大魔王さんONE PIECE入り   作:ミッチェール

5 / 5
 感想を送っていただいたり、誤字報告していただくと励みにります。
 ではお楽しみ下さい。


海軍にて会議は踊り、智将はため息をつく。

 ───海軍本部「海軍元帥執務室」  

「どう言う事だコングさん!火の国にバスターコールをかけるかも知れないだとッ!!」 

 そう激高するのは後の海軍の英雄───モンキー・D・ガープ、異名はゲンコツのガープ。

「落ち着けガープ。まだ決まった訳では無い・・・それに今火の国にバスターコールを仕掛けたら、我ら海軍が存続不可能な大打撃を受けかねない」

 そうガープを押さえるは彼の同期で後の海軍元帥仏のセンゴク。

 センゴクはガープが持っている煎餅袋から煎餅を一枚貰い、何かを思い出しながら話し出す。

「もし仮に我々がバスターコールを実行した場合相手にするのは大魔王バーンやかの伝説『白死神』ミスト、最悪ロジャーやニューゲートが火の国側に付きかねない────更に」

 センゴクはそう言うと徐ろに懐から三枚の写真を取り出す。

「・・・・千手兄弟(せんじゅきょうだい)継国縁壱(つぎくに よりいち)か」

 その写真を一目見て、コングがため息を吐きながら呟き、ガープから煎餅を貰ってそれを口に運ぶ。

「コイツ等はバーンやミストと同じくらいに強い。直接殺り合った事は無いが、見れば分かる。・・・もしバスターコールを実行する場合物量と俺達で一気に攻めなければ、我々が敗北するだろうが、勝てる可能性も十分ある」

 センゴクが煎餅を食べながら机に置いた写真を見てそう独り言ちる。

 そう彼等は第一線で活躍する、数多の海賊が恐れる歴戦の勇士達だ。

 幾ら相手が化け物揃いだとしても彼等達も同じくらいの強者なのだ。

 ────が、

「気が乗らんし、反対だが・・・千手柱間(せんじゅ はしらま)が前線に出て来た場合俺達の勝機はゼロだぞ、文字通りな」

 そうガープが火の国を対象としたバスターコールに反対しているのはバスターコールを実行する理由が無いのと───千手兄弟(せんじゅきょうだい)が世界政府の敵になるのを防ぐ為でもある。

千手柱間(せんじゅ はしらま)は天才的な体術に剣術を身に付けた実力者だ。それに加え自然(ロギア)系モリモリの実の能力者でもある慢心しない強者。・・・正直あんなフィジカルを持った強者の手に最強種自然(ロギア)系の悪魔の実が渡ったのが理不尽だと言いたいな」

 そうセンゴクは頭を押さえる。

 思い出すは彼に、千手柱間(せんじゅ はしらま)に喧嘩を売った海賊の末路だ。

 柱間(はしらま)に喧嘩を売ったのはスナスナの実の能力者が率いていた海賊だ。

 更に船長だった男はかのロックス海賊団に在席し、ゴッドバレー事件を生き抜いた筋が入りの強者だ。

 ロックス亡き後彼の意志を継がんと世界政府加盟国を部下を引き連れ襲撃し、そこに居た本部海兵と民間人数人を人質として無人島に連れ去った。

 その上で海兵が持っていた電伝虫を使い報告を受けて自分の元に向かっている海軍本部の軍艦と海軍本部へ嫌がらせの連絡をする。

 彼の目的は大監獄インペルダウンLEVEL6に幽閉されている元ロックス海賊団所属の海賊達の開放────ロックスの再来だった。

 当時はセンゴクやガープ、つると言った強者達はゴッドバレー事件での傷が癒えておらず、動ける強者は本部中将黒腕のゼファーのみと言った現状だった。

 その海賊の残忍さを知っている海軍所属の海兵達や世界政府の役人達は海賊の申し出に答えなければならないと誰もが苦虫を噛み潰したよう顔をして押し黙った。

 本来ならインペルダウンから囚人を出すなど言語道断だ。ましてや元ロックス海賊団なら尚更。

 しかし、その男は先程も言った様にスナスナの実の能力者だ。

 その無人島でやった様に加盟国でありとあらゆる水分を向き取らればどれだけの血が流れるか用意に想像出来る。

 その男は何ら躊躇すらせず実行するだろう事が容易に想像出来た。

 実際そうやって犠牲になった被害者は数知れない。

 最終的に世界政府はかの海賊の申し出に従う事になっていただろう。

 ──その無人島に千手柱間(せんじゅ はしらま)が偶然居合わせてさえ居なければ。

 偶々その無人島に降り立った柱間(はしらま)は彼等と平和的解決を望んたが、彼の甘い態度に腹を立てたその海賊が民間人を柱間(はしらま)の目の前で惨殺した。

 それを受けた柱間(はしらま)は歩いて二十歩程前に居た海賊に一瞬で近づき思っ切り蹴飛ばし隣りに居た男を手持ちの刃物で斬りつけて殺し、人質となっていた海兵と民間人を開放した。

 海賊船長は柱間(はしらま)に逃された海兵達に向けて覇王色を纏った砂で攻撃するが、同じく覇王色を纏った柱間(はしらま)の拳に相殺され、辺り一面の物が覇王色の衝突の衝撃波により吹き飛ぶ。

 その様子を電伝虫越しに把握していたゼファーと無理矢理付いて来たガープとセンゴクは部下に更に急ぐ様に命じ、戦闘準備を整えている最中に、

『────樹海降誕(じゅかいこうたん)

 と静かに男の声がこだました。

 まだ無人島より遠い軍艦上に居たガープ達から見ても分かりやすく変化が起きた。

 木々がいきなり無人島を覆い、あたり一面に緑が生い茂る。

 海賊の男が負けじと能力を持って水分を手当たり次第に奪おうとするも一瞬で距離を詰められ『流桜』と覇王色を纏った拳を顔面にくらいかけ、急いで流動回避する・・・それがフェイントだと気付かずに。

『ッ!ゴフ!』

 本命の右ストレートを土手っ腹に打ち込まれ血を吐きながら後方へ飛び、部下をけしかけるも全て素手で制圧され海賊は追い詰められる。

『降伏すれば命までは取らぬ・・・それでも降伏せぬなら───地獄を見てもらうぞ』

 その問いに対し海賊達は答え代わりに弾丸の雨を柱間(はしらま)に浴びせ、船長も覇王色を纏った砂で襲いかかる。

 それでも柱間(はしらま)は腕を重ね、自分の申し出に乗らなかった愚か者達を見据え、

真数千手(しんすうせんじゅ)

 と呟いた。

 その後全長50mはあるであろう、腕を千本持った仏像がその場に具現した。

 その仏像をよく見れば一つ一つが覇王色、武装色、『流桜』を纏っているのが確認出来て、海賊船長はなまじ実力があるせいでその全てを把握してしまった。

 船長は今まで命を奪って来た者達と同じ様に命乞いをしようとしたが、その前に仏像が数多の腕を振りかぶった。

 ──その後文字通りの地獄が海賊達を襲った。

 それを見ていた軍艦上の全ての海兵は驚愕と恐怖を抱く。

 その時その仏像はガープ達が居る軍艦に向き、腕を構えた。

 巨大な仏像が軍艦に向き、腕を構えた時、その上に居た新兵や歴戦の海兵、ガープ達ですら死を覚悟し、それでも抗わんと戦意を維持していた。

 ──その時、

『待って下さい!彼等は自分の味方であります!』

 人質だった海兵の声が電伝虫から聞えるとそれと同時に仏像の姿は消え、暫くすると木で造られたであろう船がガープ達が乗る軍艦に近づいて来た。

『ハーハッハハ!てっきり敵船だと思ったのでうっかり沈めるところであったわ!いやはや面目ない』 

 これがガープ達と千手柱間(せんじゅ はしらま)の出会いだった。

 一応柱間(はしらま)に海軍本部まで付いて来て貰い、その結果火の国木ノ葉隠れの里の里長である事が判明した。

 当時は一大事になるかと思われたが知らせを聞いた弟の千手扉間(せんじゅ とびらま)が兄である柱間(はしらま)を迎えに来て早々に拳骨を兄にお見舞いし、ガープ達に宥められていた。

 尚ガープ達海軍が海賊と柱間(はしらま)達の詳しい戦闘を把握している理由は人質だった海兵が詳しく報告していたからである。

「正直あれがこれらを向いた時・・・・生きた心地がしなかった」

 そう言ってガープは頭を手で払い、冷や汗を拭う。

「彼が善人だったのが我々にとって唯一の救いか」

 そう言葉を区切り、頭を抱えるコング元帥。

「しかし、天竜人が癇癪を起こし、今回の問題へと発展した訳だが・・・本当アイツ等は問題しか起こさんなぁ」

 そうバスターコールを起こすかどうか、この話題は木の葉の里に勝手に密航した天竜人が木ノ葉隠れの里の若い女性*1を奴隷にしようとしたが、扉間(とびらま)に良いようにあしらわれ聖地マリージョアに帰還したのが原因だ。

「自分勝手な奴等だ・・・柱間(はしらま)達が善良だったからこそ無事に帰れたが、やろうと思えば事故死を装って其奴消す事も出来ただろうに」 

 そうセンゴクはごちり、煎餅を食べながら智将として考える。

「・・・頭脳戦を仕掛ければ勝機はあるかも知れんが、奴の弟である千手扉間(せんじゅ とびらま)が出て来れば逆に我等が自滅してしまう」

 世界政府は柱間(はしらま)の能力とそれ抜きの実力の高さを、把握する為に海賊に襲撃されていると言うアラバスタ王国に彼を差し向けた。

 大半の海賊は彼の覇王色の覇気の前に為す術無く崩れ去り、覇王色に耐え抜き残った者達も能力を使ってない柱間(はしらま)の体術と覇気の前に崩れ去った。

 尚その海賊達のアジトを確認して分かった事だが、嘗てその海賊達はゼファーに海賊団を壊滅させられ者達が集まり彼の家族の命を狙っていたらしい。  

 ・・・本命の一団はもうゼファーの妻子が居る島へ向かったと聞いた時はその場に居た全海兵が絶望したが、柱間(はしらま)が勝手に海軍の電伝虫を使い何者かに通信をしていた。

 それが終わった時を見計らって聞いてみれば、

『・・・ん?あぁ何、今回の件を俺の弟である扉間(とびらま)に相談しただけよ。ここに向かう際何か嫌な予感がしてな』

 そう言って柱間(はしらま)は懐から何かの暗号が書かれている紙を取り出した。

『この内容が分からなかったので、扉間(とびらま)の奴にこれを写させて探らせのだ・・・そしたらアラバスタ王国で分かった事があったら連絡してこいって言われ、それを連絡していたのだ』

 そう柱間(はしらま)が言った直後に緊急用電伝虫から連絡が入る。

 それによれば扉間(とびらま)の指示の下復讐を企てた海賊達を行動を起こす前に一網打尽にし、彼等を裏から支援していた闇の支配者達数人も捕まえる事に成功した様だった。

 その場面を思い出しガープは休暇を取って家族と火の国に旅行に行ったゼファーを思い出し、後で絶対怒るだろうなぁと一人ごちる*2

 そんなこんなありながら五老星から直々にバスターコールが取り消されるまで、海軍本部が休まる時は無かった。

 ────────────────────────

「この分だとバスターコールは起こらんか。ある程度海軍の兵力を削り、潜入してやろうと思った物を」

 扉間(とびらま)が天竜人を敢えて見逃したのは今回の件でバスターコールが起こし、大義名分を上げそれ等の大半を沈めた後世界政府中枢に攻め入って情報を手に入れる算段だったのにと愚痴る扉間(とびらま)を横目に『白死神』──ミストはジト目で彼を見据え、

「・・・だから貴方は卑劣って言われるんですよ、扉間(とびらま)

 と彼に言う。

 そう言われ肩を落とす扉間(とびらま)

 彼は朝っぱらから酒を飲み酔い潰れた兄である柱間(はしらま)を放っておいてまだ余裕があるミストから捨駒のCIPHERPOLE“Aegis”(サイファーポール"イージス")0を含めた全ての“CP”(サイファーポール)エージェント達を除いた者達が火の国に眠っているとある情報を欲していると知って危機感を持っていた。

 ───()()()()()3()()()()()()()()()()と言う事実を世界政府が掴んでいて、其れ等を手中に収めんとしていると言う事に。

 そう神の名を関する古代兵器はプルトン、ポセイドン、ウラヌス等3つ以外にも伝承として確認されている。 

 ───約700年前に存在した古代国家が残せし天空の城。

 ───太古に存在したとされる神を象り、その雷神の名を持った雷霆を司りし超兵器。

 ───一撃で大陸をも吹き飛す事が出来るとされる超巨大戦艦。

 ・・・これ等3つがプルトン、ポセイドン、ウラヌス等に並ぶ古代兵器級の過去の遺物。

 辛うじて天空の城はおとぎ話として残っては要るものの何故かそれ以外は世界政府を含め、()()()()()()()()()()()のである。

「・・・貴様がその取っ掛かりを掴んでしまったせいで面倒な事になったぞ『白死神』」

 扉間(とびらま)はそう愚痴り、ため息を吐く。

 それを見てミストは頭を振って呆れた様にため息をこぼす。

 ・・・さも有りなん。

 そう愚痴をこぼすのならば柱間(はしらま)とミストが()()を終わらせたのを認識した時に自らも来れば良かった話。

「・・・まぁ、その件は良いとして、敢えてバスターコールを起こさせる様に仕向ける必要は無かったでしょうね」

 そう今回のバスターコール騒ぎはミストから世界政府の真の狙いを聞いた扉間(とびらま)がその翌日に天竜人が起こしたナンパに割って入ったのが事の発端だ。

 扉間(とびらま)の真の狙いは天竜人特有のプライドを刺激しつつ、バスターコールを海軍に要請する様に仕向ける事だった。

 それが成功した後はバスターコールを発令させた責任を世界政府に取らせ、聖地マリージョアに潜入する大義名分を手に入れ様としていた。

 ・・・こうして失敗している*3が、それは飽くまでも案の一つ。

 そう思いながら彼は酒を飲みに酒蔵へ足を運び、それにミストも続く。

 まぁ、何がともあれ火の国は主が民達の安寧の為に策を練り、新たなる時代に思いを馳せるのだった。

 

*1
 実はこの女性はミストの事。

 捨て駒の“CP”(サイファーポール)達が火の国に向かうのを本人から聞き、勝手に着いていき、囮ではない“CP”(サイファーポール)達と共に聖地マリージョアに帰還した。

 その後バスターコール騒ぎを始め、五老星に火の国に攻め込む様に訴えに向かった・・・尚本人はこの後行方不明となり、その一家も消えた。

*2
 尚ゼファーは今回の件を目撃しており、事のあらましをコングに伝えた。

 バスターコールが実行されるかもしれ無いと上から指示があったのはその直後であり、ゼファーにはまだ今回の件は伝えられていない。

 案の定職務に戻った後に今回の件を聞いたゼファーはガープの懸念通り本当にブチギレた。

 勿論柱間(はしらま)扉間(とびらま)がゼファーの妻子を救った功労者だと知っている海兵も多く居て、彼等含めて一歩間違えればこの時期にNEO海軍を設立しかねない程にブチギレていた。

*3
 扉間(とびらま)達的には失敗ではある。

 ・・・だが実際はバスターコール騒ぎを起こした天竜人一家はイムによって処刑され騒ぎ自体が揉み消された為、もし揉み消されなかったらば扉間(とびらま)は目的を達成していただろう。




 ここまで読んでいただきありがとうございました。
────────────────────────
 以下蛇足。
 ・原作に登場した古代兵器以外の超兵器の元ネタ
 天空の城はそのままラピュタの事。
 太古に存在していた雷神の名を持つ超兵器はFate/シリーズのゼウス。
 3つ目の超巨大戦艦はまんま鋼鉄の咆哮に登場するヴォルケンクラッツァー。
 ・ゼウスが元ネタの超兵器の名前は?
 ユピテルと言うローマ神話におけるゼウスの名を想定している。
 Q.
 元ネタは何処で知った?
 A.
 ユピテルはFGO第二部五章で知って、それ以外は前にネットサーフィンしている時に偶々見つけた奴を持って来ただけ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。