本当は書くつもりのなかったお話です。
急いで書いたので、いつも以上に駄文になっていると思います。ですが、お読みいただけると有り難いです。
余談ですが、歩行者信号や車両感知式信号機の表示って、都道府県警察によって異なるらしいですね。
私の住む岐阜県は、感知式信号機には何の表示も無いです。歩行者信号は、普段は点滅してるイメージありますけど、やはり都道府県警察で異なるんでしょうか……?
「そうだ。お兄さん、今からちょっと出掛けませんか?」
バイトの終わる時間を見計らって綾乃をコンビニへ迎えに行き、一緒に家まで帰ってきた玄関先で。ふと、綾乃がそう言った。
「今から?」
空を見上げると既に辺りは暗くなり始めている。こんな時間から何処へ行こうと言うのだろう?
「
「近いの?」
「バイクで往復一時間ちょっとかなぁ……」
そんなに遠いところではなさそうだ。
「オッケー。じゃあ行こう」
今日は昼頃にここに着いてからほとんど寝ていたので、少しは出掛けた方が良いだろう。コンビニへの往復程度じゃあ動いたとはいえない。
とか言いながら、夜景が楽しみだったりする。
「分かりました。じゃあ、その荷物置いてきますね。ついでに、お父さんに声掛けてきます」
決まったら早い。綾乃が俺の持っているお菓子を取り、家へと入って行く。
「さてと」
バイクで、と言っていたから準備が必要だ。
\オイ マジカ/
許せ。
えっと……。ヘルメットは自分のを持ってくるだろう。
ガレージからビーノを引っ張りだし、スタンバイ。
「お待たせしました」
数分後、綾乃が出てきた。
ヘルメットにグローブ、ゴーグルまで着用していて準備万端だ。
「それじゃあ行くか。後ろ乗って。道案内は頼むよ」
「えっ? タンデムで行くんですか?」
タンデム……? ああ、二人乗りという意味か。
「その方が良いだろ? ガソリンの節約にもなるし、なにより綾乃が疲れてるだろうから。まあ、バイクの後ろに乗ったって疲れるけど、自分で運転するよりかマシだろ?」
「ま、まあ、そうですね。分かりました」
少し戸惑いつつも、了承してくれた。
俺が先に跨がり、綾乃が後ろへ。
「それじゃあ行くよ」
「はい」
綾乃の案内でビーノを走らせる。
辺りは暗く、前に二人で乗った時同様、何処を走っているのかイマイチ分からない。
感覚的には(勘か?)、湖からそんなに離れていないところを走っているんだと思う。
「次の信号を右折です」
信号……あれか。
「オッケー」
「歩行者信号なので気を付けてください」
あ。確かに『押ボタン式』というプレートが付いている。
「了解」
「あと、右折した先が踏切です」
「ほい」
歩行者信号ということは、待っていても変わらない。対向車が途切れたタイミングで一気に曲がる。
で、曲がった先は踏切。
左右の安全確認。良し。
国道から脇道にそれた感じだな。
「そこ、曲がります」
「了解」
細かな指示をもらいながら走る。
いつしか山道になっていた。
登坂でカーブ。後ろに綾乃が乗っているから、いつも以上に慎重な運転を心掛け……。
そうして辿り着いた場所は。
『奥浜名湖展望公園』?
目の前には木製(に見えるだけで、実際は鉄筋コンクリートかな?)の展望台が
ビーノを停め、エンジンを切る。
\サムイ!/
「お兄さん。展望台登りますよ」
綾乃に誘われ、階段を登って行く。
「そういえば、お兄さんのバイク。後ろのボックス、変な形してますよね」
リアのボックスのことか。
「ああ、あれ特注品らしいよ。俺がトランペットを持ち運ぶから、作ってもらったらしい」
「特注品! それは凄いですね。……って、トランペット?」
「言ってなかったか? 俺、吹奏楽サークルに所属しててトランペット吹いてるって」
「あ~。何か聞いたことある気がします」
そんな話をしながら、階段を登り終える。
「おお!」
眼下に広がるのは浜名湖周辺の夜景だ。
「なでしこがここから見る浜名湖が大好きで、よく来てたんですよ。まあ、あたしは疲れるからあんまり来なかったけど」
「
「その通りです」
「各務原さんらしいなぁ……」
苦笑い。
まさか、とは言ったが、彼女の体力を知っているから大して驚かない。
「あの辺が弁天島ですね。あっち、明るい所は浜松駅です」
綾乃が指差しながら、場所を説明してくれる。
「あれは浜名湖サービスエリアかな?」
「よく分かりましたね」
湖に掛かる橋、交通量が多いからあれは東名高速道路だろう。その脇にあるから、だろうと思った。
「あたし、なでしこが山梨でキャンプ始めたって聞いた時、本当は『こんな寒い時期にキャンプって、何やってんだよ?』って思っていたんですね」
黙って景色を眺めていたら、綾乃が不意に口を開く。
寒い時期にキャンプ。確かに、それをする人は限られる。でなければ『オフシーズン』にならない。
「しかも、最初はお正月はこっちに遊びに来るって言ってたのに、短期バイトで来れなくなったって聞いて……」
今頃大忙しだろう。休み無しって言っていたから。
「だから、お兄さんがこっちに来るって聞いた時、めちゃくちゃ嬉しかったんですよね」
これ、前同様『俺から聞ける各務原さんの話』を期待しているのだろうか……?
「お兄さん、冬のキャンプって何が良いんですか?」
「冬キャンか……。良いところは色々あると思うよ」
『人が少ない』『虫がいない』『冬しか見れない景色が見れる』等々……。
「なるほど。逆に、悪いところってありますか?」
「勿論あるよ。むしろ、こっちの方が多いかな」
『人が少なく、何か起きたときが大変』『冬季閉鎖で利用可能施設が少ない』『凍結対策で水道やトイレが遠くなる』『寒い』『防寒対策で荷物が多くなる』等々……。
「そのリスクを背負ってまでキャンプするんですよね……。やっぱりよく分からないや」
「それをどう思うかは、人それぞれだからなぁ……」
『冬のソロキャン好き女子高生』っていうと、リンちゃんぐらいしか思い当たらないが、『冬のソロキャン好き』な人なら、うちのキャンプ場でも時々見掛ける。
ソロを楽しむ人。それぞれにそれぞれ理由があるんだろう。
「綾乃もキャンプしてみれば、何か分かるんじゃないか?」
そう、問い掛けてみるも、返事は来なかった。
「寒くなってきましたし、そろそろ帰りましょうか」
「了解」
ここに居た時間は20分程度だけど、段々寒くなってきた……。
でも、来て良かったなぁ。
「早く帰ってお風呂に入りましょう!」
「順番だぞ?」
「え~。一緒に入りましょうよ~」
「駄目に決まってるだろ! それより、お風呂の準備出来てるか、確認しとかなくて大丈夫か?」
「……もしもしお父さん? お兄さんと一緒にお風呂入って良いかな?」
「こらっ!」