中々筆が進みません……。それでも、投稿頻度は下げないように頑張っています。
ここ最近、Twitterのトレンドに『ゆるキャン△』が入る日が多いですね。面白いです。
さて。今回は繋ぎの回なので短めです。不穏なタイトルですが、決して最終回ではないのでご安心ください。
期末試験が終わったので、部活禁止が解けた。
本当なら、昨日の放課後から再開出来たんだけど、
土曜日で学校は休みだけど、部活のために学校へ向かう。
県道409号線を走って行くと、数台の車とすれ違った。
俺が今走って行くのと逆方向は行き止まりで、
つまり、地元民でない限りここを通った人は四尾連湖に向かっている訳だ。
とはいえ地元民は、俺には全員顔見知りだ。今日はデイキャンプも含め、数件の予約が入っている。すれ違った車の何台かはうちのお客様だろう。
そんなことを考えながら、県道414号線・県道9号線を経由し、国道300号線へ。
そういえば、北
駐輪場にバイクを停め、チェーンロックで左前輪と駐輪場屋根の柱とを繋ぐ。
休校日の早い時間だからか、他にバイクや自転車はない。一番乗りだ。
休校日の朝の職員室は先生方の数も少ない。
居る先生は限られる。
「失礼します。吹奏楽サークルの
「お、滝野。おはよう!」
職員室に入り、用件を告げれば誰かしら返事をしてくれる。
「
そう、今の大町先生のように。
「おはようございます」
「えっと、
鳥羽先生も来ている。
今職員室にいるのはこの二人だけらしい。
「他の先生方、遅いですね……」
「ああ。みんな昨日遅くまでテストの採点してたからな。俺はテスト無いから、朝の当番って訳さ」
なるほど。
「鳥羽先生もですか?」
「えっ? ああ、はい。なんの話でしたっけ?」
急に振ったから話についてこれてなかった。
「テストの話ですよ。ほら、あたしはテスト関係ないから……って」
「ああ、そうでしたか。私も今回のテストは関係ないんですよ。
そうか。テストは田原先生が作ってったんだ。
急な産休に驚いた人は多かったな……。
「どのみち今日は土曜日だから、来る先生は少ないと思うぞ。誰かに用事か?」
「あ。いや、そういうわけではないです」
「じゃあ滝野、部活良いのか?」
おっと、話に夢中だった。
「そうですね。では、失礼します」
鍵を持って職員室を出る。
「あ、滝野先輩!」
昇降口で
「おはよう。朝から元気だな」
「私から元気を取り上げたら何が残るの? ってぐらい、元気ですよ」
「それは良かった。ところで、期末試験はどうだった?」
こう聞いた途端、さっきまでの元気は何処へやら。急に元気がなくなった。
「ま、まあ。再試にならない程度には……。そんな感じですが、何とか出来たと思いますよ」
視線がめちゃ泳いでいた。自信無いんだな。
「それなら良かった」
一学期の期末試験では数教科赤点で、再試に受かるまでの数日間、可児は部活に来なかった。そう考えればまだ良いのかもしれない。
音楽室に到着。
俺が持っている鍵で解錠。
一週間振りの音楽室だ。
少し来なかっただけなのに、やけに懐かしく感じる。
「先輩どうしました? そんな顔して。……もしかして、一週間振りの部室が懐かしいんですか?」
「何故分かった?」
「そんなところだと思いました。だから、昨日部活に来れば良かったんですよ。まあ、仕事じゃあ仕方無いですね」
全くだ。あのタイミングでぶつかるとはね。……分かってましたけど!
でもまあ、そのお陰で山川さんと別れの挨拶が出来たんだから、良しとしよう。
「所で、前から気になっていたんですが」
「どうした?」
「先輩のその仕事って、お金発生するんですか?」
「そりゃあもちろん」
詳しい仕組みは知らないが、観光振興協会……? あれ、観光推進機構だっけ? ……とにかく、そこから 一件幾ら という感じでお金が出るらしい。
「そもそも、バイクのガソリン代を考えたら、タダであんな仕事は出来ない」
「そうですか。それじゃあ練習始めましょう!」
あれ、この話はもう良いのか。前から気になっていたと言うわりには、あっさり切り上げたな。
「何吹く?」
「これです」
そう言い、譜面台を俺の前に置いた。
なるほど、悪くないね。
「了解」
♪~
「そういえば先輩。今度の試験休み、何処か行くんですか?」
試験休み? ああ。今週末にかけて四連休になる奴か。
「いや、今のところ予定はないけど。どうした?」
「特に意味はないです。その間部活どうするのかな……? って気になっただけですよ」
そういうことか。
「任せるよ。どのみち、可児はある程度自由に部活やってるじゃないか。俺としては、こんなこと聞かれても今更感半端無い」
「酷い言い草ですね。まあ、否定できませんけれど……」
音楽室が使えない場合は帰るし、土日も来るかはその日次第。でも、部員は俺と可児の二人しか居ないんだし、自由にやるのは構わない。先生に怒られない範囲でなら……。
「だいたい、今俺だけに吹かせてお前は見てるだけだっただろう?」
「え~。フライデーナイトファンタジーは、トランペットが格好いい曲ですよ? 私が邪魔したら悪いですから……」
言ってろ。
「次は可児も吹けよ」
「何を?」
「残酷な天使のテーゼ」
そう言うと、唇を尖らせた。
「何だそれ?」
「三角点です」*1
「意味が分からん!」
♪~
「先輩」
一曲吹き終えると、再び可児から声が掛かる。
「どうした?」
「先輩は、私と一緒に部活するの。嫌ですか?」
「いきなりどうした?」
普段、こんなこと聞かないのに。
可児の表情は、言うならば、真顔。この言葉の真意は読み取れない。
「言わなくたって分かってるだろ? 居なくなったら困る」
「例えるなら?」
「シュークリームの中身」
「意味が分かりません!」
「お前の三角点よりは分かるだろ!」
なんですか、これ? 漫才じゃないか。
「まあ、私にしてみれば、この漫才みたいなやり取りも、楽しいんですよね」
「それは俺も同じだ」
その通り。
『大会に出ること』『上を目指すこと』が目的ではなく、『楽しく吹くこと』。これがこの『本栖高校吹奏楽サークル』の目的だ。
『楽しく吹くため』の土台に、こういったやり取り(漫才)がある。
コンクールに出たくないのか? 上を目指すつもりはないのか? そう問われれば、否と答えるだろう。それでも、今はこれで良い。
「因みに先輩。さっきの『シュークリームの中身』って、どういう意味ですか?」
「自分で考えろ」