SEEDの世界にマクロス要素をぶち込んでみた   作:ソロモンは燃えている

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SEEDの世界にマクロス要素をぶち込んでみた

 

 

コズミックイラ70、血のバレンタインの悲劇によって地球プラント間は本格的武力衝突に発展した。

プラントの軍事組織ザフトは報復として核分裂を阻害するニュートロンジャマーを地球全域に散布、エネルギー枯渇により多くの餓死者、凍死者を出す。

中立国オーブは人道支援部隊を世界各地に派遣、歌姫カガリ・ユラ・アスハも同行し歌で暴徒化していた民衆の心を癒していた。

そして時が過ぎザフトが地球連合軍本部ジョシュアを奇襲、しかし地球軍の頑強な抵抗を前に作戦は失敗

プラント議長パトリック・ザラはこの失敗を取り戻すべくパナマ攻略を強硬、電磁パルス兵器グングニールを使用しマスドライバー破壊に成功する。

これで地球軍は全てのマスドライバーを失いザフトの制宙圏は万全のものになるかに思われた。

オーブ月基地に対して水や食糧、空気などの人道支援に限りマスドライバーの使用を許可する。

プラントはこれに反発し直ちに地球連合に対する支援を打ち切るよう通達、従わない場合は武力でマスドライバーを破壊すると宣言

オーブは外交交渉により事態の解決を図るがプラント側は黙殺、遂にオーブ侵攻が開始される。

ジョシュア攻略の失敗、パナマでもかなり消耗していたが小国であるオーブ、それも占領ではなくマスドライバーの破壊だけならば十分すぎる戦力で攻め込んできていた。

しかしザフトの動きは鈍い。

中立国しかも人道支援しかしていないオーブへの攻撃にザフト特に地上軍の士気は低かった。

 

オーブとザフトの交戦が始まってすぐに、オーブ上空に紅いストライクが姿を見せる。

ザフトはオーブの新型かと思い警戒する中、なんとそのモビルスーツから音楽が流れ始めた。

紅いストライク『ルージュ』が装備するストライカーパックは、モルゲンレーテが歌姫カガリのために開発した専用パック・サウンドストライカーであった。

オーブ国内の公共スピーカーとサウンドストライカーがリンクし、オーブ全域に音楽が響いていく。

そして歌が始まる。

それは戦争を讃美し戦意を高揚させる戦歌ではなかった。

恋や友情、明日も続く平和な日常を綴る明るい歌だった。

シェルターに避難している民間人の不安を和らげた。

オーブ軍は自分達が守っているものを思い出し士気を高めていく。

攻撃しているザフトにもその歌は届き、自分達が壊そうとしているものを自覚させ士気を落としていく。

そんな中で戦意を維持し果敢に攻撃している部隊もいる。ジョシュアやパナマ戦で降下してきた宇宙軍所属の部隊である。

彼らは戦場で歌うという行為に自分達をバカにしているのかと憤り攻撃を加えていく。

どれほどオーブ軍の士気が高くともザフトの士気が低くともその戦力差を覆すには至らない。

オーブの防衛網はじわじわと削られ、ついにその時は訪れてしまった。

ミサイルがオーブ軍司令部に直撃し爆発炎上した。

ルージュに乗り戦場という最も危険な場所で歌っていたがためにカガリはその光景を目の前で見てしまった。

 

「お父様ーーーーーー!!!」

 

オーブ全域に響く悲痛な声と歌が止まってしまったことで、避難民達も、オーブ軍も、攻め寄せているザフトすらも、あの歌姫の少女が目の前で父親を亡くしたのだと理解した。

 

呆然とし、戦場で動きを止めてしまったルージュにザフトの攻撃が迫る。

それに気づき対処しようとするが、間に合わない。

カガリは、撃墜を覚悟し目を閉じる。

 

次の瞬間、天空から無数のビームが降り注ぎ攻撃しようしていたザフトのモビルスーツ達の腕やメインカメラを撃ち抜いていく。

覚悟していた衝撃が来なかった事を不思議に思い、目を開けたカガリの前に、ストライクを思い出させるトリコロールの機体が守るように浮かんでいた。

その機体から通信が入る。

 

「カガリ、歌を止めないで!君は歌うんだろ!!」

 

「キラ・・・なのか?」

 

「うん、僕だよ」

 

「お前・・・生きて・・それにその機体は?」

 

「カガリが歌い続けるなら僕が守る、これはその為の翼だ!」

 

そう言って、キラは押し寄せてくるザフトのモビルスーツ達を撃破していく。

コックピットを狙わず、武装やメインカメラを破壊することで戦闘力を奪う。

そんな戦いを見て、カガリの目に力が戻ってくる。

 

「オーブ軍全軍に告げる、戦え!」

 

その言葉を聞いた時、全ての人々の心に悲しみが襲った。

父親の死が、あの少女の心すら憎しみで染めてしまったのかと。

しかし、続く言葉がそれを否定する。

 

「敵を討つためにじゃない!

 オーブの民を・・1つでも多くの命を守るために戦え!

 それがオーブの・・・私たちの戦いだ!!!」

 

そして、再び音楽が流れ始める

 

ライオンが誇り高く生き抜く姿を歌う曲

生き抜いて大切なものを守ってみせると叫ぶ歌

まるでオーブの獅子ウズミ・ナラ・アスハに捧げる歌だった。

貴方の意志を継ぎ、オーブを守るという誓いの歌

ルージュのストライカーパックが輝き始める。

 

 

モルゲンレーテ本社

 

「凄い、カガリ様のサウンドエナジーが10万エリカソングを超えている!

 これでサウンドストライカーの真の機能が使えるわ」

 

「待て、いろいろ聞きたいことがあるが、まずそのエリカソングというのは何だ?」

 

輝き始めたルージュをモニターで見ながら妙な事を言い出した技術主任エリカ・シモンズに対し、まさか自分がツッコミを入れることになるとは思わなかったが、確認しない訳にも行かないロンド・ミナ・サハクが話しかける。

 

「これは失礼しましたミナ様。

 エリカソングとは、私が研究している歌の力サウンドエナジーのエネルギー量を表す単位です」

 

「そ、そうか・・・ではサウンドストライカーの真の力とは何だ?

 そんなものの報告は受けていないぞ」

 

「趣味でしていた研究ですので。

 サウンドストライカーの機能ですが。

 サウンドエナジーが10万エリカソングを超えると、それをエネルギーに変換し周囲に放出、サウンドフィールドを展開します」

 

「ほう、それで何が出来るのだ」

 

「はい、まずカガリ様の感情の動きによって、色や形が変わります」

 

「・・・他には、何か他にすごい機能があるんだろう?」

 

「もちろんですわ!

 サウンドフィールドは拡大していき、音を劣化させることなく伝達します。

 つまり、離れていようが、スピーカー越しであろうが、まるで隣で歌っているかのような臨場感のある歌声を届けることが出来るのです!」

 

「わかった、つまり何の役にも立たないんだな」

 

「何を言っているんですかミナ様、ライブの演出に革命が起きる技術ですよ!」

 

モルゲンレーテでミナとエリカがコントをしている間も、ルージュが展開するサウンドフィールドは拡大を続け、オーブ全域に広がると、まるで意志を持つかのようにザフトの艦隊をも包み始める。

モニターを見ながらエリカは小さくつぶやく。

 

「これで歌声は届く、人の心に届くかどうかはカガリ様しだいですよ」

 

 

オーブ軍はまるで隣に寄り添っているかのように感じるほどクリアな歌声に包まれ士気は再び最高潮に達し、カガリを信じて戦い続けていたキラのフリーダムと共に戦い始める。

盾を構え損傷した味方の前に出る。

損傷した機体も撤退せずに対空砲座の横に並びミサイルの迎撃に加わる。

敬愛する歌姫の望みを叶えるため、一つでも多くの命を救えと行動で示していた。

 

ここに至りザフトの戦意が崩壊した。

通信を切っても聴こえてくる歌声が、オーブ軍の行動が、胸を締め付けて涙が溢れて止まらなくさせる。

敵を撃とうにも涙で目標が見えない。

多くの部隊が戦場から離脱し始めた。

オーブ側からの追撃はなかった。その事でより離脱する部隊が増えていった。

 

ザフト艦隊司令部

 

「ここまでだな」

 

「しかし司令、まだ作戦目標を達成出来ていませんよ!」

 

「もはや戦線の維持すら難しいだろう。撤退命令を出したまえ」

 

「よろしいのですか?評議会への報告は・・・」

 

「なにマスドライバーには損傷を与えているじゃないか。かすり傷程度でもな。完全破壊には至らなかったが作戦目標は達成したと判断したため離脱したとでも報告するさ」

 

「司令、ビクトリアのマスドライバーが地球軍によって奪還された模様です!」

 

「もはやオーブのマスドライバーを破壊する意味も無くなったようだな。これ以上は戦力を無駄に消耗するだけだ。撤退命令を!」

 

「了解、全部隊に撤退命令を出します」

 

ザフトは戦闘を停止し、カーペンタリア基地に撤退していった。

 

戦闘後ルージュから降りたカガリは、キラの胸に飛び込む。

突然のことに驚いたキラだが、胸の中で涙を流すカガリを見てそっと抱きしめる。

父親を亡くした悲しみが、無くなるわけじゃない。

戦いが終わった今、やっとカガリはウズミさんを想って泣けるんだ。

キラは、カガリが泣き止むまでそっと抱きしめ、寄り添い続けた。

 

「すまないキラ」

 

「いいんだカガリ、僕の胸で良ければいつでも貸すよ」

 

2人は見つめ合い微笑みを浮かべた。

 

「これは?」

 

カガリは気になっていたモビルスーツについて聞いてみた。

 

「ラクスが託してくれた。カガリを守る為の新しい翼だよ」

 

「そうか、ラクスが・・・」

 

「あの機体、フリーダムには核が使われている」

 

「核!ニュートロンジャマーキャンセラーか?」

 

「うん、だからフリーダムの情報が欲しいなら・・・」

 

「わかっている、その機体には手を出さないように命令しておく」

 

「ありがとうカガリ」

 

「当然のことだ、ブルーコスモスの過激派に流れれば厄介なことになる。

 オーブも一枚岩ではないしな」

 

「カガリはこの後どうするの?」

 

「まずはこの戦いの犠牲者の追悼、その後は」

 

「その後は?」

 

「宇宙に上がる」

 

「!カガリそれは・・・」

 

「馬鹿なことだって自分でも思うよ。

 でもこの戦争を終わらせるためには、プラントの人達の意識も変えなきゃいけない。

 だから宇宙で歌うよ」

 

「一緒に行くよ、僕はカガリを守るって決めたから」

 

「キラ、ありがとう」

 

「ラクスからの伝言があるんだ『私も平和の歌を歌います』だって」

 

「そうか、ラクスも決めたんだな」

 

「うん、きっと力になってくれるよ」

 

「ああ、まずはエリカの所に行こう。私のために色々作ってくれてるんだ」

 

 

2人の歌姫が再び出会い宇宙に歌声が響くとき新たな伝説が生まれる。

 

 

 

 

おまけ

 

モルゲンレーテにて

 

「カガリ様、お任せください!こんなこともあろうかと宇宙でライブ艦サウンドシップ『ワルキューレ』を作っていました!」

 

「エリカ、オーブの予算で何を作ってるんだ」

 

「いえ、ウズミ様がアスハ家の資産で作ったんですよ。

 なんでも娘へのプレゼントで、金ピカのモビルスーツを作ろうと思っていた予算をこちらに回したとか」

 

「お父様ーーーー!!!」

 

 

宇宙で

 

「そう言えば、私もラクスも宇宙を漂流してた時に、キラに拾われなければアークエンジェルに乗ってなかったんだな」

 

「私達の命の恩人ですわ♪」

 

 

最終戦後

 

「私とアスランの婚約はザラ家とクライン家を結ぶ政治的なもの、お父様達が決別した時点でなかったものにされてますわ。

 カガリ様こそ婚約者がいたのでは?」

 

「私の影響力が強すぎて、結婚で政治バランスが崩れるから、首長家とは結婚出来ないと言って解消してきたぞ」

 

「では、私達2人ともフリーですわね」

 

「そうだな、結婚するなら政治とは無縁の一般人で、私を歌手やアスハ家の娘としてじゃなく、ただのカガリとして見てくれる人がいいな」

 

「キラ様みたいな方ですね♪」

 

「そ、そうだな。今のところ条件に合うのはキラくらいってだけだぞ」

 

「私負けませんわ・・・歌も、恋も」

 

「ラクス・・・ああ、受けて立つ」

 

 

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