるな!!

 

「あっははは! 可愛いわねぇ。こんな初心な海賊初めて見たわ」

「……お戯れを」

「あながち冗談でもないわよ。アンタの子供を産んだらもうじき形になるアンタの勢力圏でのリガロ代表者は間違いなくアタシ。皆を捨てて逃げたあの豚王に付いていた大臣達はますますリガロの指導者層としての名分を失い、動けなくなるんだから」

 

 まぁそうなんだが……とりあえず胸を隠せ。

 

 …………。

 

 服を直せって意味だよ! 手ブラじゃねぇ!!!

 

 ケラケラ笑ってんじゃねぇぞ貴様ぁ!!!

 

「まぁ、アンタには迷惑かけるけどこのまま監視の兵力を割いてくれると助かるわ」

「スードッグ島は我らにとってもはや要地です。万が一が起こらぬように――あるいはその場合でも対処できるよう気配りを欠かさぬと誓います」

「ん、ありがと。噂通りアンタはいい男だったから気に入ってるし、出来れば今後も仲良くやりたいわね」

「……ならば、お戯れを少々控えて頂ければ」

「堅いわねー。その調子じゃモプチの御姫様にも手ぇ出してないんでしょ? 可哀そうじゃない」

「…………」

「アンタら式典の様子公開してたけど、どの写真でもずっとアンタの腕を離してなかったでしょ? 気持ちを汲んで男から踏み出していかないと……王族の女ってのはあんまそう言う事口に出せないんだから」

「…………」

「…………ん?」

 

 服を戻した王妃が、立ち上がってこっちの顔を覗き込む。

 

「あれ?」

「…………」

「……あら」

「…………」

「あらあらあら?」

 

 おいやめろ。

 

「……さすがにそっちとはヤったの?」

 

 やめろって思ってんだろうが!!

 観察スキル高ぇーんだから察しろ!!!

 

「へぇ~~~~」

 

 おいやめろって。

 

「ふ~~~~ん」

 

 俺の周りをグルグルすんな!!

 

 しばらくそうしているとリガロ王妃は後ろから俺の肩に顎を乗せてきた。

 手にした派手な布製の扇子を口元を隠すように――ついでに俺の耳と一緒に覆うように広げ、

 

「で、どうだったの? 良かった? ん??」

「質の悪いセクハラオヤジかテメーは!!!! ……おい! おいアミス! それ止めろ!!」

「何もしておりません」

「――っ! 照れるな!!!!」

「無理です!!」

 

「あっははははははは!!!!!」

 

 

 

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 

「此度の会合も、無事に終わりましたね」

「ええ、テレーズ様。あとは新庭園での茶会を終えるだけですな」

 

 黒猫への貢物も兼ねて出向いた姫達の仕事は、黒猫の本拠地たるモプチだけではなく各地を廻ることだった。

 

 例えば収穫祭。例えば王族の方の生誕祭。例えば流れ着いた多くの餓死者の鎮魂式。

 

 そういった儀礼式典に黒猫領の王族として参加し、各国の情報を共有して結束を深める。

 それこそ黒猫が彼女達に求める物だった。

 

「此度の庭園。聞けばまた総督が手を入れたとか」

「まぁ。もはや庭園作りはあの方の趣味でございますね……。ここと同じく美しい物が出来ている事でしょう」

「なんでも、このモプチにだけ咲く淡い蒼の花をふんだんに咲かせたとか」

 

 グリンヒル第一王女テレーズ。

 そしてカナン王国第二王女ベルナデット。

 

 なぜか一年遅れたにも関わらずクロと気さくに話すリガロ王妃はともかくとして、黒猫の下に参じた姫たちの中でも頭角を現し始めた二人が今いるのは白猫館。

 

 クロが王女達を住まわせる場所として、すでに仕事を割り振っていた大工達に頭を下げて回って急遽建造してもらった住まいである。

 

「……それで、テレーズ様。私に内密の話があるというのは?」

「はい。我々の今後について相談したく」

 

 クロとハンコックが設計したテラスにて、それぞれが持ち寄った軽食を口にし、それを紅茶で流し込んで本題に入る。

 

「最近、ベルナデット様は御父上とお話を?」

「ええ。先日ミホーク様によるカナンの農場視察に同行して帰国した際に」

「その際ベルナデット様を通じて、総督に何かしら陳情する様に求められたのでは?」

 

 テレーズの言葉にベルナデットは答えず、もう一度紅茶を口にして一息入れる。

 

「もしや、テレーズ様も?」

「はい」

 

 そして内容は言わず、逆にテレーズに問い返す。

 テレーズはその問いに肯定し、やや重いため息を吐く。

 

「総督に、偉大なる航路(グランドライン)行きを止めて西の海に留まってもらうよう説得してくれと……」

 

 その言葉にベルナデットは眉を顰める。

 

「私の父もそうだ。……総督らという大戦力がこの海を離れる事を恐れている」

「心情は理解できますが……」

 

 テレーズが黒猫に来てからというものの、世界情勢に関する情報は可能な限り手に入れ、頭に叩き込み、噛み砕いて手紙という形で文章にして父に――つまりは王へと送っていた。

 

「私の父は西の海しか……いえ、自国の今にしか目が行かないのです。それは危ういと、何度も話してはいるのですが……」

「総督が西の海に閉じこもれば、そのまま世界政府に勢力を回復させる時間を与える事になる」

「ええ。だからこそ我々の国々は強く繋がり、総督が政府を相手に立ち回る戦略の土台とならなければならない」

 

 ベルナデットという姫も、黒猫は西の海を出て世界に打って出るべきだと考えていた。

 

 守るだけではいずれ攻め滅ぼされる。

 

 盾も矛も戦いになくてはならない物ではある。

 だが得てして、盾と矛の争いは矛の方が強いのだ。

 

 だからこそ黒猫という刃を世界政府へと撃ち込み、自分達はその邪魔をしないように留守番役を全力で果たすべきだと。

 

「ですが父達は、今ここにある盾を失うことに耐えられないのでしょう」

「……テレーズ様――いえ、テレーズ殿。私を呼んだのは」

「今現在もっとも危機感を共有でき、かつ他の姫様達へ干渉できるのが貴女様だと判断したからです」

 

 他の姫達も愚鈍ではない。

 決死の覚悟――それこそ身を捧げる覚悟で来た者達なのだ。

 

 ただ、実家である王家の要請を無視する事は出来ない。

 

 薄々今の問題に気付いていながらも、クロとの繋がりをより深い物にしようとする者もあれば、親衛隊や更なる戦力を自国領に配備してもらいたいと陳情する者もいる。

 

「本来黒猫の一助にならなくてはならない我々が、黒猫の足を引っ張る存在になりつつあります」

「我々の足並みが揃っていないがゆえか」

「はい。……総督や、あるいは幹部の方からの寵愛を受ける事が勤めと考えている方が多かったので無理はありません」

「未だに家から急かされている姫殿もいると耳にしている」

「黒猫の人間との間に子供が生まれれば、それが黒猫を西の海に留める理由になると考えているのではないでしょうか」

「……あり得るな」

 

 王達の焦りは、ひとえに黒猫の支配が悪くないからでもあった。

 

 一定のみかじめ料や労働力の提供要請こそ出ているが、天上金のように搾り尽くすような苛烈さはなく、国を良くするために必要な大仕事や商いを行う時には協力すらしてくれる。

 

 まとめ役としては理想的ですらあったために、それを失う事をことさら恐れているのだ。

 

「ベルナデット様が今申された通り、我々は足並みが揃っておりません」

「であるなら……我らが繋がる必要があると」

「はい。出来る事ならば黒猫幹部……最低限でも、ある程度組織の動きを知るお方も巻き込めれば」

「……妥当な所だと親衛隊の方か。私の護衛に付いているアメリア殿に相談してみます」

「はい。私は小国も小国、離れた所では名すら知られない弱小国の姫です」

「……対して私は、かつてモグワと睨み合っていたカナンの血筋という札がある」

「皆様に呼びかけるには適任でしょう」

 

 海賊連合事件でその国力は大きく落ちたが、カナンという国はモグワに並ぶ軍事国家であった。

 その第二王女であるベルナデットは王女の身であっても剣を叩き込まれている。

 手慣らしとして親衛隊とも剣を合わせたこともあり、その姿から他の姫からも人気がある。

 

 そこにテレーズは目を付けたのだ。

 

「問題はどう言って集めるかだな」

「題目ならば、勉強会という形で。恐らく姫様の中にも、今の情勢を把握されていない方がいるはずです」

「……そういった方は孤立気味の人が目立つ。手を差し伸べる事にもなるか」

「むしろ、率先してそういった方々を巻き込まねばなりません」

「だが知識を詰め込む事が不得手な方もいるのでは?」

「勉強会はあくまで題目で、本格的な研究をするわけではありません。黒猫という組織が国家にどう動いて欲しいのか、なぜそう動いて欲しいのかを最低限把握、共有すればいいのです」

「……その知識の共有、周知の徹底がこの連合の中で上にのし上がろうとする王家の無茶への抑制になる、か。だが、それは姫殿達と実家の摩擦を生むのでは?」

「現状ですでに摩擦は起きております。むしろ、横に繋がる事で家との問題を抱える方を支えられるかと」

「ふむ……」

 

 ベルナデットは頭の中で算盤を弾く。

 

 彼女はカナン王国第二王女。

 

 ここにいる姫達の協調が必要とは考えているが、同時に国益に沿うかどうか、あるいは害の有無を考えなければならない。

 

(家からはクロ殿に全てを捧げよと言われている。子による血縁が主目的だろうが……外交面での主導権に近い所に立つ機会を逃がす理由はない、か)

 

 出来る事ならば西の海に留めろとは言われているが、同時にもし往くのであれば偉大なる航路(グランドライン)まで同行しろと言われていた。

 

 黒猫の側に張り付き、国には第一王子と王女を残す。

 

 どちらかが失われる事になっても、カナン王家の血筋を遺すための策だ。

 

(常に最前線に立つだろうこちらよりも、本国の方が比較的安全。残る可能性は高い。ならば父や兄上達への置き土産として、立場を補強しておくのは悪くない)

 

「分かりました。明日からは茶会の用意で忙しくなりますが、その後から出航までの間は日数がある。その間に、共有できそうな方々に話を通してみよう」

「私は親衛隊の方に話をしておきます」

「頼む。黒猫と足並みを揃えるためという事を強調して、我々が集まるという事に対してどこまでが許されるのか聞き取って欲しい」

「かしこまりました」

 

 こうして黒猫陣営内部に、更に結束を深めるために独自の道を探す者が現れた。

 

 彼女達は親衛隊を通して黒猫海賊団上層部の意向を確かめながら、各国の姫を集め、まとまり、そして半年後。

 

 彼女たちは、後世に西海婦人会と呼ばれる組織の元となる団体を結成。

 まず手始めに西の海を始めとする各海の情勢。

 それに対する黒猫という組織の視点を――

 

「というわけで、現状我々『黒猫』が内務の最重要課題として挙げているのは各海を繋ぐ航路の保全と、その効率化だ。皆も実感していると思うが、この一年でだいぶ生産力が安定してきたからね」

 

 黒猫海賊団総督が直々に、身振り手振りに加えて参加している各国の小咄を交えて解説する事が増えたのであった。

 

「A地点からB、BからC、CからAという三角形を描くように、可能な限り船を空にせず物を回して各国を豊かにする。実例を挙げよう。例えばキャネットでは今、ウチのミホークが稲作を試しているが――」

 

 

 

 

 

 

「な、なぜ総督が直々に、時間を割いてまで私達に講義を……こんな貴重な情報まで……うぅっ」

「テレーズ殿、大丈夫かい? 胃薬が必要ならあるが……」

 





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