とある黒猫になった男の後悔日誌   作:rikka

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すいません、繋ぎ回な上に十月から十一月……最悪年末までは少し更新が遅れ気味になります

本当に申し訳ない……


087:海賊の要請と不安

(テメェこの野郎! こっちが武器にした人目の多さを逆手に取りやがったな!?)

 

 転んでもタダで起きないとはふてぇ野郎だ!

 見ろ! 女の子達ビビり散らかしてるじゃねぇか! 特にやる気なかったプライド高そうな娘!

 

「……唐突ですね」

「貴様の能力は地区本部海戦の時から分かっておったうえに、そういう話がなかったわけでもない。……貴様から会談の要請があった時に、ピーター聖が提案したのだ。貴様を天竜人に迎え入れる事は出来んかと」

 

 ……農務武神のあの人が?

 五老星の一人にしては比較的話を振ってくれる人だなと思ってたけど……。

 

 あれ? 目の前のハゲの思惑はなんとなく読めるけど、そういう話自体はマジであったっぽい?

 

「貴様の能力は稀有な物だ。先日の襲撃で見せた武力に統率力、そして驚くほど高い政務能力。そこらの加盟国の王など比較にもならんレベルの物を貴様は持っている」

 

 まず天上金さえ払えば王様は誰でもOKという今の体制が色々アカン気がするんですがそれは。

 

 いや、まぁ……血統というか由緒ある血筋を象徴とした統治が国家を安定させやすいっていうのは凄く分かるんだ。

 だけどもうちょいこう……国家体制に添え木を当てた方がいいのでは?

 

 原作のワポルとか、実際目にしたモグワとかもそうだが酷いのがゴロゴロいすぎだ。

 

「幹部に同等の権利の授与、制圧した領地の自治権、部下や領地民への完全不干渉、そして基本的に領地で――あなた方でいう下界での生活を許可していただけるのならば、考えなくもありません」

「貴様一人が天竜人となるのでは不服だと!? 部下を貴様の家臣団にすれば済む話ではないか!!」

「私が求めるのは、私を信じついてきてくれる者達と共に切り拓く未来です。一歩間違えれば、それが人の所有するものでも揉め事を起こしかねない天竜人を警戒するのは当然でしょう」

「そのような――」

「ましてや、仮に私が天竜人となれば前例のない外様となります。私自身が他の天竜人と同等だと、あの方たちが納得するでしょうか?」

「…………むぅ」

 

 え、そこで口を噤むの?

 そこらへんの突っ込まれそうな回答は用意してそうなものだけど……。

 

(俺を天竜人にしてやや政府よりの立場としたうえで、今後の政府と海軍の折衝役を任せるつもり……もあると思ったん……だが……)

 

 

 …………。

 

 ちょっと待て。これ、ひょっとして割とマジで言ってる?

 

(……わざわざチップなんてものを用意していたんだ。狙いがあったのは間違いない……ハズ……だと思うんだけど……天竜人かぁ)

 

 今言ったことを全て認めてくれるのならば、別になってもいい。

 

 そうすれば七武海とは違い、海軍にある程度の命令権が持てる。

 さすがに馬鹿な命令で無茶ぶりをしたら俺が俺でいる理由がなくなってしまうが、これまでのような協力関係を確約出来るのはかなりデカイ。

 

 20年後くらいの原作入った時こそ怖いが、その間にジャヤと各方面の主要な島を押さえて、あくまで俺の直轄地として押さえれば、そこから先は海賊の迎撃以外では開発に専念できる。

 

 監視役にCPが仕込まれるだろうけど、むしろパイプ役も兼ねた存在になってくれるのならばプラス面の方がデカい。今のスパさんとかまさにそれだし。

 

 加えて、上手くいけば天竜人の外への影響を抑えるように立ち回れるかもしれん。

 

 ……さすがにそれやったら、いずれ我慢の利かなくなった普通の天竜人から排斥されて結局全面戦争になるんだろうが、それはそれ。

 

「天竜人とは下界ではなく、聖地に住む者だ」

「なるほど、最初に挙げたのが聖地に住むことですか」

「……っ……!」

 

 あんまり話しすぎるとマジで調整されそうだから、とりあえず牽制しておこう。

 しかし、聖地なぁ……。

 

(どっちなんだろうなぁ。慣習としてなのか、あるいは本当に聖地に住むことに何かしら意味があるのか)

 

 まぁ、前者も分かる。

 統治者にはある種の神秘性が必要だ。

 それには、選ばれた場所に住む選ばれた一族という看板はかなり……効果……的……。

 

 …………。

 

(――あ?)

 

 今、俺なにかに引っかかったな?

 

「それに、もし私が聖地に住んで完全な天竜人と成ってしまえば、今ほど成果を出せるようにはならないでしょう」

 

 いや、今はいい。とりあえずさっさと話を終わらせよう。

 頼むからさっさと仕事させて眠らせてくれ。

 

 生前に散々味わった感覚が近づいている。

 そろそろ最低でも四時間くらい眠らないと思考の速度も正確さも危険領域まで落ちる。

 こまめな五分睡眠でも思考が維持できなくなる寸前だ。

 

「貴方方でいう下界の知識と感覚があるからこそ、海軍との折衝役も含めて働けるのです。これで聖地に閉じこもれば、いずれ私も私の部下も、ただただ消費することしか出来なくなっていくでしょう」

 

 ……あ、やっべ。これ遠まわしに天竜人ディスってる?

 駄目だ、やっぱ眠らないとペラ回しにも影響が出て来るな。

 

「おそらく貴方方は、私に何かしらの価値を見出だしてこうしてお誘いしてくださったのでしょうが、その価値は私が自由であるからこそ生まれた価値です。どうか、ご理解ください」

 

 これは本当に思う。

 結局、価値観が一つしかない集団の中にいれば、思想や結束は固くなるかもしれないけど、その分柔軟性は失われるよなぁ。

 

 海軍が世界政府に完全に頭を押さえられているのも、そういう価値観の中から抜けきれないのもあるのかもしれない。

 

 いやまぁ、軍組織の思想がバラバラだと大変だが。

 

「クロ。……貴様は、なぜ戦っている」

 

 お前らのせいじゃろがボケゴル゛ァ!!!

 

 本当ならば完全に海軍の庇護下に入れる所で十分に稼いで好みの嫁さん見つけて贅沢三昧の――今度こそ永遠に終わらないエンドレス・デスマーチと無縁の……絶対に要領よく生きるという俺の渾身の願いが一瞬でパァじゃボケェ!!

 

 頑張って地道に作ってた王族とか貴族、海軍とのコネすら一瞬で消えてしまって……いやある意味でコネは取り返したけどこんなクソ重いコネじゃなくて!!

 

「軍事交易都市構想もそうだが、貴様は自分自身の国家が欲しいのか?」

「いえ……」

 

 都市じゃなくて港町だったんじゃボケェ!

 今じゃそれが国どころじゃ足りなくなってしまったのも、全部お前らのせいだからなチクショーメガ!!!

 

「私が求めるのはたった一つ」

 

 罪人になったからどうしても政府を相手に出来るだけの武力と大義名分が必要になっているのは確かにそうだけど、お前らさえ信頼できるんならさっきの提案だってキチンと交渉に乗れるのに!

 

 やっぱ天竜人が悪い。

 

「人が人としての尊厳を奪われる事のない、人の世が欲しいのです。ウォーキュリー聖」

 

 ヒナ、せめて頭は下げたままにしていてくれ。

 お前の立ち位置はなんか秘書みたいな感じだから、顔を上げるならせめて俺の横じゃなく前に出てくれ。

 そしてそのまま俺を隠してお願い。

 

 

「世界を荒らそうとは思いません。奪おうとも思いませんし、部下に奪わせるような真似もしたくありません」

 

 

「だからこそ、我々は聖地の外にいるべきでしょう。必要とあればお力添えをいたしますが、我らは黒猫」

 

 

「天を駆けるより、地を駆け回る方が性にあっております」

 

 

 実際、天竜人になった所で外での活動が出来なくなって、ただただ贅沢していなさいとかなったら一月もせずに飽きそうだしなぁ。

 

 実際、この時代の娯楽ってどうなんだ?

 ベガパンクへの優先依頼権とかあれば少しは楽しめるかもしれないけど、ベガパンクがどういう存在か分からんし。

 

(……結局、俺にとっての最大の娯楽はなにかしらを作る事なんだろうな)

 

 ただ消費するだけの生活とか絶対に耐えられない。

 正直、ミホークと畑仕事するのも結構好きだし、レイリーの要望通りに酒場を設計したり酒の手配している時とか滅茶苦茶楽しかった。

 

「海賊の方がマシとはな。後悔することになるぞ、クロ」

 

 そりゃそうだろうさ。これまで後悔しなかった日は一日もない。

 

「後悔無き生など、人の生ではありますまい」

 

 なんとなく思い浮かんだ言葉で返してやると、ウォーキュリー聖はこっちをジッと睨み、「ふん、確かにな……」と呟くと踵を返す。

 

「あぁ……少々よろしいですか、ウォーキュリー聖」

 

 だが帰さん。

 いきなりデッドボール投げて来たんだから、ここらで俺も一塁に進ませてもらわないとフェアじゃないだろう。

 

「なんだ、クロ」

「ええ。今回の借りを返していただきたい」

「借りだと? 我らの誘いに更に条件を付けてか?」

 

 ……断ったという受け取り方をしていないのか。

 いや、わざとそう読み取ったのか。まぁ、それならそれでいい。

 

「広告ポスターの顔役の任は十分に果たしたと思いますが?」

 

 手の動きを悟られないようにポケットに手を突っ込んだな?

 さすがに観察されている事に気付かれたみたいだけど、動きに出る辺り内部での天竜人間の政争はあまりなかったと見るべきか。

 

 ともかくまぁ……やっぱり最初からそういう狙いだよね、これ。

 

 俺みたいに在野に潜んでいた人材を一人でも多く政府側に引き抜くための布石にするつもりか。

 

「……いつ気が付いた」

「初めから薄々。確信したのは、貴方が証明チップという存在を衆目に晒した時です」

 

 かなりの功績を上げれば、天竜人になれることもある(・・・・・)

 俺が話を受けようが断ろうが、そういう前例があったという形を作って話をばら撒くつもり……もうばら撒いてるかもしれんな。

 まずは海兵、次に復興作業のために集めた作業員や技術者達……あっ。

 

(そうか、人員を奴隷ではなく雇い入れる方向であっさり話がついたのはだからか)

 

 奴隷なら聖地にそのまま死ぬか飽きるまで使い潰されるが、雇い入れた人員なら帰って聖地での話をあちこちでするだろう。

 しまったな、レポート渡す時スパさんに任せるんじゃなくて俺も行くべきだった。

 

「それで、いかがでしょう?」

「……望みはなんだ」

 

 よしよし、さすがにこっちが気付いていると分かれば話は聞いてくれるか。

 

「コング全軍総帥、センゴク海軍元帥二名への直接の謝罪、並びに海軍への正式な謝罪声明を発表していただきたい」

 

 ……なんでそんなに驚いているんです?

 びっくりするくらい目を剥いて。

 

「その二点を確約していただければ、残る問題点は被害者や遺族への補填の話以外はほぼ解決したと言えるでしょう」

「……前者は分からんでもない。だが謝罪声明は――」

「内容をボヤかせばよろしいかと。確かに政府は今回ペナルティを払う側ですが、立場があるのも確か。そこで海軍側が全て世間に公開しろと強硬論を持ち出すのならば、私が交渉に当たりましょう」

 

 加えて、解放された海兵達への補填の見直しと、聖地内で亡くなられた海兵達の正式な葬儀あたりを政府が海軍と話し合う所まで持っていければ、とりあえず仕切り直しとしては十分だろう。

 

(直接兵士や遺族達に関わる事ならば、俺が介入するよりも五老星とセンゴクさん達に任せた方がいいだろうし) 

 

 とりあえずここまでを確約させれば俺の仕事は一区切り。

 後は聖地の復興――とりあえず作業員たちの受け入れと、その間の天竜人の避難という名の隔離を確認できれば、聖地を出てもいいだろう。

 

「よかろう。先にお前が提示した条件と共に、一度持ち帰る」

 

 まぁ、やっぱり五人揃って話し合わないと駄目だよね。

 

「……謝罪に関しては問題なかろう。声明文は発表前に貴様も確認するがよい」

 

 …………。

 

 え゛っ?

 

 なんで俺まで巻き込むの?!

 

 

「それで、他にはないのか」

 

 

 え゛っっ?!

 

 

「他、と申されますと?」

「今のは広告役の分だろう。貴様には聖地防衛、ならびに金獅子撃退の功績がある」

 

 ……あぁ、天竜人に抜擢されるにはどれだけの功績がいるかっていう裏付けになるからか。

 ついでに信賞必罰を政府はしっかりやっているというアピールと。

 

(となると断るよりも受け入れた方が双方に利があるけど……なんかもらう物あるかな……)

 

 金でも要求するか? ……いや、後々交易路が確定したあたりで独自通貨を発行するつもりだったし止めておこう。

 

 復興であれこれ資材使っている中なのに物資くださいなんて空気読めてないどころじゃねぇし、そもそもこっちから支援協力としての物資提供を政治的なカードにする所だし……それじゃあ後は……。

 

 なんかこう、黒猫が直接利を得るんじゃなくて、それでも俺達という存在を喧伝できる事…………。

 

 

「それでは、一つ」

「ほう」

 

 

 

「不運な事故(・・)によって行方知れずとなっている、非加盟国モプチの国王、並びに第一王子の身柄の捜索、ならびモプチへの送還をお願いしたく」

 

 …………。

 

 ねぇ、だからそんなに驚くような事なの?

 

「政府の諜報能力ならば、容易いかと」

 

 まだ死んでなければ例の橋の国にいるハズ……ハズ……だし。

 うん、死んでなければ。

 

「どうか、よろしくお願いいたします」

 

 

 

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 

「……死ぬかと思ったな」

「こっちのセリフだ馬鹿野郎!」

 

 スパさん痛い。

 そんなゲシゲシ蹴らなくても……。

 

「というかテメェ、とんでもねぇ提案断りやがって!」

「断ってないですよ。条件を出しただけでしょう?」

「あんなん断ったとほぼ同義だろうが!!」

 

 まぁ、そうなんだけど。

 

 ただ、話を持ち帰るって言ってたからまだこの話死んでないっぽいんだよなぁ。

 いや無理だろ、とは思うんだけど。

 

 外で話は聞いていただろうけど、センゴクさんには明日改めて話しておくべきだな。

 

「ねぇ、クロ。ポスターの顔役って?」

「ん? あぁ、そのまんまの意味だよ。世界政府へ功績を上げ続ければ、天竜人になれるかもしれないっていう広告の元になってやったって話」

 

 断ったけど、そういう話が出たというだけで十分だろう。

 

「胡散臭い事この上ないわね」

 

 まぁ、散々振り回されているお前ら海軍からすればそうだろう。

 

 …………。

 

 だけどスパさん、アンタ頷いちゃ駄目でしょ。

 

「ま、実際どう扱うかは分からない。危険になりそうな人間を聖地へ呼び寄せて、そのまま飼い殺すとかいう罠の可能性だってあるし」

「……例の、クローバー博士のような?」

「あぁ、在り得ただろうな」

 

 断れば天竜人の要請を断った罪人だ。

 ある程度の抵抗が可能な軍事力か武力がないと、立ち回りが極めて難しくなる。

 

 ……そうか、過去の探求を功績とした上で管理下に置くっていう手もあったのか。

 

(あるいは、天竜人にした後なんらかの理由でその権利を剥奪、追放して『民衆が殴っていい天竜人』を用意するつもりかとも思ったけど……さすがにネームバリューを傷つける真似はしないか)

 

 天竜人の悪評そのものはどうしようもないけど。

 

(ドフラミンゴのお父さんたちのリンチシーンなんて、あれだけの人間が集まっていたからな)

 

 たかだか二十人の王の子孫なんて……って漫画読んだときは思ってたけど、八百年も経ってりゃそりゃ増えるし、復興のための資料でも見たけど意外と多い。

 そりゃあれだけアチコチで恨みを……。

 

「おいクロ、どうした?」

「はい?」

「滅茶苦茶難しい顔してやがったぞ。腹減ったのか?」

 

 マジでか。ごめんスパさん。

 

「おい小娘、毒見は済ませてたんだろ? さっさと食おうぜ、腹減った」

「うるさいわね。そもそもなんで貴方までここで食事取ってるのよ」

「政府側からもクロの側に誰かつけって言われてんだよ」

「それで貴方?」

「さっきの女共見ればわかるだろ。動かせる人間の中にまともな奴がほとんどいねぇんだよ」

 

 そういえばあの女の子達。ウォーキュリー聖が帰ったら全員蜘蛛の子散らすように逃げ帰ったね。

 外にセンゴクさんかゼファーさんがいるのを見た時点で逃げなきゃ……あぁ、俺と海軍との会談の可能性を考えたらまぁ確認しようとするか。

 

「……なるほど、確かにいないわね」

「小娘てめぇ、俺を見て言いやがったな!?」

「たまたま視界に入っただけよ。ほら、夕食。……軍の保存食だけど」

 

 それにしても君達仲良くなったよね。

 君達、政府と海軍が仲良くしてちゃ……いやそれでいいのか。

 

「なぁヒナ、スパさん」

 

 いつもみたいに豪華な皿に乗っているのではなく、簡素な入れ物に詰められたパンに干し肉に野菜の酢漬けの瓶詰。

 これまでの豪華な飯ではなく非常用の軍用食だが、それでも不味くはないし腹に溜まる。

 

「? なんだクロ」

「……だいたい(・・・・)合ってるってどういう意味だと思う?」

「あぁ?」

 

 二人とも固いパンの上に野菜の酢漬けと干し肉を載せている手を止め、こっちを見る。

 

 食事の手を止めてごめんね、スパさんもヒナも。

 本当はさっさと明日の調整に移りたいけど、いい機会だし聞いておこう。

 

「シキと交戦した時に、時間稼ぎも兼ねて少し喋ったんです」

「金獅子か」

「……それで?」

「あぁ、その時に敵の目的について聞いてみた。聖地の襲撃は、世界の混乱を助長するための布石。西の海で起こった食料危機を世界規模に広げ、物資や奴隷……まぁ、人足を世界中からかき集めさせて加盟国を疲弊させるのが主目的なんだろうと」

 

 うん、合っている。そこまでは合っているハズなんだ。

 

「その過程で裏社会の活動を活発にさせ、長期に渡る混乱を起こす。混乱が貧困を招き、海賊を始めとする不穏因子を増大させる」

「……まぁ、そうなるだろうな。それに、奴隷や金のかき集めに動いている天竜人もいる。いくつかの非加盟国なんざ、根こそぎ全て持ってかれたって話だ」

 

 え、えげつねぇ……さすが天竜人(世界のゴミカス)

 

 スパさんですら眉をひそめるか。

 まぁ、だろうなぁ。

 CPなら奴隷の扱いは散々見てきたはずだし、それこそ天竜人の命令で今あれこれかき集めさせられているハズだ。

 

 海軍のヒナも言うに及ばず。

 

「あぁ。そう突きつけたらあの鶏冠野郎が――」

「だいたい合ってる。そう言ったのね?」

 

 そゆこと。

 

「大体合ってるって……そうだな、解答の二、三割が間違っているか……」

「足りないか……よね?」

「だよなぁ」

 

 即席のサンドイッチを齧りながら二人が言う。

 やっぱりそういう意味しかないか。

 

「気にすんなよ、クロ。二、三割なんざ誤差の範囲だ。それよりも聖地の復興だ。このままだと天竜人からの命令(・・)が増えるばかりだぜ」

「あぁ、分かってる。やっと交渉が確実に一歩進んだことだし、俺もちょっと本気を出す。ただ……」

 

 

 

「どうも気にかかって、な」

 

 

 

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