【完結】本栖高校吹奏楽サークル   作:小林司

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前にも同じことを書いているのですが、それと同じ状況になっているので再び書きます。それが何か、というと、Twitterのトレンドに『ゆるキャン△』の文字が出ている日が多くなっているんですね。嬉しい話です。

何故かと思ったら、3月4日が なでしこ・あおい の誕生日でしたね。だからだと思います。本栖高校モデル地でも、誕生日の『校庭キャンプ』が行われたらしいです。

というわけで、校庭キャンプ に参加していない私は、只今伊豆に居ります……(関係ない?)。


さて、今回より クリキャン に突入していきます。まずは、野クル部と吹奏楽サークルのご対面(?)です。




クリキャン
 「トラ先輩のおかげで我が『野クル』は無事に『野クル部』に昇格出来たんだぜ」


 

可児(かに)滝野(たきの)先輩!

 

可児:これはどういうことですか!

 

可児:浮気してるだなんて聞いてません!

 

可児:今すぐ音楽室に来てください!

 

可児:さもなくば、命の保証はできません

 

 

 

試験休み明け初日の放課後。

 

今日の授業で返却されたテストに採点ミスがあるのに気付いて、職員室に行ってそれを修正してもらった。

 

それ故音楽室へ行くのが遅くなったのだが、向かっている途中でラインが来たんだ。それが今の通り。

 

可児からだが、内容がおかしい。

 

普段から、可児のラインは大袈裟なものが多い。しかし、今日のは只ならぬ空気を感じる。

 

廊下は走らずに、慌てて音楽室へ向かう。

 

 

 

「失礼します!」

 

扉を、外れるんじゃないかという勢いで開け放つ。

 

「あ、トラ先輩」

 

「先輩! 遅いですよ。というか、扉の開け方乱暴すぎます!」

 

居るのは二人か……。

 

「すまん。ところで、あの脅迫ラインは何だ?」

 

入って扉を閉める。外れてはいないようだ。

 

「何だ、は私の台詞です!」

 

「だからってあの書き方は無いだろう!」

 

「いまの先輩に口答えする権利はありません! つべこべ言うなら先輩の縦笛、へし折りますよ!」

 

縦笛?

 

俺、笛なんか持ってないけどなぁ……。

 

「お二人、そういう関係っすか……」

 

大垣(おおがき)さんがいつも以上に引いている……。

 

縦笛。何の事だろう? 何かに喩えているのか?

 

「それはそうと。一体何があった?」

 

どういうことだ? と思い、大垣さんの方を見る。

 

「あ、えっと……」

 

人差し指で頬を掻きながら話し始める。

 

「クリスマスキャンプの話を詰めようと思って、トラ先輩を尋ねてきたんですよ。そうしたら、可児さんだけが居て……」

 

可児の方を見ると、腕を組み頬を膨らませている。怒ってんのか。

 

「先輩は居ますか? って聞いたら、『あんた誰?』と」

 

「まさかね……。お兄ちゃん、妹が三人もいるのに、弟まで増やすなんてね……」

 

弟? 誰が?

 

「おいこら! あたしは女だぞ!」

 

「えっ? 男の子じゃないの?」

 

大垣さんを男の子だと思っていたらしい。

 

まあ、今はジャージ姿だし、マフラーで首回りが隠れていて、髪の長さも分からない。とはいえ、間違えるだろうか?

 

「違う~!」

 

この様子だと本当に間違えていたんだな。何処の世界にこんなに可愛い男の子が居るんだ?

 

バイクに乗せた時も、(犬山(いぬやま)さんと比べるのがそもそもの間違いだが)時々背中に柔らかいものが当たり、ドキっとしたものだ。あれで『実は男です』と言われたら、俺は……。

 

可児の隣に立ち、大垣さんの方を向く。

 

「この度はうちのバカ妹がご迷惑お掛けしました」

 

そう言って頭を下げる。

 

「ほら、ミクも!」

 

可児の頭を手で無理やり下げさせる。

 

「あ、いや……。謝ってもらえばそれで良いんっすけど。……妹?」

 

あ、そこに引っ掛かるか。

 

「妹って言っても、実妹ではないぞ。自称だ。こいつの」

 

「あー。なるほど。そういうことっすね。全然似てないから……」

 

似てる方が怖い。

 

「因みに、恵那ちゃんも自称妹の一人だよ」

 

「斉藤もか……」

 

大垣さん、何考えてるの?

 

「と、いうわけで、冗談はここまでにして……」

 

「「冗談ってレベルじゃねぇ!」」

 

お。大垣さんとハモった。

 

 

まずは、俺が野クル部の一員であることに関しての釈明からだ。

 

「言ってなかったっけか?」

 

「聞いてません」

 

そうだったか。

 

「言い忘れてたのは悪かった。でもお前、キャンプ興味ないだろ?」

 

「まあ、確かにキャンプは興味無いですけど……。そもそも、先輩は何で野クル部に入部したんですか?」

 

「簡単に言うならば、『野外活動サークル』というサークルだったんだけど、部員が四人になれば部に昇格できる、って言われて」

 

「で、名前を貸したと……」

 

「その通り」

 

「おうよ! トラ先輩のおかげで我が『野クル』は無事に『野クル部』に昇格出来たんだぜ」

 

よく言うよ。教頭先生を笑わせたあの申請書のことを知らないんだろう。

 

因みに、あの申請書は俺が黙って書き直して提出しておいた。

 

「まあ、そういう理由なら……」

 

「良いのか?」

 

大垣さんが驚く。

 

「部室が欲しい気持ちは私にも分かるから。時々、音楽室が使えないからって、演奏できない日があるんだけど、ちゃんと部室があれば毎日演奏出来るのに……って思うことがあるからさ」

 

そんな時俺は所構わず演奏しているが、トランペットよりは重い、ユーフォニアムだとそうはいかない。ましてや可児は、ざっくり言うと小さい。

 

長瀬(ながせ)がチューバスタンドを使っていても、後藤(ごとう)は使っていなかったように、重い低音楽器は体格で持ち方を変えなければならない。

 

『部室が欲しい気持ち』か。俺の力不足で可児に不便な思いをさせているのか……。

 

「可児さん……」

 

「大垣さん……」

 

互いに手を取り合う。

 

「これからはお互い仲良くしましょう!」

 

「私こそ。千明ちゃんって呼んで良い?」

 

「もちろん! じゃあ、あたしは……かにミソって呼んで良いか?」

 

蟹味噌? 酷い渾名(あだな)だな……。

 

「良いよ!」

 

良いんかい!

 

とんだ茶番劇。なんですか、これ。

 

せっかく感傷に浸ってたのに台無しだよ!

 

 

 

俺が野クルに入った経緯の説明が終わり、可児と大垣さんが仲良くなり……。本題へと突入。

 

「今、クリキャンに参加予定なのは、あたし、イヌ子、なでしこ、斉藤、トラ先輩……ってところです。あ、あと、しまりんはまだ決定してませんけど、ほぼ確実です」

 

そうなると6人か。

 

おっと、あの話をしておかないと……。

 

「大垣さん。実は、俺の妹がクリスマスに合わせてこっちへやって来る予定なんだよ。まだ何も言ってないんだけど、キャンプに誘ってもいいかな?」

 

「先輩の妹さん?」

 

「トラ先輩の妹!」

 

お、二人とも喰い付いた。

 

「ああ。クリスマスに京都から来るんだってさ。お陰で浜松までうなぎパイ買いに行く羽目になったけどさ……」

 

出先でのことを思い出す……。タイヤがパンクし綾乃に助けてもらい、新城さんとツーリング。

 

「もちろん! 大歓迎ですよ。誘ってみてください」

 

「了解」

 

後でラインしておこう。

 

「それなら、私も参加して良いかな?」

 

可児も?

 

「デイキャンプにすれば、テントやシュラフ無くても大丈夫だよね?」

 

可児中々詳しいな。キャンプ興味ないって言ってた割には。

 

「お、おお。その通りだな」

 

ほれ、大垣さんが驚いてる。

 

「かにミソ、キャンプ興味あるのか? 詳しいから驚いたよ」

 

「今の今まで興味はなかったよ。ただ、滝野先輩がキャンプ場に住んでるから、気になって少し調べてたんだよ」

 

なるほど。

 

あ。そういえば、この事野クルメンバーに黙っていたな。そろそろ追求される頃だろう……。

 

「あ! そうだトラ先輩。何故黙っていたんっすか!」

 

ほれ来た。

 

「何を?」

 

分かっていても、わざととぼける。

 

「家がキャンプ場のこと」

 

「だって、聞かれなかったから」

 

「ぐぬぬ……」

 

あっさり返すと唸りだした。何故?

 

「確かに聞かなかったのはあたしですね……」

 

「その通り。俺も言ってなかったのは悪かったと思ってるけど、理由は今言った通りだよ。他意はない」

 

聞かれなかった以上、言う必要を感じなかった。

 

野クルに入部した理由に、家がキャンプ場でキャンプに関する知識も(少しだけ)あるから、何かしら役に立てるだろうと思った、というのもあるけど、それを言って(ベテランキャンパーと)誤解されても困るから伏せていただけだ。

 

「ところで、大垣さんは何のために来たんだっけ?」

 

本来の目的を忘れているぞ、これ。

 

「そうだった。クリキャンの打ち合わせだった」

 

それだ。可児の参加も決まったところだ。

 

「これで8人だな。けっこう大所帯になりそうだぞ」

 

「ですね。それで、この件についての打ち合わせを、このあと校庭で行う予定なんですが、かにミソ、トラ先輩。良いですかね?」

 

来てくれ、ということか。

 

「了解」

 

「行きましょう!」

 

 

 

 

 

 

 

因みに、後でようやく『先輩の縦笛』の意味が分かり、無意識に赤面したのは内緒だ。

 

可児や恵那ちゃん辺りに見られていたら、今後しばらくからかいのネタにされかねん……。黙っていよう。

 

 





前書き に書いたとおり、今私は伊豆半島に居ります。

何故か、というと、偶々仕事の休みが取れたのも理由の一つですが、本作執筆にあたり 取材も大事だと思ったからです。まあ、近いから出来ることですね。(←でも、それなりに遠い)

一応、8年ぐらい前に伊豆半島を日帰りで訪れたことがあるのですが、その頃は『ゆるキャン△』という作品すら誕生していない頃ですし、もう少し色々なところを回ってみたいな。と思って伊豆キャン(※キャンプしてません)を実行中です。


と、言っておきながら酷いことを言いますが、今のところ本作で『伊豆キャン』まで書くかは未定です(汗)


でも、これだけは言っておきます。
達磨山(原作9巻95頁~)に登ってみたのですが、かなーり大変でした(汗)。リン、なでしこ。よくあんなハイペースで登って元気だったな……。
登った後、30分ぐらい足ガクガクでした(滝汗)。

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