大魔王さんONE PIECE入り   作:ミッチェール

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大魔王さんは若返り、死地を何とか脱す。

「バーン様!」

 元CP0の女性が男─バーンの前に飛び出し身代わりとなった。

 バーンが言葉を発する前にモドモドの実の覚醒した能力者であるCIPHERPOLE“Aegis”(サイファーポール"イージス")0のエージェントが裏切り者に触れ、彼女の身体が赤く輝きながら縮みゆく。

 その輝く腹心の身体を見ながらバーンは感情の赴くままに自らの手刀を持ってその敵──CP0の身体を切り裂くも自らも触れられ顔を歪めながらも、来るであろう死を受け入れ目を閉じる。

 ────しかし意識が途絶える事は無かった。

 見聞色の覇気や気配察知、周りの音は途切れる事無く疑問に思っている。

「ぶわっはっはっは!面白すぎだろ!見ろよ、バーンが若返っているぞ!」

 笑い方からガープだと思われる声を聞いて自らの身体を急いで確認すると・・・確かに約15歳程の年齢に若返っている。

 ハッとなって部下の衣服を捲ってみるとこれまた小さくなった元CP0──ミストが自分と同じ程となっているのを確かめ、ほっと胸を撫で下ろす大魔王さん。

 状況を詳しく整理するとゴッドバレー事件にてガープ中将が大海賊ロックスを打倒*1したのを合わせ、これを期きに大魔王*2であるバーンを打倒しようと世界政府は大軍勢を仕向け、それを気に入らない元ロックス海賊団を含む海賊達もバーンの居城がある無人島に押し寄せたと言うのが事の顛末である。

(若返り、悪魔の実の能力の覚醒か・・・先ずはここから脱するのが賢明か)

 状況からそう判断を下したバーンはミストを叩き起こし、彼女の能力を持ってここらから脱出しようと画策する。

 ───が、

「ハーハッハハ!マンママンマ!逃がしゃしないよ、バーン!お前は俺が殺してやるよぉ!」 

 ───雷鳴に乗り、炎を剣に宿しながら迫る怪物。

「ウォロロロロロロ!黙ってろリンリン、バーンを殺すのはこの俺だ!」

 ───焔雲を掴み、雷鳴と共に天を駆ける龍。

「ジハハハハハ!面白ぇ状態になってるじゃえかバーン!丁度いい、その首貰うぞ!」

 ───海や土砂、山等を空に浮かべ、それと共に浮遊する空飛ぶ獅子。 

「バーン!お前は完全に包囲されている、大人しく投降しろ!」

 ───金色に輝く仏。

 この状況は正しく四面楚歌。

 それでも尚───

「たから?」

 この言葉と共に強大な覇王色の覇気が開放される。

 海賊、海軍問わず有象無象は瞬時に意識を刈り取られ、歴戦の兵達も怯む。

「余を誰と心得る──余はバーン、大魔王バーンなり!この程度でこのバーンを追い詰めたとは笑止千万!」

 ───大魔王揺るがず、未だ健在!

 とわ言え状況が不利なのは変わらない。

(海軍に投降なんて願い下げだ、それに他三者は余を殺しに来ている・・・ミストの能力で霧に隠れて逃げるのも注目が集まっている今だと不可能に近い)

 この状況は本当に詰みに近い。

 ミストは悪魔の実の能力者。

 自然(ロギア)系キリキリの実の霧人間。

 身体を霧に変えるのみならず霧を生み出したり、霧と覇気を併用して擬似的な暗黒闘気(あんこくとうき)*3により様々な技を使う事が可能*4

「この状況どう致しましょうバーン様。・・・貴方様がお望みとあれば」

「ならん。それに闘魔傀儡掌(とうまくぐつしょう)*5闘魔滅砕陣(とうまめっさいじん)*6をよしんば使用したとしても空を飛ぶシキとカイドウには効果が薄い上、我等も若返った為に全力が出せん・・・あの時波紋法*7を習っておけばと後悔する事になるとはな」

 軽口を言っている様で実は命がけだ。

 空から降ってくる土砂や岩を砕き、山と雷、炎を避ける。

 それを迫ってくる座兵を叩き伏せながらほぼそれを同時に行わなければならない。

 少しのミスで簡単に命を落としてしまう程に危険な状況だ。

「────!」

 類まれなる見聞色による未来視で来るであろう攻撃を察して、それと重ねる様に六式のうちの一つ『鉄塊』と武装色の覇気『流桜』、駄目押しとばかりに覇王色を纏いながらの重ね技で防御を固める。 

 ──そこへ。

雷鳴発勁(らいめいはっけい)!」

 覇王色の覇気と『流桜』を纏った棍棒がバーンに衝突するも同じ様に覇王色と『流桜』を纏って防御をしていたバーンには効果無く終わる。

「ウォロロロロロ!!やっぱ防ぐか、バーン!───ッ!」

 空がいきなり輝き、空を見上げると雷が雨の様に降ってくる。

 ミストは空を見上げ、瞬時に自らの身体から霧を発生させそれを覇気をもって黒く染め上げる。

 それを何重にも重ね上げる事によって自らとバーンを包み防御を固める終えるとほぼ同時に天災級の大規模な雷撃がバーンとミスト、ついでに竜人形態のカイドウをも巻き込んで炸裂し、大規模なクレータとなり、大規模な衝撃波が一面を吹き飛ばした。

天満大自在天神(てんまんだいじざいてんじん)!マーハッハハハ!マンママンマ!この程度でくたばらないよなぁ?バーン!・・・あん?」

『ビッグ・マム』に向けて灼熱の業火が幾つも迫ってくる。

「そんなんでオレを殺そうってか!おい、プロメテウス!」

「はぁい、ママ」

 ビッグ・マムに名を呼ばれた太陽の様な火の塊──プロメテウスが業火と『ビッグ・マム』の間に割り込み、業火を飲み込む。

「リンリン!俺を殺す気か!」

「お前がその程度で死ぬ球か?そんな事よりバーンとミストの奴に逃げられた・・・シキの野郎に先を越されるのは癪だから追うよカイドウ!」

「俺に命令するんじゃねぇ、リンリン!」 

 後に海の皇帝と呼ばれる二者は奇しくも一時共闘しバーンとミストを狙うのであった。

 ────────────────────────

 バーンはミストが能力で防御を固めた後に地面に穴を開け、ミストの能力を持って地面を掘り進め『ビッグ・マム』シャーロット・リンリンによる天災級の大規模な雷撃から逃れ、離れた所に出る事に成功した・・・が、

「俺から逃れられると思ってんのか?ベイビィちゃん達よォ!ジハハハハハ!」

 金獅子のシキは執拗に土砂や木々、山等を飛ばして来る。

 いっそ船などを飛ばしてくれれば脱出するのに役立つだろうが、そこは狡猾で有名なシキの事だ。

 船にたんまり火薬を仕込んだ上で実行してくるに決まっているし、そもそもシキ自身もそんな見え透いた罠にバーンとミストが引っ掛かるとは思っていない。

 あくまで二人の体力を極限まで減らした上で息の根を止める算段だ。

 幾ら若返ったとは言え油断すればシキであろうと容易に首が飛ぶ程に強いのはこれまでの攻防で十分察する事が出来る。

「ならばジワジワなぶり殺し、・・・?───ッ!」

 シキは二振りの愛刀によって斬撃の雨を多重に食らわせようとする寸前に自らの鼻孔にタールの様な死の匂いが漂っているのを第六感とも言うべき感覚で察知し、未来視まで到達した見聞色と自らの感覚を持ってその空域を脱した。

 それと同時にその場を衝撃波と砲弾が通り過ぎ、大爆発を起こす。

 こんな巫山戯た事をする奴等はシキの記憶上二人しか居ない。

 ガープは見聞色の覇気でセンゴクと組んでリンリンとカイドウの相手をしているのを察知している。

 ならば残るは一人・・・彼、金獅子のシキにとっての最大の好敵手にして、最大の宿敵たる男────

「テメェも来やがったのか、ロジャー!」

 ────後の海賊王ゴール・D・ロジャーただ一人のみ。

「昔世話になったダチが危機に陥ってるんだ、助けに来るのは当たり前だろうが!───邪魔をするならテメェだろうと容赦しねぇぞ、シキ!」

 その言葉を受けてシキはオーバーに頭を振り、頭を掻く。

「相変わらずムカつく野郎だ・・・・」

 そう言葉を零しながら、獅子に例えられし男は顔を上げる。

 もうその目にはバーンとミストなど写っておらず、眼中にもないだろう。

 ならば標的は無意識に金獅子のシキの地雷をある意味シキ本人の期待通り踏み潰した大胆不敵の大海賊のみ。

「────それは殺してくださいって意味だよなぁ!ロジャー!」

「────テメェを叩き潰すって意味に決まってんだろうが!シキ!」

 同時に啖呵を切った直後に二人は覇王を込めし愛刀を振るい、それが衝突し、天が割れた。

 それを島から遠ざかりながら白いクジラをモチーフとした船、モビー・ディック号の甲板上から眺めている男が一人。

「グララララララ。とんだ災難だったなオメェ等。昔世話になった礼だ近くの島まで送ってやるぜ」

 ────大海賊『白ひげ』エドワード・ニューゲート。

「すみませんね、ニューゲート。迷惑をかけて」

 そう言って頭を下げるミストを後の白ひげ海賊団一番隊隊長、現見習いのマルコが止める。

「気にすんな。オヤジも言った様に俺達やロジャー海賊団もあんたらには世話になった・・・それを少し返しているだけだよい」

 ミストは苦笑いに浮かべる。

 それを見ながら『白ひげ』は頬を掻きながら二人に自分達の格好を見る様に勧めた。

 それを受けて二人は互いの格好を見比べると、互いに必要最低限な布切れで秘部を隠しているだけに過ぎなかった。

「────キャー!」

 ミストは羞恥心から顔を赤らめ、悲鳴を上げながら「そんな年じゃないだろうろう」と口走ろうとした*8マルコを粛清し女性陣と共に風呂場に向かい、バーンはマルコを連れて船医の居る医務室へ向かう。

 それを見て『白ひげ』は苦笑いを浮かべながらも二人分の着替えと二人が生き残った事を祝う為に宴の準備を指示するのであった。

 斯くしてバーンの首を狙った三者三様のこの事件はこの様に幕を下ろし、後に『セキガハラーの戦い』として歴史に刻まれるのであった。

*1
 本当は後の海賊王──海賊ロジャーと手を組み、二人がかりでロックスを打倒したと言うのが真実であるが、知っている者は少ない。

*2
 バーンの二つ名。バーン自身が大魔王と名乗り、名を挙げていたのでそのまま定着した。

*3
 『ダイの大冒険』世界に於ける力の概念の一つ。所謂闘気(オーラ)の一種であり、様々な影響を及ぼす。

 ※本作では『ダイの大冒険』世界に於ける力の概念の一つである闘気(オーラ)の扱いに付きましては熟練された覇気の一種とさせて頂きます。

*4
 バーンがミストの能力に目を付け、伝授したら何故か出来てしまった。・・・尚ミストはミストバーンの生まれ変わりとかでは多分無い。

*5
 掌から発する糸状の暗黒闘気(あんこくとうき)で相手をマリオネットの様に操る技。

 その他にも相手を痛めつける技としても強力。

 元々は無数の骸を操る児戯にも等しい技であるが、使用者によっては想像を絶する絶技になる事もある。

*6
 闘魔傀儡掌(とうまくくつしょう)の範囲を周囲の地面全体に広げたものであり、暗黒闘気(あんこくとうき)を地面へ蜘蛛の巣状に張り巡らせ、周りの敵全員を縛り付けて動けなくする。

 闘魔傀儡掌(とうまくぐつしょう)と同様に暗黒闘気の威力を高めることで、最終的には相手の体をバラバラに引きちぎる事も出来る。

*7
 波紋を流す攻撃(通称:波紋疾走(オーバードライブ))をする為に必要な波紋を生み出す技術。

 特殊な呼吸法により、体を流れる血液の流れをコントロールして血液に波紋を起こし、太陽光の波と同じ波長の生命エネルギーを生み出す秘法である。

 また、常に強い生命エネルギーを生み出している故か、身体能力が著しく向上し老化が遅くなる効果もある。

*8
 何故言ってないのに言おうとした内容が分かったのかと言うと、それは見聞色の覇気による未来視と乙女の感らしい・・・後者に関してはまるで意味が分からない。




 ここまで読んでいただきありがとうございました。
────────────────────────
 以下蛇足。
 ・セキガハラーの戦い
 戦国時代、関ケ原にて起こった『関ヶ原の戦い』より。
 この後に戦いは海軍養成所の教育で必ず受ける程に重要視されている。
 何故カイドウ、シキ、ビッグ・マムの三人はバーンに敵対してロジャーや白ひげは味方になったのかと言うとあり方の違いが原因である。
 バーンは不義理で仁義を通さず搾取しようとした天竜人や汚職した海兵、海賊等を関係なく叩き潰して周り、義理や仁義を通す者は立場に関係なく尊重し、友好的な関係を築き上げている。
 その為海軍でも彼を慕う者は多く居るが、在り方が在り方な為世界政府にとって不利益を巻く事が多くあり、今回の戦争へと発展した。
 とは言っても普通に有効に使えるであろう手段や形態が多数あるのも事実で大魔王の脅威とその手段を学ぶ一環として学ぶらしい。
 ・バーンとミストが近くに降ろしてもらった後向かう場所
 過去にワノ国を向け出した忍者と特殊な吸放方を使う侍達の子孫が暮らす島。
 バーンは昔からその島の交流があり、これを機会に波紋等を詳しく聞き、良ければ学びたいと考えている。
 ・その島 
 正式名称は(一応)世界政府加盟国家の火の国、木の葉隠れの里。
 『NARUTO』の忍者の様な身体能力を持つ元々特殊な呼吸法を使っていたワノ国の侍達の子孫達の国。
 今作では元々使っていた特殊な呼吸法が『鬼滅の刃』鬼殺隊が使う呼吸法と『ジョジョの奇妙な冒険』に登場する波紋法に枝分かれした物として扱う。
 ※『鬼滅の刃』鬼殺隊が使う呼吸法の寿命を削るデメリットは本来の形ではないので、デメリットが少なく寿命を削る可能性が少なくなっていると言う設定(無茶をすれば減る)。
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