【完結】本栖高校吹奏楽サークル   作:小林司

41 / 93

先日は本当にご面倒お掛けしました。

この件とは別ですが、一部の話にて、挿絵の差し替え・追加を行いました。
改 マークが7月8日又は7月9日付になっているお話が該当します。

前にも書いている通り、私が現地で撮影した写真をアプリで少々加工したものになります。現地を訪れたことの無い方に少しでも参考になれば幸いです。

この写真撮影の為だけに、土曜日仕事が終わってから、雨の中車を浜松まで走らせたのは内緒ですよ(←書いたら意味ない)。



 初日の出

 

目覚ましセットしてあった6時に起きる。

 

何か、懐かしい夢を見たような……。まあ、良いか。

 

外は寒いはずだから、しっかり着込む。

 

一旦ここへ戻ってきてから浜松へ向かう予定なので、最小限必要な荷物だけを持って家を出る。

 

預かっている鍵で施錠し、ガレージのビーノのもとへ。

 

\アケオメ、コトヨロ/

 

「今年もよろしく。寒かっただろう?」

 

普段は囲まれたガレージの中に止めているから、風雨をしのげるし、多少の寒暖も大丈夫(勿論、空調は無いので、ある程度)。

 

それに対し、ここはカーポートこそあれど屋外だ。風は当たるし、雨が降れば濡れるだろう。

 

まあ、エンジンの掛かりも問題ないし、大丈夫だと思う。

 

 

 

 

 

叔父さんの家を出て、国道150号線を西へ走る。

 

40分位で福田(ふくで)海岸に到着。

 

えっと、バイクはどこに停めれば良いんだろう……あ。リンちゃんのビーノが停まっている。もう来ているのか。

 

俺のビーノをリンちゃんのビーノの隣に停め、歩いて行く。

 

おお。結構来ているな。この中にリンちゃんが居るのか。

 

まあ、後で探そう。

 

しかし。普段は何もないはずの砂浜に鳥居が立っている。ちょっと不思議な雰囲気だ。

 

おっと、風向き次第で焚き火の煙が流れてくる。立つ場所に気を付けよう……。

 

 

 

 

 

日の出まで10分少々。

 

今頃、大垣(おおがき)さんと犬山(いぬやま)さんは、鳥羽(とば)先生と一緒に身延山(みのぶさん)の山頂だろう。

 

各務原(かがみはら)さんは……何処かで桜さんと一緒に日の出待ち……。

 

お。段々と明るくなって……。

 

来た。

 

日の出だ。

 

 

 

 

 

 

 

初日の出。そういえば、こうやって初日の出を見たの、初めてかもしれないな……。

 

お。ラインだ。

 

 

 

リン:あけおめ。

 

リン:【画像】

 

大垣:みんなー! あけおめー!

 

大垣:【画像】

 

 

 

 

ここからの日の出の写真と、山頂からの日の出の写真が送られてきた。

 

犬山さんからは連絡が無いが、大垣さんと一緒にいるから省くとしても、各務原さんからの連絡が未だ無い。

 

何処に居るんだろう?

 

……もしかして、まだ日の出前の場所か?

 

 

んー?

 

あんなところに(やぐら)が組まれていて、人だかりが出来ている。

 

……餅投げをやっているらしい。

 

まあ、今から参戦しても遅いだろう。拾える気がしない。

 

焚き火に当たって暖を取ってから帰ろうか。

 

あ、リンちゃんにも声を掛けていこう。でも、何処に居るんだろう……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、リンちゃんは見付からなかった……。

 

帰ろう。一旦、叔父さんの家に戻ってから、綾乃の家に向かおう。

 

そう思ってビーノのところまで戻ってくると、何やらバイクで四苦八苦しているリンちゃんを発見。

 

「リンちゃん?」

 

「えっ? あ、滝野(たきの)先輩」

 

声を掛けると俺に気付く。

 

おっと、まずは。姿勢を正し、改めまして。

 

「明けましておめでとうございます」

 

「こちらこそ、おめでとうございます。本年もよろしくお願いします……」

 

年始の挨拶、一礼。

 

「何か困ってるみたいだけど、どうしたの?」

 

「あ。実は……餅投げに参戦したら、想像以上に取れてしまって……。積むのに一苦労です」

 

なるほど餅投げか。やっているのは見えたけど、俺は参加しなかった奴だな。

 

「あ。先輩、幾つか要りますか?」

 

「貰って良いの?」

 

「むしろその方が助かります」

 

「それなら……」

 

 

 

 

 

分けて貰った餅を積み込む。

 

「リンちゃんは、このあとの予定は?」

 

「キャンプ場に戻ってゆっくりします。チェックアウトしたら、内陸回って帰る予定です。3日に祖父が来るので……」

 

なるほど。新城(しんしろ)さんが。

 

「先輩は?」

 

「俺はこれから浜松に向かうよ。綾乃と約束してるから」

 

「なでしこの幼馴染みの子ですよね?」

 

「うん。綾乃もバイク乗ってるらしいから、ツーリングの約束をね」

 

「ツーリング……。良いなぁ……」

 

声漏れてるぞ、リンちゃん。

 

「今度誘うからさ。またの機会にね」

 

「……分かりました。では、失礼します」

 

リンちゃんのビーノのエンジンが掛かり、ゆっくりと走り出す。

 

「気を付けて」

 

\マタナー/

 

\タッシャデナー/

 

……。

 

見えなくなるところまで見送った。

 

さてと。

 

「お前、あのビーノと何話してた?」

 

\ヒミツダヨ!/

 

「なんでだよ!」

 

\ツカレタ、ハヤクカエリタイッテ/

 

まあ、50CCだし……。長距離は大変だろう。

 

運転するリンちゃんはそうでもないみたいだったけど。

 

「そういうお前は大丈夫なのか?」

 

\ビワコ、イクッテイッタ/

 

勝手に……。誰が琵琶湖まで行くかよ。遠すぎる。

 

まあ良い。そろそろ出発しよう。

 

 

 

ん? 再びライン。

 

今度は……各務原さんからだ。

 

 

 

各務原:みんな! 明けましておめでとうございます!

 

各務原:【画像】

 

各務原:高下(たかおり)からのダイヤモンド富士初日の出です!

 

 

 

そうか。各務原さんは高下に行っていたのか。

 

ダイヤモンド富士初日の出は、富士山の火口から昇る日の出で、標高の分日の出も遅い。

 

だから連絡も遅かったんだ……。

 

しかし、綺麗だな。写真がこれだけ綺麗なんだから、実際に現地で見られれば最高だろう。

 

 

さて。今度こそ帰ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは。一晩お世話になりました」

 

「気を付けて」

 

「また来てくださいね」

 

「安全運転で!」

 

皆に見送られながら、叔父さんの家を出発する。

 

さっき走った道を、また同じ方向へ走る。

 

福田(ふくで)海岸の入り口を、今度はそのまま通過。西へ向かって進んで行く。

 

 

 

好き勝手に細い道とかを走っていたら、一本南側の道に入っていた。これも国道150号線らしい。

 

えっと……? この先には有料道路があるのか。

 

ビーノでも走れるよな? 自専道*1じゃないから大丈夫だな。

 

遠州大橋。えっと、……二輪車は100円。

 

 

料金所で一旦停止。

 

「お願いします」

 

係員に100円を渡す。

 

「はい。100円ですね」

 

さて、それでは発進……。

 

「ちょっと! お兄さんちょっと待って!」

 

えっ? 慌てた様子で呼び止められる。

 

「お釣! 90円」

 

「えっ? お釣ですか?」

 

「それ、原付二種でしょ? 通行料金は10円です」

 

あ! そうか。

 

「すいません。つい数日前まで普通二輪乗ってたので、つい」

 

「そういうことですか。はい、お釣と領収書です」

 

お釣90円。

 

「ありがとうございます」

 

それなら最初から10円出しておけば良かった。財布が膨らんでしまった……。

 

10円ということは、うまい棒でも通して貰えるのだろうか。

 

\ソンナワケアルカ!/

 

だよね。*2

 

 

 

 

 

国道150号線から301号線へ。こちらはかつての国道1号線の方。海沿いの浜名バイパスは一部自専道になるため、このビーノでは走れない。

 

さて、今日は元日。只今11時半。

 

コンビニバイトには盆も正月も関係無い。綾乃は今日もお仕事、ということで、今すぐ家に行っても仕方無い。

 

そもそも、当初予定では今ぐらいの時間に家を出る予定だったから、時間はたっぷり余っている。

 

……せっかくだし、少し先まで行ってみるか。

 

ここまで来れば、一つ山の向こうは、愛知県豊橋市。渥美半島もそんなに離れていない。

 

夕方に行くと言ってあるから、渥美半島一周するくらいの時間はある。

 

……もちろん、そんな無茶はしないが。

 

 

 

 

*1
自動車専用道路

*2
遠州大橋は、2019年9月28日に無料化されています。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。