[Minecraft] 俺はスティーブ、クラフターだ。 作:えだまミィカン
「貴様それでも分隊長か!」
隊員誰ひとり歩いていない殺風景な廊下で、あたかもライオンが吠えたような叱責が響き渡る。声の主は胸を栄誉のバッジで埋め顔にしわを刻んだ男。そして対するは緊迫な空気に肩を強張らせた女性軍人。男は目を吊り上げ目の前の女性へ滝を浴びせるように怒鳴りつけた。
「左様であります!」
「女だからと言って軽く済まされると思っていたかァ!」
「いいえ!」
「では今後『薬物を摂取した』と冗談でっちあげるなァ! 貴様は連合陸軍第30コマンド連隊のスピリットチーム分隊長だァ! 貴様がガキ丸出しな行動をすれば分隊以前に軍の統制に支障が出るだろう! それを知っての戯言か!」
「いいえ!」
「貴様は未だ腑抜けた頭をしているようだな! ここは軍隊! 学生の修学旅行先ではない!」
「存じております!」
「では我らエリートチームとしての自覚を持て! 連合軍の最強クラスに立ち! 前線で殺気立つ刃となるのだ!」
「はッ! 以後努めて参ります!」
「では下がれ! 便所掃除を忘れるな!」
この私、コマンド部隊の分隊長の面をひっさげる‘レイチェル‘は、『薬物を摂取した』との冗談を真に受けた隊員に取り押さえられ、騒ぎを聞きつけたお偉いさんに怒鳴りつけられたところである。どうやら精鋭部隊の人間が悪ふざけしたら一般兵たちがやる気を無くすとか。因みにこのお偉いさんの詳細は私の属するコマンド(特殊部隊)の指導者の1人だ。早い話‘ボス‘と称せばいい人間である。
畜生このハゲが、軍のコマンド部隊枠を取り仕切っている方と言ってエラそうにするでないわ。いつか貴様の住んでいる無駄に豪華な家をその頭と同様にぺんぺん草も生えぬ焼け野原にしてくれよう。
ハゲ上官の刺さるような視線を背中に預け、心の中で長ったらしく説教されたことに小言を吐いた。
「このたびはさぞかし大変でしたね、‘分隊長‘」
自分が歩く簡素な廊下の先で事の発端であるエーレンが、燦燦たる様の私を待ち望んでいたかのように立っていた。
「ああそうだったな‘副分隊長‘。貴様がこんなオーバーな反応しなければ私はこうも面倒を被ることは無かった」
どの面下げてここに居やがる。私はすれ違いざまに、皮肉を交えた軍人口調で生意気な同期へ言葉を返した。
「いえ、分隊長が日頃の行いを改めれば済む話です。毎度毎度ポーションの力に頼っていて、いつかは危険薬物に手を出しそうで心配であります」
対するエーレンは私の右脇に付くと、取ってつけたような他人行儀を示した。一応彼女とは友人との間柄であるものの、今は『仕事中』ということで上官である私にひねくれながらも敬語を使うのだろう。
「ポーションは軍公認の趣向品であろう。得体のしれないキノコで身体能力を変化させるのは『危ない粉』と似ているが、ポーションはこれと言って害はない。だから草でラリってる輩と同一視するな」
苦し紛れに私も反論の意を示す。自分はこの基地内で『ドーピングに明け暮れた女』と不本意ながらも称されることがある。
が、軍では人間の身体能力の低さをカバーする意味でのドーピングは、既に許可が下りている。
今更私がドラッグ女と言われる筋合いはない。
「そうでしたね、私めの勉強不足でした。最も今回は万が一と言うことで行動したまでですが」
だが憎たらしいことにエーレンは作戦時発揮するような冷静な態度で私の言葉を受け流した。全く他人の尊厳を踏みにじるだけ踏みにじって、此方が声を荒げれば易々折れて論争から離脱。戦闘機の一撃離脱みたいなもんだ。
「はいはいエーレン伍長、あなたのやったことは軍人として正当な処置でしたね。おかげであのハゲには褒められたようで」
「分隊長、上官であるジェイソン大佐をハゲ呼ばわりするのは下の者の士気に関わります。いかがなものかと」
「あーあーそうだったな。上官様には敬意を払わねばならんな。わかったから付いてくるな!」
「ハッ! それではエーレン伍長! 予定していた隊員との外食に行ってまいります!」
「わかったわかった! レストランで心行くまで食事をしていろ! 私は貴様らの散らかした部屋を掃除しているわ!」
エーレンは最後の最後まで外面の態度を崩さずに敬礼すると、そのまま何事もなかったように廊下を歩いて行った。
「……だから人間は面倒だ」
辺りに聞こえるか聞こえないか、そんな低い声で私は一言漏らした。
………
……
…
「ああ、やっと終わった」
埃の拭き取られた室内を眺めながら、背中をうんと伸ばして、長く続いた『罰掃除』の終わりを痛感した。
部屋に置かれた新品のソファーに身を預け、蛍光灯の並ぶ天井を仰いだ。
「これで済んで……よかったというべきか……」
背もたれの冷たさを身体に感じながら、一人ぼそりと呟いた。
『連合軍』という組織は規則やら信条やらに則るがために、日常では黙認されるであろうこともペナルティになることがある。その対象の一つが今回の『組織の統制を危ぶめる発言』だ。
もし組織の人間が『あの上官と関わったら死ぬ』と言い出していたらどうなるだろうか。もちろんその『関わったら死ぬ上官』となどに接しようとする者は俄然減るだろうし、作戦時その上官が指揮者になると成れば『アイツの命令に従って俺達は生きていられるのか?』と下の者の士気を揺るがすこともあるだろう。そして噂で士気が崩れれば上層部が人選を見直す手間が生じ、噂が世間にまで広まれば、世論は連合軍を叩く言葉で溢れるだろう。正に百害あって一利なし。特に士気に関わる問題は、数日間殺し殺される世界で神経張りつめる者とっては案外重大なことである。
このような趣味の悪い冗談がきっかけでアクシデントが発生しない様『連合軍』では例えその場のジョークであったとしても罰の対象にすることがある。
「トイレに廊下掃除に……応接室か……広いったらありゃしない……」
尤も今回の場合は、『プライベート』での冗談と言うことで上官に怒鳴りつけられ、このような掃除仕事を任せつけられるだけで済んだが。
「研究所の事がバレるよりマシか……」
数日前の『モンスター研究所包囲戦』では1人現場に居残るなんてことをしていた。もちろんこれは会社の残業として手当が下りる筈は無く、『1人で居残って敵に軍機密を流したな?』等のスパイ行為の疑いを科せられてしまう。これに至っては掃除では済まず、‘自らの命で償う‘という銃殺刑にすらなりかねない。
「散々な休日であるが、これで良しとしよう」
未だきっちり繋がっている首を擦りながら、座っていたソファーから立ち上がる。とっととハゲ大佐に仕事を終えたことを報告して、シューティングゲームの空戦に励むとしよう。ゲームの戦場でリアル軍人が介入するとは誰も考えまい。毎度プレイ前に浮かべる妄想をめぐらせながら、私は部屋から出るためドアに向かう。
だがその時、自分が手を駆けたわけでもないのにドアが開いた。上官のお出ましか。もしかして偉い方々とここで話し合いをするのだろう。掃除が終わったころで良かった。
私は慌てて緩んだ表情を軍人らしく引き締めると、マナーに準じてドアの脇に立った。
「レイチェル・ターナー上級曹長でございますね?」
しかし意外なことに、開いたドアの向こうから罰仕事を終えた私の名が呼ばれた。視線の先に立つのは軍服をマニュアル通りに着込んだ若い軍人。後ろにも応接室を利用するような偉い方々は一人としていなかった。
「ああ、そうだが」
私は背筋を伸ばし形だけの敬礼を返す。罰労働を終えたこの私に一体何の用があるか。研究所の包囲戦はとっくに終着している。コマンド部隊に用はないはず。
「至急動向を願います」
だが制服軍人は強張った顔で、重要書類を読み上げるような口調で言葉を続ける。
「……動向とは? 何の話だ?」
想定していない言葉に私は思わず言葉を返した。何故私が半強制的に連れて行かねばならない。
今朝の『薬物服用』の爆弾発言で隊員に取り押さえられたりしたが、その後の検査でドラッグの疑いはもちろんのこと『正常判定』で取り除かれた。そしてハゲ大佐に命じられた掃除もこうして律儀に終えたところだ。今になって再びその問題について咎められることは無いはず。確かに無いはずだ。
「ジェイソン大佐の命令であります。私はこれ以外に情報を提示する権限はありません」
なんだまたあのハゲ大佐か。あの泣く子は黙るコマンド部隊のボスが一体何の用であろう。まさかこの件で降格を命じられるのだろうか。いや冗談一つで精鋭の人員を削るのはおかしい。それも分隊を率いるリーダーなのだからそれが居なくなってしまえば人選を再びしなくてはいけなくなってしまう。冗談と戦力、天秤にかけるには不釣り合い過ぎる。この事件が水に流されたとして、他に私が咎められるようなことはやっただろうか。
まさか、アレがばれたのだろうか。数日前の研究所包囲作戦の行動についてだ。
確かあの時隊員を退却させておきながら自分だけ敵のアジトに居残って居たりした。そしてこれはスパイ行為の疑いにも直結する。普通なら上層部が黙っていないことだ。
しかし研究所に居た痕跡はゲリラの自爆で消し飛んだ。当の私はといえば爆発で焼かれながらも、エンダーマンの力で雪山に瞬間移動し、野宿をして救援を待っていた。『テレポーターの誤作動で雪山に飛ばされた』とのシナリオを確立させるためにだ。研究所で単独行動した時に軍の装備は外していたから、それらに埋め込まれていた発信器で所在を特定するのは不可能である。それに生物兵器が解き放たれた混乱で研究所内は混乱状態であったので取り残されたゲリラにだって姿は見られていなかったはず。あの目の光っている男には顔が割れていたが、拷問の後自決したから結局はゲリラにもバレていない。
口封じはできている。物的証拠はゲリラの自爆で消滅。自分のアリバイはちゃんとある。
結果軍法違反の真相は誰も把握できていない。、
それで伝わっているはず。決して『研究所で怪しい動きをした』というのは分からないはず。そのはずだ。
――では何故バレた?
改めて研究所の行動をビデオの逆再生の様に手早く振り返った。新しい記憶は猛吹雪の雪山にテレポート。その次は突如出現した大量のTNT。スティーブに似た男の自決。奴はひっそりと自分の居る部屋に現れた。更に前には異種ゾンビが訪問。一室に居座るまでエンダーマンを従えて施設を捜索。衣服はゲリラから剥ぎ取ったものを使用した。少し前に突入時身に着けていた装備はエンダーマンの方で雪山に移してもらったからだ。そして最後に撤退した隊員を見送り、時は撤退命令を下したまでに辿りつく。
こうして見ても何も自分の行動を暴かれる要素は無いはずだ。ではどうして今の事態になっているのだろう。
「上級曹長、動向を願います」
口を固く閉ざし言葉出せずにいる私に、目の前の制服軍人はあたかも追撃を食らわすかのように申告をした。対する私は研究所の件を覚られない様ポーカーフェイスを維持する。
だがこのまま何も言わずに居たらある種の命令違反になってしまう。では逃げるか捕まるか、どう行動すればいいのだ。私は尚も沈黙を決め込み考えた。そして、一つの解決法を思いついた。
とりあえずバレてしまったことは仕方ない。
そうだ、これからなんとかすればいいのだ。軍がことを察したなんて実際に聞けば分かるはずだ。聞くだけ聞いて後は強行突破すればいい。私は尚も男に固い表情を向けながら、半分振り切るような妥協案に賭ける決断をする。
では、そうと成ればまずは素直に同行してしまおう。
「失礼した、そちらの命に従おう」
此方にはまだ手立てはある。私は押し強い目で制服軍人を見咎めた。それに合わせるように心臓は暴れ、心拍数を上げ始める。
「ハッ 協力感謝いたします。大佐は会議室の方でお待ちになっています。急ぎましょう」
こちらの心境など知らない様子の制服軍人は、律儀に頭を下げると直立不動の身体を会議室の方へ進めて行った。
………
……
…
「ふはー、やはり町の食事は格別ですね」
「左様でございます、エーレン副長」
「おいカワシマ、休日だから肩の力抜けよ」
「いえ、自分はこういう性分でありますので」
掃除を押しつけられたレイチェルを見送ったのち、私はコマンド部隊の中の親しい隊員3人と食事をしていた。焼きたてのステーキが口の中を肉汁で潤してくれる。作戦の時支給されるレーションも美味しくなってきたが、やはり一流店のレベルにはかなわないようだ。同様に連れであるリチャードとケン・カワシマも目の前で自分と同じく顔を覆い隠せそうな程のステーキを頬張っていた。
温厚な彼らとは以前からこうして食事を共にすることも多く、今いるのは事前に予約を済ませた有名レストランだ。窓から望める青々とした湖は、その上で浮く白いフェリーも合わさって平和な休日を更に和やかにしてくれる。今食べているステーキは特産品の高級肉を使った物で名をはせているが、この店を選んだ一番の理由はこの自然の織り成す風景であった。
無論こうした美しい湖は工業文明の手が及ばなかった秘境であった故に遺されており、レイチェルの居る基地付近の町からはそこそこの時間をかけなくては辿りつけず、今の食と景色を吟味するひと時までにはそれ相応の対価を払うがごとくの苦難があったが。しかしそれも、目的地にたどり着いてしまえば自分の記憶のかなたに消えていく始末である。
「全く硬い性格だなニンジャボーイ」
「‘義理を重んじている‘と言っていただきたいですが……後忍者はもうこの世に存在しないとあれほど言っているじゃありませんか」
「何を言っているんだ! 長いときを経てニンジャソウルが蘇えったのではなかったのか!」
「それ漫画の話ですよ」
目の前の二人もこうして疲れ知らずに会話を交わしているのだから、私と同じく風流に富んだ今の状況に満足しているのだろう。最初は他の隊員も誘ったりしていたが、レイチェルはせっかちな性格の為か長距離移動ですぐイライラ仕出すし、分隊では狙撃手を務めるジンさんは何かと毒のある方で、こうしたレジャーに属すことは少なかったし、他の方々もどんどん席を外していった。それを見ていて最終的に自分だけが一人店を転々とする始末になると感じた始末である。
しかし何故か目の前の二人だけは食事会の席に留まっていた。主催の自分でもまさか彼らが居残るとは思っていなかった。何せ分隊でもレイチェルに次いで特色の強い性格であるからだ。普通の軍人が愕然とする逆境では、不思議なことにパニックに引き込まれたりと己を失うことは無く、逆に隊員の終結するテントでは羊の群れの中に佇む狼の如く孤立していたりしている。いわば他人と一線を交えることはほとんどないのであった。
「エーレンさん、コイツにどうにか言ってやってくださいよ。ニンジャは絶対にこの世に存在すると……!」
「ええ、確かに私も存在を信じたいですね。クノイチというニンジャガールにも憧れますし」
「ああ副長まで! 夢を壊そうというわけではございませんが! 私の母国は空港を出たところに侍や忍者が歩いていることなんてありません!」
「まぁ、御冗談を」
「そう言って、本当は国家機密だったりするんじゃないのか?」
「断じて違います!」
彼らは特色の強い者であるが、私も含めて奇妙に息が合うことがある。
これに関しては暫く疑問に思っていたものの、何だかんだ言って理由があるようだった。それは互いに共通して『目標の道のりがどれだけ困難であっても、達成すればそれを思うがままに時間を堪能する』という考えを持ち合わせていることである。
大体の人は仮にピクニックに行ったとしても、道中がジャングルと見間違える程障害だらけだったら、歩行突破に伴うストレスの蓄積が影響して、目的地でグッタリするもんだ。それでも私たちは訓練時代なんかは行軍の時は顔を晴れやかにして、教官からは浮足立っていると叱責を受けたもんだ。
まあ過去はどうであれ、図らずも生まれた共通点がこうして私たちを結び合わせてくれているということだ。
「ほらほら、みなさん冷めないうちに食事を済ませますよ」
「ハッ 畏まりました!」
「おい、敬礼までしなくていいだろ」
隣のテーブルで同様の食事をする老夫婦が珍しい物を見たかのようにこちらを振り向いたが、ケン・カワシマはそのまま戦場を前にしたかのような調子で軍人口調を保った。そして彼の横からリチャードは冗談は大概にしろと言わんばかりに天井を見上げた後、手元の大ぶりなステーキを口に運ぶ。プロレスラーを彷彿させる巨体の彼は、職種と身体が表す通りの豪快な勢いで食べ進めるため、早くも私とカワシマは胃もたれを危惧したのであった。
………
……
…
「はぁ……もう少し味わって食べましょうよ、リチャードさん」
「そんなあたかも俺を牛の様に言わないで下さいよ。しっかり味わいましたって」
「リチャード伍長、冗談はほどほどに」
私たちはデザート苺のタルト、そして最後にエスプレッソを飲んだ後、割り勘による会計を済ませて店を出た。ドアを出た目の前にある高大な湖が涼しい風を運んでくれて、日中の外も幾らか快適にさせてくれる。ただ流石に
太陽の光は眩しく、誰を睨むわけでもないのに目を細めた。私はこれでは堪らないと、お気に入りのサングラスで日差しを和らげる。
「お二人は大丈夫なのですか? サングラスをかけなくても?」
刺激のなくなった視界ホッとする私に対し、この光の中の中でも裸眼でいる2人に、私は思わず声をかけた。
「大丈夫って……逆に危険でもあるんですかい」
「確か目の色素の濃度によっては明暗の感じ方が異なるようです。黒っぽい目の私たちは問題ありませんが、副長のように青色をしていると日差しが強めに感じるらしいとか」
「ああ、そうなのですか」
サングラス越しに2人の目を見てみると、確かに黒かダークブラウンといった濃い色彩をしていた。サングラスを使用する人と使用しない人がいるのは前々から察しがついていたが、まさか目の色であったとは。自分はてっきり出身地で決まると結論付けていた。
だとしたらどの色からがサングラス無しで居られる境界線になるのやら。紫色の目のレイチェルはサングラスを使っていないがこれはどうなるのだろう。
「とりあえず、湖のクルージングに行きましょう。私はこれも楽しみにしていたのですから」
「確か今の時期は山々が綺麗ですと聞いていますね」
「おお、こりゃ期待できそうだ」
リチャードはこの場からも見える遠くの山々を見ると眉を吊り上げた。
普段はこの3人で出かけても食事だけを済ませて終わるし、適度に会話も楽しめるからそれで満足なのだが、今回は町歩きをすることもプランに入れることにした。何故ならレストラン近辺の地域がちょうど観光シーズンであるからだ。周囲の山々は新緑に彩られ、その背後にそびえ立つ山脈が地域特有の牧歌的な風景を更に引き立てている。これが目の前にあるのに食事だけ済ませて帰るのは幾らなんでも無粋だ。それに趣味の悪い生物兵器との戦闘で心もやつれきっている。だから慰安もかねてこうして町を歩いているのだ。
「町の建物はおおよそ中世の造りでしょうか……湖から望むと山と同様ロマンがありそうですね」
「おや? カワシマさんにもわかりますか? やはり建築の国の方は見る目が違いますね」
「いえいえ、単純な感想を述べたまでですよ」
山奥の秘境という立地からか外からの文明はあまり入らず、今なおゲームの世界のような中世的雰囲気が町に残っていた。
地域に連なる山脈に限らず、カワシマは建造物の方にも目を向けたのだろう。こんなレプリカで似たような外観の建物は都会にも存在したりするが、この町の建物は数百年前から佇んでいるという歴史的な価値があるとか。彼の国で言う歴史都市『キョート』と精通する面があるのだろう。それ故にマニアの方を引き付ける魅力があり、また石造りの建築物と高大な自然が織りなすメルヘンな雰囲気が一般層にも受け入れられ、こうして観光地として栄えているようだ。石のタイルで舗装された道には、今なお多くの観光で集った人の流れがある。
と、その時、私の隣を歩いていたリチャードが、正面から歩いてきた女性と衝突した。おそらくお互いに建物を見てよそ見をしていたのだろう。ただ大柄なリチャードの体格が大柄だったために、歩いてきた女性は突き飛ばされたかのような形で地面に尻もちをついた。
「おっと、すまなかった」
リチャードは慌てて転んだ女性に手を差し伸べた。相手側にもおそらく非はあるのだろうが、自分が勢い余って突き飛ばしたという状況を察し、あえて申し訳なさそうな調子を決め込んだ。
「あ……いえ、大丈夫です。それでは……」
しかし女性は、口早に謝辞を告げると、何事もなかったように立ち上がりその場を後にしていった。残ったのは誰もいない地面に手を差し伸べ、渋い顔をしたリチャードだけである。
同様に片目に広がる湖の方から冷たい風が吹き抜けて行った。
「伍長、フラれましたね」
「貴方の様な巨人は女の子にとっては脅威です」
「おいお前ら、何を勘違いしている」
私とカワシマが場を和らげようと発したジョークに、リチャードは鬱陶しげな表情をして顔を上げた。
「俺は町の建築物を見ていただけだ。決してあの顔とスタイル共に美しい女性へタックルを仕掛けようという魂胆は無いからな」
「ご丁寧に先ほどの女性の方の特徴を記憶しているじゃありませんか」
「いやいやあのな、これは特殊部隊で培った対人分析の癖が出てしまってだな」
「貴官は分隊支援火器を振り回す戦闘員でしょう。いつから情報科の諜報員になったんですか」
「ぐぬぬ……」
ことを深く追求しだしたカワシマに対し、リチャードは弁解の意図を示した。因みに分隊のメンバーは誰でも知っているがリチャードは女たらしである。初対面のレイチェルを口説こうとして、顔面に鉄拳を食らったのは記憶に新しいものだ。そうした恥ずかしい失態をして以来、二度と起こさまいと彼は自粛を押し進めているが、既に本能に属性が刷り込まれてしまったためか結局変わっていないのが現状だ。
個人的には女性に優しくするという点から『紳士的』とも捉えることができるので、潰そうとするのは勿体ないと感じるが、彼が不器用ながらも無頓着を決め込む様子は見物なので他のメンバーと同様そのままにしておくようにしている。
「ほら二人とも、そろそろ行かないと船に乗り遅れてしまいますよ」
ただやはり観光の方も捨てがたいので、今回ばかしはリチャードの漫才も途中で止めることにした。
「ハッ かしこまりました」
「ああ……何で逃げてしまったんだろう」
「今なんて?」
「何でもないぞ」
路上で立ち止まっていた私たちは、再び船着き場の方へ足を進める。道の直ぐ脇から広がる湖には、既に何艘か船が走っているのが見えた。今回乗るのは二階建ての大きな遊覧船だ。現在出航している中でもそれと同種のタイプがクルージングをしているのが確認できる。雄大な自然に囲まれた船の姿は正にハガキにうってつけだろう。遠くで水面を走る船を見て、私は出航まで多少は時間にゆとりがあるにも関わらず、乗り遅れが心配になりチラチラと手元の時計を見た。黒いデジタルウォッチの数字は13:46を示している。14分後の出航が待ち遠しい限りだ。
「……まさかな」
一方リチャードは町の方をチラチラと見る。きっと先ほどぶつかった女性を探しているのだろう。遠くの方角へ視線を泳がせている。そこまであの女性が気がかりだったのだろうか。
私は時間つぶしも兼ねて、カワシマがしたように彼に口を挟むことにした。
「おやリチャードさん? 何をお探しで?」
彼の脇腹を小突き、私は口の端を吊り上げる。
「ああ、この町にも防壁があるのだな……と」
だが予想に反しリチャードは建造物の方を見ていたようだ。彼の視線を追ってみると、町の遥か先に石の壁が構築されているのがうっすら見えた。てっきり女性の件に関する言及を避けようとしているのかと思ったが、表情を見る限りそうでもなさそうだ。なんだか顔が強張っている。修羅場に遭遇したわけでもない限りは、女性関連でこんな顔はしないだろう。視線を向けているのが防壁とならば、私が想像していることとは全く別のことを頭に思い浮かべているのだろうか。
「あんな壁でこの町をモンスターから防衛できるのかよ……」
どうやら近年多発しているモンスター被害について思考をめぐらしていたようだ。案外真面目なことを考えていたのか。せっかくの休みだから少しは気を抜いてもいいと思うが。
まあモンスターと争う組織に所属する身にとってはモンスター関連は自然と頭に思い浮かべてしまうのだろう。実際モンスターが進行で村一つが壊滅したという報告が最近入ってきたもので、連合軍内ではあちらこちらで話題に上がっている。何せ連合軍発足以来、村が壊滅するなんてことは一度もなかったからだ。私だって気を抜くとついモンスターについて考えてしまう。
するとその時、リチャードの反応を同じく見ていたカワシマが、どうと言うことは無いと言葉を続けた。
「大丈夫であります、自治体には防衛用にマシンガンが支給されているとか。……まあ一部の地域には行き届いていなかったらしいですが。とりあえず自分らが居る此処なら体勢は整っているはずですよ」
「ああ……そうらしいが」
リチャードが言うように村がモンスターの進行で壊滅したのは事実だ。しかしそれで軍や地方自治体が対策措置を練っていないわけではない。襲撃を受けるが故に町には防壁が築かれているし、カワシマが話すように銃器が支給されたりしているのだ。ついでに防衛ロボであるゴーレムの配備も進んでいるそうだし、現状に悲観になることは無いだろう。
だがリチャードの表情を見上げてみると、尚も曇ったままであった。
「ゲリラは最近強力なモンスターを生み出すことに成功したらしいじゃないか、例の村の件もそれらが関係しているらしいし。マシンガンとゴーレム如きで町を防衛できるのか?」
「問題ないでしょう。話によればゾンビ辺りは弓矢程度でも倒せるらしいですし。大して強くないらしいようですから何とかなりますよ」
「じゃあ研究所で出てきたあのゾンビはどうやって倒す? 弓矢どころかマシンガンでも駆除するのは難しいだろ」
「アレでありますか……」
リチャードはどうやら研究所の大型ゾンビが町を襲撃する事態を懸念しているようだ。
数日前作戦でモンスター研究所に潜入した時、データになかったタイプのゾンビが出現していていた。それも頑丈なコンクリート床を突き破って現れるという何ともパワフルな力の持ち主である。通常のゾンビには無い能力だ。尤も、その大型ゾンビは味方のゲリラすらも捕食していたりと、暴走している動きも目立つから、ゲリラとしても運用はまだほど遠いと思うだろうが。現に今のところ戦闘に導入されていたという情報は無い。
だが飛躍的なパラメーターを持っているのは事実だし、机上のプランで済まそうとはしないはずだ。今後絶対にアレと戦うときが来るだろう。それはすなわちゲリラが大型ゾンビの安定化に成功したということだ。そうなった以上、各都市のバリケードを突破することも絶対に起きるはずである。リチャードはこれを頭にめぐらしているのだ。
確かに防衛が可能かは疑問に感じる。
「流石に……厳しくなってくると存じます」
「だろう? 本格的にヤバくなってきそうだぜ」
カワシマもようやくリ現状を理解したようで、渋い顔をしながら受け答えをした。対するリチャードもその返答を待っていたと言わんばかりに頷きを返す。単なる他愛ない会話から生まれた懸念であるが、私としてもやはり言葉に困る問題であった。
が、わざわざ今考えるべきことではないと思っている。そもそも今日はそれで凝り固まった思考をほぐす為にこの町に来たのだ。こんな時仕事のことを思考しては本末転倒ではないか。思わず親身に受け取ってしまったが、早くこんな暗い話題からは遠ざけなければ。
私は2人の気分が下がらないうちに、観光のことに視点を戻すことにした。
「とりあえず、今日はこの辺にしてレジャーに没頭することにしましょう。いざと言うときは連合軍が駆けつけてくれますって」
「確かに……そうですね、最近の連合軍は技術発展が著しいですし。ここまで深く考えることありませんでしたね」
「十中八九モンスター退治は俺達の役目になるから他力本願していられないが、いざと言うときはホームセンターに立て籠もればいいか」
話題を変えたことで案の定2人の表情はいくらか緩んだ気がした。さてこれからどんな話題に発展させればいいのだろうか。ほんの少し会話に間を開けながらも私は考える。だが先ほどまで交わしていたモンスターに関する話題が熱を帯びていたためか、時間もアッと今に過ぎていたようだ。遊覧船の船着き場も目前に迫っているし、出航時間も後8分に迫っていた。早く受け着けで三人分の乗船手続をしなければ。
「2人とも、走りますよ。ちょっと時間が押してきています」
時計も再び確認すると私は石タイルの道を蹴った。船着き場にはおそらく乗るであろう中型の船が停泊している。そして受付のほうには、日よけ屋根の下で同乗者の行列ができていた。乗船はもう始まっているようだ。
「ちょちょ、エーレンさんまってくれ! 食後に動いたら脇腹痛くなるでしょうが!」
「伍長、精鋭部隊たるものこれくらい我慢するのですよ」
リチャードとカワシマも慌てて私の後ろからついてくる。時間が押しているこんな時こそクアンタムスーツを着て走力を上げたいところだが、通行人と激突したらえげつないことになりそうだからやめておくべきか。そもそも時間配分を怠ったりしなければいい話なのだ。今になってことを後悔しながら、私は湖に迫り出した船着き場の受付へ駆けていく。
「ふぅ、何とか間に合いました」
受付の行列が5人まで縮んだところで、私は最後尾に滑り込む。備え付け垂れた日よけ屋根が日差しを遮ってくれるためか、いくらか熱った身体にはいくらか涼しい場所に感じられる。
ただ陸上選手に近い走りで列に入り込んだがためか、前に並んでいる人全員から不思議そうな顔をこちらに向けられ、何かと顔から火が出る思いをした。
しかしそうは言ってもこの視線を解くことはできそうにないので、とりあえず私は何事も無さそうな顔を決め込みながらズレたサングラスを直す。
そうして一息ついたところで、足音踏み鳴らしながらリチャードとカワシマが列に加わった。更に周りから好奇心に満ちた視線を感じたが、もう私は何も気にしないことにした。
「ああ……脇腹に激痛が走るな……」
「銃で撃たれるよりはマシでしょう」
「まあな……といってもゲリラが現れない限り銃で撃たれる選択肢はないだろうが」
2人とも訓練を積んだ軍人だけあってか、多少のダッシュをしても息切れをする様は見せなかった。だが先程食事をしたことが仇となったか腹痛を訴えてはいた。まあそれで乗船に間に合ったのだからこれくらい我慢の範囲内と思えばいいか。
そんなことをしているうちに、乗船手続の番は私たちに回ってきていた。
「おーい、あんたらも船に乗るんだろ?」
「ああ、ちょっとまってください」
自分達より前に並んでいた5人はとっくに手続きは済まし、受付に残っていたのは私たちだけであった。カウンターの方から恰幅のいい男がまだかと呼びかけている。
不味いと思った私は慌てて肩から下げたカバンを漁ると、ネットで購入したチケット3枚を取り出す。
「これでお願いします」
「あいよ、よい船旅を」
カウンターに差し出したチケットに手続を済ませた証として判子が押された。受付人の男性は人懐っこい笑みを浮かべると、早く行けと言わんばかりに遊覧船を指さした。
「それじゃあ、2人とも行きますよ」
「うへぇ……これで休める」
「待たせているようですから早く行きますよ」
私は食後で脇腹を痛ませた2人と共に、受付から続く桟橋に足を進めた。辺りから木製の踏み板が軋む音が響く。そして肌に当たるのは湖の涼しげな風。磯や潮の香りはないものの、町一つ飲み込む様な大きさが些かか‘海‘を彷彿させるものであった。時間に余裕を持っていれば、船に実際に乗るまでこの空気に当たって景色を楽しみたいところである。今の様に船を待たせて居なければ、だが。
と、その時桟橋が揺らいだような気がした。靴底を通してを足を置く木製の敷板が震える様なような感覚が伝わってくる。一体何が起きたのだろう。湖から押し寄せる水流が桟橋を揺らしたか、それともその水流で目の前の遊覧船が押され、勢い余って桟橋にぶつかったのだろうか。どちらにしろ原因は判然としないものである。
「2人とも、なんか揺れを感じませんでしたか?」
私は乗船を急ぎながらも、桟橋の狭さゆえに後ろに着いたリチャードとカワシマへ声をかけた。
「地震でありましょうか?」
「いや、この地域じゃ地震は起らないだろう」
どうやら2人もこの揺れを感じていたようだ。まあリチャードが言う通り地震の線は薄いから、私が考えた通り船か水流が桟橋を揺らしていたのだろう。無駄なところでまた時間をとってしまったと思いながら私達は桟橋を駆けた。
「きゃっ」
だが再び桟橋は揺れ出した。先程より揺れは強くまるで辺り一帯を金槌で叩いたようだ。まさかこれもこの場にある物が引き起こしているのだろうか。しかしその揺れは尋常じゃないように感じられる。
「な、なんだなんだ!?」
後ろの方からリチャードとカワシマ以外の声が響いてきた。ふと私は反射的に振り返ると、受付の男がカウンターから飛び出して辺りを見回している。この揺れを察知した人間が私たち以外にもいるとすれば、単純な勘違いではないのだろうか。リチャードとカワシマも何が起こっているのだとしきりに辺りを見回し始めた。その反応は陸だけに限らず、遊覧船の方でも、窓やバルコニーから身体をはみ出させて辺りを望んでいる者が居た。辺りは半ば混乱状態に陥っている。
そしてその場に居た誰もが目を張らせているところで、異変は起きた。
「爆発だ!」
船の高い展望台から張り裂けんばかりの声が聞こえてきた。それと同時、自分たちの立つ桟橋は崩れん度ばかりに激しく揺れる。先程まで感じ取った以上の揺れである。これの原因はおそらく船から聞こえてきた『爆発』によるものだろう。私たちにはあまりにも聞き慣れたそのワード。だが何故この町でそれを聞くことになるのだろうか。
しかし次の瞬間、こちらに考える時間すら与えないかのように弾けた音が船着き場一帯に轟いた。船の方から恐怖を湧き起こしたような叫び声も爆音に混じって響いた。だがその元へ振り返る暇もない。本業で培った癖で私はとっさに地面――もとい桟橋の踏み板に伏せた。目の端に自分と同じくうつ伏せになったリチャードとカワシマの姿が映った。自分が声をかけるまでもない。
が、その確認も束の間第二波と言わんばかりに桟橋は揺れ、鼓膜を貫くような爆音が飛び込んできた。どうにか防ごうにも自分達のいる木の桟橋は魚の骨と言っていいほど頼りない。
そもそも何がどうなってこんな爆発が起きたのだ。爆音は町の方から火事にともなうガス爆発かそれともゲリラのテロリズムか。顔を上げない限り確認できそうにない。だが万が一爆発の勢いで物が飛び交っていたら、そしてそれがこちらに飛んできていたら、私は上げた頭を負傷してしまう。
しかし今は状況把握に急を要している。それに今は爆発は止んでいるようだ。揺れがこちらに響いてこない。確認するなら今しかないだろう。
私は意を消して自らが伏せる踏み板から顔を上げることにした。訓練でやるように、作戦でやるように、ほんの1秒だけ顔を上げて瞬間的に状況を確認する。リスクは大きいが今はやるしかない。
私は深呼吸すると、頭をほんの少し、爆音の聞こえてきた町の方へ上げた。人が瞬きをするまでのわずかな時間だけ、古めかしい街並みに目を向ける。
――そして私は現実を疑った。
何事もなく私は踏み板に顔を付けたが、ほんの一瞬の時で望んだ光景に私は愕然とした。連合軍の特殊部隊員でもあるはずなのに顔からは血が抜けるような感覚が襲い、身体はガクガクと震え始めた。
「副隊長! 現状況からどう行動しますか!」
自分と同じように伏せていたカワシマが、伏せた身体をずらして私の方に顔を向けた。自分に指示を仰ぐ口調は、この日が休暇であることを感じさせない、切羽詰まった様子を感じさせる。リチャードも静かに彼の後ろで耳を傾けているが、おそらく自分とどうよう緊張感に身体を硬直させているはずだ。
そんな彼らに今私がおののいた様子を見せていいものか。いや不味いだろう。
踏み板に伏せた私は、頬を汚しながら自分の身が置かれた状況を改めて察し始めた。とりあえず現在私たちは何かしらのテロリズムに巻き込まれている。休暇でゆっくりできる訳がない。つまりは‘戦闘中‘といってもいいものだ。なんという皮肉だろうか、慰安のためにまさか戦地に出るとは。
私は何とか落ち着こうと、店でレストランで見せたように満面の笑みを浮かべようとした。しかし私は戦闘狂なレイチェルではない。即興で浮かべた表情は、崩れた絵画のように引きつったものだっただろう。
はた目から見て様子は情緒は不安定。頭の片隅でそれを察しながらも私は2人に告げる。
「現在町は各所で火災が発生。被害者はおそらく続出。建物も倒壊しています」
私は一瞬だけ顔を上げた時、船着き場の受付を通してはっきりとその光景を焼き付けていた。淡々と抑揚をつけることも無く。
だが私がこうも感情を無くしたのは町が焼けていることからではない。もっと‘別のもの‘が視界に入っていた。2人の部下を前にして、私は冷静さを繕って言葉を続ける。
「町上空に‘ガスト‘が居ます、それも20を超える程の多数」
私たちのいる観光名所は、何の前触れもなくガストの急襲を受けていた。私はあの時確かにガストが空を漂っている姿を確認した。2体3体でもない、その倍の数が点在するのを。
突発的に事態は起き、建物は焼け焦げ、空に漂うのは異界の魔物。
それは正に、連合軍内で噂になっている‘例の村の壊滅‘の当時を彷彿させるものであった。
おまけ キャラクター紹介
レイチェル
・性別 女 ・種族 リトルメイド(自称)
・年齢 聞くな ・身長 165㎝
・好物 甘い物
・特技 戦うこと。後は雑事全般。
〔一言〕
女だからと言って甘く見るな。連合軍に居る時の口癖はコレだ。いかんせん男どもは女を前にすると自分を強く見せようとばかりしやがる。頼ろうとする気もないのに。
ついでにメイドという給仕の仕事をした時はなんだ……あのネコという小型哺乳類の耳を模した装飾品を付けたりオムライスに絵をかいたり。そこそこ昔もああいう給仕はやったりしたが、ここまではちゃけたことはしなかったぞ。む?その仕事はアキバという町でやったが何か問題なのか?
………
……
…
以上になります
因みに劇中で『大型ゾンビ』だとか『筋肉ゾンビ』とか言われているのはミュータントクリーチャーMODのミュータントゾンビだと思ってくださいな。(今更ですが)
『頑丈なコンクリート床を突き破る』なんてクリーパーみたいことを本小説ではさせていますが、本家の方ではそのような能力は持っていないのでご安心を(代わりにコンボ攻撃を仕掛けてきたりします)
‘ゲリラ‘という組織はゲリラVSコマンドのMOBをイメージして登場させていますが……本家ではガストで急襲を仕掛けてきたりはしないのでご安心を(ヘリコプターで急襲したりはしますが)
PS F3キーは誤字を探すのに役立つ
とりあえず、ご意見ご感想お待ちしております。