お待たせしております。初の挿入投稿になります。
お話は 年末のお話 ですので、時間軸が少し遡っています。
○印が付いていますが、視点は誰のものか。最後に判明しますのでお楽しみに……。
どうも。お初にお目にかかります。
僕は、酒の川本でアルバイトをしている大学生です。
僕はご覧の通り背が低いし力も弱いので、酒樽や瓶ビールのケースを持つことが苦手で、専らレジに座っています。自分で言うのも変な話ですが、看板娘ならぬ
今は年末、書き入れ時です。とはいえ、そこまでお客様は多くありません。
「瓶ビール、大瓶1ケースですね!」
そんな店内に、元気な女の子の声が響きます。
彼女は、
「いらっしゃいませ!」
そして、こちらは
普段からアルバイトとして働いている大垣さんが、年末年始の短期アルバイトとして連れてきたのが
同じ
「はい。お待たせしました」
そう返事をして、お客様に頼まれた大瓶ケースを、軽々と持ち上げて台車へ載せました。あれ、25㎏はあるはずです……。*1
「お姉さん、力持ちだねぇ!」
「はい! 体力には自信がありますので!」
「じゃあ、大瓶もう1ケース買っちゃおう! 車への積込も頼めるかな?」
「承知しました。お任せください!」
あらま。瓶ビール1ケースだけ買う予定だったらしいお客様が、彼女の力に惚れて(?)、追加でもう1ケース買っていくよ……。
「レジお願いします!」
「はい」
お客様がお会計を済ませると、そのまま台車を押して店を出て行きます。車への積み込みも依頼されているからでしょう。
「ありがとうございました~」
彼女に続いて店を出て行くお客様を見送ります。
数分後、
「いらっしゃいませ~」
大垣さんが元気良く返事をし、そっちの方を振り向きます。
「あ、どうもっす!」
知り合いらしいですね。
「千明ちゃん、頑張ってるわね~」
「なでしこが迷惑かけてない?」
「大丈夫っすよ! 頼もしい助っ人っすよ!」
「もー、お姉ちゃんったら~!」
話を聞いている感じだと、今のお客様は
「それで、お母さんは何を買っていくの?」
「そうねぇ。別に欲しいものはないんだけど、なでしこに捕まったからね」
そういうことでしたか。
「なら、私の酎ハイとお父さんのビール、お母さんの日本酒で良いんじゃない?」
そして、数分後レジを通過して退店して行きます。
「ありがとうございました~!」
その際、
昨年*2、酒税法改正で一部の酒類が値上げとなっしまい、買い控えがあったらしく、少し売り上げが落ちているらしいです。店長と副店長が話しているのを聞いてしまいましたし、レジに立っていてもそれは感じていました。
なのに、
今はどちらかといえばお客様の少ない時間帯です。
しかし、ピークが訪れると大忙しです。レジには列が出来、店長がヘルプでレジに入り、店長がスキャン、僕がお会計をしてお客様を捌いたりもします。
えっ? もっと早く言えって?
……失礼しました。
別に、いつでも暇なわけではないのですよ。
「いらっしゃいませ! あ、先生!」
自動ドアが開き、入ってきたお客様に大垣さんが声を掛けました。
先生? ……ああ。『
「あら、大垣さん。お仕事ご苦労様です」
しかしぐび姉様。前から有名人だったけれど、まさか高校教諭だとは……。人は見かけによらないと言いますが、その通りだと思いました。
「あ、鳥羽先生! いらっしゃいませ~!」
「
しかも、それがすぐそこの本栖高校とは思いませんでしたよ。世の中狭いです。
「なでしこ。先生、いつもの奴はそれだ」
「あ、
「分かりました!」
その後、ぐび姉様はいつものより少し高いビールを一ケースと、日本酒を数本お買い上げ頂きました。
「「ありがとうございました!」」
「それではお二人とも、お仕事頑張ってください」
「「はい!」」
時間は流れ、退勤の時間となりました。
「お疲れ様でした」
「おお。明日もよろしく」
「はい」
店長に声を掛け、タイムカードを打ち、着替えて帰ります。
僕は普段から車で通勤していますから、退勤時間が同じ日は、大垣さんを彼女の住むマンションへ送っていきます。時々
車の運転席で、皆さんが来るのを待っていると、助手席の扉が開きました。
「お疲れ様です~」
それが当たり前。そう言わんばかりの感覚で、扉を開けて乗り込んできたのは犬山さんでした。
あ、別に嫌ではありませんよ。こういうの。
「お仕事お疲れ様です犬山さん。……他のお二人は?」
「
「そうですか。それでしたら、出発しましょうか」
「はい。お願いします」
そういえば、今日は何も言っていきませんでしたね。
というのも、先程、毎日当たり前のように送迎しているみたいに言いましたが、実は大垣さんから『帰り、お願いします』や『頼んます!』って言われているんですね。
送るのが当たり前すぎて気付きませんでしたが、今日は言われてませんでした。
波高島駅近く、犬山さんのお宅に到着です。
「それでは、ありがとうございました」
「いえ。お疲れ様でした」
犬山さんを降ろし、僕はそのまま帰路へ向かいます。
10分程車を走らせると家に到着します。そうです、僕は実家暮らしなのです。
「ただいま」
玄関を潜ります。
「レン兄お疲れ~!」
「ミク、ただいま」
可愛い妹が迎えてくれます。まあ、時々怖い子ですが。
「ルカ姉から電話あったよ」
「うん? 何て言ってましたか?」
「明後日こっち来るって」
明後日……。大晦日ですね。
確か、年末年始はアルバイトがあるって言ってましたから、あまり長くは滞在できないでしょう。
でも、僕もルカ姉に会うのが楽しみですね。
おっと。申し遅れました。
僕の名は、可児 レンと申します。妹が(たぶん)お世話になってます。
可児家の人々
可児 ルカ……長女(長子) 大学生(四年生) 愛知県の大学に通っていて、一人暮らし
※流花は本人による当て字
可児 レン……長男 大学生(学年不詳) 桜と同じ大学、実家暮らし
可児 ミク……次女(末子) 本栖高校一年生 吹奏楽サークル所属
と、言うわけで、ミクの兄に登場していただきました。こういう場合、オリキャラがいると便利です。